自然科学
【生物班】サイエンスキャッスルアジア大会(マレーシア)に出場
中高生のための学会「サイエンスキャッスルアジア大会」で國武明日香さんが研究発表をおこないました。内容は「高価な設備を必要としない無菌培養技術の開発」です。従来であればオートクレーブやクリーンベンチが必要な無菌培養を、設備のない小学校でもサギソウなどの地域の絶滅危惧種の増殖を可能とする無菌培養技術の改良について英語で発表しました。
この研究は3月に大阪で開催された「サイエンスキャッスルジャパン」で、主催者よりアジアの国々での理科教育や農業分野での活用が期待できると評価していただき、推薦(日本から3名)によりアジア大会に出場しましました。
以下は、アジア大会で発表した。國武さんの感想です。
「 サイエンスキャッスルアジア(マレーシア大会)には、マレーシアを始め、フィリピンやインドネシアなどさまざまな国の学生が参加していました。
1日目には口頭発表を聞き、自由に名刺交換をしました。彼らが話す英語は速く、会話のなかで何度も聞き返したりしながらも、なんとかコミュニケーションをとることができました。英会話には文法の勉強とはまた違う能力と、慣れが必要であると実感しました。
2日目も口頭発表を聞いた後、ポスター発表がありました。私も発表しましたが、とても緊張しました。発表では、ちゃんと話すことができていたか分かりませんが、質疑応答ではそこまで難しいことは聞かれず、審査員もそれほど多くは来なかったので、落ち着いて受け答えをすることができました。
アジア大会は全体を通して、とても楽しい雰囲気でした。口頭発表ではこちらを盛り上げるような呼びかけが多く聞く人たちも声を出して盛り上がっていて、日本とのギャップを感じました。
口頭発表の質疑の内容も、データや方法についてよりも、その研究の画期的な点はどこか、今後に期待されることは何かと言ったものが多かったように思われます。研究を行う学生を応援しようという気持ちが感じられ、とても楽しかったです。
海外での発表経験は、今後の大きな糧になると思います。この経験を活かし、これからもさまざまな場所で私たちの研究を広めたいです。 」
龍野高校生による播磨地方の絶滅危惧種の保全活動が、生物多様性のホットスポットである東南アジア地域の高校生の活動へと広がることを期待したいと思います。
【参考】サイエンスキャッスルアジア https://castle.lne.st/schedule/scasia2025/
someone vol.72 2025 秋号 p.13 https://lne.st/project/publishing/someone/
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注 次年度の予告 |
表彰式 |
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英語で研究発表 |
【生物班】アジア大会出場を前にたつの市長表敬訪問・激励会
サイエンスキャッスル アジア大会に出場する國武明日香さんが、たつの市長を表敬訪問し、激励会をしていただきました。サイエンスキャッスルアジア大会は、主にマレーシア、フィリピン、インドネシア、ベトナムなどの生徒が参加する学会です。國武さんは、3月に開催されたサイエンスキャッスル ジャパンにおいて「グローバルパスポート」を獲得しました。主催者推薦により日本から出場する3名のうちの1人として、マレーシアで開催されるアジア大会にて研究発表をおこないます。
激励会には、山本市長の他、田中副市長、古本市民生活部長にもご参加いただきました。市長から激励の言葉をいただいたのち、参加者から研究内容に関するさまざまな質問をいただきました。
激励会のあとには、神戸新聞社の取材も受けました。
國武さんの研究内容「簡単無菌培養技術の開発」が、このアジア大会をきっかけに、他の国でも絶滅危惧種の保全・増殖などに活用され、共同研究などにつながっていくことを期待したいと思います。
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市長・副市長に研究内容の説明 |
神戸新聞社より取材をうけました |
【生物班・課題研究ヌマエビ班】「ひょうご里山・里海国際フォーラム」で発表しました
令和7年9月28日(日)、兵庫県立兵庫津ミュージアムで開催された「ひょうご里山・里海国際フォーラム」において、本校自然科学部生物班と課題研究ヌマエビ班の生徒がポスター発表を行いました。
最優秀賞は逃しましたが生物班の「簡単無菌培養技術開発チーム」が優秀賞を受賞しました。
「ひょうご里山・里海国際フォーラム」は、関西万博の「地球の未来と生物多様性」テーマウィークに連動して開催された国際イベントです。本フォーラムは、里山・里海の重要性やその保全・再生に向けた取り組みを国内外に発信することを目的としています。
高校生によるポスターセッションは、県内の高校から19チームが参加しました。龍野高校からは、生物班(生物多様性の保全に関して3チーム)、課題研究ヌマエビ班が参加し、他校の高校生やフォーラム聴講者、研究者に対してポスターを使用して研究発表しました。
国際フォーラムということで、英文の原稿も準備していた生徒たちですが、多くが日本人の聴衆ですこし残念な一方でほっとしたのではないでしょうか。ぜひ、英語でもコミュニケーションができるようにしっかりと日ごろの学習にも励んでほしいと思います。機会があれば英語での研究発表に挑戦したいと思います。
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「生物多様性龍高プラン」 生物班 |
「簡易防獣柵の効果の検証」 生物班 |
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「簡単無菌培養技術の開発」 生物班 |
「ミナミヌマエビの生態に関する研究」課題研究 |
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表彰式 |
参加者 |
【生物班】龍野西中学でヒシモドキの生息域外保全を開始
「第2回中学生にもできる課題研究チャレンジ」で生物班と活動している中学生3名のうち2名が龍野西中学生徒ということもあり、龍野西中学校区に生育する絶滅危惧種ヒシモドキの生息域外保全を西中学で行うことにした。
ヒシモドキはため池などに生育する1年生の水草であるが、国内の生育地は10か所程度。兵庫県も揖西町にしか自生していない希少植物である。
はじめに龍野高校生物実験室で、これまで何度も絶滅の危機を乗り越えてきた経緯や、地元住民や龍野高校の保全活動、研究内容と成果について学んだ。
その後、龍野高校スイレン池で生息域外保全をしているヒシモドキを西中学に移植した。ヒシモドキは1年草なので、寒くなると枯れてしまう。しかし、すでに多くの果実(種子)をつくっていた。
4月には発芽して、龍野西中学でもヒシモドキがすくすく育ってくれることと思う。
また、校区内にある絶滅危惧種オニバスの種子をまいた。発芽率が大変低い植物なので発芽するかどうかは不明だが、裂果していない未熟種子なので発芽率が良いことを期待している。
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龍野高校実験室でヒシモドキについて学習 |
龍野高校での生息域外保全 |
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龍野高校でヒシモドキの抜き取り |
龍野西中学ビオトープでの移植作業 |
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ヒシモドキの果実 流出防止の突起が発達 |
移植されたヒシモドキ |
【生物班】サギソウ保全地での調査
生物班は、地元自治会の理解と協力のもと、たつの市内のサギソウ群落の保全活動をおこなっています。冬季の草刈りや開花期の人工授粉などによってサギソウの個体数は増加していますが、今夏はその効果を数値化するために調査を行いました。
観察道下の湿地周辺部のサギソウに対して、例年人工交配をおこなっており、人工交配をした場合しなかった花に対して結実率が高いことが昨年までの調査からわかっています。さらに、実際に開花個体の増加についても数値化するのが今回の目的です。
開花期の最盛期をすでに過ぎていましたが、人工交配を行った湿地の周辺50㎝の開花数は、湿地内側よりも多いことがわかりました。また、大型草本のカモノハシを刈り取らない場合は、サギソウだけでなく他の小型草本も激減することが分かりました。
湿地の周辺部には完全寄生植物のナンバンギセルなど秋の花が咲いていました。ススキやササに寄生しているようでした。
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サギソウの人工交配 |
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木道下のようす |
木道下 湿地に入らないで |
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手前から50㎝×100㎝で区画調査 |
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ナンバンギセル |
トウカイコモウセンゴケ |
【自然科学部】Chemical-Energy-Car Competition 2025に出場しました
8月31日(日)に、Chemical-Energy-Car Competition 2025が開催されました。
これは日本化学会が主催する大会で、大学部門と高校部門があります。一定のルールの基で化学反応で駆動する小さな模型車を制作し、直前に指示された量の水を積み、直前に決められる目標距離までの走行距離の精度を競います。
自然科学部は、化学班を中心に物理班や生物班にも協力してもらって準備を進めてきました。
駆動原理はダニエル電池、停止原理は過酸化水素の分解による酸素の発生を利用して風船を膨らませ、銅線を切るというアイデアを出し、作製してきました。
車を動かすだけの電圧・電流を出すことが難しく、当日は残念ながら車を動かすことができませんでした。しかし、試行錯誤して必死に取り組んだ経験は今後に生きてくると思います。
【生物班】令和7年度SSH生徒研究発表会に見学にいきました
8月6日・7日に神戸国際展示場で開催されているSSH生徒研究発表会に見学に行きました。例年、龍野高校からは総合自然科学科課題研究班の最優秀チームが龍野高校を代表して発表会に参加しています。今年は「『国産ヒノキの香りの追求』~タイワンヒノキとの比較~」で発表をおこないました。斎藤兵庫県知事にも研究の成果を聞いていただきました。
