創造科学科について

「創造科学科」(理数に関する学科)

~未来社会を創造するグローバルリーダーの育成~


創造科学科では理数教育を重視しつつ、文理の枠を超えて社会科学と自然科学を主体的に学び、
地域、国家、国際社会、サイバー空間で直面しているさまざまな課題に向き合い、
人類の最前線で要石となる「未来の創造者」を育成します。

◆「未来の創造者」に必要な4つの力

 1.社会創造力 2.科学的思考力 3.複眼的思考力 4.自律的活動力

◆ 創造科学科の特徴

  • 「正解のない問題」に取り組む
  • 最先端に触れ、意欲的に学ぶ
  • きめ細かく、しっかりと学ぶ
  • 文理両方の進路に対応

創造科学科パンフレット2022.PDF 
 

創造科学科のブログへのリンク (兵庫県立兵庫高等学校ブログ) 
 
創造科学科の取組みが、イギリスの教育支援団体ACT(The Association for Citizenship Teaching)のジャーナルに掲載されました。(本校については48号pp.51-54.)
取り組みのハイライト

創造科学科ブログより抜粋

11月15~16日創造科学科 第19回全日本高校模擬国連大会

11月15~16日に1年生創造科学科の生徒2名が第19回全日本高校模擬国連大会に参加しました。9月にオンラインで実施された予選を通過し、東京の国際連合大学で開催される全国大会の切符を手にしました。国際会議場に全国から集まった各国大使たちが集まり、「Governance of Digital Public Sphere - Freedom of Expression in Pluralistic and Inclusive Societies」をテーマに2日間みっちりと議論を交わしました。

以下、参加生徒による感想です。

 I participated in the "All Japan High School Model United Nations”, And I discussed “Governance of Digital Public Sphere ̶ Freedom of Expression in Pluralistic and Inclusive Societies” as Ambassador of Norway for two days in United Nations University. Through the discussions, I strongly realized the importance of planning and making common understandings during discussions. Without a plan and common understandings, it is difficult to reach a conclusion in Model United Nations with many other ambassadors. In addition. I felt how difficult it is to reach an agreement with other countries that have different ways of thinking and national interests, and I thought the real United Nations would be much more difficult. Finally, this experience not only helped improv my English skills, summarizing skills, and communication skills, but also became a valuable opportunity for my future. I want to continue challenging myself based on this valuable experience. 

I participated in the national competition of Model United Nations at the United Nations University. 84 teams which passed the prefectural rounds assembled in Tokyo. We were the delegates of Norway, and we discussed international issues over two days. The theme of this meeting was ”Governance of the Digital Public Sphere-Freedom of Expression in Pluralistic and Inclusive Societies”. We had to think about how to balance regulations on digital platforms and freedom of expression. I think Model United Nations is not very familiar, so I would like to introduce what it is. In the meeting, we had two types of discussion, moderated caucus and unmoderated caucus. In the moderated caucus, we could raise our placard and declare our policy. We can talk about the agenda freely by forming small groups in the unmoderated caucus. It was difficult for me to make consensus in my group. Though powerful teams took control of the discussion, I made desperate efforts to state my opinion. Also, Shotaro and I made efforts to combine two groups for the benefit of meeting, only to fail. I think it was a very good opportunity to broaden my perspective. Lastly, I am deeply grateful for being given this chance. Thank you for reading. 

令和7年9月27日 「第6回ひょうご高校生 環境・未来リーダー 育成プロジェクト」

第6回ひょうご高校生 環境・未来リーダー 育成プロジェクトに本校から創造科学科9期生2名、普通科1名が参加しました。全6回のプロジェクトの初回は兵庫県立工業技術センターで開催されました。

主なプログラムは以下の通りです。

講義:東京大学未来ビジョン研究センター教授・江守正多先生「気候変動リスクと人類の選択」

講義:地球環境戦略研究機関関西研究センターフェロー・前田利蔵先生「脱炭素社会に向けた各国の取組と現状」

カードゲーム:「2050カーボンニュートラル」

県内より環境問題に興味がある35名の高校生が参加し、環境問題に対して熱い議論が交わされていました。

 

以下、参加した生徒の感想です。

・1日目は気候変動リスクと人類の選択についての講義とカーボンニュートラルのゲームをしました。講義では気候変動を自分ごとに捉えることが出来ました。また、気候変動対策をすることによって被害を受ける国もあるということを知り、気候変動対策の難しさを改めて感じました。カーボンニュートラルのゲームでは会社の利益と環境への配慮の追求の両立がいかに大変かを実感しました。1人の力では環境は変わらず、たくさんの人が協力することで大きな変化に繋がることを身をもって経験しました。

