自然科学
【自然科学部】サギソウ展に出展しました
姫路市立手柄山温室植物園で開催されたサギソウ展に自然科学部が出展しました。
元姫路市立手柄山植物園園長の上埜氏が開発したサギソウ無菌播種を継承しながら、高価なオートクレーブやクリーンベンチを使用しない小学生にもできる「微酸性電解水添加培地を使用した無菌播種」技術や、たつの市内の自生地での保全活動とその効果など、ポスター2枚と無菌培養中のサギソウなどを展示しました。
サギソウ展では、西播磨地域のサギソウの地域個体や、「飛翔」「香貴」など多種の園芸品種など見ることができました。
また、食虫植物展の期間中でもあり、ウツボカズラなどの食虫植物も多くの種類を見ることができました。食虫植物展でも先輩の研究「モウセンゴケは菜食家だった!?」をポスター展示していただきました。
前園長の松本氏より、播磨地方の絶滅危惧種やビカクシダなど熱帯植物について解説をしていただきました。
お忙しい中ありがとうございました。
姫路市の花 「サギソウ展」 |
龍高の展示品 「微酸性電解水添加培地で無菌播種」 |
食虫植物展 |
龍高の展示品 「モウセンゴケは菜食家だった!?」 |
松本氏による解説 「ビカクシダの葉の役割は?」 |
松本氏の解説 |
【自然科学部】青少年のための科学の祭典姫路会場に出展しました
8月20日(土)・21日(日)に兵庫県立大学工学部で開催された「青少年のための科学の祭典」に自然科学部が出展しました。
生物班は「不思議な世界食虫植物」で、ハエトリソウの実験などを通じて植物の進化の不思議さや巧妙さについてを、
「押花工房」では、押し花をつかってしおりをつくり自然遊びの楽しさを、「絶滅の危機にある生きものたち」では、播磨地方に残された希少生物の写真や、生態系に影響をあたえる外来生物の写真の展示により、多くの生物が絶滅に直面する現状を知っていただきました。
化学班は「気体の体積変化を見てみよう」で、水の状態変化と体積の実験を行いました。
物理班は「こぼれない水」で、水の表面張力を体験できる実験を行いました。
新型コロナのまん延のため、3年ぶりの「科学の祭典」でしたが、参加した自然科学部の生徒たちは、子どもたちに創意工夫をしながら、実験や解説に取り組んでくれました。会場には多くの子どもたちとお父さん・お母さんの驚きの表情や笑顔と出会うことができ、生徒たちもこの経験から多くを学んでくれたことと思います。
閉会式では、龍野高校の課題研究等でお世話になっている、姫路会場実行委委員長の遊佐真一先生(兵庫県立大学工学研究科)より感謝状をいただきました。
「こぼれない水!? 表面張力の不思議」 |
「気体の体積変化を見てみよう」 |
「不思議な世界 食虫植物」 |
「押花工房 押し花でしおりをつくろう」 |
「絶滅の危機にある生きものたち」 |
すべての出展に感謝状をいただきました |
【自然科学部】第12回バイオサミット2022 僅差で決勝進出ならず
8月7日に自然科学部生物班の1年生2名が、生物系の科学コンテストである第12回バイオサミットに出場し、8月12日(金)午後にZoomによる決勝進出者の発表がありました。
1次審査(論文審査)を通過した119の研究テーマの発表のうち、山形県鶴岡市の慶應義塾大学先端生命科学研究所で開催される決勝戦に参加できるのは、成果部門20校、計画部門15校の計35校です。
龍野高校は成果部門にエントリーし、兵庫県花ノジギクの教材化に向けて高価なクリーンベンチやオートクレーブ、耐熱性培養容器を使わない、組織培養技術の開発について発表していました。
決勝進出に必要な得点は3.78点でした。龍野高校自然科学部の得点は3.767点で23位。わずかにおよびませんでした。セッション終了後審査員の先生と電話で話す機会がありました。
