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カテゴリ:農業部

家庭科 人と自然科「フードデザイン」授業協力

6月2日(月)3・4限人と自然科「フードデザイン」の授業で、辻調理師専門学校より講師の先生に来ていただき、「有馬の野菜を使った西洋料理実習」を開催していただきました。

***MENU***

・茄子のパスタ「給料日前のチーズ」添え

・レタスのクリームスープ

・茄子のチョコレートケーキ

榊先生の楽しい説明と小野先生の手際のよいサポートのお陰で、有馬の野菜を使ったお料理が並びました。

日頃実習で育てている野菜を美味しく食べることや、栄養価を考えて調理することなど、沢山のことを教えていただきました。先生方、ありがとうございました!

また、放課後は、飴細工の実習を行っていただき、3名の生徒が参加し美しい飴の花を製作していました。

 

つやのある美しい飴細工に仕上げるには、飴の特性を理解することが重要です。時間が経つと溶けてしまうので、乾燥材が入ったケースに入れて大切に持ち帰りました。

製菓にも様々な専門分野があります。興味がある人は、是非さまざまな学校のオープンキャンパスに参加して、進路選択に役立ててください。 

第2回ひとはく連携セミナー「未来に残したい農業や農村の魅力」

 5月30日(金)人と自然科1年生学校設定科目『人と自然』の授業において、今年度第2回目となるひとはく連携セミナーが実施されました。

 

 有馬高校人と自然科と県立人と自然の博物館の間では生徒のセミナー受講について協定を結んでおり、年間8回、県立人と自然の博物館を訪れ、博物館の研究員から自然や環境、動植物など専門的な講義を直接頂き、深く学んでいます。前回第1回目も『兵庫県のいろいろな生き物』をテーマに講義していただきました。

 

 第2回目となる今回は『未来に残したい農業や農村の持つ魅力』をテーマに、衛藤彬史 研究員より講義をいただきました。

   

 まずは、2013年にユネスコ世界無形文化遺産に登録された和食から見る、大豆生産の今について説明いただきました。日本人食文化を考えるうえで味噌や醤油などの使用される大豆は和食の要です。しかし、国内自給率は約20%で、ほとんどを安価に購入できるアメリカやカナダ、ブラジルから輸入しています。このまま大豆生産が衰退してしまえば、和食を支える大豆加工品の生産や加工・調理・盛り付けに関する文化も引き継げなくなる可能性が高くなります。

     

 その他にも、ユネスコ世界無形文化遺産に登録されている日本の文化について学びました。2014年には「和紙」が登録されました。和紙の原料は、コウゾ・ミツマタ・ガンピなどが主に使用されています。その和紙の生産におけるコウゾの国産比率はおそらく5%以下といわれており、文化財の補修に使用する和紙も外国産が使われているのだそうです。(ちなみに絹の国産比率も0.2%以下という状況…。)

   

このように、日本の大切な文化を支えるための原料生産に関わる文化は絶滅寸前。衛藤先生から、「このままでいいのか?何ができるのか?自分たちで考えてみてください。」とお話がありました。正解がない問いについて考えることは難しいですが、しっかり考え抜いてほしいと思います。

 

 そして多様な農村景観を守る取組みについても学びました。学校での授業でも学んでいますが、近年農業就業人口が減少し、農業は衰退しています。その結果美しい農村景観も失われつつあります。先生からは棚田や傾斜地農業、静岡県伊豆市の水わさび伝統栽培など全国のユニークな取組みを紹介いただきました。

   

 また、先生から『農業はクリエイティブだ』という言葉をいただきました。丹波篠山市のある農家さんでは、ホウレンソウをあえてとう立ちさせ、柔らかい葉を摘んで1枚単位で販売するビジネスを展開されています。また、通常はかがんで収穫する必要がある大納言小豆の栽培中、つる化している個体があることに気付き、この個体を選抜しつる化させ支柱を使用して栽培を行ったそうです。その結果、お年寄りでもかがまずに収穫できるようになったそうです。農業が持つ多様な可能性を感じることができました。

   

 

 最後に、全国の在来大豆や兵庫県の在来大豆、古代米を見せていただきました。初めて見る大豆ばかりで、大変興味深かったです。

   

 

衛藤先生、本当にありがとうございました。

 

第1回ひとはく連携セミナー「兵庫県のいろいろな生き物~タンポポ・ダンゴムシ・カタツムリなど~

 今年も学校設定科目「人と自然」の授業で、ひとはく連携セミナーがスタートしました。有馬高校の人と自然科と県立人と自然の博物館の間では生徒のセミナー受講について協定を結んでおり、年間8回、県立人と自然の博物館を訪れ、博物館の専門員から各分野のユニークかつ専門的な講義を直接受講することができます。有馬高校から徒歩で約25分。みんなで元気よく歩いていきます。

   

 さて、第1回目のセミナーは「兵庫県のいろいろな生き物~タンポポ・ダンゴムシ・カタツムリなど~」をテーマに、毎年お世話になっている鈴木武研究員の講義を拝聴しました。

 

 まず、身近な生き物について説明がありました。生き物には特徴から名前がついているものが多くあるようで、イモリは井戸や池を守る「井守」、ヤモリは家を守る「家守」、コウモリは河を守る「河守」という意味が込められているとのことでした。また、コウモリの翼の構造についても教えていただきました。コウモリの翼は、人間でいうと「腕」に当たります。コウモリが哺乳類であることを知っている生徒は多くいましたが、人間と同じように、5本の指があることを知り、驚いていました。

     

 次に、鈴木先生が研究の第一人者であるタンポポについて説明していただきました。タンポポにはカンサイタンポポやセイヨウタンポポ、シロバナタンポポなど多様な種類があり、花弁の色はもちろん、特に外片(総苞外片)の細かな形の違いで見分けるのだそうです。総苞外片がぴったりとくっついているのが「カンサイタンポポ」、反り返っているのが「セイヨウタンポポ」です。ちなみに近年は、カンサイタンポポとセイヨウタンポポの雑種も増えているそうです。また、タンポポと見間違えやすいブタナとの見分け方についても教えていただきました。

   

 最後に、鈴木先生のコレクションも実際に見せていただきました。ヘラクレスオオカブトや蛇のレプリカ、イモリやハツカネズミ・・・それぞれの生き物の触り方や特徴など実際に触れて学ぶことができました。

     

    

 ネズミの標本を観察しながら、ネズミの分類についても教えていただきました。ネズミは「Mouse」ネズミ亜科、「Vole」ハタネズミ亜科に分類されます。違いとしては、耳が大きく尻尾が長いものが「Mouse」、耳が小さく尻尾が短いものが「Vole」に分類され、実際に「Mouse」を触らせていただきました。とっても可愛かったですね。

     

 鈴木先生、本当にありがとうございました。

 

人と自然科 バナナの収獲&販売

有馬高校の大温室で栽培していたバナナの追熟も無事に成功し、販売を行いました。

販売は大きな房のままその場で切って渡すというワイルドなスタイルで行ったので

インパクト抜群の販売実習となりました。

収獲したバナナの1つは見やすい場所にテープで展示しておきました。

新しい取り組みとして多くの人から評価されることを期待しています。

人と自然科 2年生 フローラルアート「生花を使ったコサージュ作り」

前回まではワイヤーのテクニックやテープの巻き方について何度も練習を繰り返していましたが、

いよいよ本物の草花(生花)を使ってコサージュを作ってみます。

  

校内で栽培しているガーベラなどを採取し、自分のセンスで組み立てていきます。

  

作業もてきぱきと進み、今までの練習の成果をいかんなく発揮してもらいました。

人と自然科 2年生 草花「世界にひとつ!新しいパンジーの開発を目指して」

草花の授業では草花の品種改良について学んでいます。

学校で栽培しているパンジーやビオラと、

学校周辺で見ることのできるスミレとの交雑が可能かを調べるため、

交雑育種を行いました。

地域自生のスミレから花粉を採取し、校内で栽培しているパンジーやビオラに受粉を行いました。

はたして有馬高校オリジナルのビオラが生まれるのでしょうか。

楽しみに様子を観察したいと思います。

人と自然科 農業クラブ 「兵庫県農業クラブ理事会」in山崎高校

今年度の農業クラブで行われる行事などの確認や相談を

兵庫県11校の農業高校の生徒の代表が集まって話し合いを行いました。

会議の後は交流会が行われ、ピザ窯を使った調理体験も行われました。

できあがったピザをみんなで楽しみながら他校の生徒とも親交を深めることができました。

農業クラブの活動が活性化するよう協力してがんばります。

人と自然科 2年生 フローラルアート「目指せ!テーピングマスター」

フラワーアレンジは細い針金を使う「ワイヤリング」と専用のテープを使って固定する「テーピング」の2種類の技術を基本とします。

この2つの技術をマスターするために、2回にわたって練習を行いました。

 

テープがうまく巻けなかったり、抜けてしまうアクシデントもありましたが、何とか練習の甲斐もあってテーピングもワイヤリングもマスターすることができました。

 

次のステップが楽しみです。

人と自然科 1年生 農業と環境「圃場の準備・観察」

4月21日に播種(種まき)を行ったスイートコーンも発芽してきました。

実際にまいた種の数と発芽した数を数えて発芽率の計算も行いました。

80%を超える安定した発芽率は確保できたでしょうか?

80%を下回っていた場合は何が原因かを考察してみるのも農業の学びのひとつとしてしっかり考えました。

 圃場では耕運機である程度の畝(作物を植える土の盛り上がった所)はできているのですが、表面や谷の部分は鍬を使って整地しなければなりません。

 使い慣れない谷あげ鍬(ぐわ)を使って畝たてを頑張りました。

 

 

いよいよ次回はスイートコーンを植え付けに進んでいきます。

めきめき成長する生徒もスイートコーンも楽しみな夏になりそうです。

 

人と自然科 2・3年生 「春の農業祭」

春休みの間から着々と準備を進めていた春の農業祭が実施されました。

生徒たちも早々と登校して準備を進めてくれていました。

開会式では有馬高校のオリジナルの法被(はっぴ)を着た校長先生による挨拶、農業クラブ会長による挨拶がありました。

 

その後、各グループに分かれ、販売実習がスタートしました。

例年通り、多くの地域の方々が来校してくださり、大盛況となりました。

生徒たちも地域の方に商品の説明などを行い、コミュニケーションの力もめきめき向上している様子がみられました。

 

 

たくさんの方々と触れ合うことができた充実した1日となりました。

 

次回は「秋の農業祭」が11月8日(土)に実施されます。

今回よりグレードアップした生徒が農業祭で見られることを期待しています。

 

人と自然科 2年生 ナチュラルキープ「無煙炭化器を使った間伐材の利用に向けて」

 有馬高校には敷地内に敷地内に竹林があります。管理を怠ると一気に成長して「放置竹林」になってしまいます。この日は事前に伐採しておいた竹を無煙炭化器に入れて燃やし、竹炭の制作を行いました。

 完成した竹炭は土壌改良剤などに使用し、持続可能な地域資源の活用を目指した農業の実現を目指して利用していきます。

人と自然科 2年生 フローラルアート「ガイダンス」

 人と自然科では専門の授業の一環としてフラワーアレンジについて学ぶ授業「フローラルアート」という科目があります。

 2年生第一回目の授業は花と人とのかかわりや、実習を行うにあたっての注意点など基礎的な内容について学びました。

 今後、実習を重ねてアレンジメントの技術を獲得し素敵なアレンジメントで誰かをハッピーにできる日を楽しみにしています。

  

人と自然科 入学式に向けて黒板アート

 いよいよ入学式が近づいてきました。入学式に向けて農業クラブのメンバーによる黒板アートの制作が行われました。

 今年の黒板アートは去年と異なり、大阪万博のキャラクターと人と自然科の「ひとしくん」と「ひとみちゃん」が仲良く手をつないでいる2025年を象徴するデザインになっています。

 新入生にとって心に残る入学式になると思います。

 入学式が楽しみです。

人と自然科 演習林実習に行ってきました

  令和6年度もいよいよ終わろうとしています。人と自然科では、春休み中も当番で実習の授業(総合実習B)があり、春の農業祭に向け準備を進めています。生徒は元気に登校し、楽しそうに頑張っています。

  R7入学生人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 昨年度の春の農業祭に関する記事はこちら(ちなみに令和7年度の春の農業祭は4月19日(土)を予定しています。)

 さて、そのような春休みの当番実習の一環として、3月31日(月)果樹と緑班の3年生が12名が演習林実習を行いました。有馬高校人と自然科は三輪と藍本の2カ所に演習林を所有しており、果樹と緑班の生徒が林道整備を行っています。また、課題研究などで使用する緑化材料などを採集し活用したりしています。(人と自然科になる以前は林業を学んでいたようで、木の枝内実習や間伐、伐採など、木材生産も行っていたようです。)

 朝8:20頃、最寄りの藍本駅に生徒が集まってきました。

 

 現地に到着し、引率の先生から本日の実習について説明です。今回の最大の目標は「怪我をせず、無事に下山すること」です。実習用手袋を必ず着用すること。お互いに声掛けをすること、特に斜面を伸るときには落石などで下の生徒に大声で知らせること・・・など安全に関する注意を中心に確認し、生徒はしっかりメモをとっていました。

 そしていよいよ入山です。小川を渡ったところから有馬高校が管理している演習林です。


 演習林の中に入ると、林道が整えられています。実習では、林道にある倒木や枯れて落下した枝を除去する作業を行いました。そして林道に芽を出していた実生の苗を剪定はさみで切っていきます。このまま放置しておくと林道で大木に成長してしまうので、小さいうちからしっかり取り除いておきます。

 

 道中、風で折れた丸太などが林道をふさいでおり、協力して林道の外に運び出していきます。

 
 そしていよいよ尾根に向かって登山です。演習林実習一番の難関、急な坂を登ります。

 

 落石に注意しながら声を掛け合い登っていきます。

 無事に尾根に到着。一休みです。

 

 再び整備しながら上を目指します。

 

 林道にはみ出していた樹をチェンソーやのこで切断し、運び出します。

 3時間近く行った演習林実習も無事終了。山歩きにも皆慣れてきたのか、下山はスムーズです。

 そして麓で、課題研究や実習で活用できそうな植物を観察しました。

 

 充実した演習林実習でしたね。皆さんお疲れ様でした。

 

 今回実習を頑張った2年生もいよいよ明日から3年生。最上級学年ですね。人と自然科のリーダーとして下級生の手本となるように頑張ってください。応援しています。

人と自然科 春季休業中にフォークリフト技能講習第2弾を実施しました

 修了式も終わり、春季休業に入りました。

 令和6年度修了式に関する記事はこちら

 令和6年度もあっという間に終わろうとしています。春季休業中にも人と自然科の生徒は、春の農業祭に向け、当番で「総合実習」Bの実習(別名農場当番)を頑張っています。

 そのような中、3月22日(土)から5日間、希望した人と自然科の生徒18名を対象に、フォークリフト技能講習を実施しました。人と自然科では夏季休業中に建機系の資格取得を行っており、この夏もガス溶接・チェンソーの資格取得講習を実施しました。

 この夏のガス溶接技能講習に関する記事はこちら

 この夏のチェンソー特別教育に関する記事はこちら

 そして今回実施したフォークリフト技能講習も夏季休業中に実施したのですが、希望者が多く、想定人数を定超えたため、夏は3年生優先で実施。受講できなかった1年生と2年生の生徒を対象に今回第2弾の講習日を設定しました。5日間という長い時間をかけて取得するフォークリフト技能講習の資格は、日本で一番大きなフォークリフトも含め、1t以上の大型フォークリフトも運転できる価値ある資格です。

 

 まずは22日(土)・23日(日)の2日間、有馬高校にキャタピラー講習所兵庫教育センターの講師の方に来校いただき、学科講習が行われました。技能講習のため、座学を受けた後に実施する学科試験が不合格の場合、別途補習&追試を受け、そこで合格しないと実技講習に進めないというルールが法令で定められています。

 

 スライドを用いてフォークリフトの種類、走行に関する装置や構造及び取り扱いの方法に関する知識、荷役に関する装置の構造・機能・取り扱いに関する知識、運転に必要な力学の知識、フォークリフトの点検・整備、安全運転の心得、災害事例、関係法令などについて講義を受けました。

 

 受講した生徒も筆記テスト合格に向け、講師の先生の話を聞きながら、特に重要なところについて教本にマーカーで線を引きながら、休憩時間もわからないところを講師の先生に質問したり、みんなで復習し合うなど、必死に学んでいました。

 

 そしていよいよ学科試験。採点の結果全員合格、無事実技試験に進めるとの報告を受けました。よかったです。

 

