自然科学

【自然科学部】マミズクラゲがスイレン池で発生

 マミズクラゲは淡水生のクラゲです。龍野高校の中庭のスイレン池では過去にも発生しています。ここ数年間は見られなかったのですが、今年10月になり少し気温が下がったことがきっかけとなったのかマミズクラゲが確認できました。

 ゆったりと泳ぐ姿は室内インテリアにも利用できそうですが、飼育が困難です。しばらくの間職員前で成体展示をおこなう予定です。

 

中庭のスイレン池

 生体展示

 

【自然科学部】サギソウ保全地での観察と整備

9月8日、例年おこなっているサギソウ保全地でのサギソウの人工交配と通路の除草作業をおこないました。この生育地は、地元の方々の尽力により観察用の木道が整備されており、この日は人と自然の博物館セミナーの一行も観察に来られていました。

 サギソウ以外にもサワヒヨドリやタヌキマメ、ヌマトラノオ、ヒメシロネ、食虫植物のミミカキグサやホザキノミミカキグサなどが開花していました。

 サギソウ群落 イトイヌノハナヒゲやミミカキグサ類

 サギソウの花

湿地に立ち入らないように人工交配

湿地周辺通路の、ササ刈と集草

サワヒヨドリ

タヌキママメ

ヌマトラノオ

にわか雨がやむまで雨宿り

 

【自然科学部】「青少年のための科学の祭典 姫路大会」に出展しました。

8月17日・18日、兵庫県立大学工学部(姫路市書写)で開催された、科学の祭典に自然科学部が出展しました。出展内容は以下の通りです。

 生物班 押花工房 押し花でしおりをつくろう

     不思議な世界 食虫植物

     絶滅の危機にある生きものたち

 物理班 こぼれない水!? 表面張力の不思議

 化学班 イオンがつくるグラデーション

 情報班 プログラミングで迷路を抜け出せ!

2日間、自然や科学に対する興味関心にみちあふれた子どもたちの笑顔に出会うことができました。

 押花工房

 不思議な世界 食虫植物

 

絶滅の危機にある生きものたち

 

こぼれない水 表面張力

 

イオンがつくるグラデーション

 

 

プログラミングで迷路を抜け出せ

 

 

 

 

【自然科学部】総合運動公園でフィールドワーク

7月28日、太子町総合公園柳池周辺でフィールドワークを行いました。太子町まちづくり課の理解と協力により、龍野高校自然科学部や課題研究生物多様性班は、公園内のため池や荒れ地などを利用して西播磨の絶滅危惧植物の保全など生物多様性に関するいろいろな活動を行って言います。

 兵庫県の自生地は1カ所になったヒシモドキの野生絶滅に備えて生息域外保全を柳池でおこなっています。しかし、ヒシが優占種のため池なので、ヒシモドキの保護区に侵入するヒシを除去する必要があります。さいわい、ヒシモドキは年々群落が拡大傾向にあり良好な状態で、開放花も咲いていました。ため池にはコイやアメリカザリガニ、ウシガエルが生息していますが、現在特に悪影響は内容です。

 さらに、今年から重点的に取り組んでいるのは、「簡易防獣柵の検証実験」です。低価で軽量な小型防獣柵によりシカの食害を防止できるのか、校内だけで無く総合公園でも試してみることにしました。

 対象の植物は、秋の七種のオミナエシとキキョウです。フジバカマに比較して、キキョウやオミナエシは食害に合いやすく、なかなか開花できません。公園内や付近では、ススキ、ナデシコ、クズなどが開花しているので、将来的には秋の七種全種類が観察できるようにしたいと思います。

 また、体験学習施設前にはヒシモドキや食虫植物3種類、そしてロータス効果の実験ができるようにハスの生体展示を行っています。多くの小学生に植物に関心をもつきっかけになればと思います。

