2022年3月の記事一覧
絶滅危惧種オオツルコウジの保全活動
オオツルコウジは照葉樹林の林床に生育する常緑低木です。普通種のヤブコウジに似ていますが2回りほど大型です。
兵庫県南部のオオツルコウジ群落に、要注意外来植物のトキワツユクサが侵入し、オオツルコウジの生育に悪影響を与えています。そのため、自然科学部ではオオツルコウジ群落の保全のために、昨年に続き3月27日にトキワツユクサの除草作業を行いました。
トキワツユクサは、除草をしても茎の一節からも発芽再生するので、どのようにしたら生育を抑制できるのか、除草場所のモニタリングについても今後行う予定です。
絶滅危惧種 オオツルコウジ |
除草作業 |
トキワツユクサの除草前 |
トキワツユクサの除草後 |
絶滅危惧種ムラサキの移植
ムラサキは、古来より染色や医薬品の原料として利用されてきた有用植物です。
しかし、牛馬の飼育や、かやぶき屋根の減少に伴い、飼料や資材の供給の場となっていたススキ草原は放置され、遷移の進行に伴いなくなりました。その結果ムラサキだけでなくキキョウやオミナエシなどの草原生植物の多くが絶滅危惧種になっています。
龍野高校で栽培してているムラサキはたつの市新宮町で発見されたムラサキの種子からの増殖品ですが、野生株はシカの食害のためか消滅しました。
たつの市新宮町産ムラサキの絶滅を防止するために、龍野高校だけでなく姫路市立手柄山温室植物園などでも生息域外保全を行っています。
長年の栽培からムラサキの特性もわかってきました。発芽率が低いといわれるムラサキですが、翌春に発芽しなくても、あきらめず管理すると一年後に発芽することもわかりました。
今回の移植苗も昨年秋に播種したものではなく昨年春に発芽しなかったものが今春発芽した実生苗です。
写真左上 ポットに用土を入れて1本ずつ移植
写真右上 5つタネをまき、翌々春に5粒とも発芽。 中列 左2本は雑草の発芽苗
写真左下 ムラサキの花 5月~10月に開花 今年の発芽苗も生育の早い株は6月から開花 予定。
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太子町総合公園柳池で生物調査に参加
3月19日、太子町総合公園柳池の清掃活動・生物調査に自然科学部5名と課題研究生物多様性班2名が参加しました。
清掃活動・生物調査に先立って、前姫路市立手柄山温室植物園園長の松本修二氏による講演会がありました。「植物を守るには」というテーマで話していただきました。手柄山温室植物園の地域の希少植物の保全活動の様子や、生物多様性、絶滅危惧植物、特定外来種・要注意外来種についての解説や、生息域内保全・生息域外保全を行う場合の注意点についても説明がありました。
龍野高校での地域の生物多様性の保全活動「生物多様性龍高プラン」に関連した、大変参考になる内容でした。
講演会の後、まずは柳池周辺や池の中のごみを集めました。自然科学部の生徒も胸の高さまである長靴(胴長)を着用して、ため池内のビニール袋などのゴミを回収しました。
清掃活動のあと、たも網を使って生き物調査をしました。前日までの雨のため、昨年よりも水位が高くコイなど魚は見えてはいるのですが捕獲できませんでした。しかし、メダカやアメリカザリガニ、ミナミヌマエビなどを採集し、みんなの採集品を持ちよって、松本さんたちに解説をしていただきました。
新入生の皆さんも、生き物や野外活動に関心のある人は、一緒に活動しませんか。
講演会 「植物を守るには」 松本修二氏(手柄山温室植物園) |
清掃活動 |
生物調査 (後方は龍野高校生物多様性野外実験場) |
採集品の解説
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講演会のグラフィックレコード 制作 NPO法人アンビシャスコーポレーション |
講演会のグラフィックレコード 制作 NPO法人アンビシャスコーポレーション |