課題研究(2年)

総合自然科学科の2年生は,5人編成で課題研究(2年)を実施します。1年間かけて毎週2時間,および長期休業中なども一部使って研究に取り組みます。校内の研究発表だけではなく,外部での研究発表を各班2回程度行います。

3年生の理数探究では2年生で作製した日本語のポスターを英語で作製し,英語で発表します。

2024(令和6)年度は以下の8つのテーマに分かれて研究しています(5/21現在)。

①「自転車走行の姿勢と体の負荷に関する研究」
私たちは、自転車に乗る際に、体にかかる負荷を減らす方法を研究します。まずは、乗ってから10分間をどれだけ楽にできるかについて姿勢を条件として研究し、その後、結果について物理的な視点から深めていこうと考えています。 

②「摩擦力と物質の表面の粗さの関係性」 
 物質の表面の粗さは摩擦にどれほど影響するか?という疑問をもちました。ミクロでは「真実接触面積が大きくなれば、摩擦が大きくなるという凝着説」が今の物理学では支持されており、それを元にマクロでは、それがどれほど影響するかを検証します。 
 予備実験として3段階の目の粗さの紙やすりを用い、木片表面の粗さを変えて、斜面を滑りはじめる摩擦角にどれほどの違いが出るかを検証しています。 
 今後は、紙やすりをかける回数を多くして表面の粗さを均一にした上で、顕微鏡により表面を観察する予定です。最終的には表面の粗さと摩擦力の関連性をグラフで示したいと考えています。(今回の実験は静止摩擦力に対する研究です。) 

③「生分解性プラスチックの作成」
私たちは、牛乳から生分解性プラスチックを作り出す研究をします。作り出したプラスチックをより実用的なものにはできないか、生分解のメカニズムの解析などの課題について一年間かけて調べていきます。まず、ある程度利用可能なプラスチックを作りたいです。

④「牡蠣の殻による水質浄化」
私たちは、牡蠣殻による水質浄化作用について着目しました。たつの市では集合処理施設を作りすぎたがゆえに、持続性のある生活排水処理事業が出来なくなってきているそうです。農業集落排水処理区域や未整備地域については積極的に浄化槽への切り替えが必要なため、その設置費用削減のためにも牡蠣殻が有効なのではと考えました。 
水質浄化を定量的に測定する指標としてCODを挙げ、予備実験として、人工的に作成した有機物を含む水のCODを測定していきます。今後は、牡蠣殻による水質浄化作用について、牡蠣殻をどのように用いると水質がどれだけ浄化されるかを調べていく予定です。

⑤「瀬戸内まちかど花壇」
 高齢化により空き家や一人暮らしの老人が増加しています。そのため、空き地や荒れ地が目に付くようになりました。そのような場所に花壇をつくることで、景観の向上や地域の住民の交流の場ができると考えました。ローコスト・ローメンテナンスの花壇づくりには、瀬戸内海性気候に適応し、乾燥に強く、貧栄養に耐える植物を選ぶ必要があります。また、やせ地の土壌を改善する方法として、窒素固定ができるネンジュモの活用やカブトムシの糞が利用できると考えました。そこで、これらを活用して土壌の富栄養化や保水力の改善が可能か実験で確認し、植物の生育を比較する予定です。

⑥「スクミリンゴガイの生態に関する研究」 
スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)とは、1981年代に食用等の目的で台湾から輸入された南米原産の淡水巻貝です。日本では関東以南に広く分布しており、外来生物法上の侵略的外来生物です。水田において、稲の幼芽を食べるなどの食害被害があります。私たちは、スクミリンゴガイ防除及び活用方法について研究していきます。 

⑦「フラクタル構造による撥水性に関する研究」
私たちはフラクタル構造のもたらす撥水性の向上という部分に着目し、水中でできる空気層の保持の時間を長くします。現段階では、撥水性のある物質とない物質の違いを調べるために顕微鏡などを使い表面の観察をし、空気層の減少の原理について調べるため流体力学について知識をつけ、フラクタルの撥水性について研究を進めていきます。

⑧「天然素材の香り研究」
私たちは、精油が抽出できる自然の素材から自分たちで精油を抽出し、3段階の香りを楽しめる香水を作ります。 
現段階では、昨年度抽出に成功したオレンジかレモンの精油をトップノートとして用います。さらに、ミドルノートとしてセージ、タイム、ローズマリーのいずれか、ラストノートとしてヒノキを用いて自分たちで精油を抽出します。最終的にオリジナル香水の完成を目指します。 

研究内容

課題研究(2年)

【2年課題研究】第3回課題研究を実施しました

5月7日(水)5・6限,令和7年度第3回目の課題研究を実施しました。

前回に引き続き,本校で長年探究のアドバイザーとして携わってくださる福島整先生をお招きし,各班の課題の進捗状況をみて,様々な科学的視点でのアドバイスをいただきました。

