自然科学
【生物班】アジア大会出場を前にたつの市長表敬訪問・激励会
サイエンスキャッスル アジア大会に出場する國武明日香さんが、たつの市長を表敬訪問し、激励会をしていただきました。サイエンスキャッスルアジア大会は、主にマレーシア、フィリピン、インドネシア、ベトナムなどの生徒が参加する学会です。國武さんは、3月に開催されたサイエンスキャッスル ジャパンにおいて「グローバルパスポート」を獲得しました。主催者推薦により日本から出場する3名のうちの1人として、マレーシアで開催されるアジア大会にて研究発表をおこないます。
激励会には、山本市長の他、田中副市長、古本市民生活部長にもご参加いただきました。市長から激励の言葉をいただいたのち、参加者から研究内容に関するさまざまな質問をいただきました。
激励会のあとには、神戸新聞社の取材も受けました。
國武さんの研究内容「簡単無菌培養技術の開発」が、このアジア大会をきっかけに、他の国でも絶滅危惧種の保全・増殖などに活用され、共同研究などにつながっていくことを期待したいと思います。
市長・副市長に研究内容の説明 |
神戸新聞社より取材をうけました |
【生物班・課題研究ヌマエビ班】「ひょうご里山・里海国際フォーラム」で発表しました
令和7年9月28日(日)、兵庫県立兵庫津ミュージアムで開催された「ひょうご里山・里海国際フォーラム」において、本校自然科学部生物班と課題研究ヌマエビ班の生徒がポスター発表を行いました。
最優秀賞は逃しましたが生物班の「簡単無菌培養技術開発チーム」が優秀賞を受賞しました。
「ひょうご里山・里海国際フォーラム」は、関西万博の「地球の未来と生物多様性」テーマウィークに連動して開催された国際イベントです。本フォーラムは、里山・里海の重要性やその保全・再生に向けた取り組みを国内外に発信することを目的としています。
高校生によるポスターセッションは、県内の高校から19チームが参加しました。龍野高校からは、生物班(生物多様性の保全に関して3チーム)、課題研究ヌマエビ班が参加し、他校の高校生やフォーラム聴講者、研究者に対してポスターを使用して研究発表しました。
国際フォーラムということで、英文の原稿も準備していた生徒たちですが、多くが日本人の聴衆ですこし残念な一方でほっとしたのではないでしょうか。ぜひ、英語でもコミュニケーションができるようにしっかりと日ごろの学習にも励んでほしいと思います。機会があれば英語での研究発表に挑戦したいと思います。
「生物多様性龍高プラン」 生物班 |
「簡易防獣柵の効果の検証」 生物班 |
「簡単無菌培養技術の開発」 生物班 |
「ミナミヌマエビの生態に関する研究」課題研究 |
表彰式 |
参加者 |
【生物班】龍野西中学でヒシモドキの生息域外保全を開始
「第2回中学生にもできる課題研究チャレンジ」で生物班と活動している中学生3名のうち2名が龍野西中学生徒ということもあり、龍野西中学校区に生育する絶滅危惧種ヒシモドキの生息域外保全を西中学で行うことにした。
ヒシモドキはため池などに生育する1年生の水草であるが、国内の生育地は10か所程度。兵庫県も揖西町にしか自生していない希少植物である。
はじめに龍野高校生物実験室で、これまで何度も絶滅の危機を乗り越えてきた経緯や、地元住民や龍野高校の保全活動、研究内容と成果について学んだ。
その後、龍野高校スイレン池で生息域外保全をしているヒシモドキを西中学に移植した。ヒシモドキは1年草なので、寒くなると枯れてしまう。しかし、すでに多くの果実(種子)をつくっていた。
4月には発芽して、龍野西中学でもヒシモドキがすくすく育ってくれることと思う。
また、校区内にある絶滅危惧種オニバスの種子をまいた。発芽率が大変低い植物なので発芽するかどうかは不明だが、裂果していない未熟種子なので発芽率が良いことを期待している。
龍野高校実験室でヒシモドキについて学習 |
龍野高校での生息域外保全 |
龍野高校でヒシモドキの抜き取り |
龍野西中学ビオトープでの移植作業 |
ヒシモドキの果実 流出防止の突起が発達 |
移植されたヒシモドキ |
【生物班】サギソウ保全地での調査
生物班は、地元自治会の理解と協力のもと、たつの市内のサギソウ群落の保全活動をおこなっています。冬季の草刈りや開花期の人工授粉などによってサギソウの個体数は増加していますが、今夏はその効果を数値化するために調査を行いました。
観察道下の湿地周辺部のサギソウに対して、例年人工交配をおこなっており、人工交配をした場合しなかった花に対して結実率が高いことが昨年までの調査からわかっています。さらに、実際に開花個体の増加についても数値化するのが今回の目的です。
