校長室より

校長室より

【校長室より】令和4年度第3学期終業式辞(要旨)

 おはようございます。

 朝夕肌寒いものの、一雨ごとに春らしくなってきました。

 校内の桜もチラホラ花を咲かせ始めました。

 昨日から蔓延防止期間も終わり、令和3年度も本日で3学期の終業式となりました。無事に本日迎えられたことをうれしく、そして大変ありがたく思います。

 新型コロナウイルス感染症の蔓延防止期間は終わりましたが、ここで感染防止対策を怠ってはなりません。残念ですが、マスクせず会話しながら下校する生徒が一部見られます。大切な試合にチームとして出場できないなどということは可能な限りゼロに近づけたい。また、家族の生活にも影響がないに越したことはありません。今一度、マスク着用、咳エチケット、黙食、など細心の注意を払いたいものです。

 さて、先日、KTカーニー株式会社日本代表の関灘茂さんにご講演をいただきました。残念ながら別の用務で中座しましたが、映像で講演を拝聴できました。「モチベーションが高まっている」「本をしっかり読む」と感想に書いた人も多いと思います。今一度、忘れてはならないことを2つ述べます。

 まず行動あるのみ。

 講演後、実際に書店で本を漁った人、志を現実にするために学習計画をたてて即実行した人がいると信じます。

 2つ目にその高いモチベーションをいかに継続させるか。「喉元過ぎて熱さ忘れる」にならないようにしたいものです。心に誓ったと思っても、日増しに熱はさめ、そして忘れてしまいます。忘れないためには、いつも目標を見据えるしかありません。目の前に目標を掲げたい。手帳に書留め、常に眺める。ちょっとした工夫で、道は拓けます。いや、拓くと言い聞かせるのです。

 講演いただいて、少々のことではへこたれない自分に成長していけるのではないかと、勇気をいただいた人も多いと思います。「今、この場所」に安住せず、少しだけ無理をして身近なところから一歩踏み出し、さらに高みを目指して欲しい。将来「みんなの幸せの一端を担い」そして「世のため」に活躍する自分を思い描いて過ごしてほしいと、願っています。

 春休み中、油断せず健康にくれぐれも留意して行動してください。

 みんなで元気に新学期を迎えましょう。

 その名ぞ兵庫 わが母校 

 以上、第3学期終業式辞とします。

 令和4年3月23日 

                                    兵庫県立兵庫高等学校長 升川 清則

【校長室より】第74回卒業証書授与式辞

※いつも兵庫高等学校のホームページをご覧いただきありがとうございます。

 

                       式   辞

 玄関脇に植えられた白梅も日ごとにつぼみを開き、春の訪れを感じる季節になりました。
 本日、第74回卒業証書授与式を挙行いたしましたところ、PTA会長様、武陽会理事長様には、ご多忙にも関わりませず、ご臨席を賜り厚くお礼申し上げます。また、保護者の皆様には卒業生の門出を祝うため、ご来校いただきに誠に有り難うございます。心より感謝を申しあげます。
 ただ今、卒業証書を授与された314名の皆さん、卒業おめでとう。
 本日めでたく卒業の日を迎えられたこと、心よりお祝い申し上げます。3年間の努力と精進に対して心から賛辞をおくります。
 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大は衰えを見せず、兵庫県において感染症との戦いが依然として続いています。
 本校では、これまで感染防止に細心の注意を払いながら教育活動を行ってきました。
 教科の学習に加えて、全生徒が探究活動に精力的に取組んでくれました。74回生は探究全体発表会を7月に初めて実施しました。さらに校外の発表会等では高い評価を受けました。コロナ禍の教育活動において、ICT活用など前進した面もあります。まさに、「禍福はあざなえる縄のごとし」、多面的に物事を捉えることの大切さを痛感しています。様々な行事が天候に恵まれ滞りなく実施できたことを喜び感謝したい気持ちでいっぱいです。
 さて、私たちは、時代に応じた新しいものの見方を迫られています。
 新たな社会は、サイバー(仮想)空間とフィジカル(現実)空間の融合を目指すSociety 5.0と言われています。今まさに進展しつつある情報社会の生産力は、工業社会のそれをはるかにしのぐものと予測され、新しい知識労働者時代のプレーヤーとして活躍するために、我われには何が必要なのでしょうか。
 アメリカの作家スティーブン・R・コヴィーは、多くの人たちに影響を与えた人物、あるいは何か有意義な変化を起こした人物は、共通した4つの特質を有していると指摘しています。
 1つ目は「ビジョン」を持つことです。ビジョンとは、知性の目で将来を見ること、想像力を働かせることです。望み、夢、希望、目標、計画とも考えられます。
 2つ目は「自制」することです。自制とはビジョンを実現するために目の前の厳しい事実から逃げずに、物事を成し遂げるために必要なことを着実に実行することです。自制の対極にあるのが無節操です。無節操が過ぎれば、快楽やスリルのために、人生において最も大切なことを犠牲にすることになります。
 3つ目は、「情熱」を持つことです。外からの働きかけで情熱は生まれません。自分が主体的に選択することを力として、内面から湧いて出るものです。情熱は、ビジョンを達成するまで自制し続ける原動力になります。
 最後は「良心」を持つことです。良心は善悪を判断する道徳観であり、自分の存在意義、貢献へと後押しする力といえます。良心に従って生きることで、ビジョン、自制、情熱が生まれます。良心の対局にあるエゴは、横暴で尊大で独裁的なものであることを理解する必要があります。
 いかなる世の中になろうとも「ビジョン」「自制」「情熱」「良心」を欠くことなく、自分自身で「内なる炎」を燃え立たせ、自信を持って自分の道を究めて欲しいと願っています。
 保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。本校の教育方針をご理解いただき3年間ご協力、ご支援を賜りましたことを改めまして心よりお礼申し上げます。お子様が健康で立派な社会人となられることを切にお祈りいたします。
 卒業生の皆さん、健康にはくれぐれも留意し、壁に直面した時は「ネバーギブアップ」の精神で自ら行動して乗り越えてください。君たちの後に続く後輩たちのため、そして世のため人のために大いに活躍されることを期待しています。
 74回生、109陽会の皆さんの前途に幸多かれと、心よりお祈りしつつお別れいたします。

 

 令和4年3月1日

                                         兵庫県立兵庫高等学校長
升 川 清 則

【校長室より】阪神・淡路大震災から27年

阪神・淡路大震災発生から27年
 
 皆さんこんにちは。
 今、私は、1階事務室前の柱の銘板の前に立っています。
 ここには「兵庫県立兵庫高等学校は、神戸市内で最大の避難所となり、被災者支援と教育活動の両立に困難を極めた。しかしながら、生徒も、教職員も粘り強く耐え、被災された人々とともに、394日間を戦い抜いた。」と刻まれています。

 今から27年前、平成7(1995)年1月17日5時46分、淡路島北部を震源とし、死者6,435名、重傷者10,683名の未曾有の被害をもたらした震度7の大地震、阪神・淡路大震災が発生しました。
 犠牲になられた多くの方々のご冥福をあらためて心よりお祈りいたします。
 さて、本校では、震災直後から校内には 2,500人を超す避難者を受入れました。「394日間を戦い抜いた」とあるのは、震災発生後の翌年、2月14日に校内の避難者がゼロとなるまで、避難者とともに学校生活を送ったことを示しています。

 震災発生後、1年生は北区の神戸甲北高校で、2年生は鈴蘭台高校(現在の神戸鈴蘭台高校)で、教室を間借りして授業が再開されましたが、当時の2年生が次のように綴っています。


『学ぶという事』
「学校という勉強するには恵まれ過ぎた環境が当たり前のようにあって、僕は色々なことを知る喜びを最近まで知らずにいたけれど、今はとてもおもしろいことだということに気付いた。今回の震災で気付いたことは、えらそうに自分は勉強していることになっているが、実は自分の身の回りのことを何ひとつ、1回の食事すら自分で世話できない人間なのだということだ。親をはじめ、社会全体が勉強できる環境をすべて整えてくれていて、それらすべてを土台にして勉強させてもらっていた。生きることが何ひとつ自分でできないことに気付いた。自分一人でも生きてゆけるようになるためにも、今は鈴高というあまりある環境で勉強させてもらっている。」

 通常の学校生活は困難を極める中でも、生徒は多くのことを感じ、そして学んだのです。
 その年の3月1日には鈴蘭台高校で第47回卒業証書授与式が挙行され、3年生の元生徒会長が「破壊された神戸の復興、混迷する世界情勢の打開を担うのは私たちなのだ。」と力強く答辞で語りました。その方は現在、外務省に務めておられます。東京みらいフロンティアツアーの代替研修でも、アフガニスタン情勢が緊迫するお忙しい中、お話しをいただいた方です。

 年度が変り4月からは北区の西鈴蘭台にあった当時の鈴蘭台西高校のグラウンドに仮設校舎が建設され、3学年全員そろって新学期をスタートしました。4月26日、3年生が九州方面への修学旅行を実施。そして、6月5日から3年生が本校に復帰。その時の避難者は約600人を数えました。
 そのような中で8月には吹奏楽部が全国大会への出場を決めるなど全校生徒が一丸となって部活動でも大いに気を吐いたのです。1,2年生が本校に復帰し、全校生1117名が揃ったのは9月26日のことでした。


 1月15日には南太平洋のトンガで海底火山で大規模噴火がおこり、日本にも、場所によって1Mを超える津波が記録されました。東日本大震災をはじめ、多くの豪雨や地滑り被害などの自然災害の発生、そして新型コロナウイルス感染症などの感染症の流行も含め、我々が自然界で生きていく中では、いつどこで何が起こるか分かりません。
 2年前の7 月に、本校職員が東日本大震災後の東北地方にボランテイアに赴きました。全校生徒に 「災害はいつどこで発生するかわからない、いかにして自分事としてとらえるか 」が重要であり、「自分の命の重みを十分認識して精一杯生きよう」と問いかけたことが今でも心に残っています。

 全く心配のない平穏な日常を送ることができるのは、当たり前のことではなく、むしろ例外であることを、我々は今、コロナと闘うことで身をもって体験しています。当たり前ではないことを経験できてありがたく思うことができれば、それは大いに意味のあることです。兵庫高校生は、大震災や2009年の新型インフルエンザの流行など、いかなる時も苦難を前向きに捉えて乗り越えてきました。これからも阪神淡路大震災を忘れず、伝え、次の災害へ備える心構えを持ち続けましょう。

 令和4(2022)年1月17日

                              兵庫県立兵庫高等学校長
                                  升 川 清 則

【校長室より】部活動等の成績(2学期追加分・主なもの)

【運動部】
 男子バレーボール部
  12/26 令和3年度神戸市内高等学校バレーボール新人大会 優秀選手賞 2年 松本 匠
              ※チームとしても県新人大会の出場権獲得

 女子バレーボール部
       12/26 令和3年度神戸市内高等学校バレーボール新人大会 優秀選手賞 2年 前山ゆう
                ※チームとしても県新人大会の出場権獲得

【文化部】
 吹奏楽部
        12/19   第49回兵庫県アンサンブルコンテスト神戸地区大会
                       クラリネット8重奏 金賞   2年 柴田藍花 立川優花 安政遥音
                                                                      1年  村上舞桜 猪師温音 成 緑世 来田明日香 長野咲那
                ※県アンサンブルコンテストの出場権獲得

【その他】
   12/21 第12回いっしょに読もう!新聞コンクール         奨励賞       2年 面出朱里 

【校長室より】令和3年度第3学期始業式辞(要旨)

 おはようございます。あらためまして、明けましておめでとうございます。
 日差しはないものの、しっとり落着いた3学期の始まりになりました。君たちが元気に登校し始業式を迎えられたことをうれしく、そして大変ありがたく思います。

 さて、昨年2021年の漢字は「金」でした。5年ぶり4度目。オリンピックが開催された年は決まってこの字が選ばれます。今年は冬季オリンピックが開催されますが、オリンピックがなくても、1人ひとりが「ゴールド」に輝くような1年にしたいものです。
 一方で、年明け早々、新型コロナウイルスの新規の感染者がにわかに増加し、昨日、兵庫県では169人(昨年の同日284人)になりました。我々、一人ひとりが感染拡大防止につとめなければなりません。基本的な対策をしっかり行うことで感染を防ぐことはできます。三密(密閉、密接、密集)の回避、手洗いの励行、マスクの着用などにしっかりと取組みたいものです。
 昨年は島田叡先輩生誕120年でした。2年生は修学旅行で島田先輩を慰霊させていただきました。そして、12月25日に行われた島田先輩生誕120年を記念する式典では、修学旅行委員3名が、沖縄県立那覇高校の生徒3人と共に、兵庫県民を代表して、平和メッセージを堂々と発信してくれました。また、一昨年の3年生の修学旅行を思い返すと。島守の塔への献花の折、雨も上がって雨雲の間から温かな日差しが差し込んだことが、この間のことのように記憶に残っています。島田氏は苦境にあっても、その時を大切にし、未来に向かって尽力された。我々は、コロナウイルスとの闘いにおいて、これまでの歴史になかったような、新たな経験をさせてもらっています。今こそ自分たちの未来を創るために新しいスタートを切りましょう。


 3学期のスタートにあたり君たちに求めたいことが2つあります。
 1つは、目標を明確にすること。進路でも部活動でも、具体的な目標をたてる、そしていつも目標を目にして確認し意識し続けること。
 2つめは、ほんの少しだけ無理をして「良い行動を習慣化」すること。これまで課題にあげてきた家庭での学習時間は増加の兆しは見えるものの、あともう一息の取組みを期待します。特に、1・2年はさらに1時間ひねり出すために生活を見直して欲しい。同時に読書、新聞に日常的に親しんで、感性を磨いて欲しい。
 3年生は大学入試共通テスト目前です。睡眠時間をしっかり確保して、決めたことを丁寧に進めなさい。何事もやってみないと結果はわかりません。目標を達成されることを切に願っています。


 生徒全員が、それぞれ目標に向かって共に切磋琢磨する。兵庫高校は、まさに自立を目指して努力を続ける人たちの共同体です。

 その名ぞ兵庫 わが母校 

 以上、第3学期始業式辞とします。

 令和4年1月11日

 兵庫県立兵庫高等学校長

 升川 清則

【校長室より】部活動等の成績(2学期・主なもの)

 兵庫高校のホームページをご覧いただきありがとうございます。

 2学期において、部活動等で生徒が大いに健闘しました。その一部を紹介させていただきます。

 【運動部】 

陸上競技部

 9/17 第54回近畿高等学校ユース陸上競技対校選手権大会

                         1年男子800m 3位 岡田悠佑(1年)

 10/ 3     第59回神戸地区高等学校駅伝競走大会 男子総合成績    5位

                                第3区      3位 嶋根陸都(1年)

水泳部

  10/9 第5回近畿高等学校新人水泳競技大会                           男子100m自由形     3位 洲﨑透真(1年)

   9/ 4   第64回兵庫県高等学校ジュニア選手権水泳競技大会    男子100m自由形        3位    同上

12/19  第14回兵庫県高等学校対抗冬季水泳競技大会      男子  50m自由形     2位    同上

                                                                                                       男子100m自由形       4位    同上

                                                                                                       男子総合成績        8位

11/ 7   第8回神戸市秋季水泳競技大会                            女子50m平泳ぎ    1位   武田菜々美(2年) 

                                                                                                       女子200m個人メドレー   3位    同上

                                                                           男子200m平泳ぎ        2位  坊垣宏太(2年)

器械体操部

 10/16 神戸市総合スポーツ大会体操競技高等学校の部    男子個人総合     2位  五十嵐友紀(2年)

                                                                                                        男子種目別平行棒     2位  丹野遼太朗(2年)

                                                                                                        女子個人総合            3位  村上璃佐音(2年)

【文化部】

第45回兵庫県高等学校総合文化祭

 放送部 11/23 放送文化部門            ラジオ番組小部門ドラマ 銀賞

                            朗読小部門      奨励賞 堀内春香(1年) 

 ギターアンサンブル部

     9/26  軽音楽部門                                         選考会優秀賞            南薗創太(2年)   新谷月乃(2年)

                                       谷崎鈴音(2年) 清水俊輔(2年)   

   書道部    11/14  書道展                                                        全国総文推薦賞         森本菜月(2年)

                                                                                                     テーマ作品優秀賞      鈴木咲光(2年)

 【その他】

     11/25 高校生の税に関する作文        長田税務署長賞       石田和花(2年)

                             長田区租税教育推進協議会長賞

                                                                                                                                        平田 愛(2年)

 

                  11/28  第12回ひょうご新聞感想文コンクール   入選 小林友夏(2年) 橋口千聖(2年)

                  11/27 第12回ESD(持続可能な開発のための教育) 大賞審査員特別賞        兵庫高校

【校長室より】令和3年度第2学期終業式辞(要旨)

 いつも兵庫高等学校のホームページをご覧いただきありがとうございます。2学期終業式を放送室からホームルームに向けて、オンラインで実施しました。 

 おはようございます。
 学校近くの花壇にはクリスマスデコレーションとシクラメンの花、そして迎春の葉ボタンに季節を感じます。
 2学期を振り返ると、9月体育祭、10月2・3年校外学習、11月1年生野外活動、そして、好天に恵まれた2年生の修学旅行、さらには先ほど実施した避難訓練。そして、神戸高校との秋季定期戦は、見事に勝利など。新型コロナウイルス感染症の影響の中でも、様々な行事を概ね天候にも恵まれて滞りなく実施できたことは大変ありがたく、皆さんとともに喜び感謝したいと思います。