 1日休養を挟み、3日目の25日(火)からは小野市にあるキャタピラー教習センターに移動し、実技講習スタートです。再度安全についての注意を受けた後、講習会場に向かいます。

 

 ゼッケンを受け取り、ヘルメットを手に、2班に分かれ早速講習スタートです。

 

 座学で学んだフォークリフトの機体各部の名称やエンジンの構造を復習し、安全確認の方法、エンジンのかけ方、ハンドルの回し方、アクセル・ブレーキの踏み方など基本的な走行操作について実技を通して学びます。

 

 フォークリフトは狭い倉庫内での作業を可能にするため、普通車と異なり後輪が左右に動き、小回りが利く仕組みになっており、少しハンドルを回しただけで車体が回転します。車の運転をしたことがない高校生にとって最初は感覚をつかむのが難しかったようですが、何回も何回も運転を繰り返すことで体に覚えさせ、慣らしていきます。

 

  2日目からは、荷役作業をしながらの運転です。 フォークを操作しパレットに載った荷物を運搬します。フォークを操作するレバーは、上昇・下降を操作する『リフトレバー』と前傾・後傾を操作する『チルトレバー』の2本を操作します。特にリフトが地面と水平になっているのかの判断は難しく、経験が重要です。

 

 さらにコース上には直角に曲がる場所が多く、常に左右の間隔を気にする必要があります。また、バックをするとき一瞬ハンドルをどちらに回すのかがわからなくなるという生徒も。高校の農業機械、トラクタの運転で学んだとおり『行きたい方向に回す』ですね。気が付いたら夕日をバックに練習する姿が・・・2日目の実技も無事終了です。

 

 そして最終日。実技試験にむけ、一連の作業、走行を繰り返し練習します。そして他の人の運転もしっかり見ながら、お互いにアドバイスを送りながら、自分が運転していることをイメージしながら講習を受けています。いつの間にか18人に一体感が生まれていましたね。

 

 いよいよ実技試験。不合格の場合は別途補講&再試験があるため緊張します。指さし安全確認からスタート。引率した先生はもちろん、5日間一緒に練習をやり抜いたメンバーも、全員合格を祈りながら見守ります。

 

 結果は全員合格。本当に良かったです。自然と拍手が沸き起こりましたね。受講した生徒に聞くと、最初は大変だったけど、だんだんフォークリフトを運転することが楽しくなってきたとのこと。春休み5日間をかけた資格講習は充実した時間だったようです。最後にセンター長から『この資格は本当に価値あるライセンスです。実際に会社で使うときには、先輩方にもう一度教えてもらって、安全第一でフォークリフトを運転してください。これからも高校での勉強頑張ってください』という言葉をいただきました。

 

 学校の普段の実習でも、今回学んだ安全第一で頑張りましょうね。5日間お疲れ様でした。

人と自然科 淡路花博25周年記念花緑フェア2025 高校生花とみどりのガーデンに出展しています

 令和7年3月20日(木)から4月27日(日)まで、淡路島の3会場を舞台に、淡路花博25周年記念花緑フェア2025が開催されます。

 淡路花博25周年記念花緑フェア2025公式サイトはこちら

 今回、淡路会場夢舞台エリアで開催されるイベントの一つ、『高校生花とみどりのガーデン』に有馬高校人と自然科農業クラブの生徒が制作した花壇を出展します。作庭に向け、農業クラブ本部役員の生徒、さらには有志の生徒も参加し放課後の時間を中心に頑張りました。有馬高校にある竹林の竹を活用するようです。

 作品は間口2.5m×奥行1.5mの3.75㎡にデザインしていきます。テーマは自由。

 どのような庭が完成するのでしょうか。デザインもすべて自分たちで考えました。

 

 そして3月17日(月)、代表の生徒7名が明石海峡大橋をわたり淡路夢舞台を訪れ、いよいよ作庭です。

 学校で練習した通りに準備した植物や資材を組んでいきます。

 後方には竹を組んで作成した『鉄砲垣』を設置しました。

 使用した植物はシバザクラとミツバツツジ。シバザクラを前方に、ミツバツツジを後方に植栽しました。

 最後にレンガを中央に配置し、寒水石を敷き詰めて完成です。

 完成した庭はこちら。タイトルは『情緒あふれるやすらぎの庭』です。

 

 コンセプト

 物価の高騰や記録的な円安、今の世の中は急激に変化し続けています。そんな目まぐるしい日本で生きる我々に必要なのは自然に癒されることです。美しい花畑や趣深い日本庭園を見ることで生まれる心の安らぎを糧にして、世間の荒波を乗り越えていこう!私たちはそんな庭園を造りました。

 レンガを挟んで和洋折衷を表現した素晴らしい作品ですね。これから温かくなってきたらシバザクラも花をつけ、さらに美しさが増すと思います。 

 改めて、3月20日(木)から4月27日(日)まで淡路会場夢舞台エリアで私たちが造った庭を見ることができます。

 淡路花博25周年記念花緑フェア2025公式サイト淡路会場夢舞台エリアのイベントはこちら

 淡路島を訪れた際は是非立ち寄って私たちの自慢の庭をご覧ください。

人と自然科×進路指導部 2年生を対象に卒業生を囲む会を実施しました

 先日有馬高校でも第77回卒業式が盛大に行われ、有馬高校で3年間学んだ生徒たちが旅立っていきました。充実した3年間でしたか?有馬高校での経験を活かして、夢の実現に向け次のステージでも頑張って下さい。

  第77回卒業式に関する記事はこちら

 さて、卒業式の熱気も冷めない3月6日(木)、人と自然科2年生(78回生)の生徒を対象に、卒業生を囲む会が開催されました。人と自然科と進路指導部が合同で実施しているこの行事は、卒業を迎えたばかりの先輩方に来校いただき、自分の目標としてきた進路を実現した経験を直接後輩に伝えるという、先輩、後輩のつながりが強い人と自然科ならではの伝統行事です。

 囲む会当日、制服からスーツ姿に変わった人と自然科の卒業生7名が再び集結。卒業して間もないですが、元担任の先生や旧友と会えてテンションが上がりますね。後輩のために来てくださり本当にありがとうございます。

 

 今年人と自然科を卒業した先輩も、3年間の農業に関する授業や実習、校外活動で身につけた知識や経験を活かし、国公立大学3名をはじめ、多様な進路を実現しています。

速報 令和6年度人と自然科 進路実績はこちら.pdf

 そして今回は、鳥取大学、鳥取環境大学、龍谷大学、摂南大学、大阪体育大学、専門学校アートカレッジ神戸、西日本旅客鉄道株式会社に進学、就職する7名の卒業生に囲む会への参加を快諾していただきました。

 

 3時間目まずは全体会。改めての自己紹介の後、【どのタイミングで、そしてどのような過程を経て進路先を決定したのか?】【進路先を決めた後、合格・内定を手に入れるために取り組んだことは?】【卒業した今だからこそ言える進路実現のために高校3年間で取り組んでおいた方が良いこと】についてお一人ずつアドバイスをいただきました。

 

 入学前から決めていた進路を実現した先輩もいた一方、3年生に入って大きく進路が変わっていた先輩もおり、普段から勉強を頑張っておくこと、そして人と自然科で様々なことに挑戦しておくことで対応できることを教えていただきました。さらに1年前のこの卒業生を囲む会で先輩から話を聞き、すぐに進路指導室に行ったことで現在の進路を決定したという話もありました。

 そしてオープンキャンパスにこの春休みから積極的に参加しておくこと、さらに推薦入試を中心にチャレンジしていく生徒がほとんどの人と自然科においては、面接や小論文がとても重要になってくること、特に小論文は少しでも早く練習を始めておくことの重要性を教えていただきました。面接は学年の先生や進路指導部の先生に加えて、農業部(人と自然科)の先生にもしてもらえるのが良かったとのこと。中には苦手な面接を克服するために、農業部の先生全員に練習してもらい、合格を手にした生徒もいました。

 

  また、就職される先輩からは、就職模試への取り組みの重要性、そして就職試験に臨むにあたって自己分析をしっかり行い、自分の長所と短所を知っておくことの大切さを教えていただきました。さらにどの先輩も口をそろえておっしゃっていたのが資格検定の重要性について。人と自然科で取得できる農業技術検定や建機系など専門的な資格、そして進学の生徒は英語検定の取得が重要になってくるとのことでした。

 

 全体会のあとは分科会。国公立農業系4年制大学、私立農業系4年制大学、農業系以外の4年制大学、専門学校、就職・公務員の5グループに分かれて先輩を囲みました。

 

 先ほどの全体会で先輩方から熱いメッセージがたくさんあったこともあり、2年生からはたくさんの質問があり、先輩は一つ一つ丁寧に答えてくださいました。進路実現までのスケジュールをわかりやすくまとめた手作りのシートを使って説明をしてくださった先輩もおられ、メモをとりながら前のめりで聞いている2年生の姿が印象的でした。

 

 先輩の中には大学の推薦入試や就職で作成した面接ノートや小論文の練習シートなどを実際の持参してくださり、具体的なアドバイスをいただきました。そして先輩が実際に提出した志望理由書のコピーを見て、その内容と量に驚いたようです。ちなみに担当の先生と一緒に、完成まで2週間ほどかかったとのこと。農業クラブ活動や学校行事、海外研修や課題研究などの実績を踏まえた志望理由がしっかり書かれていましたね。本当に参考になります。

 

 先輩との会話が止まらない中であっというまに時間が過ぎ、1時間の座談会は終了。やむなく打ち切りとなってしまうほどの熱量でした。このようにOB・OGが後輩をサポートしてくれるのも人と自然科の大きな魅力です。先輩にお礼を伝えて会は終了しました。先輩からの応援をエネルギーにして、今日から進路実現に向けスタートです。先生方と二人三脚で頑張っていきましょう。

 

 最後に新生活の準備で忙しい中、後輩のために時間を作ってくださいました7名の卒業生の皆さん。本当にありがとうございました。

人と自然科 地域自然保護で作成した夢プログラム模造紙 三田市自然学習センターに展示中です

 人と自然科3年生選択科目『地域自然保護』の授業では県立有馬富士公園をフィールドとし、1年かけて有馬富士公園を訪れるゲストに、自分の特技を生かした公園の自然を感じてもらうための体験プログラム『夢プログラム』を生徒自身が企画し、実践する授業を行っています。

  人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 12月には1年間の集大成として、実際に高校生を公園に招き自分たちで企画した『ありまふじ夢プログラム』を実施。天候にも恵まれ大成功に終わりました。以下実施内容をまとめた記事です。

  地域自然保護1年間の集大成 ありまふじ夢プログラム実施に関する記事はこちら

 授業では3学期に入り、参加者からのアンケート結果、そしてアドバイザーとして見守ってくださっている人と自然の博物館の先生から『ありまふじ夢プログラム』について講評をいただき、自分自身で反省・評価を行いました。

 そしてこの授業の最後の取組として、自分たちが実施した夢プログラムを多くの方に知っていただくために、巨大な模造紙にまとめる実習を行いました。

 

 模造紙の前を通った人に目に留まるように『アイキャッチ』になる仕掛けを施し、イラストや写真を多めに盛り込むことで初めて模造紙を見た人でも内容を理解してもらえる工夫にもしっかり取り組めていました。

 

 高校生活最後の1か月。みんなで協力して完成した模造紙は、先日開催された学習活動発表会で展示し、現在は三田市自然学習センター地下1階掲示板に掲示させていただいています。

 

 1階の自然学習センター入口から入館し、展示物を見ながらスロープで地下1階に降りたところの左手にある巨大な掲示板です。

 模造紙には、生徒が企画・実施した夢プログラムの目的や詳しい実施内容、ゲストに感じてほしい有馬富士公園の魅力などをわかりやすく(楽しく)まとめられています。

 有馬富士公園に訪れた際は、生徒の力作をぜひご覧ください。

人と自然科 ひとはく連携セミナー最終回  三田周辺の地層と化石について学ぶ

 1月17日(金)人と自然科1年生学校設定科目『人と自然』の授業において、今年度最終回 第8回目となるひとはく連携セミナーが実施されました。

 人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 有馬高校人と自然科と県立人と自然の博物館の間では生徒のセミナー受講について協定を結んでおり、年間8回、県立人と自然の博物館を訪れ、博物館の研究員から自然や環境、動植物など専門的な講義を直接頂き、深く学んでいます。前回の7回目も『人とのかかわりから見た三田盆地周辺の地形と地質』をテーマに、加藤 茂弘研究員より三田盆地周辺の大地と私たちとのかかわりについて講義をいただきました。

 ひとはく連携セミナー7回目 三田盆地周辺の地形と地質について学ぶ に関する記事はこちら

  いよいよ最終回となる今回は、半田久美子研究員より『三田周辺の地層と化石~植物化石の仲間分けにチャレンジ~』をテーマに講義いただきました。有馬高校が位置する三田周辺には恐竜時代の火山活動によってできた有馬群層の上に、その後の河川活動による堆積物である神戸群層や大阪群層が積み重なっています。今回はこれらの群層からどのような化石が見つかったのか、お話しいただきました。

 

 まず半田先生より『有馬高校の周辺には化石が存在すると思いますか?もしあるとすればどのような化石があると思いますか?』という問いかけからスタートしました。普段何気なく通学し、農場の土を掘り返していますが、そんなこと想像したこともなかったですね。有馬高校周辺の地質図(表土の下にどのような種類の石や地層が分布しているのかを示した地図)を見てみると、約3000万年前にできた神戸群層が存在しており、東条湖凝灰石が見られます。そしてこの東条湖凝灰石には植物の葉の化石が多く見つかっているようです。

 そして半田先生から、この地域で発見された化石の種類について教えていただきました。メタセコイヤやブナ、タマミズキなどの植物の葉の化石、そして樹幹が珪化した植物化石である珪化木も多く見つかっているようです。さらに植物だけでなく哺乳類の化石も見つかっており、カバ・イノシシの仲間であるサンダタンジュウや原始的な小型のサイであるヒラキウスなどの化石も発見されておるとのこと。驚きですね。

 化石の種類について学んだあとはグループに分かれ、神戸層群の葉の化石の仲間分けに挑戦しました。まずそれぞれの葉の特徴について細かく説明を受けます。そして半田先生が準備してくださったたくさんの植物の化石の中から、先生が指示された化石を探し、グループのメンバーと当たっているか議論します。

 

 最後にスコープで化石を画面に映し、半田先生と一緒に葉の特徴を確認しながら答え合わせです。当たっていましたか?本物の化石を使って仲間分けというなかなかできない経験に大盛り上がりでした。

 

  これこそ博物館でしか学ぶことができない、貴重な学びですね。半田先生興味深いお話本当にありがとうございました。

 以上で今年度のひとはく連携セミナーは終了です。『ひとはく連携セミナーが終わってしまうのがさみしい・・・』そんな感想も聞かれました。実際に博物館の専門員から高度な内容の講義を聞く機会はなかなかないですよね。今回学んだことは2年生以降の学び、そして3年生の進路で大きな武器になります。ぜひ活かしてください。県立人と自然の博物館の皆さま、このような機会をいただき本当にありがとうございました。

人と自然科 1年生を対象に第2回先輩農業者特別授業を実施しました

 1月20日(月)人と自然科の1年生の生徒を対象に、今年度2回目となる先輩農業者特別授業を実施しました。

 この授業は、阪神農業改良普及センター様との連携事業で、地域で活躍されている若手先輩農家の方をお招きし、農業の楽しさや面白さ、やりがい、さらには大変なことなど、直接お話を伺うことで、将来の進路につなげようという取り組みです。ちなみに5月には3年生を対象に、三田市で梅・栗を中心に栽培されている小仲さんをお招きし第1回の先輩農業者特別授業を行いました。

 令和6年度第1回先輩農業者特別授業に関する記事はこちら

 人と自然科で学ぶ生徒は、農業に限らず、経営や栄養、スポーツなど様々な分野に進学しています。また就職では製造業や運輸業、公務員など幅広い職種に就職していきます。以下現3年生の進路先の速報です。

 速報 令和6年度人と自然科 進路実績はこちら.pdf

 現3年生の進路先の速報をご覧いただくとわかるとおり、農業を学ぶ学科ということで、就農や関連産業への就職を目標に農学系の国公立大学、私立大学、専門学校へ進学する生徒も一定数います。先輩農業者特別授業は、このような生徒を後押しすることはもちろん、他の分野へ進む生徒にとっても、経営者でもある先輩農業者の話は有益な情報をたくさん得ることができる絶好の機会となっています。

 

 さて、今年度2回目となる今回は宝塚市で観光農園『エーアイファーム』を経営されている石井伸啓先輩にお越しいただきました。石井先輩は人と自然科の前身である生産流通科の最後に卒業され、水道や観光など農業以外の仕事に就かれました。高校在学中は農業をすることを考えていなかったとのこと。一方で他産業での経験が現在の農業経営に活かされているとのことでした。