開花期の最盛期をすでに過ぎていましたが、人工交配を行った湿地の周辺50㎝の開花数は、湿地内側よりも多いことがわかりました。また、大型草本のカモノハシを刈り取らない場合は、サギソウだけでなく他の小型草本も激減することが分かりました。
湿地の周辺部には完全寄生植物のナンバンギセルなど秋の花が咲いていました。ススキやササに寄生しているようでした。
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サギソウの人工交配 |
木道下のようす |
木道下 湿地に入らないで |
手前から50㎝×100㎝で区画調査 |
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ナンバンギセル |
トウカイコモウセンゴケ |
【自然科学部】Chemical-Energy-Car Competition 2025に出場しました
8月31日(日)に、Chemical-Energy-Car Competition 2025が開催されました。
これは日本化学会が主催する大会で、大学部門と高校部門があります。一定のルールの基で化学反応で駆動する小さな模型車を制作し、直前に指示された量の水を積み、直前に決められる目標距離までの走行距離の精度を競います。
自然科学部は、化学班を中心に物理班や生物班にも協力してもらって準備を進めてきました。
駆動原理はダニエル電池、停止原理は過酸化水素の分解による酸素の発生を利用して風船を膨らませ、銅線を切るというアイデアを出し、作製してきました。
車を動かすだけの電圧・電流を出すことが難しく、当日は残念ながら車を動かすことができませんでした。しかし、試行錯誤して必死に取り組んだ経験は今後に生きてくると思います。
【生物班】令和7年度SSH生徒研究発表会に見学にいきました
8月6日・7日に神戸国際展示場で開催されているSSH生徒研究発表会に見学に行きました。例年、龍野高校からは総合自然科学科課題研究班の最優秀チームが龍野高校を代表して発表会に参加しています。今年は「『国産ヒノキの香りの追求』~タイワンヒノキとの比較~」で発表をおこないました。斎藤兵庫県知事にも研究の成果を聞いていただきました。
生物班の生徒たちは1年生のみだったのですが、生物分野の発表を中心にポスター発表を見学しました。理解困難なレベルの高い研究発表も多くありましたが、質問すれば生徒の知識レベルの応じて丁寧に説明してくれました。
特に大阪府立園芸高等学校の「イナワラのダイレクトアルコール発酵によるバイオエタノール生産技術の開発」発表は、直接生物班がとりくむ生物多様性の保全活動に無関係に思いましたが、サギソウ共生菌を活用した自生地の保全活動に多くのヒントを与えてくれました。
兵庫県に全国の高校生があつまり、いろいろな研究テーマで実験方法や結果を公開してくれることは、兵庫県だけでなく近隣の府県の科学研究にとりくむ高校生にとって大変有益な機会であり、ありがたいことだと思います。
見学にきた1年生4人のうち3名は総合自然科学科に所属しており、2年後の発表会では発表者として参加してほしいと思います。
ポスター発表会場 |
龍野高校発表ブースに知事がきてくれました |
先輩と記念撮影 |
審査結果の発表と講評 |
【生物班】生息域外保全野外実験場での除草活動
太子町総合公園で太子町まちづくり課の理解と協力のもと、生物多様性に関する野外実験を行っています。
公園内の柳池では、兵庫県ではたつの市に1か所しか自生していないヒシモドキの生息域外保全を行っています。ヒシモドキは普通種のヒシとよく似た環境に生育し、葉の形も似ています。ヒシの葉が輪生するのに対してヒシモドキは対生するので見分けるのは簡単です。ヒシは繁殖力が非常に強く、放置しておくとヒシモドキの生息空間がなくなってしまうので、例年夏季にヒシの除草を行っています。その効果もあり、毎年ヒシモドキの生育面積も拡大し、開放花も咲いています。
体験館前の空き地では、課題研究瀬戸内まちかど花壇班と自然科学部生物班が野外実験をしています。
実験目的は、自然降雨のみでも花壇の維持ができる植物の選定と簡易防獣柵の効果の検証です。
ロシアンブルーセージやキャットミント カラドンナ、バーベナだけでなく、湿地のセージであるホッグセージも乾燥や強光に耐えて開花していました。