生物班の生徒たちは1年生のみだったのですが、生物分野の発表を中心にポスター発表を見学しました。理解困難なレベルの高い研究発表も多くありましたが、質問すれば生徒の知識レベルの応じて丁寧に説明してくれました。
特に大阪府立園芸高等学校の「イナワラのダイレクトアルコール発酵によるバイオエタノール生産技術の開発」発表は、直接生物班がとりくむ生物多様性の保全活動に無関係に思いましたが、サギソウ共生菌を活用した自生地の保全活動に多くのヒントを与えてくれました。
兵庫県に全国の高校生があつまり、いろいろな研究テーマで実験方法や結果を公開してくれることは、兵庫県だけでなく近隣の府県の科学研究にとりくむ高校生にとって大変有益な機会であり、ありがたいことだと思います。
見学にきた1年生4人のうち3名は総合自然科学科に所属しており、2年後の発表会では発表者として参加してほしいと思います。
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ポスター発表会場 |
龍野高校発表ブースに知事がきてくれました |
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先輩と記念撮影 |
審査結果の発表と講評 |
【生物班】生息域外保全野外実験場での除草活動
太子町総合公園で太子町まちづくり課の理解と協力のもと、生物多様性に関する野外実験を行っています。
公園内の柳池では、兵庫県ではたつの市に1か所しか自生していないヒシモドキの生息域外保全を行っています。ヒシモドキは普通種のヒシとよく似た環境に生育し、葉の形も似ています。ヒシの葉が輪生するのに対してヒシモドキは対生するので見分けるのは簡単です。ヒシは繁殖力が非常に強く、放置しておくとヒシモドキの生息空間がなくなってしまうので、例年夏季にヒシの除草を行っています。その効果もあり、毎年ヒシモドキの生育面積も拡大し、開放花も咲いています。
体験館前の空き地では、課題研究瀬戸内まちかど花壇班と自然科学部生物班が野外実験をしています。
実験目的は、自然降雨のみでも花壇の維持ができる植物の選定と簡易防獣柵の効果の検証です。
ロシアンブルーセージやキャットミント カラドンナ、バーベナだけでなく、湿地のセージであるホッグセージも乾燥や強光に耐えて開花していました。
絶滅危惧種では、キスゲが開花結実し、簡易防獣柵で囲ったオミナエシも開花していました。オミナエシは昨年はシカにかじられて、開花できませんでしたが、簡易防獣柵により根生葉が守られると一部の花茎は齧られても側芽から開花するなど、保全効果があることが分かりました。
ハーブ類の植栽のためか、昨年よりもシカの食害が減少しているように感じました。
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ヒシが優占種となる柳池 |
ヒシモドキ周辺のヒシを駆除 |
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ヒシモドキの開放花 水深50㎝以上で開花することが多い |
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ロシアンブルーセージ |
キャットミント カラドンナ |
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オミナエシ 食害・貧栄養・水不足のためか草丈は低い |
エノコログサなど、種子散布まえに除草 |
【生物班】サギソウ保全地で植生調査
7月27日に地元自治会と龍野高校で保全活動を行っていいるサギソウ群落保全地で植生調査を行いました。
今回の植生調査の目的は、カモノハシやススキなど大型草本を駆除した場合、サギソウやモウセンゴケ、ミミカキグサ類など小型草本がどれくらい生育可能になるのか調べることです。
調査の結果、カモノハシが優占的に生育すると日照条件が悪化するだけでなく、土壌が乾燥化しやすいようです。このことも遷移が進行する要因だと思いました。
これからのサギソウ開花期にそなえて、見学者のために湿地に向かう通路のササなどの刈り取りもおこないました。
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植生の構成種を覚える |
カモノハシ群落 |
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処理区 イヌノハナヒゲ類が優占する |
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食虫植物 ホザキノミミカキグサ |
トウカイコモウセンゴケとミミカキグサ |
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除草前 |
除草後
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【化学班】先輩と一緒に研究を行いました
7月23日、昨年度卒業した元化学班の先輩に部活動に来ていただきました。
現在化学班では、先輩が行っていた研究を引き継ぎ、フェノールフタレイン溶液を凍らせると赤色から無色に変化する謎を解明しています。
今日は、以前先輩が行っていた研究について聞いたり、現在行っている研究について話をしたりしていく中で、新たな疑問が生じ、それを検証するための実験を一緒に行いました。
ともに実験・考察をする中で、実験の方法や考え方を学ぶことができました。
【自然科学部】 桜山公園まつり 科学の屋台村に出展
姫路科学館で開催された、「科学の屋台村」に出展しました。
2日間、多くの子どもたちの笑顔と驚きの表情に出会うことができました。
親子連れのなかには龍野高校卒業生もいて「龍野高校から多く出展していてうれしく思います。」と声をかけていただきました。
子どもたちの中には5年後、10年後には生徒指導員をやる子どももいるはずです。20年後には先生として生徒をつれて出展している、未来の先生もいると思います。そのとき今指導員をしている生徒が親となり、子どもを連れて来場してほしいと思います。
自然や科学について、子どもたちが驚きや感動を体験できる科学イベントがいつまでも続くように、科学館だけでなく高校生・教員もがんばりたいと思います。
今回は龍野高校の有志ボランティアの協力もあり大変助かりました。疲れましたが、充実した時間を過ごせました。
7月31日(木)は龍野高校で「わくわく実験教室」を開催します。よかったら来てね♡
科学の屋台村出展内容
「牛乳で光が見える!? 水溶液の色が変わる!? おもしろマジック!」自然科学部化学班
「さわって分かる 兵庫の化石と地質」 自然科学部地学班
「不思議な世界 食虫植物」自然科学部生物班
「押花工房 おし花でしおりをつくろう」自然科学部生物班
「絶滅の危機にある生きものたち」自然科学部生物班
【参考】姫路科学館 「科学の屋台村」https://www.city.himeji.lg.jp/atom/tokuten/yatai/index.html
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「おもしろマジック!」化学班 |
「ひょうごの化石と地質」地学班
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「不思議な世界 食虫植物」生物班 |
「押花工房」生物班
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生物班と龍高サイエンスボランティア
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【生物班】校内で、絶滅危惧種の生息域外保全
龍野高校の敷地内のさまざまな環境を活用して、主に播磨地方の絶滅危惧植物の生息域外保全を行っています。
県内ではたつの市のため池1か所にしか自生していないヒシモドキも水連池で栽培すると毎年開花しています。自生地のため池などもそうですが、水深が50㎝以上になると開花しやすくなるようです。水深が浅い時は、根から栄養塩類が吸収しやすく、栄養生殖によりふえます。しかし水深が深くなり養分が吸収しにくくなると、開放花を咲かせ栄養条件の悪い場所から花粉によりDNAを移動させる仕組みではないかと考えられます。
フウランは市内の神社のクスノキに着生していましたが、落雷によりクスノキが枯れてしましました。神主さんの好意でわけてもらった株を校内里山内のアラカシに着生させています。
ムラサキはたつの市内の里山に自生していた株から採種し、累代栽培しています。自生地では、シカの食害が酷くなり、周辺に生育していたヤブレガサなどとともに消滅しました。多年草ですが、3年目に枯れることが多いので、実生を繰り返す必要があります。
アサザはメダカブームと同時にホームセンターなどでも販売され、現存する自生地は移入株である可能性があります。近年(ここ20年内)に発見された自生地は特にその可能性が高いと思います。
ユウスゲは海岸のがけ地や林縁部に生育するヘメロカリスの仲間です。ユリに似た美しい花が咲くのですが、夕刻から咲くのが残念です。自生地はシカの食害をうけることが多いようです。
オオアカウキクサ(但馬型)は、高温期に枯れることが多いのですが、湧水のある水路で栽培維持しています。よくみかけるオオアカウキクサは外来種(交雑種)で高水温にも丈夫です。外来オオアカウキクサは合鴨農法と同時に国内に広く分布するようになり、移入問題や遺伝子汚染の可能性が高まっています。
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ヒシモドキ |
フウラン |
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ムラサキ |
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ユウスゲ |
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【生物班】サイエンスキャッスルジャパン2025で「グローバルパスポート」を獲得
関西大学で開催されたサイエンスキャッスルジャパン2025で、自然科学部生物班が主催者より独別なオファーを受けました。その内容は、フィリピンで開催されるサイエンスキャッスルでの発表の機会「グローバルパスポート」の授与です。