 

 そして平成28年5月に就農し『エーアイファーム』を立ち上げました。観光農園を中心とした経営をされており、イチゴ狩り、サツマイモ堀りを中心に多くのお客様が石井先輩の農場に訪れているそうです。『直接お客様からおいしいという言葉を聞くことができる。これが私にとって農業の魅力です。』と嬉しそうにおっしゃっていました。さらに先輩の農家さんに教えてもらいながら、ブドウや落花生など新たな作目にも挑戦しておられます。『今でも毎日必死に勉強しています。もしからしたら学生時代よりも勉強しているかもしれません。』という言葉が印象的でした。

 

  そして最後に人と自然科で学ぶ後輩の私たちへ

 「今有馬高校人と自然科で毎日学んでいる授業や実習、たとえば農産物を販売してお金をいただくこと、いただいたお金がしっかり収益を上げているか検証すること、このような日々の学びが当たり前だと思わないでください。皆さんは特別な経験を毎日しています。そして将来、皆さんにはぜひ事業を起こしてほしいと思います。高校や大学で学びながら事業を興こすことも可能です。農業、また農業以外でも良いのでぜひ事業主になって活躍して下さい。応援しています。」

 というメッセージを頂きました。

 講義後は質問コーナー『観光農園を経営していく中で一番大変なことは何ですか?』『1年間の農業経営の中で一番忙しい時期はいつ頃ですか?どのような作業に追われていますか?』『農業経営で使用している農業機械について詳しく教えてください。』『ブドウ栽培を始めるとき、大変だったことはありますか?』『オクラ栽培に使用されている生分解性マルチはどのくらいで分解されますか?』などなど20分以上質問が続くなど、1年生の生徒にとって興味深い内容だったようです。

 

 石井先輩、お忙しい中興味深いお話本当にありがとうございました。そして阪神農業改良普及センターの皆様、このような機会をいただき、本当にありがとうございました。

人と自然科 令和6年度課題研究発表会を開催しました

 1月16日(木)講義棟にて人と自然科令和6年度課題研究発表会を実施しました。『課題研究』の授業は、入学してから様々な授業や実習をとおして農業や環境について学んできた知識や経験を活用して生徒自ら課題を設定し、計画、実施、評価する科目です。

 人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 そして課題研究発表会は自分が取り組んだ研究をスライドにまとめ、1.2年生の後輩の前で発表します。3年生にとって、3年間の農業の学びの集大成と位置付けられている会です。発表前も最高の発表ができるように、後輩が会場に入る前に3年生のみでリハーサル。スライドと原稿の読み合わせを行い最終確認です。

 3時間目、いよいよ講義棟に人と自然科3学年全員が集まり、課題研究発表会のスタートです。

 司会進行や計時、照明など運営もすべて1,2年生の生徒が担当し発表会を進めていきます。

  人と自然科は野菜、草花、果樹と緑の3つの部門があり、1.2年生ではすべての部門を学びます。そして3年生になると一つの部門を選択し、1年間集中的に学びます。それでは3年生が1年間取り組んだ研究テーマを紹介します。

 まず野菜部門。

 

・イチゴの栽培比較実験
・トマトの品種と栽培方法による生育調査
・黒豆の無農薬栽培と遺伝特性について
・ヤマノイモの生育実験
・マルチの違いによる生育実験
・緑肥作物を用いた減化学肥料栽培

 

 続いて草花部門

 

・綿花の生育環境による成長の違い
・品種改良の可能性
・キフゲットウと斑入りモミジの繁殖
・シダ植物の成長過程と発芽研究
・多肉植物を増やそう
・シードペーパーづくり~好気性種子の発芽率を上げるためには~

 

 最後は果樹と緑部門です。

・ビオトープの活用
・環境に優しい害虫対策
・有馬富士と花火
・アボカド
・青パパイヤのことを知ってほしいんです!!
・ブドウの収穫に新時代!農場当番に革命を!
・放置竹林問題に立ち向かえ ビートルズ!!

 

 どの発表もしっかり事前に計画し、仮説を立て、実験結果から考察している素晴らしい内容でした。後輩の1.2年生もタブレットにアップロードした研究内容の要旨も見ながら、先輩方の発表を真剣に聞いていました。

 生徒や先生からの質問にもしっかり回答。最後は大きな拍手が送られていました。

 

 そして全学年生徒の投票の結果、草花班『品種改良の可能性』の発表が学科代表に選ばれました。

 

  今回学科代表に選ばれた上記の発表は、2月1日(土)に有馬高校で行われる学習活動発表会にて、人と自然科代表として発表します。中学生の皆さん、保護者の皆さま楽しみにしておいて下さい。

 発表会終了後、3年生全員で最後になるかもしれない集合写真です。

 

 3年間人と自然科での学校生活はいかがでしたか?本当に元気いっぱい、そして3年間の成長していく変化が目に見えてわかるクラスでした。また最上級学年になり、農業クラブの各種競技会での活躍、農業祭やイベントなどでリーダーシップを発揮し、後輩を引っ張っていく姿がとても印象的でした。さらにクラス一丸となり戦った進路も就職、進学とも自身の目標を実現できたようです。

速報 令和6年度人と自然科 進路実績はこちら.pdf

 あと少しこのまま頑張ったら(卒業考査を乗り切ったら)入学時から一人もかけることなく、全員で卒業を迎えられます。人と自然科での学びや経験を活かし、次のステップでも頑張ってください。農場の先生方も皆さんの活躍を応援しています。本当にお疲れさまでした。

人と自然科 来年度に向け冬季休業中も当番実習(総合実習A)頑張りました

 あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。冬季休業も本日最終日。明日からいよいよ3学期がスタートします。インフルエンザやコロナが流行しているというニュースも聞きます。皆さん体調には十分注意し、元気に新学期を迎えましょう。

 さて、冬季休業中も人と自然科の生徒は『総合実習B』という授業があり、1.2年生の生徒を中心に当番制で実習を頑張りました。

 人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 この時期の実習の中心は来年度の作付けに向けた土づくりが中心となってきます。堆肥や多種の肥料を基肥(作物の栽培前に施す肥料)として施し、耕うん(畑を耕すこと)を行いました。

 まずは1年生。入学後「農業と環境」の授業でスイートコーンやダイコンハクサイを栽培した圃場や、もち米を栽培した水田にみんなで堆肥を施します。

 スイートコーンの収穫に関する記事はこちら

 ダイコン・ハクサイの収穫に関する記事はこちら

 もち米の収穫に関する記事はこちら

 一輪車満タンにした堆肥を圃場や水田に運搬し、等間隔に落としていきます。

 そして全体に圃場や水田全体に堆肥を広げた後、乗用トラクタの運転方法を学び、畑に堆肥をすきこみました。

 今回1年生が基肥を施し、土づくりを行った圃場と水田は、4月に入学する新入生に受け継がれます。中学生3年生の皆さんお待ちしています。

 さて、場面は果樹園に変わり・・・2年生がブドウ畑に堆肥や油かす、有機化成肥料などを基肥として施しました。

 有馬高校ブドウ販売に関する記事はこちら

 年末には前半グループが、ベリーAとピオーネの圃場で実習を行いました。

 まずはブドウ畑に事前に掘っておいた穴に肥料を投入していきます。(畑に穴を掘る技術を穴肥えといい、ブドウの根を更新する目的もあります。)

 そして穴を埋め戻し、地表面全体にも肥料を施します。

 肥料を施した後は耕うん作業です。果樹園では大型の歩行用トラクタを使用しました。農業機械の授業で学んだディーゼルエンジンの仕組みについて復習した後、エンジンをかけます。

 無事エンジンがかかったところで、耕うん作業を行います。歩行用の大型トラクタは馬力が大きいため、ブドウの樹や鉄菅に挟まれないように、安全には細心の注意を払って実習を行います。

 そして年明けには後半グループがマスカット温室内の耕うん実習も行いました。

 これで土づくりはばっちりです。来年もおいしいブドウが収穫できたらいいですね。

 いよいよ明日から3学期。3学期は春の農業祭に向けた花と野菜の苗づくりがスタートします。

 今年度の春の農業祭の様子はこちら 

 地域の方に丈夫な花苗、野菜苗が提供できるよう、そしてなにより知識や技術を身に付け、自分自身が成長できるように頑張っていきましょう。

人と自然科 農業クラブ Xmas恒例 花の寄せ植えサプライズプレゼント

 12月24日(火)今年はクリスマスイブに有馬高校は終業式を迎え、冬休みに入りました。

 2学期終業式に関する記事はこちら

 クリスマスといえば・・・そうです。農業クラブ本部役員の生徒による、JR三田駅前花の寄せ植えサプライズプレゼントです。少なくとも20年以上続いている、人と自然科伝統の地域貢献活動です。この日に向け農業クラブの生徒が自分たちで栽培したビオラの花を使って寄せ植えを制作し、準備を行ってきました。

 

 配布前には花柄を摘み、最終チェック。鉢をきれいに拭いて持ち帰り用の袋に詰め、準備万端です。

 終業式&HRが終わり2学期全日程が終了。すぐに7名の農業クラブ本部役員の生徒が準備していた寄せ植えを公用車に積み込み、JR三田駅前高架に移動。こちらも恒例となったサンタ姿に変身し、早速花の寄せ植えサプライズ無料配布(クリスマスプレゼント)をスタートしました。

 今年の寄せ植えは、1鉢にビオラを3株を植栽。生徒が作成したオリジナルステッカーも貼りました。「有馬高校です。花の寄せ植え、無料配布しています。いかがですか?」と駅を通り過ぎる方に声をかけていきます。

 

 間もなく声を聴いた方が立ちどまり、花の寄せ植えを受け取ってくださいました。

 

『本当にもらってもいいの?びっくりした。』

『とってもきれいね。大切に育てるわ。』

 

 などなど受け取っていただいた方から嬉しい言葉をたくさん頂きました。また今年は寄せ植えと同時に、農業クラブ生徒が作成したクリスマスオリジナル缶バッジもお渡し、とても喜んでくださいました。そして用意していた60鉢が28分でなくなってしまい、高校生サンタはアッというまに姿を消しました。

  

 寄せ植えを受け取ってくださった皆様。大切に育ててくださいね。そしてこのブログを見て下さったみなさまにも、サンタさんから素敵なプレゼントが届きますように・・・Merry Christmas!

人と自然科 果樹と緑班 ひょうごSDGsスクールアワード2024 最優秀賞を受賞しました

 このたび、有馬高校人と自然科果樹と緑班が『ひょうごSDGsスクールアワード2024』で最優秀賞校に選ばれ、代表生徒が12月20日(金)に表彰式に出席しました。

 兵庫県教育委員会が主催する『ひょうごSDGsスクールアワード2024』は、広く県内の学校園にSDGsへの関心の普及啓発を図ることを目的として、児童・生徒が主体となって取り組んでいるSDGsの目標達成につながる活動に関し、特に先進的な取組を行っている学校園を顕彰する大変名誉ある県知事表彰です。

兵庫県教育委員会記者発表記事はこちら.pdf

 今回人と自然科果樹と緑班が受賞した内容は、『循環型農業(環境保全型農業)の実践と副産物の活用に関する取り組み』です。人と自然科で行われている放置竹林問題に取り組む中で、竹パウダーの貯蔵地で大量のカブトムシの幼虫を発見し、「課題研究」などの授業や農業クラブ活動を通して詳しく調査すると、竹パウダーで育てたカブトムシが小型化することや、カブトムシの幼虫の糞が活用できる可能性があることを突き止めました。この活動をとおして、カブトムシとその糞の可能性を知り、この取組を普及させていくことで、地域全体で放置竹林問題に取り組める一手としたいという想いを地域に広く伝えていることが高く評価されました。ちなみにこれらの活動は、夏に開催された兵庫県学校農業クラブ連盟大会のプロジェクト発表会でも評価され、優秀賞を受賞しています。

 第72回兵庫県学校農業クラブ連盟大会 今年も人と自然科生徒が大活躍 前編 (大会1日目)に関する記事はこちら

 続 第72回兵庫県学校農業クラブ連盟大会 今年も人と自然科生徒が大活躍 後編 (大会2日目)に関する記事はこちら

  今回はこの活動の中心として活躍した3年生3名が、指導した先生と一緒に代表生徒として出席。兵庫県教育長より直接、賞状とトロフィーが授与されました。(いただいたトロフィーは、LEDライトで14色に光り輝く素晴らしいものでした。)

 

  今回の受賞は、環境教育の充実をスクールポリシーの一つとして掲げている人と自然科にとって、大変価値あるものであり、生徒・職員にとっても誇らしいニュースとなりました。

人と自然科スクール・ポリシーはこちら.pdf

 これからも農業、そしてそれを取り巻く環境について授業や実習で楽しく学んでいきましょう。

 

 この度は名誉ある賞を授与いただき本当にありがとうございました。

人と自然科 第20回NFD全国高校生フラワーデザインコンテストにて日本一 金賞&文部科学大臣賞を受賞

 12月14日(土)名古屋市中小企業振興会館 吹上ホールで開催された第20回NFD全国高校生フラワーデザインコンテストに、予選会を勝ち抜いた本校農業クラブフラワーアレンジメント班の生徒2名が出場し、日本一の「金賞・文部科学大臣賞」受賞という快挙を成し遂げました。

 大会結果はこちら(外部リンク)

 この大会はフラワーデザインの甲子園ともいえるイベントで、全国の高校でフラワーアレンジメントを学ぶ生徒が日本一を目指し挑戦する憧れの大会です。新型コロナウィルスの感染拡大により現地開催が見送られてきましたが、今年、約6年ぶりのリアル開催となりました。

 人と自然科といえばフラワーアレンジメント。2、3年生で学校設定科目「フローラルアート」を選択した生徒が日々、知識や技術を習得しています。

 人と自然科教育課程表はこちら.pdf

  さらに技術を習得したい生徒は、農業クラブフラワーアレンジメント班に所属し、放課後や休日も練習を行い、国家資格であるフラワー装飾技能士の資格取得や全国大会への挑戦に向けた練習を行っています。先日もフラワーアレンジメント班の生徒2名がもう一つの全国大会、全国産業教育フェア 全国高校生フラワーアレンジメントコンテストに兵庫県代表として出場し、入賞には及びませんでしたが大健闘しました。

  今年10月に開催された全国産業教育フェア 全国高校生フラワーアレンジメントコンテストに関する記事はこちら

 今回は同じフラワーアレンジメント班に所属している生徒が大会に挑戦。大会に向けてデザインを考えました。今回の大会テーマは『多様性』です。ちなみに大会に向けて選手が考えたデザイン画はこちらです。

 斬新なデザインですね。そして花台は自分で制作。完成までに2ヶ月以上かかりました。そして本番に向け、特別非常勤講師の先生からの指導を受けながら何度も練習を重ねました。

 大会当日、予選会を勝ち抜いた35名の選手が全国から集まりました。作品は幅 700mm×奥行 600mm×高さ 1000mm以内で、70%以上が生花で構成されるというルールがあります。制限時間は2時間です。本校から出場した2名の選手も、全力を出し切れたようです。

 今回有馬高校から出場した選手の作品はこちら。

 I.Yさん タイトル『由縁』

 地球の歴史を珪化木と猿の腰掛で表現し、長い年月をかけて変遷する多様性の中を生き抜いてきた生物の様子を生命力あふれる竹と花で表現しました。

 

 S.H さん タイトル『繋』

 温暖化など地球環境が激しく変化する中で生き残り、次世代へと続いていく植物の進化を表現しました。 

 どちらも素晴らしい作品ですね。そして2時間半後、会場に全員集合。結果発表&表彰式で受賞者の名前が呼ばれます。

 そして、なんと本校から出場したI.Yさんが、見事日本一の金賞&文部科学大臣賞を獲得するという快挙を成し遂げました。(審査員特別賞・スワ ミヤ賞も同時受賞です)有馬高校勢としては2年ぶりの日本一です。

 日ごろの練習の成果が実を結びましたね。本当におめでとうございます。S.Hさんも惜しくも入賞を逃しましたが、審査員や全国から来られた先生方から大会評価をいただくことができました。素晴らしいです。

 最後に作品を背に二人で記念写真を撮りました。

 

 出場した選手の皆さん、本当にお疲れ様でした。1年生も先輩の活躍に負けないように練習頑張りましょう。そして中学生の皆さん。人と自然科に入学し、先輩と一緒に日本一を目指してみませんか。お待ちしています。

