自然科学

【自然科学部】ササユリの保全活動

6月8日、例年行っているササユリの保全活動を行いました。

ササユリは、シカが増殖する前は6月の里山を彩る山野草としてしばしば目にすることができました。

ササユリは、発芽までに2年、発芽後数年間は1枚の葉しか展開しません。開花まで5年以上の時間が必要です。

現在シカの食害により開花個体は激減し、残された一枚葉の幼個体も開花・結実することが困難なため、将来的には絶滅の危険性があると考えられます。

自然科学部では残された1枚葉の個体を安価に製造できる簡易防獣柵で保護し開花・結実させることが可能か、検証実験を兵庫県立大学の協力のもと行っています。今回あらたに、元県立大学講師の先生から教示いただいたキンランについても防獣柵を設置することにしました。

 事前調査では5株程度がつぼみをつけていたのですが、成長してつぼみをつけると茎が斜めになり、柵からはみ出してしまいます。そこで今年は柵の大型化などに取り組みましたが、設置日には食害に会い1株になっていました。作業が遅れたことが悔やまれます。しかし残された一株から、交配・結実・採種に成功したら、無菌は種による実生増殖にも挑戦したいと思います。

 

 昼食はひょうご環境体験館でとりました。ちょうどジャコウアゲハが羽化して、産卵をしていました。

 

食害された開花予定株

簡易毛防獣柵の設置

 

食害を逃れた開花予定株

 

新たに保護対象となるキンラン

 

ジャコウアゲハ

ジャコウアゲハの卵とウマノスズクサ

 

 

【自然科学部】 福泊海岸植生調査

6月2日、恒例の西播磨地区自然科学系クラブ研修会である、姫路市福泊海岸の植生調査に参加しました。

この研修会では、人工海浜の植生の調査をしながら、コドラート法による植生調査方法を学びます。

 コマツヨイグサやミチバタナデシコなどの外来種も多いのですが、ハマボウフウやコウボウムギ、ハマゴウなどの在来種も多く生育しており、人工海浜とは分からないくらいに植生が発達していました。

 天候にも恵まれ、パラグライダーで空中散歩を楽しみ、海岸に着地する人もいました。

 高校生だけでなく、兵庫県生物学会の会員で高校OB教員である先生方も参加して頂きました。なお昼ご飯の弁当は兵庫県生物学会より提供して頂きました。ごちそうさまでした。

1m×1mの中のすべての植物名と被度を記録

陸から海へメジャーを伸ばして1mごとに調査 

各高校ごとに、活動報告

1年生8名が参加しました

ハマヒルガオ

ハマボウフウとコウボウムギ

 

【自然科学部】 「Journal of the International Carnivorous Plant Society」に自然科学部が紹介されました

姫路市で開催された「食虫植物国際会議」の報告文が「CARNIVOROUS PLANT NEWSLETTER」に掲載されました。「食虫植物国際会議」で,自然科学部は兵庫県の食虫植物と自生地の紹介や、自生地の保全活動のとりくみなどを日本語と英語で発表しました。

発表原稿の修正や発音を英語科教員から指導をうけましたが、海外からの参加者に伝わるか不安でした。しかし、発表ではうなずきながら聴いていただき、さらに多くの質問もしていただいたことで、十分に内容を伝えられたことがわかりました。

国際会議の報告文が掲載された「CARNIVOROUS PLANT NEWSLETTER Volume52,No4」を報告者から提供をしていただき、さらに転載許可を「CPN」編集者にとっていただきました。

発表の機会を与えていただいた日本の事務局のみなさんのおかげで、貴重な体験をさせていただきました。ありがとうございました。また、「CPN」の転載を快く承諾していただいたことを感謝します。

1 CPN VOl.52,No4表紙 (コウシンソウ).pdf

2 龍野高校の発表.pdf

 

【自然科学部】 ほんまにできるバイオ実験(サギソウ無菌播種編) in 人と自然の博物館

2月11日、兵庫県立人と自然の博物館で開催された「共生のひろば」研究発表会に参加しました。

自然科学部では地域の自然環境や生きものの保全活動を行っています。その一つとして、絶滅危惧種サギソウの保全活動があります。

自生地の保全の他、無菌播種による増殖技術の研究をしています。現在、オートクレーブやクリーンベンチなど高価な設備を必要としない無菌培養技術で、設備のない小中学校でも可能なサギソウの無菌培養法を開発したので発表しました。また希望者には体験実験をしていただきました。