龍野高校自然科学部・課題研究生物多様性班では、高校生による地域の生きものと自然環境の保全をテーマに活動しています。その成果の一つが、サギソウなど地域の絶滅危惧植物を、オートクレーブやクリーンベンチなど高価な設備をつかわず、チャック付きミニポリ袋で培養する技術の開発です。この研究の目的は、小学校など設備のない学校でも地域の絶滅危惧種を教材としてバイオテクノロジーを活用した環境教育を可能にすることです。
フィリピンの高校では、実験観察の予算が不十分なとき教員が自費で生徒実験をおこなっているそうです。そのため、高価な設備を必要としない簡単なバイオテクノロジーの実験手法はフィリピンの高校教員にも貢献できると判断していただきました。
龍野高校で研究開発した成果が世界へ発信できることを大変うれしく思います。
【参考】サイエンス冊子『someone vol.71(2025年夏号)生き物たちのマイホーム』
p.30「特別企画:Dr Mからの特別なオファー」 発行リバネス
【生物班】第10回全国ユース環境活動発表大会 近畿地方大会の動画が公開されました
第10回全国ユース環境活動発表大会近畿地方大会(2024年12月1日開催)の発表動画が公開されています。
発表の内容は、龍野高校生による地域の生きものと自然環境の保全活動「生物多様龍高プラン」です。発表順は1番で動画の3分~13分あたりです。下記のURLから近畿地方大会のHPにつながるので、ぜひご覧ください。
https://www.erca.go.jp/jfge/youth/topics/20250210/05_kinki.html
なお、龍野高校自然科学部生物班は今大会において「先生が選ぶ特別賞」を授賞しました。
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【自然科学部】福泊人工海浜植生調査に参加
例年地域の自然科学系クラブの研修と交流をかねて開催している、姫路市福泊にある人工海浜植生調査に参加しました。
人工的につくられた海浜にどのように植生が遷移していくのかを調査すると共に、地域の高校生が区画法を用いた植生調査方法について学び、交流しています。
今年は、龍野高校の他、県立大附属、相生、姫路西、賢明が参加しました。千種、淳心からは顧問のみでしたが参加がありました。その他兵庫県生物学会の会員も調査に加わり高校生の指導にあたっていただきました。
海浜植物としては、ハマヒルガオ、ハマボウフウ、ハマゴウなどの分布拡大と共に、大きな株も増えてきました。
天気は良かったのですが、風が吹いていたので比較的涼しい環境で調査ができました。
調査後は、各学校の部活動の取り組みなどを紹介しました。
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区画法による植生調査 |
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ハマヒルガオ |
ハマボウフウ |
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コウボウムギ |
各校の部活動の取り組みを紹介 |
【生物班/課題研究生物多様性班】千種川産オキナグサの現存数調査
兵庫県レッドデータブック2020では、オキナグサは野生絶滅寸前のAランクに指定されている絶滅危惧植物です。
草原に生育する多年生草本ですが、昔は牛馬の飼料や屋根の資材をえるためにあった茅場(ススキ草原)などが消失し、オキナグサなど草原性の植物の多くが絶滅に直面しています。
千種川流域にもかつては大群落があったそうですが、現在野生絶滅寸前です。昨年、千種川に隣接する赤穂市立有年中学にオキナグサが残存していることをしりました。以前有年中の職員が校内に一株のオキナグサが生育していることに気付き、その株から種子を採集して増殖していたそうです。現在は、自然繁殖した株が中庭に生育しています。
今回は、どれくらいの数のオキナグサが残されているのかを知るために、自然科学部生物班と課題研究生物多様性班の生徒が協力して調査を行いました。
結果は、昨年の種子から発芽成長したと思われる1年生株が45株、2年生株が40株、3年生株が30株、開花株が20株程度確認することができました。個体数全体では100株を超えますが、開花株はあまり多くありませんでした。
一部の種子は採種して苗を生産し、千種川産オキナグサの生息域外保全に利用したいと考えています。
すでに、有年中学生のみなさんにはオキナグサの資料を配布させていただいています。地域の宝物を守り続けるために、龍野高校生も協力したいと思います。
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オキナグサの花 |
オキナグサ(翁草)の名の由来の果穂 |
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全個体数調査 |
全個体数調査 |
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採種予定の果穂に袋がけ |
参加した生物班・課題研究班の生徒 |
【自然科学部】「第1回ひょうご科学塾」に出展しました
4月13日にアクリエ姫路で開催された、「第1回ひょうご科学塾」に自然科学部が出展しました。
この科学イベントは兵庫県主催で理系人材の確保や育成を推進することを目的としています。主に県立大学や企業が中心に出展する、小中学生を対象とした科学イベントです。自然科学部も兵庫県立大学工学部の先生から誘われて出展しました。
例年、県立大工学部での「科学の祭典」や姫路科学館での「科学の屋台村」などには出展してきました。しかし今回は「第1回」の科学イベントであり、新年度そうそうの開催ということもあり十分な準備期間がとれませんでした。
朝は雨が強く降る天候で、来場者が少ないのではないかと心配したのですが、午後からは雨も小降りとなり、大勢の家族が訪れてくれました。自然科学部からは、網膜残像を利用した「イリュージョンサイエンスマジック」と「押花工房」を出展し、多くの子どもたちやお父さん・お母さんたちに参加していただきました。16:00の閉会前はへとへとになるくらいの盛況でした。
県立大学工学部の研究室の出展には、自然科学部の卒部生も参加しており大学でも頑張っているようすがうかがえました。
今年度初の科学イベントでしたが、多くの笑顔に出会えて充実した一日でした。
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自然科学部の参加者 |
龍野高校の卒業生も家族で来場 |
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押花工房 押し花でしおりをつくろう |
サイエンスマジック(網膜残像を体験) |
【生物班】ホソバナコバイモの保全
ホソバナコバイモは西日本の限られた場所に生育する多年生草本です。早春に開花、落葉樹が展葉することには結実し、長い休眠期にはいります。カタクリのような早春植物(スプリングエフェメラル)の一種です。生育期間が短く、未開花株は1枚葉で開花まで5年以上かかります。
兵庫県の生育地は分布の東限で国内で重要な自生地といえます。生育地内にササやモウソウチクが侵入しており早春の日光が必要なコバイモの生育環境を守るために伐採します。生育地内のササは休眠期に伐採除去していたので今回は周辺部のモウソウチクを伐採し、枝を落とし柵の修理をする竹杭などをつくりました。
イノシシやシカの侵入を少しでも防止できるように4月には柵を修繕し、自生地内の個体数増加をめざして、日当たりのよい場所に播種を試みたいと思います。
なお、私有地のため立ち入りや作業については土地所有者の許可のもと活動しています。
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ホソバナコバイモ(開花株)草丈10㎝ |
一枚葉の未開花株 |
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進入するモウソウチク |
竹杭の製作 |
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ユキワリイチゲ |
オオマルバコンロンソウ Bランク |
【生物班】サギソウ自生地での枯葉の除去
サギソウの発芽期を前に、自生地で事前に草刈り機で刈り取っておいた枯葉を除去しました。
サギソウの葉は高さが10㎝程度と低く、近くに大型草本のカモノハシなどが生育していると個体数が減少し、開花数も少なくなります。地表に日光があたるようにすることで、サギソウだけでなく地表植物のモウセンゴケやミミカキグサなどの食虫植物も生育が良くなります。
その後、トウカイコモウセンゴケ群落で、被う落ち葉を取り除きました。落ち葉は冬季には霜から植物を守ってくれますが、生育期に入ると日光をさえぎり生育が悪化したり、発芽・成長が悪くなります。
余った時間は周辺の自然観察を行いました。イノシシの個体密度が高いのか、体表につくダニを駆除するための「ぬたば」が多くみられました。湿生植物群落にとっては過度な攪乱がおこると植生が破壊されます。しかしアカガエル類にとってはよい産卵場となっていいるようで、孵化直前の尾芽胚期の卵塊も観察できました。
ため池の堤体やその付近は野焼きがされており枯葉がきれいになくなっていました。このように地表面に日光があたることで、タヌキマメやツリガネニンジン、ワレモコウなどの草原植生が維持されます。
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生物班 参加者 |
刈り取った草を湿地内から除去 |
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イノシシの泥浴び場「ぬたば」 |
孵化直前のアカガエル類の卵塊 |
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トウカイコモウセンゴケの日照を回復 |
葉の痛みがあるトウカイコモウセンゴケ
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【生物班】サイエンスキャッスル ジャパンに2025に参加しました
3月22日関西大学千里山キャンパスで開催された「サイエンスキャッスルジャパン2025」に参加しました。
全国大会ですが、海外からもフィリピンの高校生や先生約30名が参加しました。