 最後に、タマゴサンド製作所より、タマゴサンドを差し入れて頂きました。ごちそうさまでした。

ヒシを除去する

ヒシモドキの開放花

 各際するヒシモドキ群落

 ミズカマキリの幼生

 フジバカマや乾燥耐性実験植物周辺の除草作業

簡易防獣柵 筒型(オミナエシ)ドーム型(キキョウ)

簡易防獣柵 ドーム型(ポーチュラカ)

 ヒシモドキや食虫植物の実物展示

【自然科学部】桜山公園まつり「科学の屋台村」に出展しました

7月20日(土)21日(日)姫路科学館で開催された「科学の屋台村」に自然科学部が出展しました。

生物班は「不思議な世界食虫植物」で植物の進化の巧妙さを知っていただきました。また「いろいろなタネをさがそう」では、種子から生物多様性について分類作業を通じて体験してもらいました。種子は10種類以上持ち帰っていただき秋に播種の予定です。

化学班は「イオンがつくるグラデーション」で、電気分解による化学反応を利用して、化学の美しさを体験していただきました。来場者に、どのような現象が起こるのか予想を立ててもらい、実際に予想が正しいのか実験し、紫キャベツの色が変化していく様子を観察していただきました。

子どもたちに解説をしながら、高校生も多くの学びがあったと思います。今回は自然科学部の生徒だけでなく、有志生徒もボランティア指導員として参加していただきました。

次は7月31日龍野高校での「わくわく実験教室」に出展予定です。

いろいろなタネをさがそう

大きさ・形・色の違いをもとに種子を分類します

イオンがつくるグラデーション

食虫植物では展示解説と、苗を配布しました

【自然科学部】 ひょうご環境未来会議に参加しました

姫路駅南のじばさんビルで開催された「ひょうご環境未来会議!」に生物班10名が参加しました。

2019年に策定した「第5次環境基本計画」の改訂や「生物多様性ひょうご戦略」の改訂にむけて、高校生だけでなく、大学生、民間企業からも参加者が集まりました。

自己紹介の後、「ひょうごビジョン2050」の概要や「第6次環境基本計画」について説明を受けました。その後各自が興味関心のある「脱炭素」・「自然共生」・「資源循環」の各グループに分かれて、現状分析や対策案を検討しました。

 午後からはフューチャー・デザインについて学び、2050年の将来人になったつもりで、2024年の現代人へのアドバイスを考えました。グループで話し合った内容については、発表により全参加者に共有化されました。

 「第6次環境基本計画」には生物多様性の保全のため、また人材育成のために高校生による環境保全活動が盛り込まれることを期待したいと思います。

 

 

 

 

【自然科学部】ササユリの保全活動

6月8日、例年行っているササユリの保全活動を行いました。

ササユリは、シカが増殖する前は6月の里山を彩る山野草としてしばしば目にすることができました。

ササユリは、発芽までに2年、発芽後数年間は1枚の葉しか展開しません。開花まで5年以上の時間が必要です。

現在シカの食害により開花個体は激減し、残された一枚葉の幼個体も開花・結実することが困難なため、将来的には絶滅の危険性があると考えられます。

自然科学部では残された1枚葉の個体を安価に製造できる簡易防獣柵で保護し開花・結実させることが可能か、検証実験を兵庫県立大学の協力のもと行っています。今回あらたに、元県立大学講師の先生から教示いただいたキンランについても防獣柵を設置することにしました。

 事前調査では5株程度がつぼみをつけていたのですが、成長してつぼみをつけると茎が斜めになり、柵からはみ出してしまいます。そこで今年は柵の大型化などに取り組みましたが、設置日には食害に会い1株になっていました。作業が遅れたことが悔やまれます。しかし残された一株から、交配・結実・採種に成功したら、無菌は種による実生増殖にも挑戦したいと思います。

 

 昼食はひょうご環境体験館でとりました。ちょうどジャコウアゲハが羽化して、産卵をしていました。

 

食害された開花予定株

簡易毛防獣柵の設置

 