 さて、始業式と同じように教室へのオンライン配信による終業式となりました。カメラのレンズを皆さんの目だと思って、しっかりと見据えて話をします。
 行事を終えるごとに、各学年ともに取組みの質が上がってきつつあるように思います。1年生は先日のSTEAM授業における動画制作、2年生は修学旅行における生徒主体の取組み、3年生は各自の目標に向けてまっしぐらに取組む様子を見せてくれており頼もしく感じました。
 一方、残念なこともあります。とりわけスマートフォンの使い方。自分でコントロールできなければ身も心も滅ぼすことにつながりはしないかと大変危惧しています。ゲームやSNSから離れる勇気が必要です。
 もうひとつは、時間の際に弱い人が多い。登校時と下校時に時間が迫っても慌てることなく、「ぐずぐず」している人や集団が見られることは非常に残念です。次にやるべきことにまっしぐらに行動すれば生活にリズムが生まれます。。
 兵庫高校でともに学ぶ皆さんは、仲間であり、ライバルでもあります。お互いを尊重しながら、各自が目標を見据えて粘り強く達成感をえるまで取組んで欲しい。さらには、日ごろの清掃や仲間同士や先生方と自然にあいさつを交わせる気持ちの良い環境つくりに全員が気を配り、兵庫高校として集団的な知性を磨いていいきたいものです。
 3年生(74回生)の皆さん、今こそ我を忘れて勉強に取組むことができるときです。うまくいかないと感じる人ほど伸びしろがあります。取組むべきことを明確にして落着いて取組めば、自分でも想像できないくらい成果をあげることができます。「ネバーギブアップ」。将来、自分が「世のため人のため」に活躍する姿を思い描いて頑張りましょう。

 新年1月11日の始業式に、皆さんが元気な姿をみせてくれることを楽しみにしています。

 「その名ぞ兵庫、我が母校」

 令和3年12月24日

                                     兵庫県立兵庫高等学校長

                                         升川 清則

 

【校長室より】部活動の活躍について(夏季休業中等)

 

兵庫高等学校のホームページをご覧いただきありがとうございます。
夏季休業中、生徒は部活動でも大いに健闘しました。成果の一部を紹介いたします。

【書道部】
 8/2~6 全国高等学校総合文化祭(紀の国わかやま総文2021)書道部門
    読売新聞社賞・奨励賞  3年 八木友菜(300作品中上位9作品に相当)

【ギターアンサンブル部】
     第14回全国高等学校「軽音フェスティバル」 優秀賞に決定
        3年 柚津陽之介 岡田智貴 尾崎大智 2年 清水俊輔

【卓球部】
  7/29   令和3年度近畿高等学校卓球選手権大会
         女子ダブルス 5位   3年 大槻優葉 司田和波
  8/12~17 全国高等学校総合体育大会 卓球競技
         女子シングルス出場   3年 大槻優葉 司田和波
  8/27   令和3年度神戸市内高等学校新人卓球大会
                      女子学校対抗 3位
  近畿高等学校卓球ランキング証  
          女子ダブルス 7位   3年 大槻優葉 司田和波

【水泳部】
  7/22   令和3年度近畿高等学校選手権水泳競技大会
          男子100m自由形 8位       1年 洲﨑透真
  8/17~20 全国高等学校総合体育大会 水泳競技(競泳)
          男子100m自由形 200m自由形出場 1年 洲﨑透真
  8/8~9  第74回神戸市高等学校水泳競技大会
          男子100m背泳1位 50m背泳2位    1年 洲﨑透真
                                   女子総合 2位
                                   女子100m背泳3位 50m背泳3位         3年 山本英穂
                                   女子50m平泳2位 100m平泳3位         2年 武田菜々美
                                  女子400m個人メドレー    3位       1年 小橋穂乃香
                                  女子4×100mメドレーリレー  2位 
                                                          山本英穂・武田菜々美・中原純花・吉田純香
                                  女子4×100mフリーリレー 2位
                                                          山本英穂・小林由寿・小橋穂乃香・武田菜々美
【陸上競技】
          7/21~22 第73回兵庫県高等学校ユース陸上競技対校選手権大会神戸地区予選会
                               男子2年1500m2位 5000m2位    松本暖生
                               男子2年 400m 3位         平尾穣司
                               男子1年 800m1位    1500m3位        岡田悠佑
                               女子2年砲丸投1位 円盤投1位        栗山未有
                               女子2年やり投3位            堀家花菜
                               女子1年砲丸投1位 円盤投2位       吉村咲穂
                               女子1年三段跳3位           片岡彩萌
   8/ 20~22 第73回兵庫県高等学校ユース陸上競技対校選手権大会
                               男子1年800m1位 1500m2位    岡田悠佑
                               女子2年砲丸投2位          栗山未有
                               女子1年砲丸投3位          吉村咲穂
                               女子共通4×400mリレー 6位
             1年丹羽徠嘉 2年中村莉都 松﨑絢香 熊野彩音

【ソフトボール部】
 8/22  令和3年度神戸市高等学校女子ソフトボール中期錬成大会 準優勝
                    優秀選手賞  2年 中平陽真琉

 

【校長室より】令和3年度第2学期始業式辞(要旨)

 兵庫高等学校のホームページをご覧いただきありがとうございます。2学期始業式を放送室からホームルームに向けて、オンラインで実施しました。

 

 皆さんおはようございます。残暑の中、2学期が始まりました。 
 おりしも、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の勢いは止まらず、昨日は兵庫県内で1,024名の新たな感染者が発生し、9月12日まで緊急事態宣言が発令され緊張感も高まっています。
 2学期に予定している行事は、方法を工夫して可能な限り実施すべく準備を進めます。しかし、やむを得ず中止変更がありえることは理解して欲しい。本校における感染が起こっていないことが実施の大前提であり、行き先の感染状況も考慮して判断することになります。
 そのため、健康にはくれぐれも留意して過ごすこと。これまで以上に、密閉、密接、密集の3密の回避、ソーシャルディスタンスの確保、飲食時の大声の会話、飲料水の回し飲みは厳禁です。マスクは不織布で作られているものを着用してください。ワクチンの接種は感染対策としては非常に有効です。
 さて、夏休み中、登校しての補習や自習、家庭学習に粘り強く取組んだ人、部活動に熱心に取組んだ人など、各自が有意義に過ごしてくれたものと信じます。
 先日、2年生の27人が参加した東京未来フロンテアツアーの代替研修は、すべての訪問をオンラインで実施するなど新たな形の研修となりました。研修に加えて、各界で活躍されている本校の卒業生との交流も大いに盛り上がりました。仕事の合間を縫って後輩たちのために、馳せ参じていただきました。参加された卒業生の方々は、まさに、「世のため人のため」力を尽くされており、さらにその母校愛に感激しました。しかし、話を聞かせていただいた先輩たちも、高校時代、順調な日々を過ごしたわけでは無く、時間が経過して今になって考えれば、ありがたい高校生活だったなという感じではないかと思います。
 生徒の皆さんの中には、今の自分の状況や将来のことを少し不安に感じている人もあるかもしれません。考えて見ると、今の自分は、これまで自分の行動の結果にほかなりません。まず受け入れましょう。結果はどうであれ自分の無力さを思い知ることができれば、それは幸運なことです。あとは足りないところに脇目をふらず取組めばよいだけです。思い込みを捨て、ポジティブな行動や言動を心がけ自分から行動してみましょう。さしあたり、今やるべきことは心を落ち着かせて大掃除をしっかり行い、課題実力考査に集中することでしょうか。特に3年生は、本当にその目標で良いのか、見つめ直してみましょう。皆さんにはまだまだ伸び代があります。時間がないなどという暇があったら行動しましょう。
 厳しい暑さも今週が峠との予報です。少しずつ身体も、気持ちもな慣らしてまいりましょう。2学期が充実したものになるよう大いに期待しています。

 令和3年9月1日  

                           兵庫高等学校長 升川 清則 

 

【校長室より】令和3年度兵庫高等学校WEBオープンハイスクール挨拶(要旨)

 令和3年度兵庫高等学校WEBオープンハイスクールをご覧いただき誠にありがとうございます。
 約1,400名の中学生の皆さんにお申し込みをいただき、ご参加を楽しみに職員、生徒一同、学校を挙げて準備を進めてまいりました。
 しかしながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大のため、急遽、WEB配信による実施とさせていただき、本日8月20日から期間限定で内容をご覧いただくことといたしました。
 中学生に皆さんをはじめ、保護者の皆様にもご覧いただき本校の一端をご理解いただければ大変ありがたく存じます。
 兵庫高校は、「様々な経験を通して得た学びを活用する能力」と「自分の可能性を信じて、より高いところをめざす態度」を有する皆さんの入学を期待します。
 本校は「質素剛健 自重自治」の四綱領の精神を教育の根本に掲げ、こころ豊かで自立する次世代のリーダーを育てています。創立113年の伝統に甘えることなく、国が目指す最先端の教育内容を提供すべく進化しています。文部科学省から「地域との協働による高等学校教育改革事業(グローカル型)」、県教育委員会から「STEAM教育実践モデル校事業」の2つの研究指定を受け、東京大学、京都大学、大阪大学などの大学や行政機関、民間企業との連携のもと、普通科・創造科学科のいずれにおいても、理数教育や探究活動、さらにはキャリア教育の充実に全校あげて取組みます。
 そのような中、生徒は「ひとつ上の自分」を目指して高い学力を身につけることはもちろんのこと、学校行事や部活動にも積極的に取組んでいます。時間の厳守をはじめ日々の清掃や保健活動など、各自の役割を果たし、学びの場としての秩序を保ちながら、「他者を思いやる心」と「たくましい体」を育んでいます。
 生徒達は自分の興味関心を将来に繋げて、しっかりとした目的を持って次の進路に進んでいます。国公立大学の現役合格者は毎年増加し、昨年度は過去10年間で最多となりました。卒業生は、世界や日本中で「世のため人のために力を尽くす人材」となって、官民を問わず活躍しています。
 中学生の皆さん、兵庫高校で、自らの可能性を信じて、さらなる高みを目指してください。行動力あふれる先輩たち、熱心な教職員が皆さんを心よりお待ちしています。
 11月には学校説明会を予定しています。よろしければ、来校いただければ幸いです。

【校長室より】令和3年度創造科学科 WEB学科説明会挨拶(要旨)

 令和3年度兵庫高等学校 創造科学科 WEB学科説明会をご覧いただき誠にありがとうございます。
 このたびは約200名の中学生の皆さんにお申し込みをいただき、職員、生徒共々、心待ちにして準備を進めてまいりました。
 しかしながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大のため、急遽、WEB配信による実施とさせていただきました。創造科学科に関心のある中学生に皆さんをはじめ、保護者の皆様にも是非ともご覧いただき、その一端をご理解いただければ大変ありがたく存じます。
 兵庫高校は、「様々な経験を通して得た学びを活用する能力」と「自分の可能性を信じて、より高いところをめざす態度」を有することはもちろんのこと、とりわけ、創造科学科を目指す皆さんには、「信頼関係を構築する力」「先端科学について探究することで論理的に物事を分析する思考力」「様々な角度から柔軟に考え、何事にも積極的に取組む行動力」を身につけようとする生徒の入学を期待しています。
 令和4年度からはこれまでの学びに加えて、理数探究の導入や数学、理科を中心とした理数教育の充実を図ります。さらに、学校設定科目データサイエンス(仮称)を設置し、ビッグデータやICT、IoT活用の基礎となる学びを充実させます。
 生徒達は自分の興味関心を将来に繋げて、しっかりとした目的を持って東京大学や京都大学、大阪大学などの国公立大学や私立大学に進学するほか、在学中に海外留学する生徒や海外の大学にチャレンジする生徒もいます。理数科ではありますが、その強みを活かして文系に進む生徒もおります。
 将来、世界や日本中で「世のため人のために力を尽くす人材」となって、官民を問わず活躍してくれるものと期待しています。
 皆さんと一緒に切磋琢磨できることを、行動力あふれる先輩たちや熱心な教職員が心よりお待ちしています。

【校長室より】書道部門入賞決定! 全国高校総文祭

兵庫高等学校のホームページをご覧いただきありがとうございます。

 全国高等学校総合文化祭(紀の国わかやま総文2021)の書道部門において、本校生徒が読売新聞社賞・奨励賞を受賞しました。これは、出展300作品中で上位9作品に相当します。

1 大会名  全国高等学校総合文化祭(紀の国わかやま総文2021) 書道部門

2 開催期間 令和3年8月2日~6日

3 開催場所 和歌山県白浜町立総合体育館

4 入賞者  3年 八木 友菜

5 受賞内容 読売新聞社賞・奨励賞

        作品「臨 楊峴 漢陳文範碑」

        講評 隷法の特徴を捉え、豊かな線質と造形の妙を会得した作品
 

【校長室より】出場決定! 全国高校総体・全国高校総文祭

兵庫高校のホームページをご覧いただきありがとうございます。

 令和3年度全国高等学校総合体育大会(北信越地区)並びに全国高等学校総合文化祭(和歌山県)に参加する生徒を紹介させていただきます。参加者は全力で闘ってくれるものと期待しています。どうぞ、ご支援、ご声援を賜りますようお願いします。

 

◎全国高等学校総合体育大会  

  卓球競技(令和3年8月12日~17日 富山市総合体育館)
    女子シングルス

        3年 大槻優葉    3年 司田和波
  

  水泳競技(競泳) (令和3年8月17日~20日 長野運動公園総合運動場総合市民プール〈アクアウイング〉)
    男子100m自由形 200m自由形

          1年 洲﨑透真

◎全国高等学校総合文化祭(紀の国わかやま総文2021)(令和3年8月2~6日 和歌山県白浜町立総合体育館)
  書道部門

        3年 八木友菜

【校長室より】令和3年度第1学期終業式

 兵庫高等学校のホームページをご覧いただきありがとうございます。

 本日、終業式を放送室からホームルームに向けて、オンラインで実施しました。

 吹奏楽部が校歌の合唱を全生徒に披露してくれるとともに、1学期における部活動の表彰伝達およびこれから行われる全国インターハイ(卓球部女子)・近畿大会(卓球部、山岳部、水泳部)・全国総合文化祭(書道部)出場者の激励を行いました。また、新旧生徒会長から挨拶がありました。

【終業式辞(要旨)】

 おはようございます。
 梅雨も明けて、暑さが厳しい一日になりそうです。
 さて、1学期は本日をもって終了します。
 昨年同様に新型コロナウイルスへの対応に追われました。神戸高校との春季定期戦は中止したものの、新入生歓迎遠足や文化祭、球技大会等を実施することが出来ました。大変ありがたいことです。
 さて、皆さんも承知のとおり、現在校舎の屋根や外壁の工事が行われています。来週からトイレの工事も始まります。年度の終わりにはすべてのトイレの改修が終わる予定です。その間トイレが少ない状態になり、皆さんには苦労を掛けます。この後の大掃除をはじめ最後までこまめに磨いてきれい使いたいものです。
 これからの夏休み、自分にはまだまだ足りない部分があると謙虚な姿勢を持って、自分をしっかりと見つめコツコツ集中して取組んでください。特に3年生は、進路に関して不安を感じることがあるかもしれません。今の自分の状況は、これまであらゆるものを選択してきた結果です。まず、今の状態を自分自身で受け入れましょう。

そして、次のことを意識したいものです。
 1 自分は必ず叶えるという強い気持ちを持つ
 2 固定観念(思い込み)を捨てる
 3 ポジティブな行動や言動を心がける


 この3つを実践できれば、行動が洗練され、目標がはっきりして、迷いも吹っ切れます。
自分が納得いく進路を達成した先輩たちも、毎日、決めたことを少しずつでも続けること自らの道を切り拓いていたのでしょう。
 
 夏休みの間、コロナウイルスの感染に注意するなど、健康にはくれぐれも留意して過ごすこと、そして学業や部活動で、お互いに切磋琢磨し、そのときそのときに悔いの残らないよう取組んでください。

 2学期に成長した姿を見せてくれることを期待しています。

 その名ぞ兵庫 我が母校

以上、1学期終業式の式辞とします。

【校長室より】第1学期 部活動の活躍

兵庫高等学校のホームページをご覧いただき誠にありがとうございます。

1学期において、多くの生徒が部活動に熱心に取組みました。今年は、県高等学校総合体育大会や県高等学校野球選手権などの大会が開催され本校生も健闘しました。特に顕著な成果を上げたものを紹介いたします。今後も立派な成績ご修めることができるよう各部の頑張りを期待しています。ご支援を賜りますようよろしくお願いします。なお、対神戸高等学校春季定期戦は、緊急事態宣言発出により中止となりましたことを申し添えます。

