自然科学
【生物班】第10回全国ユース環境活動発表大会 近畿地方大会の動画が公開されました
第10回全国ユース環境活動発表大会近畿地方大会(2024年12月1日開催)の発表動画が公開されています。
発表の内容は、龍野高校生による地域の生きものと自然環境の保全活動「生物多様龍高プラン」です。発表順は1番で動画の3分~13分あたりです。下記のURLから近畿地方大会のHPにつながるので、ぜひご覧ください。
https://www.erca.go.jp/jfge/youth/topics/20250210/05_kinki.html
なお、龍野高校自然科学部生物班は今大会において「先生が選ぶ特別賞」を授賞しました。
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【自然科学部】福泊人工海浜植生調査に参加
例年地域の自然科学系クラブの研修と交流をかねて開催している、姫路市福泊にある人工海浜植生調査に参加しました。
人工的につくられた海浜にどのように植生が遷移していくのかを調査すると共に、地域の高校生が区画法を用いた植生調査方法について学び、交流しています。
今年は、龍野高校の他、県立大附属、相生、姫路西、賢明が参加しました。千種、淳心からは顧問のみでしたが参加がありました。その他兵庫県生物学会の会員も調査に加わり高校生の指導にあたっていただきました。
海浜植物としては、ハマヒルガオ、ハマボウフウ、ハマゴウなどの分布拡大と共に、大きな株も増えてきました。
天気は良かったのですが、風が吹いていたので比較的涼しい環境で調査ができました。
調査後は、各学校の部活動の取り組みなどを紹介しました。
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区画法による植生調査 |
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ハマヒルガオ |
ハマボウフウ |
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コウボウムギ |
各校の部活動の取り組みを紹介 |
【生物班/課題研究生物多様性班】千種川産オキナグサの現存数調査
兵庫県レッドデータブック2020では、オキナグサは野生絶滅寸前のAランクに指定されている絶滅危惧植物です。
草原に生育する多年生草本ですが、昔は牛馬の飼料や屋根の資材をえるためにあった茅場(ススキ草原)などが消失し、オキナグサなど草原性の植物の多くが絶滅に直面しています。
千種川流域にもかつては大群落があったそうですが、現在野生絶滅寸前です。昨年、千種川に隣接する赤穂市立有年中学にオキナグサが残存していることをしりました。以前有年中の職員が校内に一株のオキナグサが生育していることに気付き、その株から種子を採集して増殖していたそうです。現在は、自然繁殖した株が中庭に生育しています。
今回は、どれくらいの数のオキナグサが残されているのかを知るために、自然科学部生物班と課題研究生物多様性班の生徒が協力して調査を行いました。
結果は、昨年の種子から発芽成長したと思われる1年生株が45株、2年生株が40株、3年生株が30株、開花株が20株程度確認することができました。個体数全体では100株を超えますが、開花株はあまり多くありませんでした。
一部の種子は採種して苗を生産し、千種川産オキナグサの生息域外保全に利用したいと考えています。
すでに、有年中学生のみなさんにはオキナグサの資料を配布させていただいています。地域の宝物を守り続けるために、龍野高校生も協力したいと思います。
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オキナグサの花 |
オキナグサ(翁草)の名の由来の果穂 |
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全個体数調査 |
全個体数調査 |
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採種予定の果穂に袋がけ |
参加した生物班・課題研究班の生徒 |
【自然科学部】「第1回ひょうご科学塾」に出展しました
4月13日にアクリエ姫路で開催された、「第1回ひょうご科学塾」に自然科学部が出展しました。
この科学イベントは兵庫県主催で理系人材の確保や育成を推進することを目的としています。主に県立大学や企業が中心に出展する、小中学生を対象とした科学イベントです。自然科学部も兵庫県立大学工学部の先生から誘われて出展しました。
例年、県立大工学部での「科学の祭典」や姫路科学館での「科学の屋台村」などには出展してきました。しかし今回は「第1回」の科学イベントであり、新年度そうそうの開催ということもあり十分な準備期間がとれませんでした。
朝は雨が強く降る天候で、来場者が少ないのではないかと心配したのですが、午後からは雨も小降りとなり、大勢の家族が訪れてくれました。自然科学部からは、網膜残像を利用した「イリュージョンサイエンスマジック」と「押花工房」を出展し、多くの子どもたちやお父さん・お母さんたちに参加していただきました。16:00の閉会前はへとへとになるくらいの盛況でした。
県立大学工学部の研究室の出展には、自然科学部の卒部生も参加しており大学でも頑張っているようすがうかがえました。
今年度初の科学イベントでしたが、多くの笑顔に出会えて充実した一日でした。
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自然科学部の参加者 |
龍野高校の卒業生も家族で来場 |
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押花工房 押し花でしおりをつくろう |
サイエンスマジック(網膜残像を体験) |
【生物班】ホソバナコバイモの保全
ホソバナコバイモは西日本の限られた場所に生育する多年生草本です。早春に開花、落葉樹が展葉することには結実し、長い休眠期にはいります。カタクリのような早春植物(スプリングエフェメラル)の一種です。生育期間が短く、未開花株は1枚葉で開花まで5年以上かかります。
兵庫県の生育地は分布の東限で国内で重要な自生地といえます。生育地内にササやモウソウチクが侵入しており早春の日光が必要なコバイモの生育環境を守るために伐採します。生育地内のササは休眠期に伐採除去していたので今回は周辺部のモウソウチクを伐採し、枝を落とし柵の修理をする竹杭などをつくりました。
イノシシやシカの侵入を少しでも防止できるように4月には柵を修繕し、自生地内の個体数増加をめざして、日当たりのよい場所に播種を試みたいと思います。
なお、私有地のため立ち入りや作業については土地所有者の許可のもと活動しています。
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ホソバナコバイモ(開花株)草丈10㎝ |
一枚葉の未開花株 |
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進入するモウソウチク |
竹杭の製作 |
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ユキワリイチゲ |
オオマルバコンロンソウ Bランク |