食害を逃れた開花予定株

 

新たに保護対象となるキンラン

 

ジャコウアゲハ

ジャコウアゲハの卵とウマノスズクサ

 

 

【自然科学部】 福泊海岸植生調査

6月2日、恒例の西播磨地区自然科学系クラブ研修会である、姫路市福泊海岸の植生調査に参加しました。

この研修会では、人工海浜の植生の調査をしながら、コドラート法による植生調査方法を学びます。

 コマツヨイグサやミチバタナデシコなどの外来種も多いのですが、ハマボウフウやコウボウムギ、ハマゴウなどの在来種も多く生育しており、人工海浜とは分からないくらいに植生が発達していました。

 天候にも恵まれ、パラグライダーで空中散歩を楽しみ、海岸に着地する人もいました。

 高校生だけでなく、兵庫県生物学会の会員で高校OB教員である先生方も参加して頂きました。なお昼ご飯の弁当は兵庫県生物学会より提供して頂きました。ごちそうさまでした。

1m×1mの中のすべての植物名と被度を記録

陸から海へメジャーを伸ばして1mごとに調査 

各高校ごとに、活動報告

1年生8名が参加しました

ハマヒルガオ

ハマボウフウとコウボウムギ

 

【自然科学部】 「Journal of the International Carnivorous Plant Society」に自然科学部が紹介されました

姫路市で開催された「食虫植物国際会議」の報告文が「CARNIVOROUS PLANT NEWSLETTER」に掲載されました。「食虫植物国際会議」で,自然科学部は兵庫県の食虫植物と自生地の紹介や、自生地の保全活動のとりくみなどを日本語と英語で発表しました。

発表原稿の修正や発音を英語科教員から指導をうけましたが、海外からの参加者に伝わるか不安でした。しかし、発表ではうなずきながら聴いていただき、さらに多くの質問もしていただいたことで、十分に内容を伝えられたことがわかりました。

国際会議の報告文が掲載された「CARNIVOROUS PLANT NEWSLETTER Volume52,No4」を報告者から提供をしていただき、さらに転載許可を「CPN」編集者にとっていただきました。

発表の機会を与えていただいた日本の事務局のみなさんのおかげで、貴重な体験をさせていただきました。ありがとうございました。また、「CPN」の転載を快く承諾していただいたことを感謝します。

1 CPN VOl.52,No4表紙 (コウシンソウ).pdf

2 龍野高校の発表.pdf

 

【自然科学部】 ほんまにできるバイオ実験(サギソウ無菌播種編) in 人と自然の博物館

2月11日、兵庫県立人と自然の博物館で開催された「共生のひろば」研究発表会に参加しました。

自然科学部では地域の自然環境や生きものの保全活動を行っています。その一つとして、絶滅危惧種サギソウの保全活動があります。

自生地の保全の他、無菌播種による増殖技術の研究をしています。現在、オートクレーブやクリーンベンチなど高価な設備を必要としない無菌培養技術で、設備のない小中学校でも可能なサギソウの無菌培養法を開発したので発表しました。また希望者には体験実験をしていただきました。

従来の方法では、培地と耐熱性培養容器を圧力釜で加熱滅菌をしたあと、滅菌した種子をクリーンベンチ内の無菌空間で種子を播く必要がありました。微酸性電解水で滅菌することで、非耐熱性のチャック付きポリ袋でもサギソウの球根を種子から生産することが可能になりました。

なお、当日は課題研究生物多様性班(ヒシモドキⅡ班)も絶滅危惧植物ヒシモドキの現状と課題について発表をおこないました。

今後いろいろな方々からのアドバイスを参考にして研究を続けたいと思います。

開会式

 講演会 「生き物の色々な音の出し方・使い方」

サギソウの無菌播種の発表

体験実験 クリーンベンチなしでサギソウの無菌播種

課題研究 ヒシモドキⅡ班の発表

秋になると球根ができます