【生物班】校内で、絶滅危惧種の生息域外保全
龍野高校の敷地内のさまざまな環境を活用して、主に播磨地方の絶滅危惧植物の生息域外保全を行っています。
県内ではたつの市のため池1か所にしか自生していないヒシモドキも水連池で栽培すると毎年開花しています。自生地のため池などもそうですが、水深が50㎝以上になると開花しやすくなるようです。水深が浅い時は、根から栄養塩類が吸収しやすく、栄養生殖によりふえます。しかし水深が深くなり養分が吸収しにくくなると、開放花を咲かせ栄養条件の悪い場所から花粉によりDNAを移動させる仕組みではないかと考えられます。
フウランは市内の神社のクスノキに着生していましたが、落雷によりクスノキが枯れてしましました。神主さんの好意でわけてもらった株を校内里山内のアラカシに着生させています。
ムラサキはたつの市内の里山に自生していた株から採種し、累代栽培しています。自生地では、シカの食害が酷くなり、周辺に生育していたヤブレガサなどとともに消滅しました。多年草ですが、3年目に枯れることが多いので、実生を繰り返す必要があります。
アサザはメダカブームと同時にホームセンターなどでも販売され、現存する自生地は移入株である可能性があります。近年(ここ20年内)に発見された自生地は特にその可能性が高いと思います。
ユウスゲは海岸のがけ地や林縁部に生育するヘメロカリスの仲間です。ユリに似た美しい花が咲くのですが、夕刻から咲くのが残念です。自生地はシカの食害をうけることが多いようです。
オオアカウキクサ(但馬型)は、高温期に枯れることが多いのですが、湧水のある水路で栽培維持しています。よくみかけるオオアカウキクサは外来種(交雑種)で高水温にも丈夫です。外来オオアカウキクサは合鴨農法と同時に国内に広く分布するようになり、移入問題や遺伝子汚染の可能性が高まっています。
ヒシモドキ |
フウラン |
ムラサキ |
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ユウスゲ |
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