【第65回兵庫県高等学校総合体育大会】
卓球部
  女子学校対抗  準優勝    3年 大槻優葉 司田和波 平岡志野 伊藤咲音 高濱 愛
                 2年 大西花歩 入谷明日香 入谷穂乃香
  女子シングルス 3位     3年 大槻優葉
          7位     3年 司田和波
  女子ダブルス    ベスト16   3年 大槻優葉 司田和波

  ※以上、近畿高等学校卓球選手権大会(7月 大阪府)の出場権を獲得
   また、女子シングルスで大槻、司田の2名が全国高校総体(8月 富山県)の出場権を獲得
  
山岳部
  学校対抗  男子5位    3年 永見晃一 増田光一 島岡航介 嵯峨大智
    ※近畿高等学校山岳競技大会(9月 大阪府)の出場権を獲得

水泳部
  男子100m自由形 3位   200m自由形 6位   1年 洲﨑透真
    ※近畿高等学校水泳競技大会(7月 京都府)の出場権を獲得

陸上競技部
  女子砲丸投 5位  円盤投 7位          2年 栗山未有
    ※全国高等学校陸上競技対校選手権近畿地区予選会(6月 兵庫県)に出場

 

全国高等学校総合文化祭(紀の国わかやま総文2021)】 8月 和歌山県
書道部   3年 八木友菜

 

【第14回全国高等学校軽音フェスティバルin大阪城】6月
ギターアンサンブル部  3年 尾崎大智 柚津陽之介 岡田智貴
             2年 清水俊輔

 

【対神戸高等学校定期戦(夏季)】 於 兵庫高校

水泳部  兵庫高校 233 - 206 神戸高校   兵庫高校の勝ち

【校長室より】第76回入学式辞 要旨

兵庫県立兵庫高等学校ホームページをご覧いただきありがとうございます。

 

 武陽ヶ丘は、まさに春爛漫(はるらんまん)。
 本日、兵庫県立兵庫高等学校第76回入学式を挙行しましたところ、ご多用の中、PTA会長様にご臨席を賜り、厚く御礼申し上げます。
 ただ今入学を許可された76回生320名の皆さん、入学おめでとう。心よりお祝い申し上げます。皆さんはこれからの高校生活に、夢と希望に胸を膨らませていることと思います。今の喜びは、皆さんの努力の結果であることはもちろんですが、ご家族をはじめ、支え導いていただいた方々のお陰であると、感謝の気持ちを決して忘れてはなりません。
 さて、皆さんもご存じのように、本校の歴史は、明治41年に設立された県立第二神戸中学校に源を発し、その後、戦後の教育改革により県立第四神戸高等女学校と統合され、昭和23年、男女共学の県立兵庫高等学校として出発しました。本校は創立以来113年目を迎え、今日まで文武両道を継承し、校訓の四綱領「質素剛健 自重自治 これを貫くに至誠を以てす」を重んじる教育を進め、政治、経済、文化、芸術、スポーツなど、あらゆる分野に幾多の優秀な人材を輩出してきました。
 皆さんの入学に際し、創立以来、本校教育の根幹となってきた四綱領について私の考えを述べます。
 「質素」とは、見た目の華美にまどわされず、心の豊かさを第一に、物ごとの本質をしっかりと掴み、判断、行動せよということです。自分のありのままの姿を大切に、脇目を振らず目標に邁進してください。
 「剛健」とは、心身のたくましさのことです。自分の将来を見据え、粘り強く取り組む、強い意志と頑健な身体を養い、何者にも屈せず、自分の選んだ道を歩み続けよということです。
 「自重」とは、他の人の人格を重んじ、謙虚であるとともに自分に自信を持ち、堂々と生きる自立した人間に成長せよということです。
 最後の「自治」とは、「責任ある自由」のもと、自分たちのことを自らの責任において運営することです。集団では、仲間同士が試行錯誤しながら互いに切磋琢磨することが重要です。兵庫高校でともに学ぶ皆さんは、仲間であり、ライバルでもあり、目指すところはそれぞれ違いますが、お互いを高め合うかけがえのない存在です。1人ひとりがしっかり自分の役割を果たしながら、学業や学校行事、部活動を通じて、大きな達成感を得ることができます。仲間とともに学び、鍛えることの「ありがたさ」を感じることができれば、これほど素晴らしいことはありません。
 皆さんには、将来にむけて自立することは勿論のこと、「1つ上の自分」を目指して、「豊かな発想」と「たくましい行動力」をもって、世界や日本国中で活躍し、地元兵庫・神戸を支え牽引する人に成長してくれることを大いに期待します。
 本校は、文部科学省から「地域との協働による高等学校教育改革推進事業」や県教育委員会から「STEAM教育実践モデル校事業」の研究指定を受け、伝統に甘えることなく、国が目指す最先端の教育内容を提供し、発展を続けている学校です。「このままではこれからの時代に通用しないのでは」と危機感を持って、創造的な探究活動に学校全体で取組むのが兵庫高校での学びです。探究的な学びには、辛抱強い根拠の集積と新しい発想が求められます。
 そのために実践してほしいことを三つ述べます。
 1つは、「目的と目標」を常に意識することです。
 例えば「みんなの幸せの一端を担う人になる」「世のため人のために力を尽くす」など、人生の中で大きな目的を持ち、その目的を達成するために日々の目標を立てることが重要です。これから皆さんが目指す山は、さらに険しく、道のない山です。兵庫高校入学のこの機会に、さらなる高峰を目指そうではありませんか。
 2つは、自ら主体的に学ぶ姿勢を持つことです。
目的や目標を達成するために、誰かに知識や技能を教えてもらえばよい、と皆さんが考えているならば、今すぐ改めてください。教えてもらうという受け身の姿勢ではなく、自分から学ぶ積極性がなければ、目的目標を達成できないことはもちろんのこと、自分の人生を創ることもできません。
 3つは、コツコツと努力し続ける「継続する力」と、「集中してやり遂げる力」を身につけることです。継続する力を身につけるため、目標をいくつかの小さな目標に分けて、一つひとつ達成するという考え方を是非取り入れてください。逆に「先送り」「短気」「わがまま」などの癖がつくと、中途半端な意思の力で断ち切ることはできません。自分の現在地を見失しない「心ここにあらず」や「うわの空」の状態になる時もあるでしょう。その裏側にある「さみしさ」や「孤独感」をどう克服するかが鍵になります。「集中力が切れた」と思った時こそ、逆に意識して自分一人で行動してみましょう。日々できることを地道に続けて習慣化することで、少々の失敗や挫折を経験しても、くじけることのない自信を持つことができます。
 今話をした3つのことを実践し、兵庫高校の歴史に新たな歩みを刻んでください。
 さて、保護者の皆様、改めましてお子様のご入学おめでとうございます。お子様をこれより3年間お預かりいたします。本日は、感染拡大防止のため、教室やご家庭で入学式を映像でご覧いただくこととなりました。皆様のご協力に対し、深く感謝申しあげます。ご来校いただいた保護者の皆様には、入学式終了後に大きな拍手で、新入生を祝っていただければ、大変ありがたく存じます。
 保護者の皆様にお願いがございます。高校時代は心身共に大きな成長を遂げる一方で、心が大きく揺れ動く時期です。失敗をする時も、気持ちが萎える時もあるでしょう。そのようなとき、お子さんを見守り支えてあげてください。これから生徒たちは、日々刻々、目まぐるしく変化する、私たちが経験したことのない世の中で、生きていかなければなりません。「将来どのような人生を歩みたいか」について考える上で、これからの高校生活は極めて重要です。それゆえ、本校では、常に生徒を中心に据え、教職員と保護者、同窓会である武陽会の三者が一致協力して生徒の教育に取り組んでいます。保護者の皆様には、本校教育への絶大なるご理解、ご協力をよろしくお願い申し上げます。
 今も新型コロナウイルス感染症が全世界中で蔓延し、人類を不安の渦に巻き込んでいます。
 「人間万事塞翁が馬」という故事のとおり、一見不運に見える出来事が、見方を変えれば実は幸運に導かれた出来事であるかもしれません。出来事をどのように解釈するのかが、我われの人生を分けます。「この出来事は自分に何を気づかせようとしているのか」という見方があっても良いのではないでしょうか。
 皆さん一人ひとりが、成長のチャンスを逃すことなくとらえ、学業や学校行事、そして部活動などで、実り多い高校生活となるよう期待しています。
 

 令和3年4月8日


兵庫県立兵庫高等学校長
升 川 清 則

【校長室より】令和3年度第1学期始業式辞 要旨

兵庫県立兵庫高等学校ホームページをご覧いただきありがとうございます。

 
 桜の花も見頃が過ぎて、若葉が鮮やかな葉桜に代わってきました。
 このように、2学年のみですが一堂に会するのは昨年の体育祭以来となりました。コロナウイルスとの戦いは続いています。兵庫県における4月7日の感染者数は328人で過去最多となり、大阪府では878人の新規感染者で、過去発出された緊急事態宣言時を超える状況です。感染予防は、こまめな手洗いの励行、マスクの使用による咳エチケットの励行はもとより、十分な睡眠時間の確保やしっかりとした栄養の摂取など,規則正しい生活で健康な心身を維持することしかありません。毎朝検温して体調に異変があるときには、必ず自宅で様子を見てください。

 文化祭の準備もスタートしています。わくわく感を感じるクォリティの高いホームページもできています。どんな文化祭になるか、大いに期待しています。

 さて、3学期の終わりに、「心がけを少し変えると、自分でも驚くほど大きな良い変化に気づくことが出来る。勉強も、部活動でも、「これくらいでいいか」と「今、この場所」に安住せず、少しだけ無理をして身近なところから一歩踏み出し、さらに高みを目指して欲しい。」と話しました。
 先日、某化粧品会社の新聞広告に掲載された、病気から復帰した水泳選手の言葉がとても印象に残りました。彼女はこうコメントしています。「何かひとつのちょっとだけ違った行動だったり考えで、運命とか未来って簡単に変わると思っている」。その言葉に、私自身が一歩踏む出す勇気をもらいました。その記事にはプロモーション映像が紹介されていて、その作品もとても印象深い内容です。練習前のコーチの話を他の選手と聞いている様子とか、プールにお願いしますといって練習を始めるとか、どこにでもある日常の風景と、練習で鬼気迫る表情で集中して追い込む様子との対比が記憶に残りました。
 本当に集中するとは、どのような状態でしょうか。
 学習でも研究でも、運動部でも文化部でも、どれも同じではないかと思っています。「練習で全員が怒涛のような迫力で体を動かし声をだす。」「誰一人としていい加減な動きをしない。」「練習でミスをしたのち、すぐに次のプレーに移る。ミスをした自分をゴマ化さない。」「妥協しない。」などなど。目的目標に向かって最短距離で進むことができれば素晴らしい。
 今、皆さんは大勢で話を聞いています。私は目の前の人の集合体に話しているわけではない。皆さん一人ひとりに話しています。授業でもミーティングでも同じことです。「大勢の中でも意識をしっかり保って話を聞くことができる人」や「集団の中でも自分のやるべきことを行動できる人」が多ければ多いほど、肝心な時に底力を発揮できる集団だと考えます。皆さんにはまだまだ伸びしろがある。「勝てたらいいな」「合格できたらいいな」から「自分たちは勝てる」「みんなで高みを目指して合格する」まで意識を高めることが出来ます。
 本日の午後、入学式で76回生を迎えます。3学年そろって、将来「みんなの幸せの一端を担い」そして「世のため人のため」に活躍してくれると確信しています。
 新型コロナウイルスとの闘いは完全に収束するまで、しばらく時間がかかりそうです。それまで、健康にはくれぐれも留意して行動し、良い1年にしていきましょう。

 令和3年4月8日

兵庫県立兵庫高等学校長 
升 川 清 則 

【校長室より】令和3(2021)年度 学校経営について

兵庫県立兵庫高等学校ホームページをご覧いただきありがとうございます。

 

令和3(2021)年度 兵庫県立兵庫高等学校 学校経営について

1 教育目標
 四綱領「質素剛健 自重自治 これを貫くに至誠を以てす」を基調として精神性を高め、文武両道に精励させるとともに、先進的教育活動に取組み、21世紀の日本の担い手としての志を持って主体的に判断して行動し、他者と協働して課題を創造的に解決できるこころ豊かで自立する人材を育成する。

スローガン  四綱領「質素剛健 自重自治」の精神を教育の根本に新しい時代の開拓者を育てる


キーワード  学校組織・教員
        ○「適応力」(時流に乗る) ○「許容性」(継続のための寛容さ) ○「本業力」(教育実践)
       育成する生徒の資質
        ○ シェアド・リーダーシップ Shared Leadership        ○ 寛容と忍耐  Tolerance
        ○ 場を和ませる力  Soften the Atmosphere    ○  緊急対応   Emergency Response

 

2 重点項目

 学年・部・委員会・教科等の連携による組織的活動の推進と教職員の指導力の向上により、以下の項目に取り組む。
(1) 新教育課程(令和4年度入学生77回生)の決定、広報
(2) 文部科学省「地域との連携による高等学校教育改革推進事業(グローカル型)」、兵庫県教育員会「STEAM教育実践事業」の研究推進と新たな研究指定に向けた検討
  〇 全生徒を対象にした探究的活動の推進(GR、ひょうたん、STEAMライブラリー等)
  〇 情報教育(BYOD、オンライン授業等実施体制)の充実
  〇 英語教育、キャリア教育の充実
  〇 国際交流の推進(新たな連携覚書の締結等)
(3) 教科指導の充実、大学入学共通テスト得点向上への取組み
(4) 生徒理解と対話に基づく生徒指導、学校保健(感染症対策含)、環境整備の充実
(5) 勤務の精鋭化(ペーパーレス化、グループウェア及び採点ソフトの活用等)と年休・夏季休暇の取得促進

 

【校長室より】令和2年度3学期終業式辞要旨

 朝夕は冷えるものの、一雨ごとに春らしくなってきました。
 校内の桜もチラホラ花を咲かせ始めました。
 全国一斉休校から始まった令和2年度も本日で3学期の終業式となりました。
 生徒が一堂に会することは叶いませんでしたが、無事に本日迎えられたことをうれしく、そして大変ありがたく思います。
 さて、先日の進路講演会では、本校の卒業生である株式会社ダイヘン取締役社長の田尻哲也氏にご講演をいただきました。皆さんも感じることがたくさんあったことと思います。講演後の「印象に残った本」との質問に対して、田尻氏は、池井戸潤さんの「下町ロケット」そしてケストナーの「飛ぶ教室」をあげられました。下町ロケットはテレビドラマにもなった作品で見た人も多いと思います。
 「飛ぶ教室」は1933年に刊行された児童小説で、第一次世界大戦後のドイツのとある寄宿学校の寄宿舎で生活する高等科1年生、日本の学校では中学2年の少年たちが描かれています。「飛ぶ教室」は、物語の内容もさることながら作者ケストナーによる前書きが素晴らしいことでも知られています。
 そこには、「大人というものは、どうして自分の子供のころのことを、あんなにすっかり忘れてしまうのだろう。子供にだって時々悲しいことや、不幸せなことがあるということが、いつか、まるっきりわからなくなってしまうなんて。」「この世で大切なのは、何が悲しいかということではなくて、どんなに深く悲しむかということなのだ。子供のなみだは、大人の涙より、確かに小さくない。結構、目方が重い場合がずいぶんある。」と、子どもの時に感じたものをいつまでも大切に覚えていてほしいと示されています。
 また、「人間がこの世で、本当に真剣に考えなければならない、大切な問題は、働いてお金を儲けるようになってから、やっと始まるのではない。それからはじまるのでもなければ、それで終わるものでもない。」「諸君はできるだけ幸せであってほしいのだ。そして、元気で、小さなおなかが痛くなるくらい笑ってほしいのだ。」「ただ、お互いに何事もごまかしてはいけない。また、何事もごまかされてはいけない。災難をじっと見つめることを学ぶのだ。何かうまくいかないことがあっても、恐れてはいけない。運が悪くても、がっかりしてはいけない。元気をふるい起すのだ。心にたこをこしらえるのだ。」「そうしないと世の中にでて、その中のパンチを初めてほおに受けたとき、諸君はグロッキーになってしまう。」「だから元気を出すのだ。たこをこしらえるのだ。初めにその用意が出来ているものは、もう、半分勝ったようなものだ。そういう人間は、いくらほっぺたにありがたくパンチを頂戴しても、普段から物事に動じない心構えが十分にできているため、いざというときに、あの二つの大切な性格、つまり勇気と賢さを実地に示すことができるからだ。」と読み手を激励しています。
 皆さんは、今まさに、勉学に、学校行事に、部活動に取り組み、時には迷い、悩みながら「心にたこ」を作っている真っ只中にあるのではないかと思います。今感じている喜びや苦しみ、悲しみには、田尻氏がおっしゃっていたように、「人生にとって不可欠なもの」がきっと隠れている。そして「周りの人々の自分への想い」を大切にする姿勢で過ごせば、小言や説教や面倒な依頼もきっと自分の血や肉にかわり、少々のことではへこたれない自分に成長していけるのではないかと思います。
 心がけを少し変えると、自分でも驚くほど大きな良い変化に気づくことが出来ます。勉強も、部活動でも、「これくらいでいいか」と「今、この場所」に安住せず、少しだけ無理をして身近なところから一歩踏み出し、さらに高みを目指して欲しい。1年後、2年後、さらに将来「みんなの幸せの一端を担い」そして「世のため人のため」に活躍する自分を思い描いて過ごしてほしいと願っています。
 新型コロナウイルスとの闘いは完全に収束するまでもうしばらく時間がかかりそうです。それまで、健康にはくれぐれも留意して行動してください。
 みんなで元気に新学期を迎えましょう。