・講義を聞き、パリ協定の目標を達成するためには思っていた以上に国の対策が足りていないことを知り驚きました。また、温暖化対策をすることで新たな問題も発生することがわかり、誰も敗者にならないために、より各国が協力することが大切だと思いました。カーボンニュートラルのゲームでは、次に起こることを予測して事業をすることが利益に繋げるためにも、損失を出さないためにも大切だと思いました。また、一人一人の力は小さくても、みんなで協力することで環境に良い影響を与えることができると改めて実感し、小さなことでも日頃から取り組んでいくことが大切だと思いました。

・今回2つの講義とカードゲームを受け、カーボンニュートラルについて学びました。講義では世界によって地球温暖化への取り組み方が大きく違っていることを学びました。日本が他国に比べ、二酸化炭素を排出量が減らせていないことに驚きました。今回の体験で1番カードゲームが印象的でした。最初の方は、ゲームのルールを理解するのが難しかったですが慣れてくると自分のチーム以外のことも考えられて楽しかったです。他校の方とのディスカッションでは、自分にはない考え方を聞くことが出来ていい経験になりました。次の講義も楽しみです。

 

令和7年9月9日 「創造基礎LA 財務省講演会・フューチャーデザイン」

創造科学科10期生(1年生)を対象に創造基礎LAで財務省の大本エリナ氏をお招きし、「フューチャー・デザイン~より良い未来のために、今できることを考えよう~」の講演およびワークショップをしていただきました。生徒たちは2050年にタイムスリップしたうえで、2025年に提言を行うという手法を体験しました。自分たちらしい発想を広げながら、最後は現在の社会をそれぞれの視点で見つめなおすことができました。また、本校卒業生の職員の方にもご来校いただき、生徒たちにとって学習や探究のモチベーションが高まる機会になりました。

以下、生徒の感想です。

・今日のワークショップを通じて、新たな視点から物事を考えることができました。未来から現在を考えるということをする事で、未来がより鮮明みえ、今私たちがしなければならないことについても考えるきっかけになると感じました。また、この考え方を自分のことなど身近なことを考える時にも使っていきたいと思います。

・財政について身近なことから政治に強く結びついていることまで幅広く教えていただき、地方の財政から国の財政までとても大規模な組織で成っていて、それらが1つになり様々な社会資本を通して日本という国に投資し運営しているのだと学べた。また、日本の借金が増え続けている問題に関して、例で挙げられていた北欧の国やアメリカなど小さな政府、大きな政府として均衡を保っている国があるのに日本の均衡は未だに保たれていないことに驚き、今までの莫大な借金がある分、この先上手くいったとしても黒字になることはないだろうと感じ、借金完済は不可能なのかなど日本の将来について非常に興味を持った。ワークショップが自分を見つめ直すきっかけになり、25年後どのような社会だったら嬉しいか、困るかについて議論する中で、私の重要視する点は嬉しいことではなく困らないことの方にあると気付いた。講演会後に振り返り、エネルギー面で25年後に困らないためには今から、節電をすることなどの直接的なこと以外にも、選挙権を持ったときに良い未来を創ってくれると信頼できる人に投票するため様々な社会問題に目を向けることができると改めて考え直すことができた。

・フューチャー・デザインで未来を考えて、そこからその未来にする、または回避するためにはどうしたらいいかということをして、自分たちがどんな未来を思い描いてなぜそうなると思ったとか1人ではもちろんできないし、今回の授業がなければこんな考え方を思いつかなかったと思うので、探究活動や自分の将来で活かしたいと思いました。

・財務省は日本政府が運営していくための予算を決める、重要な役割を担っていることを改めて実感することができました。日本は歳出における国債費や歳入における公債金の割合が高いことに加えて、本来は税収で補いたい社会保障などまで借金に頼ってしまっている現状はプライマリーバランスから見て大きな問題であると強く感じました。そのため、未来の視点から現在の行動を考えるフューチャーデザインの考え方は日本の今後やその他の分野を深く考えていくために大切になるとわかりました。将来世代に負担を先送りにしないため、より良い未来を実現するために、今の行動を顧みることが重要になると感じました。