生物班からは2つの研究テーマ「簡易防獣柵の効果についての検証」と「高価な設備をつかわない無菌培養実験の開発」でエントリーし、口頭発表の12演題には選ばれませんでしたが、ともにポスター発表80演題に選ばれました。
全国大会では、SSH指定校だけでなく個人で大学に通いながら研究をおこなっている生徒の参加も多く、内容的に卒論をこえた成果をあげている研究テーマもあります。龍野高校の研究にも活用できそうな「マミズクラゲのライフスタイル」などのテーマもありました。
表彰式では、ポスター発表では12演題が入賞できますが、残念ながらここで私たちの研究が紹介されることはありませんでした。予選通過団体に与えらる奨励賞どまりと思われました。
しかし表彰式の最後に「無菌培養実験」の発表番号がコールされました。サイエンスキャッスルは国内だけでなくアジアでも開催されています。マレーシア大会にサンゴの研究をおこなっている学校が、フィリピン大会では龍野高校の「高価な設備をつかわない無菌培養技術の開発」が大会主催者の推薦により出場権を獲得しました。
今回フィリピンから参加された先生方は、限られた教育資源でも工夫することでより良い教育を提供できるように日頃から努力されてます。「高価な設備をつかわない無菌培養技術の開発」は、十分な実験設備のないフィリピンの教育現場にも貢献できると評価していただきました。
グローバルな観点から、私たちの研究がどのように世界貢献できるのか再検討し、実験内容を組み立て直し海外の発表に向けて準備したいと思います。
【参考】サイエンスキャッスルジャパンHP https://s-castle.com/schedule/japan2025/
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開会式 |
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「高価な設備を必要としない無菌培養技術の開発」 |
「簡易防獣柵の効果についての検証」 |
【生物班】西播磨地域ビジョンフォーラムに参加
3月1日に西播磨総合庁舎で開催された西播磨地域ビジョンフォーラムに自然科学部生物班が参加した。
このフォーラムは、各学校や団体による地域づくり活動実践報告会をかねている。
生物班では、地域の自然環境やいきもの保全活動「生物多様性龍高プラン」について、今年重点的に取り組んでいる簡易防獣柵による絶滅危惧植物の保全方法など模型やポスターをつかい発表を行った。
ポスター発表の後、参加団体が6つグループにわかれて、「地域の強みを活かした賑わいと活力のあるまち、住み続けたい選んでもらえる西播磨 ~連携の輪を広げる、つながりから新たな可能性を~」をテーマに地域課題の解決について世代をこえて議論した。その内容については各グループ代表者が発表し意見を共有し合った。
多種多様な取り組みを行う地域団体の活動の様子を知ることができ、また日頃議論することがない大人と意見を交わす貴重な機会となった。
例年「生物多様性龍高プラン」にたいして助成していただき、このような交流会の開催を設けていただいた西播磨県民局担当者の方々に感謝したい。
光都周辺地域でも「生物多様性龍高プラン」として、絶滅危惧種ササユリの保全やセツブンソウの調査を行っている。県立大理学部の協力のもと調査研究している「簡易防獣柵を活用したササユリの保全」の活動場所で柵に異常がないか点検したところ特に問題はなかった。一方セツブンソウ群落は例年であれば100輪以上の開花や数多くの実生苗が確認できていたが、数年前よりシカの往来が激しくなっているようで、開けた場所ではほとんど消滅し、ササなどの間にシカの食害や踏み荒らしを逃れた株が少数開花するにとどまった。ここ数年のシカの影響が顕著になっている。
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「生物多様性龍高プラン」 |
「簡易防獣柵」の模型をつかった説明 |
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Bグループを代表して発表 |
生物班の代表生徒 |
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従来の防獣柵 高い・重い・丈夫 |
簡易防獣柵による各個体別ササユリの保全 |
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シカの影響により著しく減少したセツブンソウ |
新鮮なフンがあちらこちらに散在していた |
【生物班】人と自然の博物館「共生のひろば」に参加
2月11日兵庫県立人と自然の博物館で開催された「共生のひろば」に生物班が参加しました。「共生のひろば」は主に兵庫県内で研究活動を行う老若男女が集い、研究成果や活動内容を報告しあうことで研究の深化だけでなく、他の研究者とつながる機会となっています。
生物班は、地域の生物多様性保全活動「生物多様性龍高プラン」について「簡易防獣柵の効果の検証」とオートクレーブやクリーンベンチなど高価な設備を使用しない「簡単無菌培養技術の開発」についてポスター発表しました。
博物館の名誉館長で「滅びゆく植物を救う科学」や「日本絶滅危惧植物」などの著者である岩槻邦男先生にも私たちの研究について聞いていただき、アドバイスをいただきました。
人と自然の博物館のみなさん、毎年県内で活動するアマチュア研究家が一堂に集まる機会をつくっていただき、ありがとうございます。
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開会行事 |
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「簡易防獣柵の効果の検証」 |
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研究員トーク 田中研究員(地球科学) |
ツキノワグマとニホンジカと発表者 |
【生物班】「はりまユース研究発表交流会」に参加
12月22日(日)姫路科学館主催の「はりまユース研究発表交流会」に自然科学部生物班が参加しました。
この発表会は、「所属校の所在地」か「研究・開発の拠点または対象地域」のどちらかが播磨圏域連携中枢都市圏であり、播磨広域交流地域においての学校や地域内の課題についての研究発表会です。
生物は班では3つの生物多様性の保全に関する研究発表を行いました。はじめに、1枚のスライドで1分程度の研究紹介を行いました。その後はポスターを使い対面で研究内容を発表しました。
発表者は高校生だけでなく県立森林大学校や京都大学の学生の発表もありました。
他校の発表者や先生だけでなく博物館の学芸員など職員の方々にも発表を聞いていただきアドバイスいただきました。
比較的小規模な研究発表会ですが地域の高校生だけでなく科学館の方々とも交流を深めることができました。
このような機会をつくっていただき、科学館の職員の方々に感謝します。
【参考】姫路科学館ホームページ(発表要旨あり) https://www.city.himeji.lg.jp/atom/research/event/index.html
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生物多様性龍高プラン |
生物多様性龍高プラン |
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簡単な無菌培養技術の開発 |
簡単な無菌培養技術の開発 |
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簡易防獣柵の効果の検証 |
簡易防獣柵の効果の検証 |
【生物班】サイエンスキャッスル2024 大阪・関西大会に出場
12月21日、大和大学 大阪吹田キャンパスで開催された「サイエンスキャッスル2024 大阪・関西大会」に、生物班2名が出場しました。
この大会は口頭発表12演題、ポスター80演題と数多くの研究発表が行われました。会場は熱気にあふれ、高校生だけでなく小学生・中学生も参加する大会です。発表内容を聴くと、発表者がどれほど研究対象に対して、情熱や愛情をもって研究に取り組んでいるのか伝わってきます。
生物班は「防獣柵の効果について」というテーマでポスター発表を行い、若手の研究者や、他の発表者の方々に質問やアドバイスを頂きました。結果は上位入賞はできませんでしたが、他の発表を聞き意見交換を行い、様々な研究内容について知れるとても良い機会となりました。
今大会ではとても充実した時間を過ごすことが出来ました。今後の発表をより良いものにするために、この経験を生かしてさらなる研究発展を目指していきたいです。
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開会式 |
会場風景 広い会場でした |
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口頭発表で入賞した中学生研究者に説明
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「心が動くグローバルな研究キャリア」 |
来場証明書前でパチリ |
【生物班】ひょうごユースecoフォーラムに参加しました
12月14日兵庫県立工業技術センターで開催された兵庫県・ひょうご環境創造協会が主催する「第6回ひょうごユースecoフォーラム」に生物班の3名が参加しました。
このフォーラムでは日頃兵庫県内で環境保全活動などに取り組む団体の活動報告や交流が行われます。
口頭発表では龍野高校生物班を含む7団体が発表を行いました。生物班は部活動や課題研究生物多様性班で取り組む「生物多様性龍高プラン」の活動内容について発表を行いました。昼食後はポスターセッションにより各団体のメンバーと活動内容について発表や質問を行いました。その後各団体の参加者とともに16グループを作り「将来につなぐ兵庫の自然の恵み〜私たちができること〜」のテーマでグループディスカッションを行いました。グループディスカッションの内容については最後に発表を行いました。生物班の2名もグループを代表して発表を行うことができました。
兵庫県内の各地で自然保護などに取り組む多くの団体の活動を知り交流ができて大変有意義な1日でした。
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参加した自然科学部生物班の3名 |
開会行事 |
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口頭発表 |