絶滅危惧種では、キスゲが開花結実し、簡易防獣柵で囲ったオミナエシも開花していました。オミナエシは昨年はシカにかじられて、開花できませんでしたが、簡易防獣柵により根生葉が守られると一部の花茎は齧られても側芽から開花するなど、保全効果があることが分かりました。
ハーブ類の植栽のためか、昨年よりもシカの食害が減少しているように感じました。
ヒシが優占種となる柳池 |
ヒシモドキ周辺のヒシを駆除 |
ヒシモドキの開放花 水深50㎝以上で開花することが多い |
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ロシアンブルーセージ |
キャットミント カラドンナ |
オミナエシ 食害・貧栄養・水不足のためか草丈は低い |
エノコログサなど、種子散布まえに除草 |
【生物班】サギソウ保全地で植生調査
7月27日に地元自治会と龍野高校で保全活動を行っていいるサギソウ群落保全地で植生調査を行いました。
今回の植生調査の目的は、カモノハシやススキなど大型草本を駆除した場合、サギソウやモウセンゴケ、ミミカキグサ類など小型草本がどれくらい生育可能になるのか調べることです。
調査の結果、カモノハシが優占的に生育すると日照条件が悪化するだけでなく、土壌が乾燥化しやすいようです。このことも遷移が進行する要因だと思いました。
これからのサギソウ開花期にそなえて、見学者のために湿地に向かう通路のササなどの刈り取りもおこないました。
植生の構成種を覚える |
カモノハシ群落 |
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処理区 イヌノハナヒゲ類が優占する |
食虫植物 ホザキノミミカキグサ |
トウカイコモウセンゴケとミミカキグサ |
除草前 |
除草後
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【化学班】先輩と一緒に研究を行いました
7月23日、昨年度卒業した元化学班の先輩に部活動に来ていただきました。
現在化学班では、先輩が行っていた研究を引き継ぎ、フェノールフタレイン溶液を凍らせると赤色から無色に変化する謎を解明しています。
今日は、以前先輩が行っていた研究について聞いたり、現在行っている研究について話をしたりしていく中で、新たな疑問が生じ、それを検証するための実験を一緒に行いました。
ともに実験・考察をする中で、実験の方法や考え方を学ぶことができました。
【自然科学部】 桜山公園まつり 科学の屋台村に出展
姫路科学館で開催された、「科学の屋台村」に出展しました。
2日間、多くの子どもたちの笑顔と驚きの表情に出会うことができました。
親子連れのなかには龍野高校卒業生もいて「龍野高校から多く出展していてうれしく思います。」と声をかけていただきました。
子どもたちの中には5年後、10年後には生徒指導員をやる子どももいるはずです。20年後には先生として生徒をつれて出展している、未来の先生もいると思います。そのとき今指導員をしている生徒が親となり、子どもを連れて来場してほしいと思います。
自然や科学について、子どもたちが驚きや感動を体験できる科学イベントがいつまでも続くように、科学館だけでなく高校生・教員もがんばりたいと思います。
今回は龍野高校の有志ボランティアの協力もあり大変助かりました。疲れましたが、充実した時間を過ごせました。
7月31日(木)は龍野高校で「わくわく実験教室」を開催します。よかったら来てね♡
科学の屋台村出展内容
「牛乳で光が見える!? 水溶液の色が変わる!? おもしろマジック!」自然科学部化学班
「さわって分かる 兵庫の化石と地質」 自然科学部地学班
「不思議な世界 食虫植物」自然科学部生物班
「押花工房 おし花でしおりをつくろう」自然科学部生物班
「絶滅の危機にある生きものたち」自然科学部生物班
【参考】姫路科学館 「科学の屋台村」https://www.city.himeji.lg.jp/atom/tokuten/yatai/index.html
「おもしろマジック!」化学班 |
「ひょうごの化石と地質」地学班
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「不思議な世界 食虫植物」生物班 |
「押花工房」生物班
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生物班と龍高サイエンスボランティア
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