 その名ぞ兵庫 わが母校 

 以上、第3学期終業式辞とします。

 

 令和3年3月23日

                      兵庫県立兵庫高等学校長 升川 清則

【校長室より】第73回卒業証書授与式 式辞

 

 

                    式   辞

 玄関脇に植えられた白梅が、例年よりも早く 満開の花を咲かせています。本日、第七十三回卒業証書授与式を挙行いたしまところ、武陽会副理事長様、PTA会長様、におかれましては、ご多忙にも関わりませず、ご臨席を賜り厚くお礼申し上げます。また、保護者の皆様には卒業生の門出を 祝うため、ご来校いただきに誠に有り難うございます。心より感謝を申しあげます。
 ただ今、卒業証書を授与した309名の皆さん、卒業おめでとうございます。
 本日めでたく卒業の日を迎えられたこと、心よりお祝い申し上げます。3年間の努力と精進に対して心から賛辞をおくります。皆さんは、平成30年4月の入学から今日まで、兵庫高校生らしく 勉学に、学校行事に、部活動などに果敢にチャレンジし、活発に活動してきました。あっという間の3年間で、まだ実感は湧いてこないかもしれませんが、皆さんの凛々しい表情から成長ぶりが伝わってきます。
 さて、世の中は依然として厳しい情勢が続いています。新型コロナウイルス感染症の大流行など新たな 感染症との戦いも始まりました。昨年8月には九州・中国地方を中心に、河川の氾濫や土砂災害等により 大きな被害が出ました。先日2月13日には福島、宮城を中心に東日本大震災の余震とみられる震度6強の地震が発生し、感染拡大時における避難住民の安全確保など、困難な危機対応が現実のものとなりました。
 海外ではアメリカ大統領選挙でバイデン氏の勝利が確定し、ヨーロッパではイギリスがEUを正式に離脱、一方、アジアに目を向けると、ミャンマーにおける軍事政権クーデターの発生など、政治や経済で緊張が続き、地球環境では温暖化が年々深刻化しています。
 特に新型コロナウイルス感染症への対応については、緊急事態宣言による度重なる行動制限、「三密」の回避、ソーシャルディスタンスの確保、手洗い、マスク着用など、新しい生活様式の普及をはじめワクチンの接種開始など感染防止対策に一定の成果はみられるものの、いまだに世界中で猛威を振るっています。我が国では感染者約43万人、死亡約7,700人、世界規模では感染者約1億1,210万人、死者約259万人となり、まさにパンデミィック、未曾有の感染拡大となりました。
 本校では、昨年3月2日から5月末まで約3ヶ月にわたり臨時休業となり、恒例の新入生歓迎遠足、文化祭、対神戸高校春季定期戦、合唱コンクール等、1学期の行事をやむなく中止しました。行事を計画していた生徒会執行部、文化祭実行委員など、さぞかし無念であったことでしょう。運動部においては、全国高校総体の 中止を受け、県高校総体の夏季競技が中止となりました。文化部においても、各大会やコンクールが中止されました。特に73回生の皆さんにとって、最終学年の締め括りとして成果を発揮する機会を失い、本当に残念な事態になりました。
 その後、6月15日から通常の教育活動を再開し、 7月31日に1学期終了、授業確保のため夏季休業を短縮して8月17日に2学期を開始しました。2学期当初は、新型コロナウイルス感染症と 暑さとの戦いでした。エアコンが不調になるほどの酷暑の中で、マスクの着用を続けながらよく乗り切ってくれました。
 県内の感染状況も落ち着いてきたことから9月17日に、今年初めて全校生徒が一堂に会し体育祭を実施しました。生徒が全力で競技する姿は清々しく頼もしく、3年生ここにありと印象付けてくれました。そして10月恒例のUSJ校外学習では、皆さんの適切な行動、保護者のご理解、先生方の周到な準備のおかげで、多くの思い出を残すことができました。また、10月28日には「三密」回避のため、神戸総合運動公園で対神戸高校秋季定期戦を実施しました。
 このように年度後半は、様々な行事が概ね天候にも恵まれて滞りなく実施できたことを生徒諸君とともに喜び感謝したい気持ちでいっぱいです。皆さんも、勉強や部活動ができることの「ありがたさ」を、身に染みて感じた人も多かったのではないでしょうか。
 73回生は「責任ある自由」を育くみ、真の兵庫高校生へと成長していきました。112年の伝統を誇る本校の偉大な先輩方にも劣らぬ高校生活を全うした皆さんに改めて敬意を表します。
 作家の城山三郎氏は、著書「少しだけ、無理をして生きる」の中で、次の三つの努力の積み 重ねが道を開くことに繋がると述べています。
 1つ目は、「いつも初心を忘れず、今に安住せず、人から受信し吸収しようとする生き方」が 大切であることです。今、NHK大河ドラマの主人公として描かれている渋沢栄一氏が、「持ち前の好奇心で逆境に置かれても逆境を意識する暇がないほど取りつかれたように勉強し提案する。全身が受信機の塊のようなもので、このことが地方の一少年を日本最大の経済人にした要因である。」と述べています。人が成長するかしないかは、出会った人や経験から、何かを学び取る力があるかどうかが大きい。学ぶ力があるとは、学ぼうという謙虚さがあるということに他なりません。謙虚さを持っている人は何事も学び自らを鍛えていくことができるようになります。
 2つ目は、人間を支える3本柱、「自己(self)」 「親近性(intimacy)」「達成(achievement)」をバランス良く保つことです。「自己」は自分だけの世界で、読書、音楽  鑑賞、絵画や書道、座禅に取り組むなどがそれにあたります。個人だけで完結する世界、思索をめぐらすこと、趣味など、一人ひとりの世界を大切にするということです。「親近性」は親しい人たちとの関係のことで、我われは、夫婦や子、親しい友人、古い友人、親近者たち、地域の仲間によって支えられています。「達成」は目標を立てて行動することです。大学でこんな研究をしたい、社会に出てこんな 仕事をやりたい、あるいは趣味の世界でも構わない。目標や段階を作って挑んでいくことです。3つの柱のうち、1本の柱だけに頼っていると人は弱く脆いものです。1本だけの柱が折れてしまうと、なかなか立ち上がることが出来なくなります。 我われは、とかく仕事や趣味の目標達成ばかりに気をとられがちです。「個人だけで完結するひとりの世界」や「親しい人たちとの関係」を大切にして、3本柱のバランスを保って欲しいと思います。
 最後3つ目は、ほんの少しでも高い目標を設定して「少しだけ無理をしてみる」ということです。自分を壊すほどの激しい無理をするのではなく、 少しだけ無理な状態に置ことで、大きな実りをもたらしてくれます。このことを、周りの人との交流において考えると、人には好き嫌いの感情があり、それを克服することは簡単ではありません。好き嫌いは人間が持って生まれた自然の感情なのでそれに逆らうには我慢がいります。我慢は苦痛ですが、それは目先の苦痛で、長い目で見れば大きな何かを得ることが出来るものです。なるべくその人の長所を見て、欠点は許し、少し無理をして相手を受け入れることでその人もこちらに一目を置いて信頼してくれる。渋沢氏は、自分の前に座った人にすべてを傾けて応対したといいます。このことにより、パリ万博から帰国後にも活躍する場を与えられたのです。いろいろなことが上手く進めば自分の人生は大きく広がります。
 皆さんはこの先、新たな進路において高度な専門性を身に付け、意欲的に研鑽を積まれることでしょう。これからは、日本中、いや世界中の優れた人材と協働することになります。その時には自信を持って、自分の道を究めて欲しいと願っています。
 保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。教職員一同、力をあわせ、お子様の教育にあたってまいりましたが、至らぬことも多く、ご迷惑やご心配をおかけしたことも度々であったと存じます。本校の教育方針をご理解いただき3年間ご協力、ご支援を賜りましたことを改めまして心よりお礼申し上げます。お子様が健康で社会に有為な人となられることを切にお祈りいたしますとともに、今後も、本校への変わらぬご交誼とご鞭撻をお願いいたします。
 卒業生の皆さん、 壁に直面した時は自ら行動して乗り越えてください。健康にはくれぐれも留意し、自分のため、家族のため、さらに世のため人のため、そして、君たちの後に続く後輩たちのために大いに活躍されることを期待してやみません。
 名残は尽きませんが、73回生、108陽会の 前途に幸多かれと、心よりお祈りしつつお別れ いたします。
 これをもって式辞といたします。

 令和3年3月1日

                                        兵庫県立兵庫高等学校長
                                            升 川 清 則

【校長室より】阪神・淡路大震災追悼行事講話

平成7(1995)年1月17日5時46分、淡路島北部を震源とし、死者6,435名、重傷者10,683名の未曾有の被害をもたらした震度7の大地震、阪神・淡路大震災の発生から26 年を迎えました。犠牲になられた方々のご冥福を心よりお祈りいたします。
 本校においては、震災直後から避難住民を受入れ1月20日には、2,500人を超しました。2月8日から1年生は北区の神戸甲北高校で、2年生は鈴蘭台高校(現在の神戸鈴蘭台高校)で、教室を間借りして授業が再開されました。
それ以降、9月26日に全校生1117名が本校に復帰し、翌年、2月14日に避難者がゼロとなるまで、避難者とともに学校生活を送ったのです。
 その歩みは、1階事務室前の柱の銘板に記されており「兵庫県立兵庫高等学校は、神戸市内で最大の避難所となり、被災者支援と教育活動の両立に困難を極めた。しかしながら、生徒も、教職員も粘り強く耐え、被災された人々とともに、394日間を戦い抜いた。」と刻まれています。

 昨年1月、2 年生(74 回生)は、災害時に自力で帰宅することも想定し、学校 から HAT 神戸まで歩く「1.17 ひょうごメモリアルウォーク 2020」 に参加しました。その感想の中で、ある生徒は「ウォークに参加していつ起こるかわからない地震などの災害に対して常に備える必要があることを学んだ」、またある生徒は震災体験の継承が「今は被災者から未災者へ、であるのが、未災者から未災者へ、に変わっていくという話が印象に残った」と感想を記しています。震災の教訓を生かすことの必要性を強く感じたことがうかがえます。今年は残念ながらメモリアルウォークは中止されるとの報道がありました。2年生は貴重な体験をすることが出来て本当にありがたいことです。
東日本大震災をはじめ多くの豪雨災害の発生など、感染症の流行も含め、いつどこで何が起こるか分からない時代です。
全く心配のない平穏な日常を送ることができるのは、当たり前のことではなく、むしろ例外なのかもしれません。例外を当たり前だと勘違いすると、世の中を見誤ることになります。3年生は、明日からの大学入試共通テストが始まります。現在の状況において、予定通りテスト実施されること自体大変ありがたいことです。
兵庫高校生は、震災や10年前の新型インフルエンザの流行など、いかなる時も苦難を前向きに捉えて乗り越えてきました。共通テストも心穏やかに、悔いのないよう取組んでくれるものと信じています。
大震災から26年が経過したいま、震災の経験や教訓を忘れず、いかに伝え、これを活かし、しっかりと災害などの危機に備えていくことが、我々の課題です。全校をあげて次の災害へ備える心構えをつらなければなりません。

 終わりに、大震災翌年の第48回卒業証書授与式で、生徒代表の石井宏幸さんが答辞で語られた一部を紹介します。
 「本校が大規模な避難所となったため、授業は鈴蘭台高校での間借り、 鈴蘭台西高校での仮校舎暮らし、さらに本校で、被災者の方と共同生活をしながら続けられました。戦火の時代を除けば、まさに第二神戸中学校開学以来の危機状況でした。
 それでも、普通の生活が思うに任せない苦境の中でも、我々は耐えてきました。いや、静かに耐えるだけではなく、自己と学校の未来を切り開こうと 懸命でした。震災直後から連日にわたるボランティア活動への参加。学校が再開されると、グラウンドのない劣悪な条件下で県総合体育大会への出場、そして、短時間で作り上げた思い出深い九州修学旅行への取組み。試練にあったとき、人はその人間が試されますが、厳しい環境で、我々が不可能だと思えることを先生方とともに次々と克服してきました。
  そうした歩みは、校訓である自らを治める『自重自治の精神』が我々の中に生き続けている証明です。そして私は、その兵庫高等学校生の一員であったことを誇らしく思います。もちろん、復興しなければならないのは兵庫高校だけではなく、神戸の街であり、被災地のすべての街であり、被災者の心です。幸い「再建の意気高く」働ける優位な人材は48回生に数多くおり、神戸復活の気概で燃えています。」

 以上、阪神・淡路大震災から26年にあたり、講話とします。

 

 令和3(2021)年1月15日

  

                      兵庫県立兵庫高等学校長
                            升 川 清 則

【校長室より】第3学期始業式辞要旨


 新年あけましておめでとうございます。新春らしい、寒さが厳しい朝になりました。
 君たちが元気に登校し始業式を迎えられたことをうれしく、そして大変ありがたく思います。
 さて、昨年2020年の漢字は「密」でした。昨年の3学期始業式で、その字が「金」になればと期待を込めて話しました。しかし、世界中が新型コロナウイルス感染症流行の影響を受け、東京オリンピック・パラリンピックも延期されました。高校総体など多くの大会、コンクールが中止になり結果的に残念な1年になりました。
 年末から年明けにかけて、新規の感染者が激増し、昨日は東京都2447人、兵庫県284人と過去最高になりました。昨日、昨年と内容は異なるものの首都圏1都3県に再び緊急事態宣言が発出されています。我々、一人ひとりが感染拡大防止につとめなければ、終息はありえません。
 一方、今年の12月25日は、島田叡先輩生誕120周年(1901年明治34年)にあたります。昨年の修学旅行で、島守の塔への献花の折、雨雲の合間から温かな日差しが差し込んだことがこの間のことのように記憶に残っています。島田氏は苦境にあっても、その時を大切にして、未来を信じて尽力されたことと思います。
 今年は、禍を「福に転じる」年です。理想の未来を描き、その未来に向かって、自ら新しいスタートを切りましょう。
 年頭にあたり次の3つを意識して欲しいと思います。
 1つめは、「油断大敵」です。特に感染予防と交通安全についてです。
 感染予防に関しては、2学期以降、幸い行事なども順調に実施してきました。今後、同じように実施できるとは限りません。昨年1月27日に校内に消毒液を用意して以来、健康チェック、清掃後の消毒など、学校全体で丁寧に取組んできました。これからも決して気を緩めてはなりません。交通安全に関しては、自転車による事故が多発しています。誰もが交通マナーに注意して、自分自身を守りましょう。
 2つめは、「良い行動の習慣化」です。必要なことはとにかく実践して習慣にしてしましましょう。生活実態調査から見ると、学習時間を確保が課題です。特に、1.2年はもう1時間ひねり出せないか生活を見直して欲しい。また、読書、新聞に日常的に親しんで、感性を磨いて欲しい。
 3つめは、「ありのままの姿を大切に、脇目を振らず目標に邁進」すること。特に部活動に取組む生徒の皆さんは、どんなことがあろうとも、淀みなくやりきること。
 3年生は大学入試共通テスト目前です。手遅れなどと嘆く必要はまったくありません。朝起床から、夜の就寝時間まで、決めたことを丁寧に進めなさい。ラグビー日本代表の田村選手は、2019年のワールドカップのあと、「勝つと信じて準備したから、想像を絶するトレーニングをこなすことができ、結果、史上初の決勝トーナメント進出を果たすことができた。」と語っていました、まず初めに「心」なのです。何事もやってみないとわからない。心が変わればすべてが変わります。もしも、気持ちが揺らいだり、くじけそうになったら、「自分がこの学校に入らないと、良い世の中にならない」と、口に出して言ってみましょう。君たちは絶対できます。目標を達成されることを切に願います。
 生徒全員が、それぞれ目標に向かって一緒に頑張っている。そして、一人ひとりが集団に埋没せず、声を出して挨拶できる。兵庫高校は、まさに自立を目指して努力を続ける人たちの共同体です。