改善点としては、審査員には組織培養について経験がない人もおり、この研究によって何がどこまでできれば良いのかを示すなどすれば、より伝わりやすかったのではないか?などのアドバイスを受けることができました。今回の最終予選は4分間という通常の半分以下の時間で実験内容や結果、考察まで発表しましたが、短時間での発表の難しさを痛感しました。決勝はオンラインで観戦できるようですので他校の優秀な発表を見学して参考にしたいと思います。
これから高等学校総合文化祭自然科学部門の県予選も始まります。今回の経験とアドバイスを生かして県代表を目指いしたいと思います。
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【自然科学部】第12回高校生バイオサミットに出場
自然科学部生物班の1年生2名が、生物系の科学コンテストである第12回バイオサミットに出場しました。
1次審査(論文審査)を通過した119の研究テーマの発表が、Zoomを使用した1回戦(プレゼンソフトによる口頭発表)で決勝進出をかけて競いました。
龍野高校のテーマは「ペットボトルで簡単組織培養」です。この研究は兵庫県花ノジギクの教材化に向けて高価なクリーンベンチやオートクレーブ、耐熱性培養容器を使わない、組織培養技術の開発についての研究です。
評価が上位であれば、8月22日から山形県鶴岡市の慶應義塾大学先端生命科学研究所で開催される決勝戦への出場権を獲得できます。
1回戦での他校での研究発表を聴講しましたが、大学レベルの研究内容や成果の発表も少なくなく、決勝進出は容易ではありません。しかし龍野高校の研究内容も従来の組織培養技術にはないアイデアを使用しています。
参加した1年生にとって、今回初めての科学コンテストの出場だったのですが、今回の結果の良し悪しにかかわらず、今後の科学コンテストに向けてのアドバンテージになると考えています。
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植え付け直後のスプレーギクの花弁 |
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【自然科学部】たつの市のオニバスの調査
オニバスは国内最大の水草です。栄養条件がよければ1枚の葉が2m前後になります。兵庫県内では、瀬戸内海側のため池に稀に生育しています。兵庫県版レッドデータブック2020ではBランクに評価されており兵庫県内の個体群は10程度とされています。
たつの市内のオニバスの今年の生育状況を確認するために、8月2日に調査に行きました。
A池は平野部に位置し泥底の富栄養なため池です。水面の90%以上がヒシに覆われていました。オニバスの個体数は15株前後でした。1年草のオニバスは年によって発芽率が著しく変動します。今年はやや発芽率が悪かったようです。発芽率の良い年は個体数が数えきれないほどの大群落を形成します。
B池はやや山間部の貧栄養なため池です。地域住人によりヒシモドキの保全活動がされています。例年であれば、落ち葉の堆積した泥底の南側で生育しているのですが、今年は北側の堤体にそって7株が生育していました。このあたりの底質は貧栄養な粘土だったの思うのですが、そのためなのかA池のオニバスに比較してやや小型でした。
まだ、両方のため池ともに、オニバスのつぼみを確認することはできませんでしたが株のサイズから開花・結実してくれると思います。
A池 平野部で富栄養のため池 |
B池 やや山間部で貧栄養のため池 |
もうすぐツボミが上がるはず。 |
地域住民の保護により開花したヒシモドキ |
【自然科学部】柳池生物多様性野外実験場でヒシの除草作業
2022年7月30日、太子町総合公園柳池内の生物多様性野外実験場で、ヒシの除去作業を行いました。ヒシは在来種の浮葉植物で、やや富栄養な条件下では爆発的に繁殖します。柳池の生物多様性野外実験場では兵庫県下ではたつの市内に1カ所しか自生地がない、希少植物ヒシモドキなどの絶滅危惧種の生息域外保全を行っています。ザリガニやコイなどの影響を心配したのですが、自生地以上に順調な生育をしており、6月中旬以降栽培では開花困難な、開放花も数多く咲かせています。