人と自然科 地域自然保護1年間の集大成 ありまふじ夢プログラム実施

 12月17日(火)人と自然科学校設定科目(有馬高校人と自然科にしかない科目)3年生地域自然保護の授業で、1年間の集大成となる、ありまふじ夢プログラムを有馬富士公園で実施しました。

 R6入学生人と自然科教育課程表はこちら.pdf 

 「地域自然保護」の授業では県立有馬富士公園をフィールドとし、1年かけて有馬富士公園を訪れるゲストに、自分の特技を生かした公園の自然を感じてもらうための体験プログラム『夢プログラム』を生徒自身が企画し、実践する授業を行ってきました。以下今年度1年間を振り返る関連記事のバックナンバーです。

 『地域自然保護』今年もスタートしました

 現地フィールドワークその1 有馬富士公園について知る

 現地フィールドワークその2 里山を存分に楽しむ

 現地フィールドワークその3 里山管理を体験する

 現地フィールドワークその4 有馬富士公園の昆虫を調査する

 現地フィールドワークその5 有馬富士公園の『ひみつ』を探ろう

 ありまふじ公開セミナー 中間発表会を行いました

 そしてこれらの学びを糧として、夢プログラムを企画します。有馬富士公園は、遊びの王国を利用する小さなお子様を連れた家族連れ、環境学習で利用する小学生、散歩のために利用する年配の方・・・とたくさんの地域の方が利用されていますが、中高生の利用が少ないという現状があります。ということで、今年の夢プログラムのテーマも『高校生に有馬富士公園の魅力を発見してもらうためのプログラム』としました。当日に向け、ディスカッションを重ね企画書を作成。公園を何度も訪れ、材料の調達や下見、リハーサルも繰り返しました。

 

 いよいよ夢プログラム本番。当日の天候は晴れ。絶好の夢プロ日和です。ホストとなる3年生は一足早く公園に到着。3か月間かけて準備してきたプログラムの成功に向け、最終準備を進めます。

 

 12時ごろ、本日のゲストの到着です。この日ゲストとして迎えたのは、来年度『地域自然保護』の授業を受講する予定の人と自然科2年生19名です。全員楽しむ気満々です。開会式で注意事項を聞いた後、早速スタートです。

 

 まずは今回の夢プログラム体験中、同時並行して行われる「~油断禁物QRコードを見つけまSHOW!!!~」について説明を受けました。

 有馬富士公園内の他チームが活動する導線上に、QRコードが印刷された有馬富士公園に生息している動物や植物の小さな看板が隠されており、ゲストは見つけながらこの日のプログラムを体験していきます。QRコードを読み取ると、その動物や植物についての詳しい説明が閲覧できます。最終的に多く発見した班が優勝。今回は25枚のQRコード看板が隠されてるとのこと。一瞬たりとも気が抜けませんね。

 さて、ここからはA班・B班に分かれて体験です。まず一つ目の夢プログラムは『学んで遊ぼう 有馬富士』です。有馬富士公園の里山管理で出た間伐材を使って、モルックを手作りで作成します。まずは、公園が見渡せる自然学習センター屋上で、公園の里山管理について説明します。自分たちが経験した里山管理方法や里山の活用方法について話をし、この夢プログラムの意義を説明しました。

 そしていよいよモルック(投げる棒)づくりです、あらかた仕上げておいた様々な形の間伐材の中から好きな形を選び、やすりで整えていきます。(大きさもバラバラなのが今回の有馬富士ver.の特徴です。あとのゲームに影響してきます。)

 そして電気ペンを使って、イラストや名前を焼き付けていきます。愛着がわきますね。

 そしていよいよ競技開始。今回は特別30点ver.で行いました。里山管理で出た間伐材で作ったスキットル(1~10の数字が書かれたピン)をmyモルックで倒していきます。1本だけ倒れたらそのスキットルに書かれている数字が加算され、複数本倒れたら倒れた本数が得点となり加算されます。そして30点を超えたら再び15点まで逆戻り・・・が今回の特別ルールです。

 大きいモルックを選んだらスキットルに当たりやすいですが、狙っていないピンも倒してしまいます。一方小さなもルックを選んだ人は、当たりにくいですが狙った数字のスキットルだけ倒しやすいというメリットもあります。かなり面白いゲームとなり、ゲストは大盛り上がりでした。

 ちなみに競技の合間も、隙あらば「~油断禁物QRコードを見つけまSHOW!!!~」のQRコードを見つけます。発見したようです。生き物に関する詳しい情報がみられましたね。

  大盛り上がりのモルック大会が終わり、次のプログラム「プリンセス山中を助け出せ~迷宮入りの有馬富士~ 真実はいつも一つ」です。今大人気の謎解きゲームの有馬富士公園ver.です。あまり中高生が足を踏み入れない『野鳥の生態園』をしっかり観察、満喫してほしいという想いでプログラムを企画したそうです。

 広場内の4カ所に画用紙に書かれた謎解きが掲示されていて、謎解きに成功したらカギをGETでき、有馬富士公園に何年も閉じ込められている山中姫を助けるための南京錠を開錠できます。ストーリー性は抜群ですね。

 なかなか難問ぞろいで時間がかかりましたが、無事4つのカギを手に入れることができ、山中姫を助け出せた・・と思ったら最後の一つのカギが・・・ラストの難問がなんと山中姫から出題です。

 

 無事謎解きを完了し、山中姫を助けることができました。ご褒美に寒さを和らげるための温かいコーンポタージュとわかめスープを振る舞われました。身に沁みますね。

 

 さて、パークセンターに戻り・・・忘れてはいけません。「~油断禁物QRコードを見つけまSHOW!!!~」の結果発表です。A班が21問、B班23問。でBチームが優勝です。有馬富士公園の自然にカモフラージュされ、見つけられなかったQRコード看板もあったようです。ゲストは探しながら歩いたことで、普段公園内で気にしない部分も見ながら散策できたようです。

 

 楽しかった時間もあっというまに過ぎていき閉会式。ゲストの2年生は大満足でタクシーに乗り、学校に帰っていきました。『どのプログラムも設定がしっかりしていた』『楽しみながら有馬富士公園の自然を感じることができた』『来年先輩方にようなプログラムが企画できるか不安だけど頑張りたい』など高評価で、とても充実した、時間だったようです。

 

 頑張った3年生も、この日で有馬富士公園での活動は終了です。最後にシンボルツリーの前で集合写真を撮りました。

 

  ホストを務めた3年生の皆さん、夢プログラム実施いかがでしたか?今年の夢プログラムは本当に素晴らしく、このまま公園で一般の方向けにもできるようなクオリティーであったと授業担当者は感じました。次回の授業ではプログラムの振り返りを行い、今回行った夢プログラムの内容んついてまとめた模造紙を作成しましょう。(作成した模造紙は完成次第、有馬富士公園内にある、三田市自然学習センターに展示させていただく予定です。)

 最後にお世話なりました関係者の皆さま、本当にありがとうございました。

人と自然科 令和6年度第2回農業法人仕事説明会に参加しました

 12月16日(月)加古川市総合文化センターにて今年度2回目となる農業法人仕事説明会が開催され、1.2年生で将来農業関係の仕事に就くことを考えている生徒、そして農業系の大学や農業大学校への進学後に関連産業に就職したいと考えている生徒6名が人と自然科から参加しました。この事業は、近年増えている農業法人と農業高校で学ぶ、農家ではない家庭の生徒をマッチングさせることを目的に6年前から実施されています。

 まずは近年の人と自然科の進路状況を少し分析してみると、128年の歴史(多くの先輩方とのつながり)を活かした幅広い企業への就職はもちろん、農業系の4年生大学や農業大学校などへ進学し、その後就農する生徒が毎年出てきています。以下は昨年度の進路結果です。

 R5 人と自然科 進路実績.pdfはこちら

 ちなみに今年(令和6年度)の3年生(77回生)の生徒も、現時点ですでに3名の生徒が農学系・環境系の国公立大学に合格。さらに龍谷大学2名や摂南大学3名など難関私立大学農学部も含め多数の生徒が農学部を中心とした大学に合格しています。(全ての進路が確定しましたら改めて紹介します。)

 そしてそのような生徒の中には将来農業を職としたいという農家の家庭でない生徒も多く、その場合農業法人に就職(修行)し、技術の習得と人脈、信頼をを築いた後、新規就農する事例も多くあります。ということで今回のような説明会は大変重要な機会となっています。今回は県下の農業法人15社の経営者がブースを設け、県内6校の農業高校生、農業大学校生58名が参加しました。

 

 参加した生徒は積極的に農業法人のブースを訪れ、法人の経営規模や経営理念、福利厚生など、資料や映像を見ながら熱心に聞いていました。また、肉牛や鶏卵に関する農業法人も多く参加されており、有馬高校では学ぶことができない異なる分野の話を聞くことで視野を広げることができたようです。

 

 ちなみに今回の説明会で気になった法人が見つかったら、実際にインターンシップを行う制度もあり、この夏休みには2名の人と自然科の生徒が農業法人で研修を行いました。(お世話になった法人の方が今回も来て下さり、インターンシップを振り返ることができました。)

 夏季休業中 農業インターンシップに5名の生徒が頑張りました・・・に関する記事はこちら

 

 そして参加者をよく見てみると見覚えのある学生が・・・昨年有馬高校人と自然科から県立農業大学校に進学した卒業生でした。農業大学校でも積極的に頑張っているようで、卒業後は農業法人への就職を希望しているとのこと。活躍する先輩の姿に励まされますね。

 

 約2時間かけて各自が7社のブースを回り、持参した手帳にはびっしりとメモが書かれていました。アンケートを見ても経営者の方から熱い話が聞くことができたようで、来年以降の進路選択に向け参考になったとのことです。

 

 このような機会をいただきました兵庫県ならびにひょうご農林機構、就農支援センターの皆様、ありがとうございました。

人と自然科 農業クラブ  三田市消防本部の花壇装飾活動を行いました

 11月もあっという間に終わり、今年も残り1か月を切りました。今週水曜日からは2学期期末考査も始まります。さて、期末考査が始まる前の12月2日(月)農業クラブ本部役員の生徒6名が三田市消防本部を訪れ、花壇装飾活動を行いました。人と自然科のように高校で農業を学ぶ生徒は全員、生徒会に加え農業クラブという組織に所属します。(本部役員はその中で学科のリーダーとして活動する生徒です)そして日ごろ授業や実習で学んだ知識を活かして様々な地域貢献活動を行っています。先日も三田警察署に、自分たちで栽培した草花苗をプランタに植栽し、設置してきました。

 先日11月26日実施 農業クラブ三田警察署の装飾活動を行いました・・に関する記事はこちら

 植え付け当日、パンジー、ビオラ、ハボタンの花苗約350鉢を公用車に積み込みました。

 そして三田市消防本部に到着。自分たちでデザインを考え植栽します。今回は3人ずつ分かれてデザインを考えることにしたようです。ちなみに有馬高校農業クラブが植栽を担当しているスペースは、道路に面した花壇と、庁舎の入り口右側にある2か所の花壇です。

 

 消防署入り口に近い花壇を担当したチームは、比較的背の高い紅白のハボタンを中央部分に互い違いに配置し、周囲を色とりどりのパンジー・ビオラで囲むデザインを考えました。

 

 一方道路に面した掲揚柱の花壇チームは、後方に背の高い紅白のハボタンを配置し、中央に大輪のパンジーを、そして前面に小さな花が付いているビオラを植栽するデザインにしたようです。

 

 両グループとも背の高い種類の草花を後方・もしくは中央に配置するという、授業で学んだ基礎的な技術を実践できていますね。さすがです。そして配置が完了したらみんなで一斉に植えています。

 途中署員の方も覗いて応援してくださり、「地域の方がいつもきれいなお花だと喜んでくれていますよ。」「いつもありがとうございます。」と声を掛けてくださいました。

 

 最後にほうきなどで花壇の周囲を掃除し、たっぷり潅水(かんすい)したら完成です。

 

 完成した花壇はこちら。消防署の入り口が一気に華やかになりましたね。ハボタンがお正月らしさを演出して素敵です。

 

 完成した花壇を前に署員の皆さんと一緒に写真を撮りました。

 

 三田市消防本部前を通る際は、是非ご覧下さい。

人と自然科 1年生が摂南大学農学部を訪問しました。(高校生就農講座事業)

 11月29日(金)人と自然科1年生の生徒が、高校生就農講座事業として摂南大学農学部を訪問をしました。

 

 この事業はひょうご農林機構様のご支援のもと、農業の魅力や就農、農業関連学科を有する大学への進学に向けた意識付けを行うことを目的に行っているものです。近年の有馬高校人と自然科の生徒の進路実績として、農業関連学科を持つ国公立大学・私立大学、県立農業大学校に進学し、その後関連産業への就職や農業法人への就農をしている生徒の割合が少しずつ増えてきています。(もちろん農業以外の分野への進学、一般企業に就職する生徒もいます。詳細は以下のリンク先より令和3年度~令和5年度の進路実績をクリックし、ご覧ください。)

  人と自然科過去3年間の進路実績リンク先はこちら

 ということで今年も昨年に続き、農業生産学科をはじめとする4つの農業系学科を有する、摂南大学農学部枚方キャンパスを訪問させていただきました。

 

 まずは大学の講義を実際に体験させていただく模擬授業です。農学部食農ビジネス学科環境農学研究室所属の田中樹先生より、『人間活動と生態系保全の両立は可能か?~東アフリカ・タンザニアの山間地域での事例から~』をテーマに講義をいただきました。

  まずは高校までの学びと大学での学びの違いについて、そして農学という分野について簡単に説明いただいた後、アフリカタンザニア東部ウルグル山域での田中先生の活動事例をもとにお話いただきました。この地域は生物多様性のホットスポットと呼ばれるほど多様な動植物が生息していますが、近年農業を行うために焼畑が行われるなど、人が生きるために環境が変化し、『人vs自然』の構図が生まれています。そこで田中先生は人が生活する区域と森林の区域の間に『屋敷林』という区域を設け、そこに商用作物である『スパイス』を栽培するという取り組みをされています。

 実際に先生が現地の方と一緒にこの地域で栽培、収穫されたバニラやカルダモン、クローブなどの香辛料も見せていただきました。これらの作物は半日蔭を好むものも多く、屋敷林の自然を壊さずに栽培できます。さらにこれまで栽培してきたバナナや青パパイヤと比較しても軽いため、都市部に低労力で運搬することもできます。そして村の住民の生活が安定することにつながります。

  

 大変興味深い内容で、講義の後にも質問が止まらないなど、充実した時間となりました。

 講義の後はお昼休み。大学の雰囲気を味わいながら移動し、実際に摂南大学の学食を体験しました。

 ラーメンやロコモコ丼など安価でボリューム満点。そして味も抜群。ついつい食べ過ぎてお腹いっぱいになりましたね。

 

 そして大学内にはコンビニもあり、ちょっと疲れたら甘いものも買うこともできます。

 

  さて、お腹いっぱいになったところで大学の入試制度について説明いただきました。『総合型選抜』『一般推薦入試』『共通テストを利用した入試』、大学を受験する場合の『併願』と『専願』のちがい、そして農学部系の大学にあり、人と自然科のように専門学科で学ぶ生徒を対象とした『専門高校生入試』についてなど詳しく説明いただきました。このような入試方法は摂南大学だけでなく他の大学でも同様のシステムがあります。

 

 次は在学生を囲んで座談会です。今回は有馬高校人と自然科を卒業した3名の学生が駆けつけてくださいました。

 

 『いつ頃摂南大学に行こうと思ったんですか?』『大学の授業ってどんな内容なんですか? 』『大学までどのようにして通学していますか?』『高校在学中にやっておいた方がいいことはありますか?』・・・・などなど疑問に思っていることを、直接3名の先輩在学生に質問していました。先輩も後輩からの質問に丁寧に答えて下さり、エールを送ってくださいました。

 

  最後は施設見学です。豆知識ですが、摂南大学枚方キャンパスは学内に京都府と大阪府の県境があります。一応県をまたいで写真を撮りました。そしていよいよ研究農場。有馬高校よりも立派なガラス温室が並んでいましたね。

 

 そして3年生から所属する研究室やゼミ室はガラス張りで、大学の先生と学生が常にコンタクトをとれる環境でした。実際に大学生がゼミ活動や研究活動を行っている様子も見ることができました。また休憩スペースや自習スペースなども案内いただき、屋上から市街地を見渡せる景色は最高でしたね。

  以上で大学見学は無事終了。短い時間でしたが、『大学』というイメージが膨らんだのではないでしょうか。まだ1年生なので自分の進路イメージは固まっていないかもしれませんが、これから少しずつ考えていきましょう。そしてどのような進路となっても対応できるように、今回の大学訪問も含め様々な行事や普段の実習、授業に全力で取り組みましょう。