令和7年8月30日 「神戸市 公共交通フォーラム」

78回生(3年生)の創造科学科2名が神戸市が主催する公共交通フォーラムin長田で「FRESH野菜マーケット」について事例報告をしました。地域交通の未来を神戸市長や神戸市の職員、神戸市民と共に考えるイベントで、神戸市が取り組む施策報告ののち、地域交通との繋がりを形成した事例報告として1年次の創造基礎Bで取り組んだ「FRESH野菜マーケット」に関する発表の機会をいただきました。その後のパネルディスカッションでも話題にあげていただいたり、多くの方から声をかけていただいたりする中で、自分たちの活動を改めて振り返ることができました。

以下、参加した生徒の感想です。

・事前に思っていたよりかなり参加者が多く、交通に関心を持っている人がそれなり多いことを実感しました。私たちの発表の内容についても多くの方に関心を持っていただき、終了後に声をかけて下さった方もいて嬉しかったです。また、神戸市の現状についてのプレゼンテーションや、第二部のパネルディスカッションの内容を聞いて、公共交通の持つ役割について新しい視点を持つことができました。(丸山地区に住んで普段4系統を利用し、44系統の新設で4系統が減って不便に思われている方と旧101系統が丸山から駒ヶ林公園まで来ていた頃の大正筋商店街の賑わいを知っている方の話をそれぞれ聞いて)異なる立場や地域の意見を汲んで公共交通を整備や維持、再編するのは難しく、交通を取り巻く周辺の環境を広く考えて人の流れを生み出す必要があると考えました。

 

・fresh野菜マーケットについて発表する機会をいただいたことで、フォーラムに来ていた方に興味を持っていただくだけでなく、自分たちの活動をもう一度振り返るいい機会になりました。データを利用して状況を詳しく分析すると同時に、データには反映されづらい少人数の声があると言うことを考慮しなければならないという話が印象に残りました。神戸市は東西にも南北にも広がっているため、交通機関は地域の人の生活と密接に関わっており、特に南北の交通で重要な役割を果たすバスに関しては、地域どうしのつながりを充分に考慮する必要があると感じました。

令和7年7月29日 「JFOODO講演会」

79回生(2年生)の東京みらいフロンティアツアー参加者及びイギリス研修参加者の事前学習としてJFOODO執行役・北川 浩伸様に「日本の食の魅力を海外に発信しよう!」の題でご講演いただきました。

日本の食を海外にどうプロモーションしていくのかという点において、日本の食が持つ「付加価値」にどれだけ注目し、気付くことができるのかということ、食にどのような「ストーリー」をつけるかということなど今までになかった発想に気づく機会になりました。また、生徒たちが兵庫の食をプロモーションし、それぞれに講評もいただきました。

以下、生徒の感想です。

・ひとえに「食」といっても、その意味内容はさまざまであり、多種多様な分野と繋げながら考えていかなくてはならない、といったお話が印象に残っています。和食が世界遺産になって10年以上がたちますが、日本の多岐にわたる料理はいまだ世界にそれほど知られていません。こうした現状を鑑み、日本人として、日本文化の継承者としてできることは何だろうかと考えていきたいと感じました。

・日本人が日本の「食」の価値を十分に認識できていないという話も印象に残った。本当の価値を知るためには外国人など、違う角度の視点を持った人と話してみると良いというのは、まったく違う分野においても十分に通用するのではないかと思った。

・日本の食の魅力を世界に発信するには「物語」を結びつけることが重要ということを学びました。ただその食についての情報について淡々と語るのではなく、日本の食を世界に届けたいという気持ちを持って、その背景にある歴史や文化、生産者の思いや地域性まで含めて伝えることで、より深い共感や興味を引き出せるのだと感じました。

こうした視点を持つことで、単なる「商品紹介」ではなく、「共感を呼ぶ体験」として食を届けることができ、海外の人々の心に響くプロモーションにつながるのだと思います。

 

令和7年7月27日 「政策甲子園2025」

創造科学科10期生(1年生)の3名が政策甲子園の書類選考に通過し、京都府旧議場で開催された政策甲子園2025西日本大会に出場しました。5分間の政策演説のあと、5分間の質疑応答でも自分たちの考えを堂々と発表することができました。創造科学科10期生にとって初の校外での発表の機会となり、参加した3名にとっていい刺激を受ける機会となりました。この経験を、これからの探究活動にも活かしていきたいと思います。