従来の方法では、培地と耐熱性培養容器を圧力釜で加熱滅菌をしたあと、滅菌した種子をクリーンベンチ内の無菌空間で種子を播く必要がありました。微酸性電解水で滅菌することで、非耐熱性のチャック付きポリ袋でもサギソウの球根を種子から生産することが可能になりました。

なお、当日は課題研究生物多様性班(ヒシモドキⅡ班)も絶滅危惧植物ヒシモドキの現状と課題について発表をおこないました。

今後いろいろな方々からのアドバイスを参考にして研究を続けたいと思います。

開会式

 講演会 「生き物の色々な音の出し方・使い方」

サギソウの無菌播種の発表

体験実験 クリーンベンチなしでサギソウの無菌播種

課題研究 ヒシモドキⅡ班の発表

秋になると球根ができます

 

【自然科学部】ほんまにできるバイオ実験 in 神戸 の結果

2023年11月11日、兵庫県総合文化祭自然科学部門パネル発表で、オートクレーブ・クリーンベンチを使用しない組織培養の体験実験を24名の高校生・引率教員の方々にしていただきました。

実験内容は、クリーンベンチのないポスター発表の会場で、無菌培地にキク花弁の置床を行ってもらいました。短時間の無菌操作であれば、微酸性電解水を噴霧することで無菌操作が可能です。

当日は、1名あたり2回実験をしていただき、1つは実験者で、1つは龍野高校の生物実験室(室温)で管理しました。結果は龍野高校で管理した24個のうち14個で脱分化が起こり、カルスを形成しました。成功率は58.3%でした。さらに、カルスを形成したした14個のうち、10個で根の再分化が起こりました。

8月にあった、日本生物会大阪大会(近畿大学)での体験実験の結果(20名中18名が置床に成功)に比較して成功率が低くなってしまいましたが、各回10分の発表の時間内での研究発表+体験実験で説明が不十分な点があったことや、会場が混雑していたことなどが影響したと思われます。

今回の結果では再分化用の培地にカルス(未分化な細胞の塊)を移植することなく、根が分化したことは意外でした。これが、使用したスプレーギクの品種によるのか、気温が低下する時期に実験したことが影響しているのかはわかりませんが、移植することなく、植物器官から脱分化・再分化まで実験できれば、コンタミ(微生物汚染)のリスクを軽減したバイオ実験が可能になると思います。

実験に参加していただいたみなさん、ありがとうございました。

【資料】龍野高校HP>部活動>自然科学部【研究成果】>自然科学部論文>2023論文「バイオ生徒実験の実用化に向けた手法の開発」 に詳しく実験方法を紹介しています。

 

   

 

 

【自然科学部】 日本生物教育学会2024全国大会で発表 

1月6日~8日にかけて神奈川大学で開催された日本生物教育学会第108回全国大会で、自然科学部生物班が研究発表を行いました。内容は従来高価なオートクレーブやクリーンベンチが必要であった組織培養実験を、微酸性電解水を活用し高価な設備を使用しないで生徒実験が可能な方法についてポスター発表しました。希望者には体験実験をしていただきました。

参加者には、来年度の世界大会(ISEF)日本代表生徒もおり、学ぶべきことの多い発表会でした。

【参考】https://sbsej.jp/event2/upload_items/202312/108zenkokutaikai.pdf

 

 

第1回西播磨ビジネスプランコンテスト決勝大会に出場

12月9日、光都の先端科学技術支援センターにおいて第1回ビジネスプランコンテスト決勝大会に自然科学部が出場しました。決勝大会では2回の予選を勝ち抜いた、学生アイデア部門4校とローカルアドベンチャー部門の7名が各企画についてプレゼンテーションを行いました。

 学生アイデア部門に決勝4校は、2校が大学(神戸大学チーム、関西学院大学生)であり、2校が高校生(岡山県立操山高校と龍野高校)でした。

 自然科学部は、日頃の研究の成果の地域への還元を目的として、絶滅危惧種サギソウの無菌培養やキク花弁の組織培養技術の技術講習会や、無菌培養技術を応用した室内インテリア「バイトペットプランツ」の商品の企画を発表しました。