 その名ぞ兵庫 わが母校 

 以上、第3学期始業式辞とします。

 令和3年1月8日

兵庫県立兵庫高等学校長
    升川 清則


【校長室より】部活動等における顕著な成績

 部活動や校外活動において、多くの生徒が健闘いたしました。
 その中でも顕著な成績(2学期分)を修めたものを紹介いたします。

【文化部】
第44回兵庫県高等学校総合文化祭
  書道部   全国総文推薦賞  2年 八木 友菜(令和3年度全国高校総合文化祭へ出展決定)
                     優秀賞      2年 塚本 愛梨
               2年 目見田知颯
  放送部 放送文化部門 決勝 朗読小部門奨励賞 2年 山口 美貴
  ギターアンサンブル部 文化部合同発表会 軽音楽部門選考会 準グランプリ
第30回日本クラシック音楽コンクール全国大会高校の部
  吹奏楽部 サクソフォーン部門 出場  2年 伊藤 圭佑
       打楽器部門     第5位  3年 萩原 凛
                 出場  3年 井上 香凛
【運動部】
卓球部  第62回兵庫県高等学校新人卓球大会
       女子学校対抗   第3位
       女子シングルス 第3位  2年 大槻 優葉
     第35回近畿高等学校新人卓球大会(12月22日~23日 京都府京都市)
       女子学校対抗  第9位
      ※第48回全国高等学校選抜卓球大会(3/25~28 三重県津市)出場決定
水泳部  第63回兵庫県高等学校ジュニア選手権水泳競技大会
      女子400m個人メドレー 第5位 2年 山本 英穂
      女子100m平泳ぎ    第6位 1年 武田菜々美
※第4回近畿高等学校新人水泳競技大会(10/11 和歌山県和歌山市)に出場
兵庫県高等学校冬季水泳競技大会
      女子200m自由形    第6位 2年 山本 英穂
空手道部 令和2年度 兵庫県高等学校空手道新人大会
      男子団体組手      第8位
      女子団体組手      第8位
      女子個人組手 -48kg級 第3位 2年 内 真奈美 
     ※第40回近畿高等学校空手道大会(1/22~24 神戸市)に出場決定


【その他】
令和2年度 第14回全日本高校模擬国連大会出場
                2年 浅井 敦史   1年 平田 愛
令和2年度「税に関する高校生の作文」
 財団法人納税協会連合会会長賞 2年 谷口 詩 「公益税に対しての考え方」
International high school students forumSDGs Ideathon 2020 (アイディアソン)
            第1位 1年 張 優心

【校長室より】第2学期終業式辞要旨

  おはようございます。
 今年は冬らしい寒さが続いています。
 学校近くの花壇にはクリスマスデコレーションとシクラメンの花、そして迎春の葉ボタンに季節を感じます。
 8月17日から始まった2学期も本日で終了となります。新型コロナウイルスと暑さとの戦いでした。エアコンが不調になるほどの酷暑の中で、マスクの着用を続けながらよく乗り切ってくれました。
 今年初めて全校生徒が一堂に会して開催した体育祭では、3年生ここにありと印象付けてくれました。1泊2日と計画は一部変更されたものの、入学以来の団結をさらに深めてくれた1年生の野外活動、そして、沖縄、八重山の雨も晴れも経験できた2年生の修学旅行。島田叡先輩の最期の地を訪れ、そのご功績と心に触れることができました。また、神戸高校との秋季定期戦は、「三密」の解消など、新しい生活様式に沿った形で神戸総合運動公園で行うことができました。1年生の中には、KOBE研修で神戸にある世界の最先端を目の当たりにする機会を得た生徒もありました。
 新型コロナウイルス感染症との闘いの中、従来からの行事だけではなく、今年初めて実施した様々な行事を、概ね天候にも恵まれて滞りなく実施できたことを、皆さんとともに喜び感謝したい。喜びだけではなく残念でつらく悲しい出来事もありました。様々なことを受け入れながら過ごした2学期でした。
 さて、12月15日のA紙に、陸上短距離の朝原宣治さんと前京大総長の山極寿一さん、西田哲学が専門の京大教授上原麻有子さんが話し合う記事は興味深い内容でした。私自身、西田哲学を論ずる知識を持ち合わせていませんが、日常と重なるところがあると感じたので紹介します。朝原氏が「100メートルを同時に競技する8人をチームと考えれば、レベルの高い選手と競い合うと自分も高められているかもしれない」と語れば、上原氏は、西田哲学では人間個人を「創造的要素」ととらえ、「個人はバラバラにおかれた存在ではなく有機的におかれており、ライバルから受け取ったものを自分にインプットし、そして自分の業績として力を発揮する、スプリンターはこうして好記録を出している」との考えを示されていました。敵が自分を高めるという考え方は、他の領域、今の時期であれば、いよいよ本番を迎える受験生にも当てはまるかもとの問いに、山極氏は、「受験勉強でライバルに勝つことは重要だが、一緒に競いあった相手は仲間でもある」と述べ、「学校でも、職場でも皆がライバルであり、目的に向かってタッグを組む仲間でもある、敵と味方の二元論ではなく、両方をうまく利用する『間(あいだ)』の思想が東洋哲学にある」とのことでした。「集団の中で、相互に試行錯誤し合う関係が重要で、良い方向にばかりではなく、失敗や悪いことも時にはあるが、それを受け入れて、是正しながら次の良い方向にもっていく関係性を、生きている限り営んでいかなければならないと」まとめられていました。
 兵庫高校でともに学ぶ皆さんは、仲間であり、ライバルでもあり、目指すところはそれぞれ違いますが、相互に高め合うかけがえのない存在です。学業や部活動で自己を高めることはもちろんのこと、行事を通じて、一人では決して成し遂げることができない達成感をえることや、日ごろの清掃の取組や仲間同士や先生方と自然にあいさつを交わせる気持ちの良い環境つくりを通じて、まさに人と人の「間(あいだ)」を大切にして.お互いを高め合っているのです。皆さんがともに学び、鍛えることの「ありがたさ」を感じることができれば、これほど素晴らしいことはありません。
 自分の現在地を見失しない「心ここにあらず」や「うわの空」の状態になる時もあるでしょう。その裏側にある「さみしさ」や「孤独感」をどう克服するかが鍵になります。「集中力が切れた」と思った時こそ、仲間のありがたさを感じながらも、友達やSNSに頼るのではなく、逆に意識して自分一人で動いてみましょう。勉強なら少し戻って基本問題をやってみる、部活なら基本の動きをどんどん反復練習すると集中できて、ますます成果があがり、限界を突破するチャンスが生まれます。

 もう一つできること。我われには立派な校歌をともに歌うことができます。
 今は、大きな声で高らかに歌うことは叶いませんが、マスクの中で口ずさみましょう。きっとすっきりするはずです。みんなで口ずさみ、いい気分に、幸せになりましょう。

 校内の桜も、爛漫と咲き誇る春に備えて、つぼみをしっかりと付けています。
 この年末年始は、桜のつぼみが北風の冷たさに耐えるかのように、新型コロナウイルスに備えてまいりましょう。どうか落着いて過ごし、良い年を迎えてください。
 特に3年生(73回生)の皆さん、笑顔の卒業式を、そして将来、自分が活躍する姿を思い描いて頑張りましょう。
 始業式に、元気な姿をみせてくれることを楽しみにしています。

 「その名ぞ兵庫、我が母校」

 令和2年12月24日

兵庫県立兵庫高等学校長
    升 川 清 則


【校長室より】2学期始業式辞

 2週間と短い夏休みになりましたが、登校しての補習や自習、家庭学習に粘り強く取組んだ生徒、部活動に精力的に取組んだ生徒など、各自が有意義に過ごしてくれたものと信じます。
 一方、今の自分の状況や将来のことを少し不安に感じている人もあるかもしれません。ここ一番、勝負の前に胃が痛くなったり、めまいがしたり、体に変化が起こることがあります。次のレベルに上がる前の、不調な感覚、心の成長痛とも言えるでしょう。初めから期待しすぎずに、1つひとつじっくりと取組めばよいのです。ギリギリ間一髪セーフでもホームベースに生還すればよいのです。試合終了まで諦める必要は全くありません。今の力で授業や模試、部活であれば大会やコンクールに全力で臨んでください。結果はどうであれ自分の無力さを思い知ることができれば、それは幸運なことです。あとは足りないところに脇目をふらず取組めばよいだけです。「いつか」「今度」ではなく、今から、そして自分から行動しましょう。出口のないトンネルはありません。
 新型コロナウイルス感染症の感染拡大が続いています。
 2学期に予定している行事は、従来と違った形になっても可能な限り実施すべく準備を進めたいと考えています。しかし、やむを得ず中止もありえることは理解して欲しい。本校における感染が起こっていないことが実施の大前提であり、行き先の感染状況も考慮して判断することになります。したがって、皆さんは健康にはくれぐれも留意して過ごすこと。これまで以上に、密閉、密接、密集の3密の回避、人と接するときの距離(ソーシャルディスタンス)の確保、適切なマスク着用を確実に行うとともに、飲食時の大声の会話、飲料水の回し飲み、感染が再拡大している地域への不要、不急の移動は極力控えてください。
 予報では、しばらく、厳しい暑さが続く見込みです。少しづつ身体も、気持ちもな慣らしてまいりましょう。
 生徒の皆さんにとって、2学期が充実したものになるよう大いに期待しています。

 令和2年8月17日
兵庫県立兵庫高等学校長
升川 清則

【校長室より】「2020こうち総文」ウェブそうぶん出展中

 第44回全国高等学校総合文化祭「2020こうち総文」が開催されています。
 本来ならば高知県を中心に全国から高校が集う大きな行事となる予定でした。
 このたびのコロナウイルス感染症の影響により、WEB SOBUN (ウェブそうぶん)として、インターネット上で開催されています。
 これまで続いてきた全国総文の歴史を絶やしてはならないという強い思いが、Web開催という新しい試みつながりました。開催に向けて大会関係者のご苦労は想像を絶するものがあったと思います。大会に関わられた皆様に敬意を表します。
 おかげさまで、本校からは、書道部3年生1名が兵庫県を代表して出展することができました。
 大会概要および出展作品は記載のURLからご覧いただけます。本校参加者の作品に込めた思いも含め、ご高覧いただければ幸いです。

1 第44回全国高等学校総合文化祭 WEB SOUBUN特設ページ
     https://www.websoubun.com/index.html

2 本校出展者
   書道部 3年小川弥恵 
     https://www.websoubun.com/dept/calligraphy/page/186.html

3 ウェブサイト公開期間
   令和2年7月31日(金)から10月31日(土)

【校長室より】第1学期終業式辞

おはようございます。
今朝は、曇り空が広がっています。梅雨明けも間近かなというところです。今年も、梅雨前線の活発な活動により、九州・中国・東北地方の一部では河川が氾濫、土砂災害など大きな被害が出ました。亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りしますとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
コロナウイルスの影響により、半年ぶりの考査を終えることができました。一方、文化祭、春季定期戦、合唱コンクール、そして部活動における大会、コンクールが軒並み中止。ようやく代替大会の開催まで漕ぎつけました。
このような状況にあっても、生徒諸君それぞれが、元気に落ち着いて学校生活を送ってくれたことを大変ありがたく思っています。
さて、明日、8月1日~から16日まで夏季休業となります。学校では4月当初から、臨時休業中の指導体制や通常授業再開後の取組みを、慎重に検討してきました。授業確保、行事や模試等、盛り込むべき内容を精査して夏休みの期間を決定しました。8月17日から1週間は、4時限までとし、8月24日から通常授業を展開します。結果的に他校と違う動きになりました。時に周囲と違う動きとることもあります。先生方も責任感をもって取組む覚悟です。
学校が再開後、教室、職員室前、図書室等で自習に励む生徒姿が日増しに増えています。先が見通しにくい状況においても、目標達成に向けて、周りに左右されず今自分のやるべきことに集中できつつある生徒が増えているのだと思います。特に3年生は、夏休み明けからは、先生方を添削などで忙しくしてくれることでしょう。
勉強であれ、部活動であれ「集中して取組むこと」ができれば、それは素晴らしいことです。これは我々にとって永遠のテーマです。「自分はもともと集中力がないタイプだ」などど、決して逃げてはなりません。
人は、新しいことに取組み、思考を重ねることによりエネルギーを消費します。そのエネルギーの枯渇は、「誰かにかまってもらいたい」「遊びに行きたい」「逃げたい」「癒やされたい」といった集中を妨げる「さみしさ」「雑念」を招きます。いざ本番に、エネルギーをわけてくれる人はないので。誰もが孤独に取組むほかありません。家族さえも助けてくれない。「やっぱり無理かな」なんて雑念が沸いてきたら、そのような時こそ、スマホと離れること、休んだり、人としべったり、オンラインゲームに逃れるのではなく、「本を一冊一気読み」、「声をだして音読」、「基本的な動きの反復練習」などに取組んでみてください。雑念や、さみしさ、孤独感が驚くほど解消されます。そして、皆で成功して、皆で幸せになろうという一体感も重要です。兵庫高校生は皆で思いを遂げて、将来仕事についた時、世のため人のため、助けを求める誰かのために生きるのです。夏休み中、自分にはまだまだ足りない部分があると謙虚な姿勢で、コツコツ集中して取組んでください。
健康にはくれぐれも留意して過ごすこと。新型コロナウイルス感染症の感染が再び拡大しています。密閉、密接、密集の3密の回避、マスクの着用はもちろん、飲食時の大声の会話、飲料水の回し飲み、感染が再拡大している地域への不要不急の移動は控えてください。今後、生徒全員の体調を確認する必要が生じた時は、Webによる健康チェックを再開します。クラスルームで指示しますので、指示を逃さないようにしてください。もし、体調不良が何日も続くようなら、担任の先生を通じて学校にも連絡してください。
では、8月17日に、お互い元気な姿で出会えることを楽しみにしています。

令和2年7月31日
兵庫県立兵庫高等学校長
升川 清則

【校長室より】通常授業開始

兵庫県立兵庫高等学校ホームページをご覧いただきまして、誠にありがとうございます。

キーワード「Solo活動」「オーラ」「目標達成」

 

 梅雨入りし、曇り空が続いています。時折、雲の間から差し込む日差しがどことなく安心感や高揚感を与えてくれます。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う臨時休業の後、61日から、隔日の分散登校を実施して学校生活の「勘(かん)」を取り戻すための、「慣らし運転」を行ってきました。

517日以降、兵庫県内で新たな感染者が発生していないことから、615日(月)から通常の教育活動(8:30登校 6または7校時)を実施してまいります。引き続き、検温を含め健康チェックを継続します。各教室では可能な限り間隔をとり、マスクの着用、教室の定期的な換気とともに、教員は適宜フェイスシールドを着用するなど、感染拡大予防に努めます。

部活動では、段階的に週あたりの活動日数を増やし、同一学区内の練習試合等が可能となります。運動部では県総合体育大会や県高校野球選手権の代替大会の実施が発表されています。特に3年生は、生活リズムを保ちながら大会に臨んで欲しいと思います。また、今年の全国高校総合文化祭はウェブでの実施が検討されるなど新しい動きも見受けられます。

さて、生徒も登校を重ねるにつれて、徐々に学校生活に慣れてきました。

 9:00始業でしたが、早めに登校し、教室で自習に励む生徒の姿が見受けられました。特に3年生は日増しにその数が増えています。目標達成に向けて、各自が時間を生み出し、自立した「Solo活動」を行っているのです。そのような姿を見ると、毎年、進路講演会で講義をお願いしている大竹先生の「地道な取組みを続ける生徒一人ひとりからは磁場が生じるかのごとくオーラを感じる。磁場は見えないけれど、誰が感じるかというと、本人が自信として感じる。」「忘却曲線から考えても、少しでも記憶に残っている間に、再び記憶しようとすると、さらに強化される。」というお話を思い出します。毎日、決めたことを少しずつでも続けることで、先が見通しにくい状況においても、周りに左右されず、今自分のやるべきこと集中できます。先輩たちも、同じようなプロセスを経て目標を達成していったのでしょう。例年よりも早い段階で、生徒のオーラが他の生徒に伝播し、学校全体に一体感が醸成されることを期待しています。本校教職員は、気迫のこもった授業を展開し、責任感を持って生徒の目標達成を支援します。

今後、新型コロナウイルス感染症の第2波に十分な警戒が必要です。梅雨から本格的な夏に向かって気温も上昇します。熱中症にも注意しながら、生徒の体力、学力のアップに取組んでまいります。

 

ああ再建の 意気高く

謳うわれらが 青春譜

文化の国の あけぼのは

ここより生れん ほのぼのと

その名ぞ「兵庫」 わが母校

 

   令和2年6月15

 

                            兵庫県立兵庫高等学校長 升川 清則

【校長室より】学校再開

兵庫県立兵庫高等学校ホームページをご覧いただきまして、誠にありがとうございます。

キーワード「慣らし運転」「一体感」「希望」

 

 昨日の雨で、山の緑が一層鮮やかになってきました。庭先の紫陽花が蕾をほころばせ、梅雨の訪れを今や遅しと待ち構えています。

6月1日(月)から、隔日の分散登校を開始します。地域の感染状況がこのまま推移した場合には、6月15日(月)以降は平常授業を実施する見込みです。

今日からの2週間は、「慣らし運転」です。登校と家庭学習日(ステイホーム)を交互に行い、感染防止に備えながら、学校生活の「勘(かん)」を取り戻します。部活動にも少しずつ取組んでいきます。そのために、今後も規則正しく過ごし、自分の心と体の健康に留意することが重要です。登校しない日も、登校する日と同じように起床し、検温して健康チェックを継続します。生徒の皆さんは、熱や体にだるさがある時は、躊躇なく登校を控えて自宅で静養してください。

3月を含めると、約3ヶ月間という長期間の臨時休業になりました。

制約されていたことから解放されて、喜んだのも束の間、気分が落ち込んでしまうことがあります。長期間のステイホームの後、「心の空白」をつくらないために、自分で「次の目標」を立て、未来に向けて「張り合い」をつくっていくことが大切です。休業中は、生活を記録して「毎日を確かめる」習慣を身につけてきました。兵庫高校生全員が同じ生活記録に取組んできたことは、同じ歌を歌うように、一体感に繋がったと思います。