令和7年5月27日 「創造基礎S 探究基礎実験①」

創造科学科10期生(1年生)を対象に創造基礎Sの授業で第1回目の探究基礎実験を実施した。

探究基礎実験では、各自の希望により【物理】【化学】【生物】の3分野に分かれ、自然科学分野における探究活動の手法を体験的に学んでいく。第1回目となる今回は、「実験計画の立て方」、「実験記録の取り方」をテーマにした。与えられた課題をもとに、自分たちで実験に必要な試薬や器具を考え、実験計画を立てて実験を開始した。

また、実験をしながら、行った操作や結果を記録した。

普段、理科の授業で行う実験との違いに苦戦しながらも、自分で実験を組み立てる楽しさを感じながら進めていた。

令和7年5月26日 「DS特論」

創造科学科9期生(2年生)を対象に花園大学講師の久富先生によるDS特論の授業を実施した。

2回目となる今回の授業では、兵庫県の市町村版GIS教材と都道府県版のGIS教材を利用し、多くのデータの中から2つのデータを組み合わせてグラフ化し、そこから読み取れる事実を述べた。また、読み取れる事実から自分の主張を考えグループ内で互いに発表し合った。その後、その主張に対する反論の仕方などを学んだ。

令和7年5月23日 「創造基礎LA⑤ 政策甲子園に向けて」

創造科学科10期生(1年生)を対象に創造基礎LAで政策甲子園に向けて活動を始めました。今年度は日本経済新聞社様のご支援により日経新聞電子版 for Educationを導入することができました。新聞記事に触れ、日本の現状を分析しながら、日本にどのような政策を打ち立てることでよい変化をもたらせるかということで、3~4人のグループで活動しました。自分たちがかかげたテーマに対するニュースがどのようなものがあるのか、関連するテーマはあるのかを検索しながら見つけ、議論も盛り上がりました。

令和7年5月16日 「創造基礎LA④ 地雷除去プロジェクト講演会」

創造科学科10期生(1年生)を対象に創造基礎LAでコマツサステナビリティ推進本部地雷除去プロジェクト室・室長の柳樂篤司氏をお招きし、「地雷除去プロジェクト講演会」を開きました。(株)コマツがCSRとして取り組まれている地雷除去プロジェクトの歴史や現状について聞き、地雷の被害に苦しむ国々の現状への理解を含め、国際社会でできることについて考えることができる貴重な機会になりました。

以下、生徒の感想の一部です。

・地雷除去だけでなく、コミュニティ復興という継続的な解決まで取り組むことで地雷原の住民の生活が安定することを学び、表面的な部分だけでなく問題の根本の解決が重要だと思った。

・地雷除去はだれかがやる、では解決しないと、思います。少しでも、地雷を除去するためには世界中の人々が地雷について学ぶことが大切だと思います。自分には関係ないのではなく、地雷について考えていくことが必要だと感じます。1人でも多くの人々が安全に過ごせるよつになるため、私たち1人1人ができることから取り組んでいく必要があると感じました。

・今回の講演会を受けて、自分が今当たり前に生活しているこの環境も、当たり前ではないのだなと改めて思うことができた。世界には紛争地域がたくさんあって、地雷があるところに住まざるを得ない人もいることに正直驚いたし、常に危険と隣り合わせで生活しなければならないことの恐ろしさも感じた。

・地雷とはあまり縁のない生活をしてきたので、深く考えたことがありませんでした。地雷のサンプルをみて、思ったより小さくて印象に残りました。地中に埋まっていたら、気づかないと思います。一番衝撃だったのは、殺さずに怪我させる兵器だったということです。「銃だとかなりの確率で致命傷になってしまうけれど、足を失うなどの大怪我なら人員と戦力を削げる」だなんて、すごく賢いのにすごく醜い思考だなと感じました。人間が埋めたものを他の人間が命をかけて掘り出しているという事実はとても虚しいものです。負の遺産が残らないよう、自分にできることを全力で考えていきたいです。

・100年以上前の戦争によって生み出された地雷という兵器が現在でも人の命を奪い、とても長い期間被害を出していることに驚きました。100年前から土に埋まった兵器などは錆びたりしていそうなのに現在もしっかり作動していることは人間の技術の進歩を感じるとともに、残虐なところも感じました。あえて火薬の量を減らして破壊力を弱めることで、死亡者ではなく怪我人を増やし、人員と費用を削がせることはすごく賢いけれど、倫理がまったくないと思いました。やはり戦争は人を醜くするなと改めて感じました。地雷の被害を1人でも少なくするために、自分ができることを考えて行動したいです。