実験場内にヒシが入り込みヒシモドキの生育を妨げないように、侵入防止フェンス付近のヒシを除去しました。
また、授業「探究」で実験に使用するヒシとヒシモドキを採集しました。これまでの研究でヒシモドキがヒシと似た生育環境で育つ植物だが、ヒシが繁栄しヒシモドキが絶滅する原因として、「種子の機能」「根の機能」などの差があることは分かっています。今回の実験ではヒシモドキが絶滅危惧種になった原因の一つに、「除草剤などの薬剤耐性が極めて乏しいため」という仮説を検証する予定です。
手前:ヒシモドキ(絶滅危惧種) 奥:ヒシ(普通種) |
左:ヒシ(普通種) 右:ヒシモドキ(絶滅危惧種) |
ヒシの除去前 侵入防止フェンスをヒシが圧迫している |
ヒシの除去 水温は気温より低くため池内は案外快適
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ヒシ除去後 左前の植物がヒシモドキ 右奥はヒシ |
ヒシモドキは水深90cm付近で開放花が開花 |
【自然科学部】 「科学の屋台村」に「不思議な世界 食虫植物」で出展しました
令和4年7月23日(土)・24日(日)に姫路科学館などで開催された「桜山公園まつりウィズコロナ」の「科学の屋台村」に自然科学部が出展しました。完全事前予約抽選制で開催され、来館される家族も例年に比べて少なくさみしい「科学の屋台村」でした。しかし昨年・一昨年と2年間新型コロナウイルス感染防止のため中止だったので大きな前進といえます。
龍野高校自然科学部の出展内容は「不思議な世界 食虫植物」と題して、食虫植物の実物を観察しながら、「なぜ虫を食べる必要があるのか?」「どのように虫を捕まえるのか?」「ハエトリソウの捕虫実験」などの解説や実験を参加者のみなさんと楽しみました。
事前予約されていた方には、龍野高校で栽培増殖したハエトリソウやモウセンゴケ類、サラセニア、ムシトリスミレ、ムジナモなどをおみやげにプレゼントしました。栽培については簡単な説明しかできませんでしたが、本やインターネットで栽培方法を調べて大切に育ててほしいと思います。
「科学の屋台村」を開催していただいた、姫路科学館のみなさんありがとうございました。
参加していただいた小学生・幼稚園児・保育園児のみなさん。みなさんが中学生・高校生になったとき、みなさんが子どもたちに科学の面白さを伝えてくれる日を楽しみにしています。
またどこかでお会いしましょう。
自然科学部生物班だけでなく化学班・物理班からも応援参加 |
展示品 はじめて食虫植物を見る人もいました |
「ハエトリソウはどうやって、虫を判断するの?」 |
例年よりは少ないのですが、多くの家族に説明させていただきました。 |
ハエトリソウの捕虫実験 |
プレゼント用 ハエトリソウ、サラセニア等 |
「食虫植物展」で、自然科学部の研究成果を展示
姫路市立手柄山温室植物で開催されている、「食虫植物展」で自然科学部の研究成果をポスター展示させていただいています。
内容は、食虫植物のモウセンゴケの進化についてです。食虫植物のモウセンゴケの交配種に、動物性・植物性さまざまな試料を腺毛や葉身にのせた時の腺毛の運動や葉身の屈曲度合いを、タイムラプス機能付きのデジタルカメラで記録して分析しました。その結果、動物性の試料に限らず、植物性の試料についても腺毛や葉身の運動が確認できました。
モウセンゴケは進化の過程で、はじめは花粉や胞子などの植物性の付着物を養分にしながら、次第に小型昆虫などの動物に対しても確実に捕虫できるように腺毛や葉身の運動を獲得したと考えられます。