 最後に、今回の大学訪問(高校生就農講座事業)にご支援いただきましたひょうご農林機構様、ご協力いただきました摂南大学農学部の先生方、学生の皆さま、本当にありがとうございました。

人と自然科 ひとはく連携セミナー7回目  三田盆地周辺の地形と地質について学ぶ

 11月22日(金)人と自然科1年生学校設定科目『人と自然』の授業において、今年度第7回目となるひとはく連携セミナーが実施されました。

 人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 有馬高校人と自然科と県立人と自然の博物館の間では生徒のセミナー受講について協定を結んでおり、年間8回、県立人と自然の博物館を訪れ、博物館の研究員から自然や環境、動植物など専門的な講義を直接頂き、深く学んでいます。前回の6回目も『未来に残したい農業や農村の持つ魅力』をテーマに、衛藤 彬史研究員より、農村風景や生活文化とともにある食や行事など、時代の移り変わりとともに失われつつある農業・農村の価値や美しさを次世代に継承していくための工夫や取り組みについて講義をいただきました。

 ひとはく連携セミナー6回目 未来に残したい農業や農村の持つ魅力について学ぶ に関する記事はこちら

  第7回目となる今回は加藤 茂弘研究員より『人とのかかわりから見た三田盆地周辺の地形と地質』をテーマに講義いただきました。有馬高校が位置する三田盆地周辺には、六甲花崗岩、有馬層群、神戸層群、大阪層群といった特殊な地層が存在しており、石材や農業などに利用されてきました、一方で地滑りなどの自然災害を引き起こしたという面もあります。今回は三田盆地周辺の大地と私たちとのかかわりについてお話しいただきました。

 

  まずは有馬高校が位置する周辺の地質について学びました。六甲山地には『有馬ー高槻構造線』と呼ばれる地質境界の断層があり、有馬高校が位置する北側は火山岩・堆積岩が多い神戸層群・有馬層群・丹波層群があります。一方南側には深成岩・堆積物が多い大阪層群・段丘層・沖積層・埋立地で形成され、御影石で有名な六甲花こう岩などが存在します。地形と地質は仲良しだということが分かります。

 

 次に地層について学びました。普通の地層は上位の地層のほうが新しく、深くなるほど古くなります。一方で大陸プレートの下に海洋プレートが沈み込んでいる場所では、海溝にたまった土砂とともに大陸側に押しつけられはぎ取られます。この部分は上に重なるほど古い地層になっており、これを『付加体』といいます。

 

 そして『付加体』に存在する岩石についても教えていただきました。『付加体』には石材や鉱石として利用される岩石が多く含まれており、乾電池の電極や鉄鋼、アルミの強度向上に利用されるマンガンや、耐火煉瓦の原料となる赤白珪石、火打石などに使われる赤色チャートなど様々な岩石がみられます。

 

  さらにマグマが冷え固まった結晶化してできた『火成岩』についても学び、流紋岩・安山岩・玄武岩・花こう岩・閃緑岩・斑れい岩など中学校の理科で学んだ岩石の名前があげられ、有馬層群の流紋岩や六甲花こう岩などの写真を見ながらそれぞれの岩石の特徴や利用法についても知ることができました。

 

 その他甲山など三田市周辺の地層の話を交えながらの話も多く、時間が足りないほど内容の濃い講義でした。加藤先生、専門的なお話を分かりやすく教えてくださり本当にありがとうございました。

 

 次回のひとはく連携セミナーは、いよいよ最終回。『三田周辺の地層と化石~植物化石の仲間分けにチャレンジ~』をテーマに、半田 久美子研究員より講義をいただく予定です。実際にグループワークで神戸層群の化石の観察・仲間分けも実践させていただけるとのこと。楽しみですね。

人と自然科 農業クラブ三田警察署の装飾活動を行いました

 11月26日(火)農業クラブ本部役員の生徒が三田警察署を訪れ、装飾活動を行いました。人と自然科では、日ごろの授業や実習で学んだ技術を活かして、公共施設の花壇装飾やイベントでの作庭などを行っています。

 三田市消防本部の花壇装飾活動に関する記事はこちら

 県庁緑化活動に関する記事はこちら

 ひょうごまちなみガーデンショーin明石に出展しましたに関する記事はこちら

 三田市民文化祭エントランスにてフラワーアレンジメント作品がご来場の皆様をお迎えしますに関する記事はこちら

  今回は三田警察署の装飾。これまで長い間玄関前に設置した花壇に装飾していましたが、腐食が進みやむなく撤去。今回からは花苗を定植したプランタを手作りのウッドカバーに入れ、装飾する形に切り替えました。

 

 学校で自分たちで栽培したパンジー・ビオラ・ハボタンをプランタに定植し、警察署玄関前に設置しました。

 

 作業はあっという間に終了。警察署の装飾は20年以上続く活動で、今年の春には署長より感謝状もいただきました。

 

 今年の春の活動 農業クラブ三田警察署の花壇装飾活動&感謝状をいただきました に関する記事はこちら

 三田警察署を訪れた際はぜひご覧ください。

 

人と自然科 農業クラブ『でんスポ秋まつり~オータムフェスタ~』に出展しました

 11月23日(土)神戸市北区にある北神戸田園スポーツ公園にて、『でんスポ秋まつり~オータムフェスタ~』が開催され、人と自然科農業クラブの本部役員の生徒、並びに農業クラブフラワーアレンジメント班の生徒が参加しました。

 1年生の生徒にとっては今回初めての校外イベントとなります。今回販売部門では学校で栽培した野菜やハボタン、そして今年から栽培に力を入れている青パパイヤを持参しました。

『でんスポ秋まつり~オータムフェスタ~』準備に関する記事はこちら

 1年生の生徒は2年生の先輩に教えてもらいながらみんなで準備を進め、10時からいよいよ農産物販売&フラワーアレンジメント体験スタートです。

 まずは販売部門。持参した野菜類はすぐに完売。ハボタン苗を中心とした草花苗もたくさんの方に購入いただきました。

 そして今回一押しの青パパイヤは、出張販売。青パパイヤの健康効果を宣伝しながら、会場を歩き回りながら販売し、たくさんの方にご購入いただきました。

  そしてフラワーアレンジメント班です。今回もアーティフィシャルフラワーを使ったコサージづくり体験です。体験会場がいっぱいになることもありましたね。大盛況です。

 

 1年生のフラワーアレンジメント班の生徒は初めてのイベントでの体験ということで、この日に向けてわかりやすく教える手法について技術を磨いてきました。ワイヤリングやテーピングなどの技術を丁寧に教え、子供たちは大喜びです。子供たちを中心に、50名弱の方に体験いただきました。

 

  そして農業クラブ本部役員&フラワーアレンジメント班の生徒がイベントを頑張っていると・・・今回もやはり出てきてくれました。人と自然科の生徒が実習を頑張っていると姿を現す妖精さん「ひとっしー」です。出てきた瞬間に子供たちが集まってきて、一緒に写真をたくさん撮りましたね。

 

  イベント当日は小雨が降ったり晴れたりの不安定な天気でしたが、たくさんの方が有馬高校のブースに来場いただきました。花苗、野菜、果実を購入いただきました皆さま、そしてアレンジメントを体験してくださいました皆さま、ありがとうございました。また田園スポーツ公園の皆様、イベントにお誘いいただき本当にありがとうございました。

 

人と自然科 今週末の北神戸田園スポーツ公園イベントに出展します(青パパイヤ買いに来ください)

 有馬高校人と自然科最大の行事である秋の農業祭が終わり、あっという間に2週間が経とうとしています。

 令和6年度秋の農業祭 盛大に開催されました・・・に関する記事はこちら

 今年はお客様に多く来場いただき、ほとんどの農産物が完売しました。当日有馬高校の野菜が買えなかった・・・という方必見。今週末11月23日(土・祝)10時~15時に北神戸田園スポーツ公園で開催されます『でんスポ秋まつり~オータムフェスタ~』に有馬高校人と自然科が出展します。

 北神戸田園スポーツ公園HPはこちら

 少し残していた有馬高校で栽培したハクサイやダイコンなどの野菜やハボタン苗、授業で調整したギンナンや竹炭などを販売します。また、有馬高校人と自然科での特色ある学びフラワーアレンジメントのコサージづくり体験や、人と自然科公式キャラクターひとっしー君とのふれあい体験も予定されています。参考までに春に開催された『でんスポアドベンチャーフェスタ』の記事をご覧ください。

 4月に開催されたでんスポアドベンチャーフェスタにて苗販売&アレンジ体験実施しました・・に関する記事はこちら

 さて、今回の『でんスポ秋まつり~オータムフェスタ~』の一押し商品が、新しい教育課程となって新設された『果樹と緑コース』で栽培が始まった青パパイヤです。最近パワーフードとして注目されている青パパイヤ。学校横の市道脇を通られたときに、たわわに実ったパパイヤ並木に皆さん気づかれましたか?

 

 露地(屋外)で栽培している青パパイヤ。三田市では気温が下がってきたら枯れてしまうため、今回のイベントに向けすべて収穫することにしました。

 

 一生懸命収穫、パック詰めを行った青パパイヤ。今回は100グラム当たり0.5円の量り売りします。青パパイヤは癖が全くないので、サラダはもちろん、炒め物や煮物など多くの料理に活用できます。次回の販売は来年度になりますので、試してみたい方はぜひこの機会にご購入ください。

 

 さらに今回初めて乾燥させたパパイヤの葉や茎も販売します。

 

 パパイヤの葉や茎はウサギやハムスターのエサとして、ペットショップやインターネットで販売されています。動物にとって嗜好性が高いことが特徴です。有馬高校の青パパイヤは栽培期間中一回も農薬を使用していないので、動物にも安心です。生徒が飼っているウサギに食べてもらったところ、大好評でした。

 『でんスポ秋まつり~オータムフェスタ~』は、10時~15時小雨決行です。入場は無料ですが駐車料金は必要とのことです。皆様のお越しをお待ちしております。

 

人と自然科 農業クラブ 第59回新しい農業を目指す高校生等の集いに参加

 11月14日(木)兵庫県立嬉野台生涯教育センターにて、第59回新しい農業を目指す高校生等の集いが開催され、兵庫県立有馬高校人と自然科からも1・3年生の生徒13名のクラブ員(生徒)が参加しました。(2年生の生徒は修学旅行期間中ということで残念ながら今年は参加できませんでした。

 この事業は県内に11校ある農業学科を持つ高校、そして兵庫県立農業大学校の生徒が毎年集い、将来の進路に役立てること、そして同じ農業を志す仲間としての連帯感を養うことを目的とした会で、県内から就農や農業関連産業への就職に興味を持っている生徒が163人が集まりました。

 

 ちなみに、近年人と自然科には農業に興味関心を持った生徒が多く在籍しており、卒業後の進路においても農学系国公立大学、私立大学への進学はもちろん、農業や農業関連産業への就職を目指した農業大学校への進学も多くなっています。

  昨年度令和5年度 人と自然科 進路実績はこちら.pdf

 ちなみに今年度も、3名の生徒が農業・環境系国公立大学を、8名の生徒が農業系私立大学への進学を目指しており、国公立大学1名をはじめ合格の報告が続々と入ってきています。(詳しくは後日HPにて紹介いたします。)

 話は戻し、開会式では兵庫県学校農業クラブ会長挨拶の後、今年度兵庫県学校農業クラブの事務局の兵庫県立播磨農業高校がある加西市の市長や兵庫県農業青年クラブ連絡協議会の会長様からの励ましの言葉を頂きました。

 

 開会式の後、午前中は今年度、株式会社AGRICHを立ち上げた小山内 陽介氏から講演をいただきました。小山内さんは県立農業高校、そして県立農業大学校を卒業したのち、姫路市にある有限会社夢前夢工房でに雇用就農され修行。そして2015年に独立就農を果たし、路地ブドウと野菜等の複合経営をされています。

 小山内さんが農業を目指したきっかけは、農業高校時代のブドウ栽培だったようで、自身が栽培したブドウを初めて食べたときの感動は今でも忘れられないとのことです。そしてブドウ栽培を中心に経営している現在、お客様がリポーターとして1シーズンに何度も足を運んでくれることがやりがいになっているそうです。

 そして最後に私たち後輩へのメッセージとして、『皆さんも私もまだまだ農家の卵。まだまだできないこと、知らないことだらけですが自分の目指す農業の形を作り上げていきましょう。そして儲かる農業を目指していきましょう。』と励ましの言葉をいただいました。

 昼食を挟み、午後からは分科会です。水稲(豆類・野菜・農産加工)、水稲(露地野菜・豆類)・施設野菜・果樹・酪農(乳製品加工)の5つの分科会に分かれ、先輩農業者との座談会を行いました。 生徒は自分が興味のある分科会に分かれて参加します。

 

 「どの仕事でも同じだが、やったことだけ返ってくる」「自身は成功の第一の秘訣。自信が身につくほど日々考え努力してほしい」「様々なことに挑戦しいろいろな物事にアンテナを張って楽しんでチャレンジしてほしい」「地域の方々とのつながりを大切に」「世界を旅してそこの国の農業を見てほしい。農業はかっこいいんです。」などなど、先輩からの熱いメッセージに参加した生徒はかなり刺激されたようです。

 

 分科会の後は全体会。各分科会の報告。そして兵庫県立農業大学校や森林大学校の紹介、そしてひょうご就農支援センターより、新規就農に向けた兵庫県のサポート体制などの紹介がありました。そして最後は参加者全員で、FFJの歌(全国の農業高校生が歌える歌)を歌い、つどいは終了です。

 

 参加したみなさん。充実した1日となりましたか。将来の進路実現にの参考にしてください。運営を担当していただいた播磨農業高校の皆さん。ありがとうございました。

人と自然科 ひとはく連携セミナー6回目 未来に残したい農業や農村の持つ魅力について学ぶ

  11月1日(金)人と自然科1年生学校設定科目『人と自然』の授業において、今年度第6回目となるひとはく連携セミナーが実施されました。(秋の農業祭や修学旅行など学校行事が続き、ご報告が遅れすみませんでした。) 

 人と自然科教育課程表はこちら.pdf  

 有馬高校人と自然科と県立人と自然の博物館の間では生徒のセミナー受講について協定を結んでおり、年間8回、県立人と自然の博物館を訪れ、博物館の研究員から自然や環境、動植物など専門的な講義を直接頂き、深く学んでいます。前回第5回目も『種子散布の生態学』をテーマに、藤井俊夫研究員より、植物が生息域を広げていく技ついて学びました。

 ひとはく連携セミナー5回目 植物の移動方法について学ぶ に関する記事はこちら

 第6回目となる今回は『未来に残したい農業や農村の持つ魅力』をテーマに、衛藤 彬史研究員より講義をいただきました。棚田やかばたのような農村風景、また生活文化とともにある食や行事など、農業や農村にはその地に根づいた様々な魅力があります。時代の移り変わりとともに失われつつあるそのような価値や美しさを次世代に継承していくための工夫や取り組みを紹介いただきました。

 

 まずは大豆に見る和食の今について説明いただきました。日本人食文化を考えるうえで味噌や醤油などの使用される大豆は和食の要です。しかしこの大豆のほとんどは海外から輸入されておりその自給率は20%で、ほとんどをアメリカやカナダから輸入しています。日本産の大豆は値段が海外と比較し高いですが大豆の文化を守るために、量より質を高める工夫を行っています。日本産の大豆の生産の減少が続けば、加工や調理に関する文化が引き継げなくなることが予想されます。

 

 次に農業を英語に翻訳した単語『Agriculture』の意味について考えてみました。『Agriculture』は『Agri-culture』つまり直訳すると『農-文化』です。ユネスコが選定する『世界無形文化遺産』に日本の和紙が2014年に、日本の和食が2023年に登録されました。和食は先ほど紹介した大豆などの生産と直結していますし、和紙についても原料はコウゾ・ミツマタ・ガンピなどが主に使用されています。その和紙の生産におけるコウゾの国産比率は5%程度といわれており、現在文化財の補修に使用する和紙も外国産が使われているのだそうです。(ちなみに絹の国産比率も0.2%以下という状況だそうです)このように日本の文化を守ることと農業は直結していることが分かります。

 

 そして多様な農村景観を守る取組みについても学びました。学校での授業でも学んでいますが、近年農業就業人口が減少し、農業は衰退しています。その結果美しい農村景観も失われつつあります。先生からは兵庫県別宮の棚田や徳島県にし阿波の傾斜地農業、静岡県伊豆市の水わさび伝統栽培など全国のユニークな取組みを紹介いただきました。

 

