【生物班】生息域外保全野外実験場での除草活動

 太子町総合公園で太子町まちづくり課の理解と協力のもと、生物多様性に関する野外実験を行っています。

 公園内の柳池では、兵庫県ではたつの市に1か所しか自生していないヒシモドキの生息域外保全を行っています。ヒシモドキは普通種のヒシとよく似た環境に生育し、葉の形も似ています。ヒシの葉が輪生するのに対してヒシモドキは対生するので見分けるのは簡単です。ヒシは繁殖力が非常に強く、放置しておくとヒシモドキの生息空間がなくなってしまうので、例年夏季にヒシの除草を行っています。その効果もあり、毎年ヒシモドキの生育面積も拡大し、開放花も咲いています。

 体験館前の空き地では、課題研究瀬戸内まちかど花壇班と自然科学部生物班が野外実験をしています。

 実験目的は、自然降雨のみでも花壇の維持ができる植物の選定と簡易防獣柵の効果の検証です。

 ロシアンブルーセージやキャットミント カラドンナ、バーベナだけでなく、湿地のセージであるホッグセージも乾燥や強光に耐えて開花していました。

 絶滅危惧種では、キスゲが開花結実し、簡易防獣柵で囲ったオミナエシも開花していました。オミナエシは昨年はシカにかじられて、開花できませんでしたが、簡易防獣柵により根生葉が守られると一部の花茎は齧られても側芽から開花するなど、保全効果があることが分かりました。

 ハーブ類の植栽のためか、昨年よりもシカの食害が減少しているように感じました。

ヒシが優占種となる柳池

ヒシモドキ周辺のヒシを駆除

ヒシモドキの開放花 水深50㎝以上で開花することが多い

参加生徒

ロシアンブルーセージ

キャットミント カラドンナ

オミナエシ 食害・貧栄養・水不足のためか草丈は低い

エノコログサなど、種子散布まえに除草