この研究成果は2020年に姫路市で開催予定であった「第13回食虫植物国際会議 in 姫路」で発表予定でした。しかし新型コロナウイルスが世界中で蔓延したため、国際会議は2023年の開催をめざし延期されています。(食虫植物国際会議HP)
当時の研究を行った生徒たちは卒業してしまいましたが、2023年に姫路市で食虫植物の国際会議が開催されたときは、龍野高校からも何らかの研究発表ができるようにがんばりたいと思います。
食虫植物展は 8月31日まで開催します |
ウツボカズラの大株 |
世界のモウセンゴケと研究成果の展示 |
モウセンゴケの一種 アデラーエ(豪州産) |
【生物多様性龍高プラン】 幻の花 絶滅危惧種ヒシモドキの開花
昨年より龍野高校課題研究生物多様性班(ため池班)と自然科学部が、太子町まちづくり課と協働で太子町総合公園柳池で「ため池を活用した絶滅危惧植物の生息域外保全」の野外実験を行っている。
昨年度、挿し木などで移入したヒシモドキが結実し、今春発芽、そして現在開花している。
ヒシモドキは全国的に希少な水草で、兵庫県内にはたつの市内のため池1カ所にしか自生していない。その自生地もため池の改修工事後、水深が深くなり、さらに天敵のブラックバスがいなくなったことでアメリカザリガニが増殖するなど環境の変化により絶滅の危険性が増大している。
ヒシモドキの野外絶滅に備えて、栽培による生息域外保全を長年取り組んできたが、水鉢などでの栽培条件下では開放花が咲くことは極めてまれである。昨年から、ため池を活用した生息域外保全に取り組んできたが、捕食者のコイがいるためかアメリカザリガニの被害も少なく、昨年は開花を確認できなかったが今年はじめて開放花を咲かせた。
ヒシモドキが希少植物であるだけでなく、栽培条件下では開花しにくいこともあり、「幻の花」といえる。
なお6月12日にアメリカオニアザミの駆除をおこなったが、開花株は順調に枯死していた。ただし、未開花のため除草剤の散布を逃れた幼苗(ロゼット状)がまだ残されていることがわかったので、今後再度駆除作業を行いたい。
柳池生物多様性野外実験場 |
順調に生育するヒシモドキ (周辺にはヒシも自生) |
ヒシモドキの開花状況 通常閉鎖花で結実する |
ヒシモドキの開放花 |
枯死するアメリカオニアザミの開花株 |
薬剤散布を逃れた幼株 |
【自然科学部】 アメリカオニアザミの駆除
太子町総合公園で要注意外来植物のアメリカオニアザミの駆除を行いました。
アメリカオニアザミはヨーロッパ原産の外来植物でアメリカから輸入された飼料に混入し帰化したそうです。
花は大変美しく鑑賞価値があるのですが、全草に鋭いトゲがありシカも食害することがありません。
多くの花を咲かせ、長い冠毛を持つ種子は遠くまで飛散します。昨年の課題研究生物多様性班の植物相の調査で太子町総合公園柳池に、アメリカオニアザミが造成につかわれた用土とともにもちこまれ生育地が拡大していることが分かりました。このまま放置しておくと、公園で遊ぶ幼児・児童がけがをする危険性があるので、対策を太子町まちづくり課担当者と協議しました。草刈り機では根を枯らすことが困難で再生しやすいことから、農地用の除草剤を葉面散布し駆除することにしました。
今回の駆除では、アメリカオニアザミに除草剤を散布した後、効果不足の場合でも種子の形成と飛散を防止するために花茎を切除しました。すでに園路にも分布を拡大しており、今後も継続的な観察と駆除を行う予定です。
アメリカオニアザミの除草剤の散布後、龍野高校生物多様性実験場にノジギクとフジバカマの苗を移植しました。
柳池の最大の群落 除草剤散布後、花茎を切除 |
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園路沿いに生育するアメリカオニアザミ |
通路に生育するアメリカオニアザミ |
チョウやハチなど訪花昆虫は多い(写真 モンキアゲハ) |
ノジギクの苗の移植 |