新型コロナウイルス肺炎の第2波が予想され、影響はまだまだ続きます。日常の中で、自分なりの小さな工夫を積み重ねて、「希望」をつくり出しましょう。

兵庫高校は、これからも一歩一歩、着実に進んでまいります。

 

武陽ヶ丘の あさみどり

   白き雲湧く ユーカリに

生命の春を 証して

われらが夢の すむところ

その名ぞ「兵庫」 わが母校 

  
 
令和2年6月1日

 兵庫県立兵庫高等学校長 升川 清則

【校長室より】生徒の皆さんを待っています。

 いよいよ6月1日(月)から、隔日の分散登校が始まります。
 校内では、皆さんが登校してくることを心待ちにしているかのように、
 可憐に小さな花が咲いています。
 さて皆さん、どこに咲いているのか、お分かりでしょうか。
 また、何の花か分かる人がいましたら教えてください。

  理想は高き 学舎に 鳴るや真理と 自治の鐘

  時永劫の うつろいに 花新たなり 文の苑

  その名ぞ「兵庫」 わが母校


 令和2年5月27日
                  兵庫県立兵庫高等学校長 升川 清則
 

【校長室より】生徒の皆さんへ

キーワード「日記」「行動」


 生徒の皆さんへ

 

新学期が始まり1ヶ月が経過しました。

生徒の皆さんは、様々な困難はあるものの、それぞれ工夫をこらし自宅で元気に過ごしていることと思います。

さて、臨時休業は531日まで継続されます。

5月に入り、兵庫県が発表した県内における新型コロナウイルス肺炎の感染状況をみると。緊急事態宣言下の社会活動の制限は一定の効果があるように見えます。しかし、最近、戸外で小中高生が、マスクを着用せず集団で間隔をとらずに接している光景を目にします。少し緊張感が薄れている表れかもしれません。たとえ自分に症状がなくても感染させることがあります。油断は禁物です。引き続き、外出を控えて、マスク着用、手洗い等の感染対策をとってください。学校が再開された後に、感染拡大を起こしてはなりません。人同士が1.52m程度の距離を保つ習慣を、確実に身に付ける必要があります。

部活動においては、全国高校総体の中止を受け、県高校総体の夏季競技が中止となりました。選手の健康と安全を最優先にした結果といえども身を切る思いです。文化部においても、定期行事の中止が余儀なくされており、各部の大会やコンクールの開催が危ぶまれています。3年生にとっては、本当に残念な事態になりました。しかし、チャンスが訪れた時のために、各自できることを是非継続してください。

ずっと家にいるとストレスが溜まります。どう発散すればいいのだろうかと考えます。

先日、A紙に、国際宇宙ステーション(ISS)など閉鎖空間で長い時間を過ごした宇宙飛行士の若田光一さんのインタビューが掲載され、在宅の心得が3つ挙がっていました。

 1 スケジュールを明確にする。(普段の学校の生活と変わらないスケジュールで過ごす。もちろん、休みの日はちゃんと休む。)

 2 1日の生活リズムを乱さない。(睡眠時間は変えない。リラックスも大事。健康管理のための有酸素運動や筋力トレーニングは、生理学的にだけでなく、精神的な健康維持にもつながる。)

3 日記がおすすめ。(その日の行動を振り返り、長いトンネルの先を見据えて、今後のことを考える時間をとることが大きいと思う。)

さらに、「人生で、病気のこんなパンデミックが起こることはほとんどありません。後でもできることをやりたいと思うのではなく、今しかできないことを考えて過ごすことが大切だと思います。」と述べています。今一度、何ができたのか、何ができていないか、冷静に振り返りましょう。

実際には、何をしてきたかよくわからない、記録できていない等々、残念な状態があるかもしれません。たとえ、そうであっても、自分を「受け入れ」、自分を「認め」てください。そこから、行動の第一歩が始まります。

学校再開まで、これまでと同様ホームページによって連絡事項を確認し課題を確実にこなしてください。自分のみだしなみも整えましょう。今後、学校との皆さんとのやり取りは「Gsuit」を使用するとともに、学習アプリを活用した取り組みを始めます。不明な点は、気軽に担任や学年の先生に相談してください。

過去、兵庫高校生は阪神・淡路大震災や新型インフルエンザ禍など幾多の試練を乗り越えてきました。

平常時も緊急時も「行動」あるのみ。皆さんが元気な姿を見せてくれる日を楽しみにしています。

  

わが世の塵を低く見て 競う心の 気高さを

かたみに結ぶ 友垣の 夢純らなり 愛の庭

その名ぞ「兵庫」 わが母校 

 

令和2511

                    兵庫高等学校長 升川 清則 

【校長室より】生徒の皆さんへ

キーワード
  「とにかく家に居よう」  「継続」  「限界突破」

生徒の皆さんへ


  
昨日は、4月下旬とは思えない肌寒い1日でした。その上、徒歩での帰宅途中に冷たい雨に降られました。空の雲の切れ間からは、夕日が神々しく西の彼方に沈んでいく光景に遭遇し、落ち込みかけた気持ちに勇気が湧きました。とはいえ季節は順調に進み、花々も桜やチューリップから、つつじにバトンタッチ。学校近くのお寺の境内で満開です。今朝は快晴で、真っ青な空のもと散歩していると、いつものように公園で運動している子どもたちに出会えて元気をもらい、1日を気分良くスタートできました。

皆さんは、毎日、自宅で元気に過ごしていることと思います。

「今できること」はないかと、仲間と共に元気な姿や音楽を発信する生徒、また、この期間に、図書館の「風と共に去りぬ」の原書を借りて、読破を試みる生徒もいます。兵庫高校生は本当に逞しいと、大変うれしく思います。私自身、生徒の皆さんが、学校で元気に過ごす姿を見せてくれること自体、本当にありがたいことだと感謝の気持ちが日に日に増してきています。

しかし、残念ながら、いつもの日常はありません。

一人ひとりが、過ごし方や行動を変えることが、一刻も早い事態の終息につながります。そして、皆さんの落ち着いた生活ぶりは、家庭に安心感をもたらし、きっと家族の絆も深まるに違いありません。

さて、作家の村上春樹さんは「走ることについて語るときに僕の語ること」(文藝春秋社)で次のように述べています。

「継続することリズムを断ち切らないこと。長期的な作業にとってはそれが重要だ。いったんリズムが設定されてしまえば、あとは何とでもなる。しかし、弾み車が一定の速度で確実に回り始めるまでは、継続についてどんなに気をつかっても使いすぎることはない。もしタイム内で走れなかったとしても、やれる限りのことはやったという満足感なり、次につながっていくポジティブな手応えがあれば、また何かしらの大きな発見のようなものがあれば、多分それは一つの達成になるだろう。言い換えれば、走り終えて自分に誇り(あるいは誇りに似たもの)が持てるかどうか、それがランナーにとって大事な基準になる。」

村上さんは、市民ランナーとしてフルマラソンを何度も完走されています。専門の長距離ランナーも舌を巻く緻密なトレーニングと気持ちのコントロールを実践し、目標を達成されてきたことが分かります。地道にランニングに取組むことで、作家として長編小説を執筆するための、「持続力」と「集中力」を保たれているのです。

先行きは、はっきりしませんが、学校からの連絡を確実に把握し、落ち着いて、しっかりと行動してください。今後、課題の提示だけでなく、学習アプリ等を活用した学習支援や、学校と生徒が双方向でやり取りができる仕組みの構築など、学習環境の整備を早急におこなっていきます。今こそ、自らの限界を突破するチャンスととらえて、自分がやると決めたことを、継続して取組んでください。


〇とにかく家に居よう
 ・みだりに自宅から外出しない
 ・特に、大型連休期間、府県をまたいだ移動や観光施設等への外出は自粛
 「3つの密」(密閉・密集・密接)の回避
  ※周りの人と一定の距離をとる
  ※公園で運動するときや散歩・ランニングするときにも集団で行わないなど配慮する

 

〇決めたことを毎日継続しよう

 ・「毎朝の健康チェック」「生活記録の記入」「身辺整理・清掃」等

 ・しっかりとした食事と十分な睡眠を確保

 ・計画的な学習と適度な運動を実践

 

〇限界を突破しよう

 ・悩み、苦しみ、雑念を忘れて勉強に没頭

   ※単なる憧れや、こだわりを捨て「無我夢中」になる。

   ※無駄な時間をつくらない。

 ・「自分は素晴らしい人間」だと理屈抜きに信じる
   ※あなたは、いかなるピンチや試練も必ず乗り越える。

 ・強い目的意識をもつ

   ※今自分があるのは周りにおかげと謙虚な気持ちを持ち続ける。
   ※「家族のため、世のため人のため、皆のため」に頑張ると思い続ける。

  

   時永劫の うつろいに

   花新たなり 文の苑

   その名ぞ「兵庫」 わが母校

 

令和2424 

兵庫高等学校長 升川 清則


【校長室より】令和2年度新入生への説明会 校長講話

  ただ今入学を許可した75回生320名の新入生の皆さん、入学おめでとう。前をしっかり向いて、堂々と話を聞いている皆さんの姿を、非常に頼もしく思います。今の喜びは、皆さんの努力の結果であることに違いありませんが、ご家族をはじめ、皆さんを支え導いていただいた方々のお陰であると、感謝の気持ちを決して忘れてはなりません。
 本日は、保護者の方々にはこの場にお越しいただけませんでしたが、入学を許可され、晴れて兵庫高校生となったことをしっかりと報告してください。
 さて、本校は創立以来112年目を迎え、今日まで、文武両道を継承し、校訓の四綱領「質素剛健 自重自治 これを貫くに至誠を以てす」を重んじる教育を進めてきました。
 第1の「質素」とは、見た目の華美にまどわされず、心の豊かさを第一に、物ごとの本質をしっかりと掴み、判断、行動せよということです。
 第2の「剛健」は、心身のたくましさのことです。自分の将来を見据え、粘り強く取り組む、強い意志と頑健な身体を養い、何者にも屈せず、自分の選んだ道を歩み続けよということです。
 第3の「自重」は、自分を大切にして卑下しないことです。自分と同様他の人の人格を重んじ、謙虚であるとともに自分に自信を持ち、堂々と生きる人間に成長せよということです。
 最後の「自治」とは、「責任ある自由」のもと、自分たちのことを自らの責任において自ら運営することです。
 私は、皆さんに、四綱領の精神を基本理念とし、将来にむけて自立することは勿論のこと、「豊かな発想」と「たくましい行動力」で他者と協働しながら、世界や日本国中で活躍し、地元兵庫・神戸を支え牽引する人に成長してくれることを大いに期待します。
 そのために実践してほしいことを3つ述べます。
 1つ目は、「目的と目標」を常に意識することです。
 人生の中で大きな目的を持ち、その目的を達成するために日々の目標を立てることが重要です。登山に例えるならば、これまでも高い山を目指して、登り続けてきたかもしれませんが、これから登ろうとする山は、さらに険しく、道のない山です。兵庫高校入学のこの機会に、一旦山を下りて、さらに別の高峰を目指そうではありませんか。
 2つ目は、自ら主体的に学ぶ姿勢を持つことです。
 目的目標を達成するために、知識や技能を誰かに教えてもらえばよい、と皆さんが考えているならば、それは今すぐ改めてください。
 3つ目は、コツコツと努力し続ける「継続する力」と、「集中してやり遂げる力」を身につけることです。
 継続する力を身につけるため、目標をいくつかの小さな目標に分けて、1つひとつ達成するという考え方を是非取り入れてください。「先送り」「短気」「わがまま」などの癖が根づいてしまうと、中途半端な意思の力で断ち切ることはできません。日々できることを地道に続けて習慣化することで、少々の失敗や挫折を経験しても、くじけることのない自信を持つことができます。
 今話をした3つのことを実践し、兵庫高校の歴史に新たな歩みを刻んでください。
 現在、新型コロナウイルス肺炎が全世界中で蔓延し、人類を不安の渦に巻き込んでいます。
 「人間万事塞翁が馬」という故事のとおり、一見不運に見える出来事が、見方を変えれば実は幸運に導かれた出来事であるかもしれません。起こったことに一喜一憂せず、どう解釈するのかが、我われの人生を分けます。「この出来事は自分に何を気づかせようとしているのか」という見方があっても良いのではないでしょうか。
 明日以降、登校日を除いて、5月6日まで臨時休校となります。
 その間は、他人と自分の命を守るために、不要の外出を控え自宅で過ごしてください。毎朝の健康チェックを通じて自己の健康に留意するとともに、「1週間の記録」を活用して、日々の活動の振り返りを行いながら、学習面・体力面の基礎固めを図ると共に読書を通して、一回り大きな自分を創ってください。不安なことや、気になることがあれば、気軽に担任の先生に相談してください。
 本校では、常に生徒を中心に据え、教職員と保護者、そして同窓会である武陽会の三者が一致協力して生徒の教育に取り組んでいきます。本校での高校生活で、皆さん一人ひとりが、成長のチャンスを逃すことなく、学業や学校行事、そして部活動で互いを高め合えるよう期待しています。
 以上、75回生の入学にあたっての講話とします。

 令和2年4月8日

兵庫県立兵庫高等学校長 
    升 川 清 則


【校長室より】保護者の皆様へ

本日、2・3年生への「在校生への説明会」、1年生への「新入生への説明会」を無事に実施することができました。
特に、1年生の保護者の皆様におかれましては、「新入生への説明会」に多大なるご理解とご協力をいただきました。
改めて厚くお礼を申し上げます。
明日以降も登校日以外は5月6日まで休業となりますが、本校の教育活動にご理解ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

【校長室より】令和2年度1学期 在校生への説明会 校長講話

 おはようございます。
 校内の桜も桜色一色から、若葉の鮮やかな緑がアクセントを加えてくれています。山々の木々も新緑の季節を前に、若葉がまさに芽吹こうとして、例年と変わらぬ様子を見せています。

 しかし、今日、我われと新型コロナウイルスとの戦いは続いています。
 兵庫県における4月7日21:00時点での感染者数は229人で、東京都や大阪府のような大幅な感染拡大ではないものの、感染経路の不明な症例、帰国者、若者の感染者が増加しており、予断を許さない状況です。
 昨日、兵庫県を含む7都府県を対象に新型コロナウイルスの感染拡大に備える緊急事態宣言が国から発出されました。
 これに基づき、兵庫県においても対処方針が示され、以降、5月6日まで、学校は臨時休業となります。週1日、午前中の登校日においても、授業、部活動は実施しません。臨時休業中は、学校以外の公園での運動を除いて、むやみに外出せず自宅で過ごしてください。
 感染予防は、こまめな手洗いの励行、マスクの使用による咳エチケットの励行はもとより、十分な睡眠時間の確保やしっかりとした栄養の摂取など,規則正しい生活で健康な心身を維持することが重要です。そして、「密閉」、「密集」、「密接」といった3つの「密」が重なるおそれのある集会、イベントへの参加は厳に慎んでください。私たちは自分自身がウイルスに感染することをもちろん防がなければなりません。一方で、無症状でもすでに感染しているという可能性もあり、感染源となるおそれもあります。
 もし、体調に異変があるときには、本日配布する文書「令和2年度新型コロナウイルス感染症の予防的対応について」を参考に適切に対応してください。臨時休業中は、学校から皆さんには、これまでと同様に学校ホームページを通じて、連絡等を行います。くれぐれも、SNS等における憶測やデマに惑わされないでください。

自宅においては、
1 毎朝、検温を行い、健康状態を調査用紙に記入したうえで、学校ホームページから状況を各自フォームに入力すること。このデータにより皆さんの健康状態を把握します。37.5度以上の熱が4日以上、続くときには相談窓口に連絡してください。
2 生活記録を活用し、その日の行動をイメージしながら計画を立て、課題などの学習を計画的に行ってください。さらに、読書や運動も継続して行ってください。1日の終わりには、その日の生活の振り返るとともに、自己の目標を確認しましょう。
以上を確実に実施して、有意義に過ごしてください。

登校日には、
 マスクを使用するなど感染予防に留意して登校してください。
 なお、たとえ平熱とあまり変わらない微熱やだるさを感じるなどの、少しでも症状があるときには無理をせず、ためらわずに自宅で待機してください。
 また、登校に不安のあるときには、遠慮なく担任に申し出てください。


 3学期の終わりに、2つ話をしました。
 1つは、「行動・態度と言動を改める」ということ、もう1つは「物事の見方や解釈を変える」ということでした。
 我々の行動を変えることが、感染拡大を予防し、自分や周りの人の命を守ります。
ウイルスとの戦いも、「この出来事は自分に何を気づかせようとしているのか」という見方ができる人は、いざというときに思わぬ力を発揮できるものです。
 繰り返し皆さんにお願いします。
 今回の臨時休業を、自らの行動を変えること、学校に登校する意味を考えること、家族のありがたみ、友人の素晴らしさ、さらに、今やらなければならないことや、これまでの自分の誤りに、気づく貴重な時間にしなければなりません。新型コロナウイルスとの戦いは、まだまだ続きますが、時がたてば必ず終息します。それまで、健康にくれぐれも留意し、1年後、2年後、さらに将来、自分のため、家族のため、さらに世のため人のために活躍する自分の姿を思い描いて、兵庫高校生らしく前向きに行動してください。