 最後に先生から『農業はクリエイティブだ』という言葉をいただきました。農作物の加工や調理で『家庭科』や『科学』を学び、生産をとおして『食育』を学び、地域のことを学ぶことで『社会・歴史』を学び、栽培をとおして『理科・生物』を学び、収量を分析することで『経済』や『数学』を学びます。他にも気象学や地質学・動物学・獣医学・・・このように農業とは『総合学習』なのです。

 

『農業を学ぶではなく農業で学ぶ』このことばがとても印象的で、まさに人と自然科が目指していることを先生に改めて再確認させていただけた内容でした。衛藤先生、興味深い講義をありがとうございました。次回のひとはく連携セミナーは、『人とのかかわりから見た三田盆地周辺の地形と地質』をテーマに、加藤 茂弘究員より講義をいただく予定です。地元三田市の環境が学べるよい機会となりそうですね。

人と自然科 令和6年度秋の農業祭 盛大に開催されました

 11月9日(土)人と自然科最大の行事である令和6度秋の農業祭が開催され、多くの地域の方、卒業生みなさんに来場いただき、無事終了しました。この日は朝から晴天。降水確率0%です。早朝から生徒は販売所の準備です。

 令和6年度秋の農業祭ポスターはこちら.pdf 

 この日に向け、人と自然科1~3年生の生徒、職員が」一丸となり準備を進めてきました。準備の様子は以下をご覧ください。

 秋の農業祭まであと3日  青パパイヤの収穫を行いました・・・に関する記事はこちら 

 秋の農業祭まであと2日 3年生「課題研究」発表ポスターもぜひご覧下さい・・に関する記事はこちら 

 秋の農業祭まであと1日・・・に関する記事はこちら

 生徒によっては朝早くから登校し、販売に向け最後の準備を頑張っていました。8時30分、販売開始を前に、全員が集り開会式です。農業クラブ会長から、『地域の方が私たちが栽培した野菜やお花の苗を待っています。一人一人が責任をもって取り組み、秋の農業祭を楽しみましょう。皆さん私の後に続いてお願いします。』『エイ エイ オー』の全員の掛け声(高くつき上げた拳付き)で人と自然科生徒全員が団結しました。

  

 そのような中、販売前にあちこちで大行列が・・・当日はたくさんのお客様(推定訳1000名)の方にご来場いただきました。販売開始の9:00。農業クラブ会長が鳴らす鐘の音で販売スタートです。

 生徒がお客様を誘導します。野菜部門では人気のハクサイ、ダイコンを中心にどんどん売れていき、セロリーやサツマイモなども含め、販売開始から約2時間で用意していた野菜はすべて完売(OBコーナー含む)してしまいました。(ご購入いただけなかった皆さま。本当に申し訳ありませんでした。)

 

 草花部門では、地域の方が毎年楽しみにされているパンジー、ビオラ苗、そしてハボタン苗などなど温室いっぱいに準備した花苗がどんどん減っていきました。

 

  果樹と緑コーナーでは、今年から本格的に栽培を行っている青パパイヤが大人気。さらに有馬高校伝統のギンナンや大型ハボタンもどんどん売れていきました。運搬も大変ですね。

 

 農業と環境コーナーでは今年も大人気のもち米が40分で完売。そして昨年復活した、焼き餅入りぜんざい。1年生の生徒が栽培したもち米で餅をつき、炭火で炙った餅をぜんざいで煮込んで提供。昨年の反省を生かし倍の量を確保しましたが12時過ぎにはすべて完売しました。

 農業クラブコーナーではオリジナルグッズの販売はもちろん、こちらも昨年復活のポン菓子がさらにパワーアップし、生徒自ら栽培した爆裂種のコーンを用いたポップコーンも販売されました。ポン菓子機から大きな爆発音がなるたびに、会場は大盛り上がりでした。

 また、農業クラブフラワーアレンジメント班の生徒によるコサージづくり体験も大人気。子供から大人まで多くの方が体験に挑戦してくださいました。

 

 そして展示コーナーでは、3年生の課題研究ポスターや農業と情報、フードデザインなどの模造紙発表、ハロウィンカボチャの展示、1年生のハクサイ・ダイコン品評会も開催。優秀なハクサイ・ダイコンには金・銀・銅のリボンがつけられていました。

 

 このように人と自然科の生徒が様々な場所でそれぞれが与えられた役割を果たしながら一生懸命農業祭の運営を頑張っていると・・・・やはり出てきてくれました。人と自然科オリジナルキャラクター『ひとっしー』です。生徒が頑張ってくると現れる妖精さんです。たくさんの人と一緒に写真撮影を楽しんでいました。

 

 充実した時間もあっという間に過ぎ、農業祭は終わりを迎えました。みなさん充実した時間が過ごせましたか?自便がやるべきことを考え、主体的に行動できましたか?

 

 閉会式では人と自然科の法被を着た校長先生、育友会会長様より、大成功となった農業祭での生徒の頑張りに対し、お褒めと感謝の言葉をいただきました。また農業クラブ会長より、『皆さん充実した秋の農業祭でしたか?3年生の先輩は残された少ない学校生活を、そして1,2年生の皆さんもこれからの学校生活を今回の農業祭で得た経験を活かして頑張っていきましょう。そしてこれからも人と自然科を盛り上げていきましょう。』との挨拶がありました。

 

  今回ご来場いただきました皆様、人と自然科の生徒が栽培した農産物をご購入いただき本当にありがとうございました。(駐車場も一時満車となり、お待ちいただく時間もありました。長時間並んでくださいましたみなさま、本当にありがとうございました。また数量制限にご協力いただきありがとうございました。)そして今回農業祭を様々な面からサポートいただきました育友会の皆様、イベントを盛り上げてくださった人と自然科OBの農家の皆様、ひまわり特別支援学校の皆様、ほんとうにありがとうございました。

 最後に各学年ごとにクラス写真を撮りました。3年生はもしかしたら最後のクラス写真になるかもしれませんね。のこり3か月。悔いのない高校生活を過ごしてくださいね。

 なお、秋の農業祭はこれで終わりましたが、今後も草花温室ではパンジーやビオラなどのポット苗に順次花が咲いていきます。またハボタン・ぎんなんなどももう少し残っています。来週12日火曜日から平日の9:00~16:00の時間(生徒が頑張って実習をしている時間にはご配慮ください。)随時販売していきます。無くなり次第終了となります。

R6農業祭終了後花販売についてはこちら.pdf

 ご入用の方はぜひ足を運んでみてください。

人と自然科秋の農業祭まであと1日

 有馬高校「人と自然科」で最大の行事である秋の農業祭まで、ついにあと1日となりました。天候にも恵まれ、3時間目から人と自然科1年生から3年生全員で準備を行いました。野菜班、草花班、果樹と緑班に分かれての準備です。ポップづくりや商品の陳列など、わからないことは先輩に聞きながら準備を進めていきました。

 さて、秋の農業祭で中でも毎年一番人気なのが、1年生『農業と環境』の授業で栽培しているハクサイ・ダイコンです。このダイコン・ハクサイを求めて毎年長い行列ができます。 

人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 1年生の生徒は圃場に自分の担当区が設けられ、8月の播種から収獲まで責任を持って栽培し、生産技術を習得します。この日は努力の成果をみんなで収穫しました。

  まずはダイコンの収穫です。

 秋の農業祭に向けダイコンの栽培もスタートしました・・に関する記事はこちら

 収穫適期の見分け方は、胚軸(地上に突き出している部分)が約10cm突き出し、その直径が約7cmとされています。しっかり見分けて抜きましょう。

 立派なダイコンが収穫できました。今年のダイコンはサイズも大きく、そして岐根も少なく、肌も滑らかで・・・最高のでき栄えです。

 

 次はハクサイです。

ハクサイの播種 秋野菜の栽培がスタートしました・・に関する記事はこちら

 最高の一玉を選びます。ハクサイを軽く上から押さえてみて、ふわふわしていなかったらOKです。そして外葉を下に折り、ハクサイを斜めにして、カマの先端で一気に収獲します。

 

 次にハクサイをわきに挟み、鎌で切り口を整えていきます。これが結構難しい・・・時間がかかっている生徒も多かったですが、2玉目になると上手にできるようになってきました。技術の習得です。

 とっても立派なハクサイですね。収穫してみたらしっかり葉が詰まっており、想像以上の出来栄えでした。

 

 そして収獲したダイコンはダイコン洗い機で洗浄し・・・

 ダイコン・ハクサイそれぞれ最も立派に育った自慢の一品は上皿ばかりで重量を測定します。ダイコンは平均1.5キロ前後、ハクサイは平均2.5kg、大きな生徒で4kgを超えている生徒もいましたね。

 

  最後に品評会会場に展示しました。明日の農業祭当日にはハクサイ・ダイコン共に金賞・銀賞・銅賞のリボンが付けられてます。果たして誰が金賞を獲得するのか。品評会会場は農業棟1F廊下です。是非ご覧下さい。

R6秋の農業祭配置図はこちら.pdf

 このほかにも秋の農業祭では、寄せ植えの販売やポン菓子、有馬高校産のもち米を使った炭火焼餅入りおしるこなどの食品バザー、フラワーアレンジメント体験・・・などなど、ここでは紹介しきれない様々な販売物や催し物があり、人と自然科の生徒を中心に地域の皆さまをおもてなしいたします。

 販売は9:00~13:20、野菜などはなくなり次第販売終了です。車でお越しの方は正門より入場していただき、係の指示に従ってください。詳しくはこちらのポスターをご覧ください。

令和6年度秋の農業祭ポスターはこちら.pdf

 皆様のお越しを心よりお待ちしております。

人と自然科 秋の農業祭まであと2日 3年生「課題研究」発表ポスターもぜひご覧下さい 

 秋の農業祭までいよいよあと2日となりました。気になる天候ですが、当初の雨予報から晴れに変わってきてホッと胸をなでおろしています。このまま当日を迎えてほしいです。

令和6年度秋の農業祭ポスターはこちら.pdf

 近づいてきた農業祭に向け、各コース・学年とも実習で準備頑張っています。販売所となるテントの組み立てや地域の方を気持ちよくお迎えするための落ち葉掃除(集めた落ち葉はブドウ栽培などで畑に戻し活用します。)さらに1年生の生徒が栽培したハクサイ・ダイコンの品評会を行う棚の準備・・・など大忙しです。

 さらにこの日は正門入って正面の花壇の装飾も1年生の生徒が行いました。鮮やかな花壇が皆様をお迎えします。

  さて、農業祭といえば野菜や草花苗の販売というイメージが強いかもしれませんが、農産物販売以外にもぜひ皆様にご覧いただきたいのが、人と自然科の学びの成果発表です。会場には生徒の自由研究や夏休みに作った雑草標本の優秀作品、さらには授業で取り組んだ内容についてまとめた模造紙発表などを見ることができます。そして特に注目してほしいのが3年生の「課題研究」のポスター発表です。農業祭に向け先週から3年生の生徒はラストスパートです。

 

 人と自然科では3年生になると『課題研究』という、これまでの学びを活かして自分でテーマを設定し計画、研究し発表するという授業があります。『野菜』『草花』『果樹と緑』の3つのコースに分かれ、自分の力で取り組みます。

R6入学生人と自然科教育課程表はこちら.pdf

昨年度の課題研究発表会の様子はこちら

 農業祭では約10か月間取り組んできた研究内容についてまとめたポスターを一堂に掲示しています。そしてこの日は作成したポスターを廊下に張り出しました。

 野菜コースでは

・スイスチャードのマルチ生育実験

・トマトのプランターと袋栽培の生育比較実験

・イチゴの地植え栽培と鉢植え栽培の比較実験・・・など

 草花コースでは

・多肉植物を食べよう

・シードペーパーづくり~好光性植物の発芽率を上げるには~

・コウモリランとオオタニワタリの繁殖実験  ・・・など

 

果樹と緑コースでは

・パパイヤ酵素の利用

・作庭『有馬富士と花火』

・カブトムシの糞を用いたリーフレタスの水耕栽培実験・・・など

 

 今年の3年生もユニークな研究が多いです。また、ポスターもグラフや写真などを活用しながらわかりやすくまとめられていますね。3年生の「課題研究」ポスター発表は、農業棟1階廊下に展示しています。お野菜や草花苗を販売した後、ぜひお立ち寄りください。

R6秋の農業祭配置図はこちら.pdf

 

 さて、いよいよ明日は前日準備です。人と自然科3学年が一致団結し、農業祭が成功するように頑張りましょう。

人と自然科 秋の農業祭まであと3日  青パパイヤの収穫を行いました

 有馬高校人と自然科最大イベント、秋の農業祭まであと3日となりました。この日は『農業と環境』の授業でハクサイ・ダイコンを栽培している1年生の生徒が生育チェックと収穫の予習を行いました。今年はダイコン・ハクサイともに生育は順調。一方で11月に入っても気温が下がらず、さらに雨と晴が繰り返されたため、病気が少し発生がしてしまい心配しています。収穫は8日(金)を予定しています。

 

 また毎年大人気のモチ米の袋詰め、ギンナンの調整、フラワーアレンジメント体験で使用するリボンの準備・・・など、生徒は農業祭の準備に大忙しです。

 

 さて今年度から新しい教育課程に完全に移行し、人と自然科では3年生に『野菜コース』『草花コース』『果樹と緑コース』の3つに分かれます。

R6入学生人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 新たに新設された『果樹と緑コース』では大人気のブドウを中心とした果樹栽培について学んでいますが、新たな有馬高校の特産として頑張っているのが青パパイヤの栽培です。

ブドウ販売会に関する記事はこちら

 青パパイヤにはタンパク質を消化する酵素パパインや抗酸化作用があるポリフェノールなど、健康効果のある成分が多く含まれていることから、最近パワーフードとして注目されています。今年で3年目を迎えた青パパイヤの栽培は、年々栽培技術が向上し、今年は過去最高の収穫となりそうです。市道脇にはたわわに実ったパパイヤがみられます。(皆さんお気づきになりましたか?)

 農業祭まであと3日ということで、『果樹と緑』の授業で収穫・調整作業を行いました。まずは収穫。はさみで丁寧に切り取ります。切った瞬間、軸から白い液体が出てきます。ここにもパパインなどの有用成分が含まれていますが、肌が弱い人はかぶれてしまうことがあるので注意が必要です。

 

  収穫したら傷つけないよう丁寧に倉庫に運び、並べていきます。

 そして重さをはかり、値段を決めて食品トレイに置き、ラップでくるんでいきます。一番大きなものは2キロを超えているものもありました。栽培を担当した生徒がインターネットでの価格調査なども参考にホワイトボードをを使って討論した結果、今年は大豊作でもあり、なおかつ初めての人にもぜひ一度食べてほしいという気持ちを込めて、昨年度より少し割安に価格設定を行い、50円/100gとしました。(自分たちで価格を決めることも勉強です。)3時間目からは2年生にバトンタッチし、約200玉の青パパイヤを準備することができました。

 あく抜きをした青パパイヤは癖が全くないので、サラダはもちろん、炒め物や煮物など多くの料理に活用できます。触感もよく、生徒が試食したら大好評でした。

 

 有馬高校産青パパイヤは、園芸実習棟 果樹と緑ブースで販売します。

 R6秋の農業祭配置図はこちら.pdf

 有馬高校の新たな特産品をぜひご賞味ください。

人と自然科 第50回さんだ農業まつりに出演 農業クラブ意見発表を披露しました

 11月2日(土)三田市郷の音ホールを中心に第50回さんだ農業まつりが開催され、ステージで人と自然科の生徒3名が意見発表を披露させていただきました。三田市の農業を元気にするこのイベントでは、毎年地元の農家さんが作った自慢の農産物販売や三田産の農畜産物を使用した食品バザー、三田消防署のはしご車の展示、三田牛の競り市…などを通して、地元三田の農業の魅力を発信しています。会場には人と自然を卒業し、三田市で若手農業者として活躍されている先輩も多くいらしゃいました。 この日の天候はあいにくの雨。お客様もまばらでしたが、発表する3人は元気よく会場を訪れました。

 

 このイベントに有馬高校人と自然科は毎年ステージで、農業や環境に関する意見発表を披露させていただいています。さんだ農業まつりのお客様の中には、この意見発表を毎年欠かさず聞きに来てくださる方もいらっしゃいます。本当にありがとうございます。

第50回さんだ農業まつりチラシはこちら.pdf

 ちなみに意見発表とは、農業高校に通う生徒が日頃の学習を通して学んだり考えたりしている身近な問題や将来の問題についての抱負や意見をまとめ、聴衆の前で発表するものです。今年はこの夏の農業クラブ県大会や近畿大会、全国大会に有馬高校や兵庫県、そして近畿ブロックの代表生徒として出場し、最優秀賞受賞など大活躍した3名の生徒が意見発表を披露しました。