テーマ「生物多様性龍高プラン」 |
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ポスター発表 |
発表内容は簡易防獣柵と簡単無菌培養など |
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グループディスカッション |
各自意見を付箋に書き込んでグループ化 |
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グループの意見を発表する生物班生徒 |
2班の提案 |
【生物班】環境活動発表大会近畿地方大会で入賞
第10回全国ユース環境活動発表大会近畿地方大会(主催 環境省/独立行政法人環境再生保全機構/国連大学サスティナビリティ高等研究所)が、AP大阪駅前で開催され生物班が出場した。
一次選考会を通過した13団体が日頃取り組んでいる生物多様性の保全やSDGs活動についてプレゼンテーションを行った。龍野高校の発表内容は生物班や授業課題研究で生物多様性班が取り組んでいる「生物多様性龍高プラン」についてプレゼンテーションを行った。龍野高校からは生徒を代表して生物班の1年生2名が参加した。
発表会の後の審査時間を利用して生徒や指導教員の交流会もあり、いろいろな情報交換ができて楽しい時間を過ごすことができた。
全国大会の出場権は「最優秀賞」か「高校生が選ぶ特別賞」を受賞した団体に与えられる。また今年は第10回の記念大会なので「10周年記念賞」を受賞すれば北海道研修に参加することができる。
生物班は「先生が選ぶ特別賞」を受賞した。この賞は団体の指導教員による投票により決定する。全国大会への出場は逃したが参加校の先生方から高い評価を得ることができた。
他校の活動内容を知ることができ、学ぶことの多い貴重な体験であった
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【生物班】龍野東中学生と合同調査
龍野東中学校区にあるサギソウ群落の調査・トウカイコモウセンゴケ群落の保全活動について龍野東中学校の生徒と一緒に取り組みました。
サギソウ群落の調査については9月1日に人工交配をおこない、その効果について検証を行いました。サギソウの受粉はイチモンジセセリなどがおこなっていることはこれまでの観察からわかりました。結実率についてはこれまでの交配実験からも効果があることがわかっています。今年の人工交配でも未交配の株に比較して高い結実率を確認できました。
食虫植物のトウカイコモウセンゴケ群落の保全については、ため池周辺部からコシダ・ネザサの分布の拡大にともないトウカイコモウセンゴケ群落(イトイヌノハナヒゲ群落)が水際にしか生育できなくなっていました。そこで、日当たりを回復するためにコシダ・ネザサを刈り取りました。来年の3月の成長期前にはトウカイコモウセンゴケに被る落ち葉などを除去したいと思います。
最後に迎えがくるまでの時間を利用して、生物班の野外活動恒例の「10種おぼえるまで帰れま10」を行いました。播磨地方南部によくみられる、ウラジロやコシダ、サカキやヒサカキなどの植物の名前をみんなで覚えました。
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地域住民の尽力により木道や解説板が整備されている |
白い点は交配実験中のサギソウ |
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サギソウの果実の回収 |
果実の評価と記録 |
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トウカイコモウセンゴケ群落にせまるコシダ・ネザザ |
食虫植物のトウカイモウセンゴケ |
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コシダ・ネザサの刈り取りと除去 |
生物班恒例の「10種覚えるまで帰れま10」に挑戦 |
【自然科学部】第47回県総文自然科学部門に参加
神戸市ポートアイランドのバンドー神戸青少年科学館であった第47回兵庫県高等学校総合文化祭自然科学部門に物理班、化学班、生物班が参加しました。9日は物理部門、化学部門、生物部門、地学部門に分かれて口頭発表が行われました。10日は全登録団体がポスター発表を行いました。
物理班は「ばね定数とばねが壊れる力の関係」の研究テーマで発表し口頭発表の部で優良賞を受賞しました。生物班は「高価な設備をつかわない無菌培養技術の開発」の研究テーマで発表し口頭発表の部で奨励賞を受賞しました。化学班は「電気分解の可視化と反応速度について」の研究テーマでポスター発表を行いました。
物理班は来年度鳥取県で開催される近畿総合文化祭の出場権を獲得しました。まだまだ実験研究する時間がありますので今後の実験成果に期待をしたいと思います。
来年度の県総文はすべての班が口頭発表ができるように頑張りたいと思います。
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口頭発表 物理班 |
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ポスター発表 物理班 |
ポスター発表 化学班 |
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ポスター発表 生物班 |
自然科学部参加者 |
【生物班】たつの市民祭りに出展しました
第17回たつの市民祭に自然科学部生物班が出展しました
たつの市の自然環境保全団体で構成する自然環境会議のテントに龍野高校の「生物多様性龍高プラン」の活動内容をポスター展示しました。今年は高等学校総合文化祭開会行事参加のために総合文化祭自然科学部門の研究発表の準備が遅れており、市民まつりに実験や観察等の出展はできませんでした。来年度以降子どもたちに楽しんでもらえる内容を検討したいと思います。
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たつの市民まつり |
ご当地アイドル? 野見宿禰 |
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たつの自然環境会議のテント |
自然科学部の展示 |
【自然科学部】「ひとはく地域連携セミナー」を開催
10月19日(土)、「ひとはく地域連携セミナー」を開催しました。三田市にある人と自然の博物館でのセミナーには、遠方のため来館できない県民の方々にも、ひとはくの研究員の話をきく機会を設けるために、県内各地の機関と連携してこのセミナーは開催されます。
今回は「鳥型恐竜をめぐる冒険」のテーマで田中公教主任研究員が、「生き物の多様なコミュニケーション」のテーマで太田菜央研究員が話をしていただきました。田中研究員は、モンゴルでの恐竜発掘調査の苦労話や裏話だけでなく、現存する鳥は「鳥型恐竜」であること、その他の恐竜は絶滅したが、最も近縁な動物はワニであることなど恐竜の進化についても話していただきました。太田研究員からは、ルリガシラセイキチョウの求愛コミュニケーションなど、複数の感覚をつかったマルチモーダルコミュニケーションを中心に、他の鳥だけでなく、コウモリや昆虫などのコミュニケーションについても多くの動画を見せていただきながら、興味深い話をしていただきました。
セミナー後の質疑応答も高校生からも一般の方々からも多くの質問があり、楽しい時間を過ごすことができました。
受付・案内など運営には自然科学部の部員が活躍してくれました。
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「鳥型恐竜をめぐる冒険」 田中主任研究員 |
「生き物の多様なコミュニケーション」太田研究員 |
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活発な質疑応答がありました |
セミナー後もいろいろ教えていただきました |
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自然科学部と課題研究のポスター展示 |
田中研究員と太田研究員と自然科学部 |
【生物班】中学生からできる課題研究チャレンジ
未来のサイエンスリーダー育成講座「中学生からできる課題研究チャレンジ」に龍野東中学から3名の生徒が生物班の活動に参加しました。
はじめにパワーポイントを使用して、生物多様性が急速に衰退していること、龍野高校生による地域の生物多様性保全活動「生物多様性龍高プラン」について説明しました。実験は、参加者が龍野東中学生だったので、校区にあるサギソウ群落の保全方法を説明したのち、サギソウの実生繁殖技術である無菌は種の実験を行いました。サギソウの結実期にはまだはやかったので、代替として同じラン科植物のシランの種子を使いました。
次回は11月にサギソウ群落で湿地の植物の観察と調査活動(人工交配の効果について)を予定しています。
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高校生による生物多様性の現状と高校生の活動の説明 |
高性能光学顕微鏡で、シランの種子の胚を確認 |
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チャック付きミニポリ袋に培地を分注
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クリーンベンチなしで無菌は種
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【自然科学部】マミズクラゲがスイレン池で発生
マミズクラゲは淡水生のクラゲです。龍野高校の中庭のスイレン池では過去にも発生しています。ここ数年間は見られなかったのですが、今年10月になり少し気温が下がったことがきっかけとなったのかマミズクラゲが確認できました。
ゆったりと泳ぐ姿は室内インテリアにも利用できそうですが、飼育が困難です。しばらくの間職員前で成体展示をおこなう予定です。
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中庭のスイレン池 |
生体展示
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【自然科学部】サギソウ保全地での観察と整備
9月8日、例年おこなっているサギソウ保全地でのサギソウの人工交配と通路の除草作業をおこないました。この生育地は、地元の方々の尽力により観察用の木道が整備されており、この日は人と自然の博物館セミナーの一行も観察に来られていました。