 本日も、全員で校歌を高らかに歌うことが叶いません。残念でなりません。次に皆さんと歌える時を楽しみにしています。

 以上、年度初めの講話とします。

 令和2年4月8日 

兵庫県立兵庫高等学校長 
升 川 清 則 


【校長室より】第3学期終業式辞

 正門をはいったところの蜂須賀桜も終わり、それに続いて校内の桜のつぼみが膨らんでいます。満開になるのが待ち遠しい限りです。冬の間、葉を落としていた通勤途中のあじさいも、知らぬ間に元気に葉をつけて、花をつける準備を整えつつあります。

 今回のコロナウイルス対策による一斉休業が始まって3週間が過ぎました。
 皆さんは、学校ホームページによる連絡をペースメーカーに、課題をこなして、有意義な時間をきっと過ごしていたことと信じます。
 私たちが日常かかえる不安な気持ちや、先行きが不透明な状況を象徴するかのような、現在の目に見えないウイルスとの戦いです。とはいえ、手洗いや咳エチケットの励行で予防策は講じることができます。また、感染しても重症化しないように、適度な運動と十分な睡眠の確保やしっかりとした栄養の摂取など,規則正しい生活で健康な心身を維持することができます。
 今回の休校で、学校に登校する意味を考えること、家族のありがたみ、友人の素晴らしさ、さらには、今やらなければならないことや、これまでの自分の誤りに、はたと気づいた人がいれば、それは貴重な時間であったといえます。
 今日、皆さんの元気な様子を見て、ただただ嬉しく感激しています。

 さて、この1年、皆さんは、今日まで、兵庫高校生らしく果敢にチャレンジし、勉学に、学校行事に、部活動によくがんばりました。
 終業式にあたり、心にとどめて欲しいことを2つ話します。

 1つ目は、「行動・態度と言動を改める」ということです。
 「先送り」「短気」「わがまま」など、良くない行動の癖がついてしまうと、中々断ち切ることはできません。日々できることを地道に続けて習慣化することで、悪癖にもブレーキをかけることができます。
 我われが無意識に使う言動にも注意したいものです。
 「ダメや」「最低や」といった、物事を強く感情的に否定する「ネガティブな言葉を日常的に使わない」ことが重要です。
 「誰かの良いところを無条件に本気で心の底から褒める『感嘆』の言葉」
 「心から有り難いと思って語る『感謝』の言葉」
 「素晴らしい自然、芸術、音楽、スポーツに触れたとき、その喜びを表現する『感動』の言葉」
といったポジティブな言葉を意識して使うことを習慣にしたいものです。感嘆、感謝、感動、3つの感を意識することで、ネガティブな感覚が薄れ、自分自身の人格が磨かれていきます。

 2つ目は「物事の見方や解釈を変える」ということです。
 往々にして不運に見える出来事が、実は幸運に導いてくれる出来事である場合があります。起こったことに一喜一憂せず、その事象をどのように解釈するのかが、我われの人生を分けます。失敗したときにも、「失わなかったもの」や、「与えられたもの」に目を向けることができるはず。失敗や挫折も、自分にとっては、一度限りのかけがえのない人生の一コマです。「この出来事は自分に何を気づかせようとしているのか」という見方ができる人は、気持ちに余裕が生れます。

 2つ話しましたが、プラスの発想をすれば人生はプラスに作用し、良い出会いにつながっていくものです。調子が良いときは謙虚な気持ちで感謝し、難が有るときには、それをひっくり返して有り難うという。そうすればピンチもチャンスに変わるかもしれません。他人と過去は変えることはできませんが、自分と未来は変えることができます。1年後、2年後、さらに将来の自分を思い描き、これから是非とも心がけて欲しいと思います。

 新型コロナウイルスの蔓延は、まだまだ先行きが不透明ですが、時がたてば必ず終息します。それまで、健康にはくれぐれも留意し、自分のため、家族のため、さらに世のため人のために活躍する自分の姿をイメージながら行動してください。

 このたびは、全員で校歌を高らかに歌うことが叶いません。残念でなりません。
最後の一節を口ずさんで終わります。

 文化の国のあけぼのは ここより生れん ほのぼのと
 その名ぞ兵庫 わが母校


 これをもって式辞とします。


 令和2年3月23日

 兵庫県立兵庫高等学校長 
 升 川 清 則 


【校長室より】第72回卒業証書授与式 校長式辞

式   辞


玄関脇に植えられた白梅が、例年よりも早く満開を迎えた佳き日に、本校第72回卒業証書授与式を挙行いたしましたところ、多くの来賓の皆様、保護者の皆様におかれましては、ご多忙にも関わりませず、卒業生の門出を祝うためにご隣席をいただき厚くお礼申し上げます。誠に有り難うございます。

ただ今、卒業証書を授与いたしました314名の皆さん、本日めでたく、卒業の日を迎えられたこと心よりお祝い申し上げます。皆さんの3年間の努力と精進に対して心から賛辞をおくります。皆さんは、平成29年4月の入学から今日まで、兵庫高校生らしく果敢にチャレンジし、勉学に、学校行事に、部活動に活発に活動してきました。あっという間の3年間で、まだ実感は湧いてこないかもしれませんが、真直ぐにこちらを向いている凛々しい表情から成長ぶりが伝わってきます。

さて、今年で阪神・淡路大震災から25年が過ぎました。皆さんがこの世に生を受けたのはその六年後です。これまでにない未曽有の大災害でしたが、国内外からの多くの支援により、神戸の街の復興が成し遂げられました。当時の様子は校舎一階事務室前の柱の銘板に記されています。これからも、震災の経験や教訓を忘れず、伝え、これを活かし、しっかりと備え、次の災害への心構えが必要です。

世の中は依然として厳しい情勢が続いています。国内においては、昨年も台風による大規模な洪水などの自然災害が日本各地に被害をもたらし、少子高齢化の加速など、日本経済も不安定な状況にあります。神戸も、高齢化と人口減少など新たな課題に直面し新たなまちづくりが喫緊の課題です。
 また、海外ではテロ行為や難民問題を始め、政治や経済で緊張が続いており、地球規模の温暖化も年々深刻化しています。さらには新型コロナウイルス肺炎が、世界中で大流行するなど新たな感染症との戦いも始まりました。現代は少なくとも過去の延長線上に単純に未来が来るような時代ではなくなっているといえます。

そのような中でも、72回生は、逞しく高校生活を過ごしてきました。全力で取組む先輩たちに続き、「責任ある自由」を育くみ、真の兵庫高校生へと成長していきました。
先日の3学期の始業式でも、目標の進路に立ち向かう皆さんが、しっかりと前を見据える姿、そして、校歌を堂々と歌う様子に、力強さを感じました。111年の伝統を誇る本校の偉大な先輩方にも劣らぬ高校生活を全うした皆さんに改めて敬意を表します。

卒業にあたり、これからいかなる時も前向きに生きていくために、心にとどめていただきたいことを3つ述べます。

1つ目は、「習慣を改める」ということです。
宇宙飛行士たちが月に到達するためには、地球のとてつもない引力をまさに断ち切らなくてはなりません。ロケットの発射直後の数分間、距離にして数キロ足らずの上昇に必要としたエネルギーは、その後の数日間、約70万キロの飛行に使ったエネルギーをはるかに上回るといわれています。同じように習慣という引力も非常に強いものです。「先送り」「短気」「わがまま」などの癖が根づいてしまったら、中途半端な意思の力だけでは断ち切れません。日々できることを地道に続けて習慣化することで、少々の失敗や挫折を経験しても、くじけることのない自信を持つことができます。
行動だけではなく、我われが無意識に使う言動にも注意が必要です。何よりも、「ダメだ」「最低だ」といった物事を強く感情的に否定する「ネガティブな言葉を日常的に使わない」ことが重要です。「誰かの良いところを無条件に本気で心の底から褒める『感嘆』の言葉」「心から有り難いと思って語る『感謝』の言葉」「素晴らしい自然、芸術、音楽、スポーツに触れたとき、その喜びを表現する『感動』の言葉」、このようにポジティブな言葉を意識して使うようにする必要があります。それが習慣になったとき、無意識のうちにネガティブな感覚が薄れ、自分自身の人格が磨かれていくでしょう。

2つ目は「人生の解釈を変える」ということです。
自分の人生には、劇的な成功体験でなくても、小さな成功体験が数多くあるはずです。過去を振り返り、「あの人に巡り会ったことで人生が拓けた」「あの出来事が起こったことで道が拓けた」と気づくことがあれば、それは素晴らしいことです。「人間万事塞翁が馬」「禍福はあざなえる縄のごとし」という故事のとおり、往々にして不運に見える出来事が、実は幸運に導かれた出来事であるかもしれません。起こったことに一喜一憂せず、どう解釈するのかが、我われの人生を分けます。いかなる失敗体験においても、「失わなかったもの」や、「与えられたもの」に目を向けることができるかどうかが重要です。どのような失敗や挫折であろうとも、自分にとっては一度限りの、かけがえのない人生の一コマです。「この出来事は自分に何を気づかせようとしているのか」という見方があっても良いのではないでしょうか。

3つ目は「人生における問題を、自分に原因があると引き受ける」覚悟を持つことです。
カナダの精神科医エリック・バーンは、「他人と過去は変えることはできないが、自分と未来は変えられるのだ」と述べています。自分の内面、人格、動機などに働きかけることができるのは自分だけです。信頼されたければ、信頼されるに足る人間になる、才能を認められたければ、まずは人格を高めるところから始めなければならないということです。プラスの発想をすれば人生はプラスに作用し、良い出会いにつながっていくものです。良いときは感謝し、難が有るときには、それをひっくり返して有り難うという。そうすればピンチもチャンスに変わるかもしれません。

本校で文武両道を磨いた皆さんは新たな進路においても、高度な専門性を身に付け、さらにその先でも意欲的に研鑽を積まれることでしょう。これからは、日本中、いや世界中の優れた人材と相まみえることになります。その時には、互いに切磋琢磨しつつも自信を持って、自分の道を究めて欲しいと願っています。

さて、保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。
教職員一同、力をあわせてお子様の教育にあたってまいりましたが、至らぬこともあり、ご迷惑やご心配をおかけしたことも度々であったと存じます。本校の教育方針をご理解いただき3年間終始ご協力、ご支援を賜りましたことを代表してお礼申し上げます。お子様が健康で社会に有為な人となられることを切にお祈りいたしますとともに、今後も、本校への変わらぬご交誼とご鞭撻をお願いいたします。

卒業生の皆さん、健康にはくれぐれも留意し、自分のため、家族のため、さらに世のため人のために、そして、君たちの後に続く後輩たちのためにも大いに活躍されることを祈っています。
名残は尽きませんが、72回生、107陽会の前途に幸多かれと、心よりお祈りしつつ本校生として最後の校歌を、ともに高らかに歌いお別れいたしましょう。
これをもって式辞といたします。
さようなら

令和2年2月28日

兵庫県立兵庫高等学校長
升 川 清 則

【校長室より】1.17校長講話

阪神・淡路大震災発生から25年



 平成7(1995)年1月17日5時46分に淡路島北部を震源としたマグニチュード7.3 、震度7の大地震、阪神・淡路大震災の発生から25年を迎えました。
死者6,434名、重傷者10,683名、全壊家屋約10万5,000棟、半壊家屋約14万4,000棟、交通関係も、港湾での埠頭の沈下等、鉄道ではJR西日本等合計13社において不通、道路では地震発生直後、高速自動車道等の27路線36区間が通行止めになるなど、未曾有の被害が発生したのです。

 本校においては、震災直後から避難住民を受入れることとなりました。その後の雨のため避難者は増加し、1月20日には、校内には 2,500人を超す避難者を受入れました。
1月30日、31日の両日に校外2カ所で生徒が集合し安否確認が行われました。この時点での本校の避難者数 は2,000人でした。
  神戸電鉄が一部復旧したことから。2月8日から1年生は北区の神戸甲北高校で、2年生は鈴蘭台高校(現在の神戸鈴蘭台高校)で、教室を間借りして授業を再開することとなりました。

 その当時の2年生男子生徒、松岡亜希彦さんの作文の一部を紹介します。

『学ぶという事』
 学校という勉強するには恵まれ過ぎた環境が当たり前のようにあって、僕は色々なことを知る喜びを最近まで知らずにいたけれど、今はとてもおもしろいことだということに気付いた。
今回の震災で気付いたことは、えらそうに自分は勉強していることになっているが、実は自分の身の回りのことを何ひとつ、1回の食事すら自分で世話できない人間なのだということだ。親をはじめ、社会全体が勉強できる環境をすべて整えてくれていて、それらすべてを土台にして勉強させてもらっていた。生きることが何ひとつ自分でできないことに気付いた。自分一人でも生きてゆけるようになるためにも、今は鈴高というあまりある環境で勉強させてもらっている。

 生徒が他校へ通学する分校方式による学校再開は、授業の時間割りや部活動の活動場所など、当然制約を受けることは多かったのですが、生徒は頑張りました、職員も必死で務めました、なんとか工夫して乗り切り、震災直後の1か月を終えることができたのです。

 3月1日には鈴蘭台高校で第47回卒業証書授与式が挙行されました。在校生を代表して元生徒会長の前田修司さんが「破壊された神戸の復興、混迷する世界情勢の打開を担うのは私たちなのだ。」と力強く答辞で語られました。

 3月時点で本校には1000名を超える人が避難されており、本校における学校再開が断念され、当時、北区の西鈴蘭台にあった鈴蘭台西高校のグラウンドに仮設校舎が建設されました。
4月10日、鈴蘭台西高校の仮設校舎で第一学期がスタートしました。入学式だけはその日の午後、本校の講堂で挙行されました。
4月26日、3年生が九州方面への修学旅行を実施。そして、6月5日から1学年分の教室確保のメドがついたため、3年生が本校に復帰。その時の避難者は約600人を数えました。
 そのような中で8月25日には吹奏楽部が全国大会への出場を決めるなど全校生徒が一丸となって部活動でも大いに気を吐いたのです。
1,2年生の本校復帰に向けた準備が急ピッチで行われましたが、その時点の避難者160名で9月1日からの本校復帰はならず、9月26日1,2年生が本校に復帰し、全校生1117名が揃って復帰式を実施しました。この時点では避難者52名、翌年、2月14日に避難者がゼロとなるまで、避難者とともに学校生活を送ったのです。
 今話した概要は、校舎1階事務室前の柱の銘板に記されています。そこには「兵庫県立兵庫高等学校は、神戸市内で最大の避難所となり、被災者支援と教育活動の両立に困難を極めた。しかしながら、生徒も、教職員も粘り強く耐え、被災された人々とともに、394日間を戦い抜いた。」と刻まれています。

 25年の節目を機に改めて原点に立ち返り、震災の経験や教訓を忘れず、伝え、これを活かし、しっかりと備える必要がある。1 年生(74 回生)は、自力で帰宅することも想定しながら、学校 から HAT 神戸まで復興した神戸の町並みを歩く「1.17 ひょうごメモリアルウォーク 2020」 に、吹奏楽部は、駒ヶ林中学で行われる阪神・淡路大震災長田復興コンサート「これから も震災を語りつごう!!元気アップ長田 2020」に参加します。
東日本大震災をはじめ多くの豪雨災害の発生など。いつどこで大災害の発生や、何が起こるか分からない時代です。全校をあげて阪神淡路大震災 を忘れず、その経験と教訓をいかし、伝え、次の災害へ備える心構えをつくっていきましょう

 終わりに、平成8(1996)年2月28日の第48回卒業証書授与式で、生徒代表の石井宏幸さんが答辞で語られた内容の一部を紹介して終わります。

 本校が大規模な避難所となったため、授業は鈴蘭台高校での間借り、 鈴蘭台西高校での仮校舎暮らし、さらに本校で、被災者の方と共同生活をしながら続けられました。戦火の時代を除けば、まさに第二神戸中学校開学以来の危機状況でした。
 それでも、普通の生活が思うに任せない苦境の中でも、我々は耐えてきました。いや、静かに耐えるだけではなく、自己と学校の未来を切り開こうと 懸命でした。震災直後から連日にわたるボランティア活動への参加。学校が再開されると、グラウンドのない劣悪な条件下で県総合体育大会への出場、そして、短時間で作り上げた思い出深い九州修学旅行への取組み。
 試練にあったとき、人はその人間が試されますが、厳しい環境で、我々が不可能だと思えることを先生方とともに次々と克服してきました。
そうした歩みは、校訓である自らを治める「自重自治の精神」が我々の中に生き続けている証明です。そして私は、その兵庫高等学校生の一員であったことを誇らしく思います。もちろん、復興しなければならないのは兵庫高校だけではなく、神戸の街であり、 被災地のすべての街であり、被災者の心です。幸い「再建の意気高く」働ける優位な人材は48回生に数多くおり、神戸復活の気概で燃えています。
しかし、我々には被災からの復興に力を尽くすだけでは足りません。その上に、世界と未来を考える巨視的な目も持ち合わせて対処していく必要があります。
異なる集団、異なる社会、異なる文化に属する人々同士が相手を自分たちと区別せずに、お互いを認め合う世界、真のヒューマニズムに満ちた世界を作り上げるために、力を尽くさなければならないのです。我々は微力ですが決して諦めません。この仕事をやり遂げることは、新しい世紀を生きる若者の使命だからです。