 農業クラブ全国大会岩手大会出場に関する記事はこちら

 農業クラブ近畿大会意見発表会最優秀賞受賞に関する記事はこちら

 農業クラブ県大会各種競技に関する記事はこちら

 農業クラブ県大会意見発表会最優秀賞&優秀賞受賞に関する記事はこちら

 例年であれば郷の音ホール駐車場ステージで発表を行っていますが、この日はあいにくの雨ということで急遽郷の音ホールの大ホールで発表させていただけることになりました。舞台袖で待つ生徒を見ていると緊張感が漂っていますね。舞台上に呼ばれいよいよ発表本番です。

 まずは分野Ⅰ類(農業生産・農業経営)に出場した3年生 I.Kさんの発表

 タイトルは 『私の身近で特別な花 ~フラワーロス削減に向けた新たな取り組み~ 』 です

 

  学校のフラワーアレンジメントの授業で使用する生花が、警報による休校で廃棄されかけた経験がきっかけで、フラワーロスを削減と、インターネット販売に押され気味の町のお花屋さんの経営を安定させるための手法として、お客様とお花屋さんを結び付けられるマッチングアプリを開発してみては?という高校生らしい斬新なアイデアを発表してくれました 。

 次は 分野Ⅱ類(国土保全・環境創造)に出場した3年生 N.S さんの発表

 タイトルは『 里山の中で生きる ~カブトムシとともに~ 』です。

 

 自分が生まれ育った地域の里山が荒れていくことに心を痛めていた時、学校の授業で偶然発生したカブトムシの幼虫に注目し、昆虫嫌いの子供達でも親しみやすい小型のカブトムシを実際に完全養殖して販売するとともに、カブトムシの幼虫から発生した糞も土壌改良剤として農業に活用していこう・・・というまさに有馬高校人と自然科でも学びを活かした地域創生に関する発表でした。

 最後は分野Ⅲ類(資源活用・地域振興)に出場した3年生 N.N さんの発表

 タイトルは『 ユニバーサル農園×観光農園 』です。

 

 障害を持っている親友との何気ない日常生活から園芸療法に興味を持ち、高校で挑戦したアメリカ海外研修での体験で感じた多様性についての考えを深め、将来は老若男女、人種や性別、障がいの有無など関係なく、誰でも農業を体験できるユニバーサル観光農園をつくる、という大きな夢を力強く発表してくれました。

 雨の中での開催のため聴衆者は多くありませんでしたが、3人とも全力で発表し、終了後は大きな拍手を頂くことができました。発表終了後は発表の内容についてインタビュー。3人とも学校での学びや将来の夢や目標について力強く応えていました。

 最後に同時開催中の三田市民文化祭で展示されていた、本校の人と自然科フラワーアレンジメント班の生徒が作成した作品の前で写真を撮りました。

 三田市民文化祭エントランスにてフラワーアレンジメント作品がご来場の皆様をお迎えします・・に関する記事はこちら

 雨の中、来場いただき、意見発表を聞いてくださった皆様、本当にありがとうございました。

 ちなみに今回発表した意見発表のうち、分野Ⅲ類(資源活用・地域振興)の3年生 N.N さんの発表は2月1日(土)に有馬高校で開催予定の学習活動発表会でも披露する予定です。

 昨年の学習活動発表会に関する記事はこちら 

 有馬高校保護者の皆さんはもちろん、中学生の皆さんも参加できますので是非お越し下さい(中学生の皆さんは事前申し込みが必要です。詳細は後日中学校や本校HPをとおしてお知らせします。)

人と自然科 三田市民文化祭エントランスにてフラワーアレンジメント作品がご来場の皆様をお迎えします

 11月1日(金)~3日(日)まで、三田市総合文化センター 郷の音ホールにて第57回三田市民文化祭が開催され、有馬高校人と自然科フラワーアレンジメント班の生徒が制作した作品をウェルカムフラワーとしてエントランスに展示させていただくこととなり、前日に設置に伺いました。

 三田市民文化祭は、三田市内で芸術活動を行う団体や個人が日頃の成果を披露するイベントです。この文化祭では、絵画、書道、生け花、手芸など様々な作品の展示や音楽、バンド、舞踊、ダンスの発表が盛りだくさんです。

 第57回三田市民文化祭パンフレットはこちら.pdf

 そして今年の文化祭では応援企画として、人と自然科の生徒が制作したフラワーアレンジメント作品をエントランスに展示させていただくことになりました。

 今回皆様をお迎えするのは、先日まで兵庫県庁2号館ロビーにて展示していた作品をベースにアレンジした作品です。慣れた手つきであっという間に作品を組み立て完成です。

 県庁緑化活動に伺いました(9月は有馬高校の作品が展示されています)に関する記事はこちら

 

 華やかな作品が皆様のお越しをお待ちしております。

人と自然科 2年生の生徒を対象に農業先進地見学を実施しました  後半(県農林水産技術総合センター~パスカルさんだ)

 10月30日(水)に人と自然科2年を対象に実施した、農業先進地見学(バスセミナー)もお昼ご飯を挟み、いよいよ後半戦に突入です。

 2年生の生徒を対象に農業先進地見学を実施しました 前半(兵庫ネクストファーム~農業大学校)に関する記事はこちら

  午後一番に訪れたのは、県立農業大学校の横にある、兵庫県農林水産技術総合センターです。品種改良や新しい生産技術の開発、病気や害虫防除の拠点であり兵庫県の農業振興を担っている施設です。今回は2班に分かれ、野菜・花等施設園芸関係の研究・栽培施設と病害虫防除に関係する拠点施設の見学をさせていただきました。

 

 まずは野菜・花等施設園芸関係の研究・栽培施設の見学。この施設で開発されたイチゴの新品種の紹介や夏の高温などに対応した鉢花の栽培技術について説明をうけた後、今回の目玉であるこの施設で開発した新しいタイプのキクを紹介いただきました。

 キクといえば『仏花』のイメージがありますが、フラワーアレンジやホームユースでも利用できるよう開発されたキク『サンバマム』です。今回5種類品種登録され、ヒマワリのような花が特徴で今後県内に普及していくとのことです。楽しみですね。

 

 そして病害虫防除に関係する拠点施設病害虫部&病害虫防除所の見学です。植物防疫法の基づき設置されているこの施設は、県内各地の農場で発生した病害虫を診断・同定する役割や、早期発見、予測し注意報や警報を発令することで早期対応できるという役割も持っています。特に今年はカメムシ類が爆発的に発生し、8月には注意報を県内に発令したとのこと。確かに今年の夏はたくさんのカメムシが教室に入ってきましたね。農家さんもかなり苦戦されたようです。

 

 さらに従来品と比較し1.6倍の誘引力を持つ害虫誘引シートの開発や、企業と連携し紫外線を活用したハダニの防除技術など、技術総合センターでの最新の成果を紹介していただきました。兵庫県の農業の最先端技術を知ることができた素晴らしい時間でした。県立農林水産総合技術センターの皆さま、お忙しい中本当ににありがとうございました。

 

 そして最後の見学・研修先は有馬高校のすぐ下にある農産物販売所、パスカルさんだです。

 

 県内で1.2位の売り上げを誇るこの施設は、地元農家さんのとってなくてはならない販売の拠点となっています。まずは販売所の見学から。地域の農家さんが様々な農産物を持ち込み、陳列している様子を見学しました。農家さん自身が値段を設定する仕組みで、高すぎると売れ残り、安すぎると収入が減少する。有馬高校で自分たちが栽培している農産物との価格差も感じ、値段を設定する難しさを感じたそうです。

  

 見学のあとは、バックヤードも特別に見せていただき、店長さんからこの施設の概要や仕組みについて説明を受けました。年々売り上げを伸ばしているこの施設。三田の特産品である『三田牛』『三田ピーマン』『黒大豆枝豆』などの販売拠点となっており約500名の農家の方が商品を出荷されているそうで、地域の農家さんの収入増に貢献しているとのことでした。説明の最後には、JA職員の方からこの施設で働いているやりがいについてお話を伺い、生徒も刺激を受けたようです。パスカルさんだの皆さま、ありがとうございました。

 

 人と自然科2年生の皆さん。今回の先進地見学いかがでしたか?学校で学べない技術を見ることができたことはもちろん、普段の座学で学んだ内容を実際に自分の目で確かめることもでき、たいへん有意義な時間となったのではないでしょうか。今回見学させていただき、ご説明いただいた各施設担当者の皆さま、そして全面的にバックアップいただいた阪神農業改良普及センター様、本当にありがとうございました。

 

人と自然科 2年生の生徒を対象に農業先進地見学を実施しました 前半(兵庫ネクストファーム~農業大学校)

 10月30日(水)人と自然科2年生を対象に農業先進地見学(バスセミナー)を実施しました。この事業は普段有馬高校の農場では学ぶことのできない、大規模かつ先進的な農業生産現場、さらには農業普及の拠点のとして設置された公共施設、販売施設の見学を通じて実社会と農業のかかわりなど見識を深めることを目的として行っており、阪神農業改良普及センター様の全面バックアップをいただき開催しています。

 今年度の研修先は(株)兵庫ネクストファーム、県立農業大学校、県農林水産技術総合センター、パスカルさんだの4か所です。昨日まで雨が降っていましたが、日が昇ったら晴天という絶好の研修日和のなか出発です。

 

 最初の研修先は兵庫ネクストファームです。連棟型温室が迎えてくれました。

 

 まず最初に講義室で兵庫県職員の方から施設の概要や設置目的についてお話しいただきした。ひょうご次世代施設園芸モデル団地として平成27年に整備されたこの施設は、敷地面積8.2ha、中玉トマト、ミニトマト合計9万本を栽培している巨大トマト生産施設です。兵庫県は他府県と比較してもトマトの生産量や単位面積当たりの収穫量が低かったという歴史があり、技術の普及という意味でも需要な施設となっています。

 

 いよいよ施設の中に入ります。水耕栽培を行っているこのような施設では、病気や害虫を持ち込まないことが重要・・・ということでエアーシャワーを浴びて入ります。


 担当の方から環境制御技術、防除や施肥などの栽培方法、梱包や販売状況などの説明を受けました。施設はICT技術により気温や湿度、二酸化炭素濃度、日射などを自動で制御し、作物の生育環境を最適化して生産性の向上や合理化を図っています。二酸化炭素は温室の暖房で燃やしたときに発生する二酸化炭素を施用します。

 

 今回は栽培しているゾーンの扉も開けてはみせてもらいました。先が見えない光景に驚きです。8月に定植し、翌年7月まで収穫が続きます。トマトは20m40段まで成長、枝を斜めに倒しながら栽培していきます。

 収穫後の調整、袋詰めも今回見学することができました。まるで工場のように見えますね。ちなみにこの施設は、食品衛生、労働安全、環境保全などに配慮し、適正に農業生産を行っているという国際的な指標である『GGAP』も取得しており、施設内には視覚的に理解できる表示がたくさん行われていました。


 そして一通り施設内を見学した後は自慢のミニトマト、中玉トマトも試食もさせていただきました。合間には積極的に質問している姿も見られましたね。

 

 最後はこの施設の特徴である、LPガスとバイオマスエネルギー(木質チップ)を利用したボイラー施設も見学しました。木質チップは県内の森林組合から提供されており、間伐材を有効活用しているとのこと。環境に配慮した取り組みでした。プールにはいっぱいの木質チップが。これでも約1週間でなくなるようです。ネクストファームの皆さま丁寧に説明していただきありがとうございました。

 

 ネクストファームを出た後、兵庫県立農業大学校に向かいました。

 

 まずは副校長の方から農業大学校いついて説明いただきました。ちなみに県立農業大学校には有馬高校人と自然科からも毎年進学しており、この日も飛び入りで3名の先輩が駆けつけてくださり、農大での寮生活や収穫祭、農家での研修などの説明をしてくださいました。

 R5 人と自然科 進路実績はこちら.pdf

 そして先輩の案内で学校の施設も見学させていただきました。先輩が取り組んでいる卒業論文研究の説明もしてくださり、興味がわいたようです。忙しい中後輩のために時間を作ってくれてありがとう。

 

 さて、いよいよ研修は午後のプログラムに移ります。続きは後半で報告します。

 2年生の生徒を対象に農業先進地見学を実施しました  後半 (県農林水産総合技術センター~パスカルさんだ)に関する記事はこちら

人と自然科 地域自然保護 現地フィールドワークその4 有馬富士公園の『ひみつ』を探ろう

 人と自然科3年生の学校設定科目『地域自然保護』の授業では、今年も県立有馬富士公園をフィールドとし、1年かけて有馬富士公園を訪れるゲストに公園の自然を感じてもらうための体験プログラムを生徒自身が企画し、実践する授業を行っています。

 R6入学生人と自然科教育課程表はこちら.pdf

  9月10日(火)には1学期に公園での体験や学びを通して感じた公園のいいところや改善点などを1枚の有馬富士公園巨大地図にまとめて、たくさんの方の前で中間発表を行いました。

 中間発表会の様子はこちら

 現在は12月に来園者(高校生)に提供する夢プログラムを生徒自らが企画しています。今年もユニーク企画が提案されており楽しみです。

 そんな中10月29日(火)に、元キッピーフレンズの芝様、前中様にお世話になり、5月に気象警報で延期となっていた公園の植物を活用した夢プログラムを体験しました。

 芝様と前中様は以前『キッピーフレンズ』の一員として、有馬富士公園内にある三田市自然学習センターを管理するとともに、小学生を対象に有馬富士公園の自然を活用した様々な体験プログラムを企画、実践されていました。そして現在も有志が集まり、体験プログラムを提供することを通して小学校の環境学習の手助けを行っています。今日はその体験プログラムを私たち高校生が体験しました。

 今回は『有馬富士公園のひみつを探ろう』というプログラムを体験しました。園内の7つポイントをめぐり、そこに隠されているひみつを解き明かしていきます。出発前には事前学習。ウルシやカエンタケなどの危険な植物、マムシやスズメバチ、マダニなどの危険な生き物について写真とともに説明いただきました。

 

 そして早速、園内を探検します。何気なく通り過ぎていた園路脇には『ひみつ』がある植物がたくさん見つかりました。

 

 例えば『ミツマタ』という植物。これは和紙の原料として使われており、みんなが日常生活で使っているお札の原料として使われています。また『マルバアオダモ』という木は野球で使うバットの原材料として使われる樹木です。 

 さらに『ホウノキ』は葉っぱに強い殺菌作用があり、栃木県など一部の地域では、『朴葉味噌』などを代表として葉に食材を巻いて焼いて食べる文化もあります。また『トチノキ』もトチモチとして食材に使われます。そして何気なくあるマツの木は『アカマツ』。マツタケが生える木ですね。(触ってもチクチクしにくいのがアカマツ、チクチク痛いのがクロマツなのだそうです)

 途中2本並んでいる『アベマキ』と『ソヨゴ』の木があり、二つの木を触って比べてみました。アベマキはゴツゴツしていてソヨゴはつるつる。少しひんやり感じます。アベマキの表皮は昔コルクの材料として使われてきたほど表皮が厚く、逆にソヨゴは表皮が薄く、幹の導管が表皮に近いため、ひんやりするのだそうです。

 

 約40分の散策を行い、公園内に隠されたひみつについて体験することができました。振り返りでは、園内にあった『エゴノキ』を水に入れて振ってみると泡が・・・昔洗剤と使われていた植物だそうです。さらにリスが松ぼっくりを食べた後の『森のエビフライ』も観察することができました。(下の写真はリスがかじった松ぼっくりをエビフライ定食に見立てた写真です。面白いですね。)

 

 そして残った時間は自然の恵みを活用したキーホルダーづくりです。先ほどの園内散策でも勉強した『タカノツメ』の小枝を加工し、オリジナルキーホルダーをつくりました。ヤスリで磨いて、好きな言葉を書き込み、フックを付けていきます。世界に一つだけのキーホルダーが完成しました。

 

 あっという間に夢プログラムは終了。体験を通して有馬富士公園の魅力を存分に感じることができましたね。これから体験プログラムを企画していく私たちにとって参考になる時間となりました。芝様、前中様お忙しい中ありがとうございました。

 さて、地域自然保護を受講している皆さん。12月の夢プログラム実践に向け残り1か月半。頑張っていきましょう。

人と自然科 全国産業教育フェア 全国高校生フラワーアレンジメントコンテストに兵庫県代表として出場しました

 10月26日(土)栃木県ライトキューブ宇都宮で、第34回全国産業教育フェア栃木大会 第23回全国高校生フラワーアレンジメントコンテストに、本校人と自然科の生徒2名が兵庫県の代表として出場しました。会場には校長先生も応援に駆けつけてくれました。

  