サギソウ以外にもサワヒヨドリやタヌキマメ、ヌマトラノオ、ヒメシロネ、食虫植物のミミカキグサやホザキノミミカキグサなどが開花していました。
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サギソウ群落 イトイヌノハナヒゲやミミカキグサ類 |
サギソウの花 |
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湿地に立ち入らないように人工交配 |
湿地周辺通路の、ササ刈と集草 |
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サワヒヨドリ |
タヌキママメ |
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ヌマトラノオ |
にわか雨がやむまで雨宿り |
【自然科学部】「青少年のための科学の祭典 姫路大会」に出展しました。
8月17日・18日、兵庫県立大学工学部(姫路市書写)で開催された、科学の祭典に自然科学部が出展しました。出展内容は以下の通りです。
生物班 押花工房 押し花でしおりをつくろう
不思議な世界 食虫植物
絶滅の危機にある生きものたち
物理班 こぼれない水!? 表面張力の不思議
化学班 イオンがつくるグラデーション
情報班 プログラミングで迷路を抜け出せ!
2日間、自然や科学に対する興味関心にみちあふれた子どもたちの笑顔に出会うことができました。
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押花工房 |
不思議な世界 食虫植物 |
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絶滅の危機にある生きものたち |
こぼれない水 表面張力 |
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イオンがつくるグラデーション
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プログラミングで迷路を抜け出せ |
【自然科学部】総合運動公園でフィールドワーク
7月28日、太子町総合公園柳池周辺でフィールドワークを行いました。太子町まちづくり課の理解と協力により、龍野高校自然科学部や課題研究生物多様性班は、公園内のため池や荒れ地などを利用して西播磨の絶滅危惧植物の保全など生物多様性に関するいろいろな活動を行って言います。
兵庫県の自生地は1カ所になったヒシモドキの野生絶滅に備えて生息域外保全を柳池でおこなっています。しかし、ヒシが優占種のため池なので、ヒシモドキの保護区に侵入するヒシを除去する必要があります。さいわい、ヒシモドキは年々群落が拡大傾向にあり良好な状態で、開放花も咲いていました。ため池にはコイやアメリカザリガニ、ウシガエルが生息していますが、現在特に悪影響は内容です。
さらに、今年から重点的に取り組んでいるのは、「簡易防獣柵の検証実験」です。低価で軽量な小型防獣柵によりシカの食害を防止できるのか、校内だけで無く総合公園でも試してみることにしました。
対象の植物は、秋の七種のオミナエシとキキョウです。フジバカマに比較して、キキョウやオミナエシは食害に合いやすく、なかなか開花できません。公園内や付近では、ススキ、ナデシコ、クズなどが開花しているので、将来的には秋の七種全種類が観察できるようにしたいと思います。
また、体験学習施設前にはヒシモドキや食虫植物3種類、そしてロータス効果の実験ができるようにハスの生体展示を行っています。多くの小学生に植物に関心をもつきっかけになればと思います。
最後に、タマゴサンド製作所より、タマゴサンドを差し入れて頂きました。ごちそうさまでした。
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ヒシを除去する |
ヒシモドキの開放花 |
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各際するヒシモドキ群落 |
ミズカマキリの幼生 |
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フジバカマや乾燥耐性実験植物周辺の除草作業 |
簡易防獣柵 筒型(オミナエシ)ドーム型(キキョウ) |
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簡易防獣柵 ドーム型(ポーチュラカ) |
ヒシモドキや食虫植物の実物展示 |
【自然科学部】桜山公園まつり「科学の屋台村」に出展しました
7月20日(土)21日(日)姫路科学館で開催された「科学の屋台村」に自然科学部が出展しました。
生物班は「不思議な世界食虫植物」で植物の進化の巧妙さを知っていただきました。また「いろいろなタネをさがそう」では、種子から生物多様性について分類作業を通じて体験してもらいました。種子は10種類以上持ち帰っていただき秋に播種の予定です。
化学班は「イオンがつくるグラデーション」で、電気分解による化学反応を利用して、化学の美しさを体験していただきました。来場者に、どのような現象が起こるのか予想を立ててもらい、実際に予想が正しいのか実験し、紫キャベツの色が変化していく様子を観察していただきました。
子どもたちに解説をしながら、高校生も多くの学びがあったと思います。今回は自然科学部の生徒だけでなく、有志生徒もボランティア指導員として参加していただきました。
次は7月31日龍野高校での「わくわく実験教室」に出展予定です。
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いろいろなタネをさがそう |
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イオンがつくるグラデーション |
食虫植物では展示解説と、苗を配布しました |
【自然科学部】 ひょうご環境未来会議に参加しました
姫路駅南のじばさんビルで開催された「ひょうご環境未来会議!」に生物班10名が参加しました。
2019年に策定した「第5次環境基本計画」の改訂や「生物多様性ひょうご戦略」の改訂にむけて、高校生だけでなく、大学生、民間企業からも参加者が集まりました。
自己紹介の後、「ひょうごビジョン2050」の概要や「第6次環境基本計画」について説明を受けました。その後各自が興味関心のある「脱炭素」・「自然共生」・「資源循環」の各グループに分かれて、現状分析や対策案を検討しました。
午後からはフューチャー・デザインについて学び、2050年の将来人になったつもりで、2024年の現代人へのアドバイスを考えました。グループで話し合った内容については、発表により全参加者に共有化されました。
「第6次環境基本計画」には生物多様性の保全のため、また人材育成のために高校生による環境保全活動が盛り込まれることを期待したいと思います。
【自然科学部】ササユリの保全活動
6月8日、例年行っているササユリの保全活動を行いました。
ササユリは、シカが増殖する前は6月の里山を彩る山野草としてしばしば目にすることができました。
ササユリは、発芽までに2年、発芽後数年間は1枚の葉しか展開しません。開花まで5年以上の時間が必要です。
現在シカの食害により開花個体は激減し、残された一枚葉の幼個体も開花・結実することが困難なため、将来的には絶滅の危険性があると考えられます。
自然科学部では残された1枚葉の個体を安価に製造できる簡易防獣柵で保護し開花・結実させることが可能か、検証実験を兵庫県立大学の協力のもと行っています。今回あらたに、元県立大学講師の先生から教示いただいたキンランについても防獣柵を設置することにしました。
事前調査では5株程度がつぼみをつけていたのですが、成長してつぼみをつけると茎が斜めになり、柵からはみ出してしまいます。そこで今年は柵の大型化などに取り組みましたが、設置日には食害に会い1株になっていました。作業が遅れたことが悔やまれます。しかし残された一株から、交配・結実・採種に成功したら、無菌は種による実生増殖にも挑戦したいと思います。
昼食はひょうご環境体験館でとりました。ちょうどジャコウアゲハが羽化して、産卵をしていました。
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簡易毛防獣柵の設置
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食害を逃れた開花予定株
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新たに保護対象となるキンラン
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ジャコウアゲハ |
ジャコウアゲハの卵とウマノスズクサ |
【自然科学部】 福泊海岸植生調査
6月2日、恒例の西播磨地区自然科学系クラブ研修会である、姫路市福泊海岸の植生調査に参加しました。
この研修会では、人工海浜の植生の調査をしながら、コドラート法による植生調査方法を学びます。
コマツヨイグサやミチバタナデシコなどの外来種も多いのですが、ハマボウフウやコウボウムギ、ハマゴウなどの在来種も多く生育しており、人工海浜とは分からないくらいに植生が発達していました。
天候にも恵まれ、パラグライダーで空中散歩を楽しみ、海岸に着地する人もいました。
高校生だけでなく、兵庫県生物学会の会員で高校OB教員である先生方も参加して頂きました。なお昼ご飯の弁当は兵庫県生物学会より提供して頂きました。ごちそうさまでした。
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1m×1mの中のすべての植物名と被度を記録 |
陸から海へメジャーを伸ばして1mごとに調査 |
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各高校ごとに、活動報告 |
1年生8名が参加しました |
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ハマヒルガオ |
ハマボウフウとコウボウムギ
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【自然科学部】 「Journal of the International Carnivorous Plant Society」に自然科学部が紹介されました