 以上、阪神・淡路大震災から25年にあたり、講話とします。

令和2(2020)年1月17日

                        兵庫県立兵庫高等学校長
                            升 川 清 則

【校長室より】1月の挨拶

兵庫県立兵庫高等学校ホームページをご覧いただきまして、誠にありがとうございます。



 新しい年をお迎えました。皆様も元気にお過ごしのことと存じます。

 元旦から穏やかな晴天が続きましたが、昨日は、季節外れの雨と強風で神戸市内に暴風警報が発令され臨時休業となりました。

 本日、3学期始業式を実施しました。生徒には健康に留意して体力と学力を伸ばし、そして読書を通じて感性の豊かな人となるよう精進すること、特に3年生には、目前に控えるセンター試験に向けて規則正しい生活を心がけ、決めたことを丁寧に進めよと話しました。そして、「皆が目標に向って頑張っている。」「君たちは絶対にできる。」と激励しました。進路目標が達成されることを切に願います。
 さて、1月17日に阪神・淡路大震災から25年を迎えます。本校は、神戸市内最大の避難所となり、被災者支援と教育活動の両立に困難を極めましたが、生徒も教職員も被災された方々とともに、復興に向けて粘り強く取組みました。当日は、全校生に対して、その経験を継承すべく講話をおこなうとともに、犠牲者に対して黙祷を捧げます。さらに1年生(74回生)は、自力で帰宅することも想定しながら、学校からHAT神戸まで復興した神戸の町並みを歩く「1.17ひょうごメモリアルウォーク2020」に、吹奏楽部は、駒ヶ林中学で行われる阪神・淡路大震災長田復興コンサート「これからも震災を語りつごう!!元気アップ長田2020」に参加します。全校をあげて阪神淡路大震災を忘れず、その経験と教訓をいかし、伝え、次の災害へ備える心構えをつくってまいります。何が起こるか分からない時代です。これからも緊張感を持って学校運営をおこないます。

 今年はいよいよ東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。
オリンピックの直近2大会(2012年ロンドン、2016年リオデジャネイロ)が開催された年の「今年の漢字」(公財 日本漢字能力検定協会)は、ともに「金」。今年も「金」が「今年の漢字」となるような日本選手のフェアプレイと金メダルラッシュを大いに期待したいものです。

 3年生は、センター試験を皮切りに、受験シーズンの佳境を迎えますが、目標を常に見据えて自信を持って立ち向かってくれると信じています。また、1月29日から2月1日まで、姉妹校である中国上海市から松江(ソンジャン)二中の生徒、職員を迎えインターナショナルデーを実施します。2月28日の卒業式、新入生を迎える推薦入試や複数志願入試など飛ぶように時間が過ぎていく3学期になります。
全校生徒が落ち着いて学校生活を送り、来年度に向けてさらに成長してくれるものと期待しています。

 皆様には、引き続き、本校教育にご支援のほどよろしくお願いいたします。

令和2年(2019)年1月9日

兵庫県立兵庫高等学校長
升 川 清 則


○文化部
美術部     高校生アートコンペティション2019 入選 大久保七海

書道部      第43回兵庫県高等学校総合文化祭書道展
            全国総文推薦賞 小川弥恵
            優秀賞     湯瀬愛弓
 

ギターアンサンブル部
 第43回兵庫県高等学校総合文化祭 軽音楽部門選考会 優秀賞

放送委員会   第43回兵庫県高等学校総合文化祭 ラジオドラマ小部門 金賞


○運動部
卓球部    第61回兵庫県高等学校新人卓球大会
  女子団体    第3位
        女子シングルス ベスト8 山口絢子  司田和波
        女子ダブルス  第9位  大槻優葉  司田和波 

       令和元年度近畿高等学校新人卓球大会
女子団体    第9位
※第47回全国高等学校選抜卓球大会(令和2年3月 千葉県)への出場県獲得
        女子シングルス ベスト16  山口絢子
                出場     司田和波
        女子ダブル   ベスト32 大槻優葉  司田和波

男子ソフトテニス部 令和元年度兵庫県高等学校ソフトテニス新人中央決勝大会 
個人戦    第9位   山本直希  山口雅貴
         ※近畿高等学校ソフトテニス選抜インドア大会出場権獲得

水泳部    第12回兵庫県高等学校対抗冬季水泳競技大会
        女子400m自由形 第6位 山本英穂

器械体操部  令和元年度兵庫県高等学校体操新人大会
 女子総合   第5位

陸上競技部  近畿高等学校ユース陸上競技選手権大出場会(9/13和歌山県)
         2年女子800m  第5位 川上  咲
        令和元年度兵庫県高等学校駅伝競走中央大会
         男子18位(2時間21分28秒) 女子18位(1時間21分00秒)

空手道部   兵庫県高等学校空手道新人大会
        男子 団体形  第3位
           団体組手 第5位
※第39回 近畿高等学校空手道大会出場権獲得

○その他  
全日本高校模擬国連大会出場      谷川陽音  豊田亜由香

令和元年度 税に関する高校生の作文  辰巳遙真

【校長室より】12月の挨拶

兵庫県立兵庫高等学校ホームページをご覧いただきまして、誠にありがとうございます。

本日、第2学期の終業式を終了いたしました。

 今年は、いまのところ寒さも幾分しのぎやすい日が続いています。近隣の住宅の花壇には、植木にクリスマスデコレーション、シクラメンの花、そして葉ボタン等がきれいに植え込まれて、年末であることを実感します。
 2学期に入ってからは厳しい暑さが続きました。一部の教室でエアコンが故障し、生徒にも苦労をかけましたが、落ち着いて乗り切ってくれました。9月は3年生ここにありと印象付けてくれた体育祭、10月は入学以来の団結をさらに深めてくれた1年生の野外活動、そして12月は島田叡先輩の最期の地である沖縄を訪れその功績に触れるとともに、石垣島等の自然や文化を満喫した2年生の修学旅行など、大きな行事も無事に終わることができました。また、10月30日に対神戸高校秋季定期戦を本校で実施し、両校ともに一歩も譲らない拮抗した戦いでしたがラグビーを制した神戸高校に軍配があがりました。その他、部活動をはじめ様々な活動で、生徒は大いに活躍してくれました。生徒にとって喜びだけではなく、厳しく辛い出来事もありましたが、様々なことを受け入れ過ごした2学期でした。

 さて、先日神戸新聞夕刊に神戸学院大学 金先生の「やらないと、やる気はでない」という記事が掲載されていました。我われは、目標を見失ったときに「心ここにあらず」や「うわの空」の状態になることがあります。そうなると、「やる気が出ない、起きない」「私にはムリ」などと、頭の中がネガティブな雑念であふれます。自分が確実にできることを見つけて確実に実行することで「できる習慣」が身につくものです。記事の通り、やらないと、やる気は出てきません。生徒たちには、コツコツやるべき事を積み上げることで「本当の自信」を身に付けて欲しいと思います。

 本校では、始業式、終業式などの行事で、全校生徒が声高らかに校歌を歌います。3年生にとっては、校歌を歌うのも残りわずかとなりました。年明け早々のセンター試験を皮切りに、受験シーズンは佳境を迎えますが、目標を常に見据えて自信を持って立ち向かってくれると信じています。
全校生徒が、この冬季休業を有意義に過ごし、新学期に元気な姿で登校してくれることを期待しています。

令和元年(2019)年12月24日

兵庫県立兵庫高等学校長
升 川 清 則


【校長室より】9月の挨拶


兵庫県立兵庫高等学校ホームページをご覧いただき、誠に ありがとうございます。

 まだ日中は 30 度を超えるものの 、 先週の雨もあって、朝夕の空気は ひんやりと幾分はしのぎやすくなりました。今年の夏も厳し い暑さが続きました。そして再び、九州地方では市街地も冠水するなど被害が出ており気がかりです。本校においても、引き続き緊急時の連絡体制の確保等 に 万全を期して参ります。

 さて、夏季休業中、 生徒たちは、 学校での 夏季 講習、大学への研究室訪問をはじめ、ベトナム・ イギリス研修、東京みらいフロンティアツアーなど精力的に活動しました。さらに部活動でも平常の練習はもちろんのこと、大会やコンクール、合宿練習に活発に取組み 、 休養も 適切にとりながら計画的に活動し 充実した 活動になりました。私も 7 月 20 日から 27 日までイギリス研修に同行しました。ヨーク大学で は イアン・デービス教授の講義を受け、英語による研究発表を行い高い評価をいだきました。デービス教授には、 5 年間のご尽力に対して記念品を贈呈 し感謝の意を表しました。 ロンドン では、ベクスレーグラマースクール の 生徒との交流 、在英国日本大使館、JETRO ロンドン 様 、商船三井様への 訪問など、生徒たちは 濃密な プログラムを しっかりと こなし実り多き研修に することが出来ました。事前学習から現地での研修では 、坂出様に一方ならぬ ご指導、ご協力を賜りま すとともに、 企業訪問 に際して、 自治体国際化協会ロンドン事務所の宇野様にご尽力をいただきました。お世話いただきました 多くの 皆様に、あらためてお礼申し上げます。 在 英国 日本 大使館 にお勤めの 2 名の本校卒業生との交流というサプライズもありました。生徒たちも、 世界中で活躍する 先輩と の対面に 兵庫高校を通じた ご 縁を感じ 、母校に誇りを 感じてくれた ことと 思います。

 いよいよ2学期がはじまりました。 始業式後の全校集会において、防災教育といのちを大切にする教育の一環として、7 月に東日本ボランテイアに赴いた本校教諭が講話を行いました。 「 災害はいつどこで発生するかわからない、いかにして自分事としてとらえるか 」が重要であり 、 そして 「自分の命の重みを十分認識して精一杯生きよう」と問いかけました。生徒たちにと って、命の尊さについて 考える機会になりました 。

 9月 19 日に体育祭を実施するとともに、10 月は1年生が大山登山を中心とした野外活動 とその他学年は校外学習 をはじめ対神戸高校秋季定期戦 、12 月は 2 年生が 先輩である故島田叡 (しまだあきら 元 沖縄県知事の慰霊を含む沖縄 県糸満市 、石垣 市 への修学旅行など 、学校生活の節目になる 行事も控えています。 3 年生は希望する進路の実現に向けて邁進することとなります。生徒 に は、 悔いの残らないよう 精力的に取組んでくれること を期待しています。

皆様には、引き続き、 本校教育に ご支援のほどよろしくお願いいたします。

令和元年( 2019 )年 9 月 2 日

兵庫県立兵庫高等学校長
升 川 清 則

○文化部
吹奏楽 第66 回兵庫県吹奏楽コンクール 高等学校A 部門 銀賞

ギターアンサンブル部 第7 回全国高等学校軽音楽コンテスト兵庫県代表選考会 準グランプリ

○運動部
水泳部 対神戸高等学校夏季定期戦 238 対198 兵庫高校の勝ち

陸上競技部 兵庫県高等学校ユース陸上競技選手権大会
2 年女子800m 第2 位 川上 咲 ※近畿ユース大会(9/13 和歌山県)出場
2 年男子1500m 第5 位 田尻慎之介
5000m 第6 位 田尻慎之介
400mH 第8 位 出原 明宏
三段跳 第7 位 上木 陸駆
1 年男子200m 第4 位 安福 俊輔
共通男子400mR 第7 位 藤井孝太・安福俊輔・河野快斗・上木陸駆

卓球部 県民大会 女子シングルス ベスト4 2 年 山口 絢子
※国体少年女子代表として近畿ブロック大会を勝ち抜き、国民体育大会
(茨城県)出場

○その他
高校生ボランティア・アワード2019 創造科学科3期生参加

【校長室より】7月の挨拶

兵庫県立兵庫高等学校ホームページをご覧いただきまして、誠にありがとうございます。

 なかなかやってこなかった今年の梅雨ですが、ここ数日梅雨前線が活発に活動し、時折激しく降っています。九州地方では河川が氾濫するなど被害が出ており気がかりです。本校においても緊急時の連絡体制の確保等万全を期して参ります。
7月2日(火)から8日(月)まで5日間、期末考査を実施します。考査終了後には、合唱コンクール、球技大会、避難訓練等の行事が盛りだくさんですが、19日の1学期終業式まで、生徒たちは学業に、学校行事に精一杯取り組みます。
 さて、6月末までに終了した部活動や生徒活動の主な結果を報告いたします。
どの部も3年生を中心に力いっぱいの健闘を見せてくれました。
遠方の試合会場まで多くの皆様に足を運んでいただき応援いただきありがとうございました。
生徒にとって大きな力になったことと思います。ほとんどの部が2年生を中心とした新体制に代わっていますが、引き続き、ご支援のほどよろしくお願いいたします。
 また、本校におきましては、令和元年度の部活動方針を策定しました。
生徒がゆとりある生活を確保しつつ、楽しく安全な運動・文化部活動に取り組めるようこれからも努めて参ります。

令和元年(2019)年7月1日

兵庫県立兵庫高等学校長
升 川 清 則


令和元年度部活動等の生徒活動の結果(主なもの)※7月1日現在

○運動部
兵庫県高等学校総合体育大会
・陸上競技部 男子やり投げ  3年 井上麟太郎 第2位 ※近畿大会(大阪府)出場決定
・卓球部   女子シングルス 2年 山口 絢子 第7位
                    ※近畿大会(奈良県)、全国大会(鹿児島県)出場決定
・山岳部   男子 団体第6位
 全国高等学校陸上競技対校選手権大会近畿地区予選会
・陸上競技部 男子やり投げ  3年 井上麟太郎 第8位


○文化部
・ギターアンサンブル部 全国高等学校軽音楽フェスティバル 大阪府知事賞
・放送部        第66回NHK杯全国高等学校放送コンテスト兵庫県大会
               創作ラジオドラマ部門 第8位
・書道部        第12書道パフォーマンス甲子園 近畿ブロック予選 第4位


○その他
  ・第2回「島守忌」俳句大会 高校生の部
     沖縄県知事賞   2年 米澤 周奈「白鳩は空の深きへ島守忌」
     糸満市長賞    2年 森岡愛弥華「島田忌や静寂に脱ぐ野球帽」
    ※「島守忌」俳句大会:主催「島田叡氏事跡顕彰期成会」(沖縄県、沖縄県教育委員会等後援)
     本校卒業生で、1945年戦中最後の沖縄県知事として赴任した
     故島田叡氏の功績を偲んで開催されている。

【校長室より】4月の挨拶

兵庫県立兵庫高等学校ホームページをご覧いただきまして、誠にありがとうございます。


 明治41(1908)年設立の県立第二神戸中学校(神戸二中)と、昭和17(1942)年設立の県立第四神戸高等女学校(県四)が、昭和23(1948)年、戦後の教育改革により統合され、県立兵庫高等学校が誕生しました。
 神戸二中の創立以来、今日まで、教育の根本に四綱領「質素剛健、自重自治」を掲げ、生徒の自主性を重んじる教育を進めてまいりました。時代を超えて、生徒に伸び伸びと自然体の成長を促し、その才能を開花させると同時に、「自由」に伴う「責任」を会得させる教育を守ってきました。そのことが、政治、経済、文化、芸術、スポーツのあらゆる分野に幾多の優秀な人材を輩出してきたことに繋がっています。

本校は平成30(2018)年に、創立110年の記念すべき節目の年を迎えました。
 21世紀となり高度情報化とグローバル化が大きく進展し、この変化の早い時代に対応できる人材が求められています。本校では、生徒の意欲と行動力を生かして、将来、生徒が真にやりたいことを見つける「キャリア教育」と、自然科学や社会科学における、まだ正解のない問題に挑戦する「課題研究」に取組んでいます。「未来と創造」をキーワードにスタートしたこれらの取組みは、生徒の視野を広げ、論理的な意見交換を楽しむ生徒の育成に繋がっています。また、価値観や考え方の異なる様々な人たちとの出会いを通して、優しさといたわりの心をもつ頼もしい人間に成長しています。

 今年5月、新たな「令和」の時代を迎えます。
 本校生には、創立以来、脈々と受け継がれてきた四綱領の精神と文武両道の学びを継承しつつ、「目的と目標を常に意識すること」「自ら主体的に学ぶ姿勢を持つこと」「コツコツと努力し続ける継続する力と、集中してやり遂げる力を身につけること」の3つを実践するよう指導していきます。そして、困難に動ずることなく、想定外の事象にもスピード感とユーモアを持って立ち向かう、さらに器の大きい自立する人となり、兵庫高校の歴史に新たな轍を残してくれるよう願っています。

 今後とも、本校のさらなる発展と未来への道を切り拓く人材育成のため努力して参りますので、保護者の皆様、地域の皆様、同窓会である武陽会をはじめ関係各位の絶大なるご支援、ご協力をお願い申し上げます。

平成31(2019)年4月
兵庫県立兵庫高等学校長
升 川 清 則