日頃の科学コンテストの研究発表会と異なりかってのわからないビジネスコンテストで、さらに考査直後で準備もままならないままの発表でしたが、努力賞をいただきました。

 表彰式後の交流会では、ビジネスプランコンテスト関係者の県民局や企業の方々には龍野高校のOBも多くおられて発表内容などほめていただきました。

神戸大院生による環境DNA特別レクチャー 【自然科学部】

「若手研究者による高校生のためのサイエンスレクチャー」を7月25日・8月29日に開催しました。神戸大学大学院で環境DNAをもちいて研究を行っている木谷亮太氏を講師に迎えて、生物多様性や環境DNAを利用した魚類相の調査の実習を行いました。

 7月25日は、生物多様性についてクイズに答えながら学習したあと、環境DNAについて学びました。講義のあと、実際に環境DNAの分析につかう水を採水してました。採水場所は校内のスイレン池と揖保川です。また、林田川やため池2カ所についても分析してもらうことにしました。

 8月29日は、採水した水をろ過してDNAを増幅し塩基配列を読み取り種を特定した結果をもとにして解説をしていただきました。校内のスイレン池では目視できるフナとミナミメダカが確認できました。揖保川ではオイカワやカワムツ、ウグイといったよく見かける魚以外にも、夜行性のアカザやギギのような魚も確認できました。アカザは環境省絶滅危惧Ⅱ類に分類されている絶滅危惧種です。このように夜行性の魚類でも検出できる環境DNAは生息地を採集行為により破壊することなく魚類相を知ることができる驚くべき調査方法といえます。

 今回は自然科学部の生徒以外の生徒にも参加していただきました。このような実験・実習の機会があれば自然科学部に所属していなくても関心のある生徒はぜひ参加してほしいと思います。

生物多様性についての説明

校内のスイレン池で採水方法などを説明

 

揖保川での採水 こんなに浅いところでもいいの?

採水したら、水温やpHなども計測

 

分析結果の解説

 

 

 

 

決勝戦 高校生バイオサミット in 鶴岡 【自然科学部】

8月21日から23日 山形県鶴岡市において 生物系 科学コンテスト「第13回 バイオサミット in 鶴岡」決勝戦が開催された 。 論文審査とオンラインによる口頭発表審査の2回の予選を勝ち抜いた成果発表部門20校と計画発表部門 13校が全国から鶴岡市にあつまり 研究発表を行いました。

自然科学部生物班は「バイオ生徒実験の実用化に向けた手法の確立」の研究テーマで成果発表部門に出場しました。21日は 成果発表部門の研究発表が22日は計画発表部門の研究発表がありました。

23日に 表彰式があり 生物班は上位の各大臣賞には届きませんでしたが審査員特別賞を受賞することができました。

お忙しい中3日間にわたり審査員など務めて頂いた研究者のみなさん、運営学生スタッフのみなさんらのおけげで有意義な経験をさせて頂きました。ありがとうございました。

龍野高校生物班の口頭発表

審査員特別賞を受賞

講演会 荒川所長(慶応義塾大学先端生命科学研究所)

鶴岡サイエンスパークや研究所、慶応発のベンチャー企業の紹介など

研究の結果、従来の説を否定することになっても恐れてはならない

      福沢諭吉「文明論之概略」

学生スタッフによる経歴や研究紹介

 実験室見学(メタボローム解析)

 

「ほんまにできるバイオ実験」ってほんまにできるんか? 置床の結果は?

 8月10日に日本生物教育会全国大会大阪大会がありました。高校生ポスター発表で「ほんまにできるバイオ実験」のテーマでクリーンベンチやオートクレーブをつかわない実験方法について発表を行い、会場でキクの組織培養に20名の先生や生徒のみなさんに挑戦していただきました。

 実験日から6日たちました。気温が十分に高いので、キク花弁を培地に植え付けるときに微生物が混入していたら微生物の集団(コロニー)が形成されます。

 結果は20個の培養容器(ポリ袋)のうち2個にコロニーが確認されました。成功率90%でした。

 今後、コンタミがなければ花弁の表面にニキビのようなカルスが形成される予定です。ただし、気温が高いときなので容器内が高温にならないように注意が必要です。

このように、100円均一で購入したワイヤーネットで管理しています。

1人2回実験していただき、はじめに実験したもの(奇数番号)を龍野高校で管理しています。

微生物による汚染(コンタミ)がおこった培養容器