姫路市で開催された「食虫植物国際会議」の報告文が「CARNIVOROUS PLANT NEWSLETTER」に掲載されました。「食虫植物国際会議」で,自然科学部は兵庫県の食虫植物と自生地の紹介や、自生地の保全活動のとりくみなどを日本語と英語で発表しました。
発表原稿の修正や発音を英語科教員から指導をうけましたが、海外からの参加者に伝わるか不安でした。しかし、発表ではうなずきながら聴いていただき、さらに多くの質問もしていただいたことで、十分に内容を伝えられたことがわかりました。
国際会議の報告文が掲載された「CARNIVOROUS PLANT NEWSLETTER Volume52,No4」を報告者から提供をしていただき、さらに転載許可を「CPN」編集者にとっていただきました。
発表の機会を与えていただいた日本の事務局のみなさんのおかげで、貴重な体験をさせていただきました。ありがとうございました。また、「CPN」の転載を快く承諾していただいたことを感謝します。
1 CPN VOl.52,No4表紙 (コウシンソウ).pdf
【自然科学部】 ほんまにできるバイオ実験(サギソウ無菌播種編) in 人と自然の博物館
2月11日、兵庫県立人と自然の博物館で開催された「共生のひろば」研究発表会に参加しました。
自然科学部では地域の自然環境や生きものの保全活動を行っています。その一つとして、絶滅危惧種サギソウの保全活動があります。
自生地の保全の他、無菌播種による増殖技術の研究をしています。現在、オートクレーブやクリーンベンチなど高価な設備を必要としない無菌培養技術で、設備のない小中学校でも可能なサギソウの無菌培養法を開発したので発表しました。また希望者には体験実験をしていただきました。
従来の方法では、培地と耐熱性培養容器を圧力釜で加熱滅菌をしたあと、滅菌した種子をクリーンベンチ内の無菌空間で種子を播く必要がありました。微酸性電解水で滅菌することで、非耐熱性のチャック付きポリ袋でもサギソウの球根を種子から生産することが可能になりました。
なお、当日は課題研究生物多様性班(ヒシモドキⅡ班)も絶滅危惧植物ヒシモドキの現状と課題について発表をおこないました。
今後いろいろな方々からのアドバイスを参考にして研究を続けたいと思います。
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開会式 |
講演会 「生き物の色々な音の出し方・使い方」 |
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サギソウの無菌播種の発表 |
体験実験 クリーンベンチなしでサギソウの無菌播種 |
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課題研究 ヒシモドキⅡ班の発表 |
秋になると球根ができます
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【自然科学部】ほんまにできるバイオ実験 in 神戸 の結果
2023年11月11日、兵庫県総合文化祭自然科学部門パネル発表で、オートクレーブ・クリーンベンチを使用しない組織培養の体験実験を24名の高校生・引率教員の方々にしていただきました。
実験内容は、クリーンベンチのないポスター発表の会場で、無菌培地にキク花弁の置床を行ってもらいました。短時間の無菌操作であれば、微酸性電解水を噴霧することで無菌操作が可能です。
当日は、1名あたり2回実験をしていただき、1つは実験者で、1つは龍野高校の生物実験室(室温)で管理しました。結果は龍野高校で管理した24個のうち14個で脱分化が起こり、カルスを形成しました。成功率は58.3%でした。さらに、カルスを形成したした14個のうち、10個で根の再分化が起こりました。
8月にあった、日本生物会大阪大会(近畿大学)での体験実験の結果(20名中18名が置床に成功)に比較して成功率が低くなってしまいましたが、各回10分の発表の時間内での研究発表+体験実験で説明が不十分な点があったことや、会場が混雑していたことなどが影響したと思われます。
今回の結果では再分化用の培地にカルス(未分化な細胞の塊)を移植することなく、根が分化したことは意外でした。これが、使用したスプレーギクの品種によるのか、気温が低下する時期に実験したことが影響しているのかはわかりませんが、移植することなく、植物器官から脱分化・再分化まで実験できれば、コンタミ(微生物汚染)のリスクを軽減したバイオ実験が可能になると思います。
実験に参加していただいたみなさん、ありがとうございました。
【資料】龍野高校HP>部活動>自然科学部【研究成果】>自然科学部論文>2023論文「バイオ生徒実験の実用化に向けた手法の開発」 に詳しく実験方法を紹介しています。
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【自然科学部】 日本生物教育学会2024全国大会で発表
1月6日~8日にかけて神奈川大学で開催された日本生物教育学会第108回全国大会で、自然科学部生物班が研究発表を行いました。内容は従来高価なオートクレーブやクリーンベンチが必要であった組織培養実験を、微酸性電解水を活用し高価な設備を使用しないで生徒実験が可能な方法についてポスター発表しました。希望者には体験実験をしていただきました。
参加者には、来年度の世界大会(ISEF)日本代表生徒もおり、学ぶべきことの多い発表会でした。
【参考】https://sbsej.jp/event2/upload_items/202312/108zenkokutaikai.pdf
第1回西播磨ビジネスプランコンテスト決勝大会に出場
12月9日、光都の先端科学技術支援センターにおいて第1回ビジネスプランコンテスト決勝大会に自然科学部が出場しました。決勝大会では2回の予選を勝ち抜いた、学生アイデア部門4校とローカルアドベンチャー部門の7名が各企画についてプレゼンテーションを行いました。
学生アイデア部門に決勝4校は、2校が大学(神戸大学チーム、関西学院大学生)であり、2校が高校生(岡山県立操山高校と龍野高校)でした。
自然科学部は、日頃の研究の成果の地域への還元を目的として、絶滅危惧種サギソウの無菌培養やキク花弁の組織培養技術の技術講習会や、無菌培養技術を応用した室内インテリア「バイトペットプランツ」の商品の企画を発表しました。
日頃の科学コンテストの研究発表会と異なりかってのわからないビジネスコンテストで、さらに考査直後で準備もままならないままの発表でしたが、努力賞をいただきました。
表彰式後の交流会では、ビジネスプランコンテスト関係者の県民局や企業の方々には龍野高校のOBも多くおられて発表内容などほめていただきました。
神戸大院生による環境DNA特別レクチャー 【自然科学部】
「若手研究者による高校生のためのサイエンスレクチャー」を7月25日・8月29日に開催しました。神戸大学大学院で環境DNAをもちいて研究を行っている木谷亮太氏を講師に迎えて、生物多様性や環境DNAを利用した魚類相の調査の実習を行いました。
7月25日は、生物多様性についてクイズに答えながら学習したあと、環境DNAについて学びました。講義のあと、実際に環境DNAの分析につかう水を採水してました。採水場所は校内のスイレン池と揖保川です。また、林田川やため池2カ所についても分析してもらうことにしました。
8月29日は、採水した水をろ過してDNAを増幅し塩基配列を読み取り種を特定した結果をもとにして解説をしていただきました。校内のスイレン池では目視できるフナとミナミメダカが確認できました。揖保川ではオイカワやカワムツ、ウグイといったよく見かける魚以外にも、夜行性のアカザやギギのような魚も確認できました。アカザは環境省絶滅危惧Ⅱ類に分類されている絶滅危惧種です。このように夜行性の魚類でも検出できる環境DNAは生息地を採集行為により破壊することなく魚類相を知ることができる驚くべき調査方法といえます。
今回は自然科学部の生徒以外の生徒にも参加していただきました。このような実験・実習の機会があれば自然科学部に所属していなくても関心のある生徒はぜひ参加してほしいと思います。
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生物多様性についての説明 |
校内のスイレン池で採水方法などを説明
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揖保川での採水 こんなに浅いところでもいいの? |
採水したら、水温やpHなども計測
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分析結果の解説 |
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決勝戦 高校生バイオサミット in 鶴岡 【自然科学部】
8月21日から23日 山形県鶴岡市において 生物系 科学コンテスト「第13回 バイオサミット in 鶴岡」決勝戦が開催された 。 論文審査とオンラインによる口頭発表審査の2回の予選を勝ち抜いた成果発表部門20校と計画発表部門 13校が全国から鶴岡市にあつまり 研究発表を行いました。
自然科学部生物班は「バイオ生徒実験の実用化に向けた手法の確立」の研究テーマで成果発表部門に出場しました。21日は 成果発表部門の研究発表が22日は計画発表部門の研究発表がありました。
23日に 表彰式があり 生物班は上位の各大臣賞には届きませんでしたが審査員特別賞を受賞することができました。
お忙しい中3日間にわたり審査員など務めて頂いた研究者のみなさん、運営学生スタッフのみなさんらのおけげで有意義な経験をさせて頂きました。ありがとうございました。
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龍野高校生物班の口頭発表 |
審査員特別賞を受賞 |
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講演会 荒川所長(慶応義塾大学先端生命科学研究所) 鶴岡サイエンスパークや研究所、慶応発のベンチャー企業の紹介など |
研究の結果、従来の説を否定することになっても恐れてはならない 福沢諭吉「文明論之概略」 |
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学生スタッフによる経歴や研究紹介 |
実験室見学(メタボローム解析) |
「ほんまにできるバイオ実験」ってほんまにできるんか? 置床の結果は?