5月14日も引き続き福島先生からアドバイスをいただきます。

 

【課題研究2年】アドバイザーの福島先生に来ていただきました

令和7年4月30日(水)の課題研究に本校課題研究アドバイザーの福島整先生に来ていただきました。

各班をまわり、テーマ設定のポイントや調査すべき先行研究や科学的な知識についてアドバイスをいただきました。

アドバイスをもとに各班が研究テーマや実験方法を思案していました。

【2年課題研究】今年度の研究が始まりました

4月23日(水)5・6限に行われた総合自然科学科2年生の課題研究の授業より、今年度の研究がスタートしました。

8つの研究テーマに分かれて、班ごとに課題を設定します。

第1回目となる今回は、これからどのような方向で研究を行っていくか、研究テーマの具体的な内容について検討しました。

 

【2年課題研究】令和7年度オリエンテーションを行いました

4月16日(水)5・6限に79回生の課題研究(2年)のオリエンテーションを実施しました。

5限は講座紹介と研究班のグループ分け、6限は研究を進めるにあたって使用する実験ノートの使い方についての説明がありました。次回はグループごとに分かれて、テーマ決めを行います。

 

【課題研究(2年)】理系女子と科学倫理を考える日 ~第4回Girl's Expo with Science Ethics~に参加しました

2月11日(火)に、兵庫県立姫路東高等学校主催の理系女子と科学倫理を考える日 ~第4回Girl's Expo with Science Ethics~がアクリエ姫路で開催されました。本校からは「荒れ地に花を咲かせましょう ~地域住民の交流の場の創生~」「国産ヒノキの香りの追究~タイワンヒノキとの比較~」の2班が口頭発表とポスター発表を行いました。

緊張感のある中での発表でしたが、広い会場で多くの方に発表を聞いていただき、質問や助言をいただくことができました。また、 女性研究者によるポスター発表も行われており、新たな刺激を受けました。今後の探究活動に生かしていきたいと思います。

【課題研究(2年)】生徒研究発表会

2月1日(土)に本校体育館において生徒研究発表会を開催しました。

午前中は総合自然科学科2年生(78回生)8班と自然科学科1班の計9班が口頭発表を行いました。

100名を超える外部からの参加者もあり、盛大に開催することができました。

午後からのポスター発表では本年度より総合自然科学科1年生(79回生)も発表を行いました。

また、普通科探究Ⅰ・Ⅱの成果もポスター展示により行いました。

外部からの発表者も多く、高校生だけではなく、近隣の中学校からも発表に参加してくださいました。

来年度は大学や企業による発表も計画しています。

寒い中、参加してくださった皆様、ありがとうございました。

【課題研究(2年)】生徒研究発表会のリハーサル

1月29日(水)5、6限の課題研究の授業で、生徒研究発表会のリハーサルを行いました。

本番と同じように時間をはかって口頭発表を行い、課題研究アドバイザーの福島先生から指導助言をいただきました。程よい緊張感をもって、リハーサルに臨むことができました。担当教員からも助言を受け、生徒研究発表会に向けてよりよい発表になるように改善していきます。

【課題研究(2年)】サイエンスフェアin兵庫

1月26日(日)に、神戸大学統合研究拠点で、サイエンスフェアin兵庫が開催されました。本校の課題研究(2年)からは、1班が口頭発表とポスター発表、7班がポスター発表を行い、日頃の研究の成果を発表しました。また、本校の自然科学科1年の生徒も参加し、ポスター発表の司会をしたり、発表を聞いたりしました。

発表では、聴講者の方々から質問や助言をしていただき、様々な視点から考察を深めることができました。

また、他の高校や企業、大学の研究機関等の発表もあり、刺激を受けることができました。

【課題研究(2年)】先輩からの指導助言がありました

12月25日(水)の課題研究(2年)の授業に、昨年度龍野高校総合自然科学科を卒業された花谷さんに来ていただきました。それぞれの班の生徒が、自分たちが行っている研究について説明し、指導助言を受けました。

研究については、様々な視点からの助言をしていただきました。生徒からも、生徒研究発表会に向けてスライドの作り方等について質問があり、丁寧に答えてくださりました。

経験者である先輩からの具体的な話を聞くことができ、有意義な時間になりました。

【課題研究(2年)】日本化学会 近畿支部主催 第41回高等学校・中学校化学研究発表会に参加しました

12月25日に大阪大学で行われた化学研究発表会に参加し、本校からは「国産ヒノキの香りの追求~台湾産ヒノキとの比較~」、「牛乳から作るカゼインプラスチック」の2件口頭発表を行いました。

近畿各学校が集まった発表会ということもあり、緊張した面持ちでの発表でしたが、研究に対する質問をはじめ、アドバイスもたくさん頂きました。今後の研究を進めていく上でとても参考になりました。また、発表においては奨励賞も頂きました。

課題研究Ⅱ中間発表ポスター