8月10日に日本生物教育会全国大会大阪大会がありました。高校生ポスター発表で「ほんまにできるバイオ実験」のテーマでクリーンベンチやオートクレーブをつかわない実験方法について発表を行い、会場でキクの組織培養に20名の先生や生徒のみなさんに挑戦していただきました。
実験日から6日たちました。気温が十分に高いので、キク花弁を培地に植え付けるときに微生物が混入していたら微生物の集団(コロニー)が形成されます。
結果は20個の培養容器(ポリ袋)のうち2個にコロニーが確認されました。成功率90%でした。
今後、コンタミがなければ花弁の表面にニキビのようなカルスが形成される予定です。ただし、気温が高いときなので容器内が高温にならないように注意が必要です。
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このように、100円均一で購入したワイヤーネットで管理しています。 1人2回実験していただき、はじめに実験したもの(奇数番号)を龍野高校で管理しています。 |
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微生物による汚染(コンタミ)がおこった培養容器 |
日本生物教育会全国大会大阪大会 で研究発表 【自然科学部】
8月10日 近畿大学東大阪キャンパスで開催された、日本生物教育会全国大会大阪大会で自然科学部生物班がポスター発表を行いました。テーマは「ほんまにできる バイオ実験」です。昨年開発した微酸性電解水添加培地をもちいたキク花弁の組織培養を生徒実験でも可能なように小型チャック付きポリ袋をつかった方法を紹介しました。この方法によるキク花弁の組織培養(カルス)やサギソウの無菌は種の成果を展示するだけでなく、希望者には実際にその場で、キク花弁を無菌培地に置床していただきました。
実は先日の高校生バイオサミット1回戦において、同じ実験内容について口頭発表を行いました。そのときに、「実験が成功しているのは、何度も実験をして技術が向上した君たちだからではないか?はじめてこの方法で実験する生徒には無理なのでは?」と質問をされました。
そこで、今回は研究発表とともにこの実験に興味を持って頂いた、高校の先生や高校生、出版社社員の方々に実際にやって頂きました。2回キクの花弁を無菌培地に置床していただき1回目のビニル袋を龍野高校で、2回目の袋を実験者で管理して頂くことにしました。
いったいどのような結果が出るのか楽しみです。クリーンベンチ無し、人の出入り(空気のうごき)ありの環境でもはたして無菌操作は可能なのでしょうか。無菌操作の環境としては劣悪なので50%の成功率で合格としたいと思います。
協力して頂いたみなさんありがとうございました。
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「ほんまにできるバイオ実験」 |
じっさいに、実験していただきました |
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チャック付きミニポリ袋でサギソウの無菌播種 |
バイオサミット決勝進出 【自然科学部】
8月9日、バイオサミット1回戦の結果発表があった。バイオサミットとは慶應義塾大学先端生命科学研究所が主催する生物系の高校生科学コンテストである。1次審査(論文)を通過し、8月4日にオンラインによる1回戦(口頭発表)が行われた。昨年は1年生のみで挑戦し、僅差で決勝戦進出を逃した。今年こそは決勝戦に進出するつもりで昨年の研究内容をさらに進化させて1回戦に備えた。成果発表部門は上位20チームが決勝に出場できる。
結果、9番目に龍野高校自然科学部の決勝進出が決定した。
決勝戦は8月21日。あまり時間もないが十分な準備をしたい。
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成果発表部門 上位20チームが決勝戦進出 |
決勝戦の日程 |
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決勝戦会場 慶應義塾大学先端生命科学研究所 鶴岡市 |
1回戦 オンラインによる口頭発表と質疑応答 |
食虫植物国際会議で発表【自然科学部】
第13回食虫植物国際会議が姫路市民会館において2023年5月26日~28日にかけて開催されました。
コロナ禍のため、予定よりも3年遅れで日本での開催となりました。日本では2度目で、姫路市での開催となりました。これは播磨地方のため池の周辺に食虫植物の自生地が多いことや、ウツボカズラの栽培品で最長記録でギネスブックにも登録された県立フラワーセンターや手柄山温室植物園などがあり、自生地見学や植物園見学が可能であることなどが要因だったそうです。
本来であれば「モウセンゴケは菜食家だった?」のテーマで発表予定でしたが、研究を行っていた生徒も卒業し、今回新たにテーマを「兵庫県南部の食虫植物と生物多様性を守る高校生の活動」として、兵庫県下の食虫植物を自生地の写真とともに紹介し、食虫植物が減少する原因について野生動物の増加や、阪神淡路大震災以降のため池改修工事、ブラックバスの駆除とアメリカザリガニの影響について説明しました。さらに私たちの生物多様性保全活動「生物多様性龍高プラン」について発表しました。
発表は、同時通訳による日本語での発表もできましたが、せっかくの機会なので質疑応答のみ通訳をお願いし、日本語と英語で発表しました。発表後は海外からの聴衆からも質問が数多くあり、発表間の休憩時間が無くなるほどでした。
国際食虫植物協会(ICPN)の自生地保全担当役員のCarsonTrexler氏からも私たちの保全方法について質問がありました。また、二人の海外からの聴講者からは、高校生が英語で発表を行ったことに対して大変感激したとほめていただきました。
発表を行った2年生の2人も大変楽しかったようです。その一方で多くの日本人参加者が英語で直接発表者と質疑応答する様子をみて、英語によるコミュニケーション力の必要性について実感していました。
各国の研究所や大学の研究者や植物園の職員にまざり、高校生に発表する機会を与えてくれた日本の主催者のみなさん、そして本校英語科のみなさんには、5月考査で忙しい中、英語の発表原稿の修正や発音指導など献身的に協力していただきました。ありがとうございました。
また、高校生の発表をうなづきながら聞いていただいた国内外の聴衆のみなさんに厚く感謝いたします。
【参考】第13回食虫植物国際会議HP プログラム
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発表テーマ 地域の生物を守る高校生の活動 |
日本語に続き、英語でも発表 |
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課題研究でみつかった太子町産タヌキモ不明種を展示。 |
微酸性電解水添加培地をつかった食虫植物の無菌培養 |
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海外からの参加者もペットボトルの無菌培養に関心を持っていました。 |
発表者 川島(2年) 壷阪(2年) |