 毎年開催されている全国高校生フラワーアレンジメントコンテストは、フラワーデザインに関する知識と技術を活用し、自らの考えを表現する力や創造性・芸術性を互いに高め合い、新たな未来を切り拓く職業人としての資質を育むことを目的としています。指定された花材・資材・花器を使用し、テーマに基づいて作品を制作し完成させるというもので、とても難易度の高い技術が必要とされます。

 今年度は農業クラブフラワーアレンジメント班に所属し日々技術を習得している2年生の生徒2名が兵庫県の代表選手に選ばれました。今回出場した選手は春に開催されたもう一つの全国大会、第19回NFD全国高校生フラワーデザインコンテストでも入賞した生徒です。

 第19回NFD全国高校生フラワーデザインコンテストにて銀賞・銅賞・奨励賞受賞しました・・に関する記事はこちら

 選手に選ばれた後、生徒は大会での入賞を目指し、顧問の先生や「ひょうごの達人」事業を活用してきていただいている講師の先生の指導を受け、練習を重ねてきました。   

 

 事前に発表された今年のテーマは「 Imagination」

 使用する花材は八重ユリ、バラ 、キンギョソウ、カーネーション 、スプレーマム、グロリオサ、ヒペリカム、ウンリュウヤナギ、レザーファン、ユーカリ、ニューサイランで、多くが栃木県産の花材でした。そして今回の特徴は乾燥させた穂付のムギとシクラメンの葉を作品に取り入れるという、難易度高めの内容でした。

 制作時間60分で作品を創り上げます。最後の掃除までが協議に含まれます。日頃の成果を発揮し、納得のいく作品ができたとのことです。  

 完成された作品はこちらです。

 まずはI.Kさんの作品です

   

 作品コンセプト:今地球は温暖化や砂漠化、戦争などにより荒れ果ててしまった土地があります。そんな中でも地球上の素晴らしいものを船に積み込み、大きな穂を風に揺らしながら新しい場所にゆっくり進み、地球が形や場所を変えながら残り続ける未来を想像しました。

 次にS.Aさんの作品です

  

 作品コンセプト:多くの経験を積み、多様な人とのかかわりを通して『私』が形成される過程を想像してみました。。私が歩む道をニューサイランで、人生の困難をギザギザに組み立てた麦わらストローで表現しました。そんな中でも自分自身の軸を持ち、生きていく様子を凛と立つ麦や花の茎で表現し、美しく咲く花をその先にある『希望』や『感情』に見立てました。

 そしていよいよ、結果発表。

 

 最後まで名前が呼ばれず、今回は入賞を逃してしまいました。残念。でも校長先生から話を聞くと、『どの作品よりも独創的で素晴らしい作品で、絶対入賞していると思える作品だった。自信をもってね』とのことでした。ありがとうございます。

 

 1.2年生の皆さん来年こそは入賞、そして全国制覇を目指して頑張りましょう。そしてこれから入学してくる中学生の皆さん。私たちと一緒にフラワーアレンジメントを学んでみませんか?待っています。

人と自然科 第75回日本学校農業クラブ全国大会岩手大会に出場 農業鑑定競技会で優秀賞を受賞しました

 10月22日(火)~24日(木)『農業高校の甲子園』『農業高校のインターハイ』と称される、日本学校農業クラブ全国大会令和6年度岩手大会が開催され、本校人と自然科からも意見発表会で県大会、近畿大会ともに最優秀賞を受賞した生徒が近畿ブロックの代表として、農業鑑定競技会で県大会を1位、2位通過した2名の生徒が兵庫県連盟の代表選手として出場し、農業鑑定競技会分野果樹に出場した生徒が見事!優秀賞を受賞しました。県大会・近畿大会の様子については以下のリンクをご覧ください。

 

 第72回兵庫県学校農業クラブ連盟大会 今年も人と自然科生徒が大活躍 前編 (大会1日目)

 続 第72回兵庫県学校農業クラブ連盟大会 今年も人と自然科生徒が大活躍 後編 (大会2日目)

 第72回近畿学校農業クラブ連盟大会意見発表会 最優秀賞受賞 全国大会出場決定しました

 

 まずは意見発表会。会場は盛岡駅前にある、いわて県民情報交流センター(アイーナ)です。

 

 22日(火)は開会式とリハーサルです。全国9つのブロック大会を勝ち抜いた代表が集い、生徒実行委員長からあいさつがあり、明日の本番に向けにマイクの音量や高さなどを確認しました。さすがは全国のブロックを勝ち抜いた選手で、リハーサルでレベルの高さがうかがえました。

 

 そしていよいよ23日(水)発表当日を向かえました。この日は早朝6時30分からホテル近くの城跡公園に向かい朝練です。盛岡市内を見下ろしながら最後の練習。ばっちりのタイムで準備万端。会場に乗り込み本番です。

 

 本校生徒は9人中発表順番2番。タイムは6分49秒。(7分を超えると減点となります)想いがこもった悔いのない発表を行うことができました。 

 

 ちなみに今回の全国大会で発表、そして県大会で優秀賞を受賞した意見発表は11月3日(土)に郷の音ホール駐車場で開催されます、第50回さんだ農業まつりのステージにて聞くことができます。ぜひお越し下さい。

第50回さんだ農業まつりチラシはこちら.pdf

  次に農業鑑定競技会です。会場は岩手県立花巻農業高校体育館です。

 

 大会では校内大会、県大会を勝ち抜いた全国のクラブ員が1000人以上集まります。競技は10の分野に分かれ競技を行います。有馬高校からは分野果樹と分野草花に一人ずつ出場しました。選手以外は立入禁止ということで中の様子が全く見られないので、以下3年前に有馬高校で開催、運営した県大会の様子を参考にご覧下さい。

 2年前に有馬高校で開催した、農業クラブ県大会農業鑑定競技会の様子はこちら

 競技後2人に手ごたえを聞くと、自己採点は40点満点中20点台後半だったようです。今年から分野が大きく変更したこともあり、初めて学ぶ内容も多く、難易度も高かったようです。

 そして日は変わり・・・最終日は、全ての競技に出場した選手、引率職員約4000名が大会式典会場である盛岡市総合アリーナに集結します。

 

 農業高校生の熱気に会場は包まれていますね。岩手県のマスコットキャラクターとも写真を撮りました。校長先生とも合流し、結果報告です。

 まずは各都道府県連盟旗の入場です。兵庫県も本年度県連盟事務局の播磨農業校の会長が堂々と入場しました。まるで甲子園ですね。

 

 そして日連会長や文部科学大臣、農林水産大臣の名代の方、そして岩手県知事からあいさつがあり、いよいよ結果発表です。最優秀賞者の名前が呼ばれ、その場にスポットライトが照らされます。

 結果は目標であった日本一は逃しましたが、農業鑑定競技会分野果樹に出場した1名が見事優秀賞を受賞することができました。意見発表会に出場した選手に話を聞くと、「悔しいけど本格的に準備、練習が始まった5月から本当に長かった。やっと肩の荷が降りた。全力で発表できたので悔いはない』とのこと。農業鑑定競技会に出場した生徒からも「最優秀賞をとりたかったけどやり切った。今度は後輩がこの舞台で最優秀賞をとってほしい』とのこと。3人とも全国大会の舞台で有馬高校人と自然科の名を轟かせてくれました。ご苦労様でした。

 

 そして最優秀賞者模範発表の後、大会旗が岩手県から次期開催県の山梨県へと引き継がれ、最後はFFJの歌。全国の農業高校生が歌える歌を約4000人の参加者全員で斉唱し、大きな拍手の中大会は幕をとじました。

 

 1.2年生の皆さん、今年の先輩の活躍に負けないように頑張りましょう。そして中学生の皆さん。ぜひ、人と自然科に入学して、農業高校の甲子園で全国優勝を目指してみませんか?

 

 人と自然科に入学してくれるのを、生徒も農場の先生も、みんなで心から待っています。

人と自然科 ひとはく連携セミナー5回目 植物の移動方法について学ぶ

 10月4日(金)人と自然科1年生学校設定科目「人と自然」の授業で、今年度第5回目となる「ひとはく連携セミナー」を行いました。

 人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 有馬高校人と自然科と県立人と自然の博物館の間では生徒のセミナー受講について協定を結んでおり、年間8回、県立人と自然の博物館を訪れ、博物館の専門員から、各分野のユニークかつ専門的な講義を直接受講することができます。前回第4回目も太田菜央研究員より、『鳥たちの多彩なコミュニケーション』をテーマに行動動物学について講義をいただきました。

 ひとはく連携セミナー4回目 鳥たちの多彩なコミュニケーションについて学ぶ に関する記事はこちら

 今年度第5回目となるこの日は『種子散布の生態学』と題して、藤井俊夫研究員より、植物が生息域を広げていく技ついて学びました。皆さんご存じのとおり、植物は固着生活をするものがほとんどで、ウキクサなどの一部を除き一度種子から発芽し定着するとその個体は自分で移動することはできません。そんな植物が他の場所に移動する手段は、果実や種子に工夫して様々な場所に移動していきます。今回は植物の散布体の構造や散布方法について講義いただきました。

 前述のとおり、植物は次の世代の子孫を親から離れたところや生育に適している環境に送り出すための様々な工夫をしています。送り出す果実や種子を散布体といい、送り出す仕組みを種子散布と呼びます。

 

 次に種子散布の方法についても学びました。タンポポやイロハカエデのように果実や種子に翼や羽毛を持ち、風に飛ばされやすくなっている『風散布』、ヒメモダマやハスなど川や沼などの淡水、海流などによって種子が運ばれる『水散布』マンサクやホウセンカなど果実が割れるときの勢いを利用するなどして植物自身の力で種子を飛ばす『自動散布』オオオナモミやイノコヅチなど動物などの体に付着して移動する『付着散布』、鳥や哺乳類に果実ごと食べられて種子が運ばれる『動物散布』などなど、様々な方法で植物の種子が運ばれていることも学びました。

 

 さらに果実の分類についても学び、おなじみの被子植物と裸子植物はもちろん、裂開花や閉果、複合果など果実のつくりの細かな違いについても学ぶことができました。そして最後に様々な種子や果実の標本や図鑑や資料も見せてくださり、実際に手にとってみることができました。

 

 ドングリだけの図鑑などマニアックな本もあり、生徒はとても興味を抱いたようです。生徒の感想を見ると、今まで知らなかった方法で植物が生息範囲を広げていることに驚き、さらに植物への関心が高まったとのことでした。藤井俊夫先生、興味深い講義をありがとうございました。

 

 次回第6回目のひとはくセミナーは、衛藤彬史研究員より『未来に残したい農業や農村の持つ魅力』をテーマに、失われつつある日本の農業とその価値について講義をいただく予定です。農業を学んでいる私たちにとって楽しみな内容ですね。

人と自然科 『農業と環境』の授業で栽培したモチ米を稲刈りしました

 10月7日(月)人と自然科1年生『農業と環境』の授業で稲刈りの実習を行いました。『農業と環境』の授業では、イネの栽培、生育を学ぶためにモチ米『ヤマフクモチ』を栽培しています。6月には手植えによる田植え実習を行い、これまで水管理や除草作業など、頑張って栽培してきました。

 『農業と環境』の授業で田植え実習を行いました・・・に関する記事はこちら

 そして10月に入り稲穂が垂れ、籾の90%以上が黄金色となり、いよいよ収穫となりました。  

 実習を前に担当の先生から収穫方法に関する説明を受けました。 籾の先端についている『芒』と呼ばれるとげが実習服の中に入るとかゆくなるため、ボタンをしっかりとめ、タオルを首に巻きます。そして鎌の使い方。刃がギザギザしている『鋸鎌』を使い、(普通鎌よりも痛く、治りにくいので)万が一にも手を切ってしまうと大変です。手袋の着用、そして『イイね』のように親指を上に向けて稲を握る(順手といいます)など、絶対に手を切らないための稲穂の持ち方、そして収穫後のイネの束ね方などを教わりました。

 

  しっかり学んだ後はさっそく実習開始です。6月に自分で田植した田んぼを囲んでみんなで刈っていきます。この日の天候は曇り時々雨。今にも雨が降りそうな空のもと、手刈りしていきます。

 

 先生に教えていただいた方法で丁寧に刈っていきます。

 

 そして刈ったイネ5株を束ね、麻紐でくくって稲束にします。この時緩むことなくしっかり結ぶことがポイントです。

 

 有馬高校では束ねた稲束を天日干しするため、はざかけ(垂木に稲束をかけること)します。乾燥機で一気にするのとは異なり、ゆっくり時間をかけて乾燥を行うことで、甘みやうま味、粘りが増すと言われています。有馬高校ではる程度天日干し、そして仕上げを乾燥機で行うハイブリッド乾燥を行っています。さらに脱穀(稲穂から籾を外すこと)後の稲わらや、もみすり(籾からもみ殻を外すこと)後のもみ殻も野菜や花の栽培でマルチングや堆肥として活用しています。イネは米だけでなく、すべてに価値があるんですね。

 

 最後に田んぼに残された落ち穂をみんなで拾います。一粒たりともムダにできません。お茶碗約30杯分の落ち穂が集まりましたね。

  途中雨が降り、雨宿りしてやり過ごす時間もありましたが、 どうにか2時間の実習は終了。最後に集合写真を撮りました。

 

 今回収穫したもち米は、11月9日(土)に開催される農業祭にて販売する予定です。(毎年大人気で、一瞬で売り切れます。)そして今年もこのモチ米を用いて餅をつき、炭火で焼き、おしるこに入れて振る舞う『炭火焼餅おしるこ』を販売する予定にしています。ちなみに今回収穫したもち米以外にも、ダイコンやハクサイなどの野菜、パンジー、ビオラ、ハボタンなどの草花苗、その他ギンナンや青パパイヤなどの農産物販売も行う予定です。

 昨年度の秋の農業祭に関する記事はこちら

皆様のご来場をお待ちしています。

人と自然科 令和6年度農業クラブ後期総会を開催しました

 9月30日(月)人と自然科の1~3年生の生徒全員が講義棟に集い、令和6年度有馬高校農業クラブ後期総会を開催しました。

 

 学校農業クラブとは、全国の農業系高校で農業を学ぶ生徒が全員所属している組織で、農業を学ぶ人と自然科の生徒も全員農業クラブ員です。農業に関する授業や実習はもちろん、日ごろの農業に関する学びを活かしたボランティア活動や、研究・学習の成果を競い合う各種競技会など、活動は多岐にわたります。そして農業クラブ会長を中心に構成される本部役員が、人と自然科をまとめる役割も果たしています。

  前期副会長による開会のことばの後、まずは本日をもって農業クラブの職を終える前期会長より退任あいさつがありました。

 『コロナ前の先輩方の活動や伝統をなかなかうまく引き継ぐことができず、わからない部分も多くあった中でも人と自然の生徒全員で試行錯誤しながら一つ一つの行事を作り上げることが難しくもあり楽しくもありました。今日で私たち3年生の役員の任期は終了しますが、卒業するまで有馬高校農業クラブの一員として、第68代目会長が率いる新たな農業クラブの活動を支えていきたいと思います。1年間本当にありがとうございました。』という感謝の言葉があり、会場からは前期会長に大きな拍手が送られました。

 

 次に成人代表あいさつ。校長先生から、前期会長へのねぎらいと新会長への激励の言葉があり『農業クラブやフラワーアレンジメントの全国大会に出場している人と自然科の生徒の活躍を聞くたびに、うれしく思っています。これからも人と自然科が盛り上がるように頑張ってください』との言葉をいただきました。

 議長の選出後いよいよ議事に移り、そして新役員の承認です。

 新副会長候補から事前に立候補していた11人の新役員候補の紹介が行われ、採決の結果、全会一致(大きな拍手)で承認されました。そして新たに就任した新会長より『先輩方が築いてくださった伝統や想いを受け継ぎ、執行部役員を含めた21名で、人と自然科が盛り上がるように一生懸命頑張っていきますのでよろしくお願いします』との決意表明がありました。

 

 そして単位クラブ旗の引継ぎです。68年間有馬高校農業クラブの活動を見守ってきたクラブ旗が、前会長から新会長へ『頑張ってください』『応援しています』の言葉と共に引き継がれ、会場大きな拍手に包まれました。

 

 総会後は発表披露です。今回は第72回兵庫県学校農業クラブ連盟大会意見発表会(学校での学びや様々な体験を通して感じた意見を7分以内で発表する競技)分野Ⅰ類に出場し、優秀賞を受賞した生徒が模範発表を行いました。

 第72回兵庫県学校農業クラブ連盟大会 今年も人と自然科生徒が大活躍 前編 (大会1日目)に関する記事はこちら

 続 第72回兵庫県学校農業クラブ連盟大会 今年も人と自然科生徒が大活躍 後編 (大会2日目)に関する記事はこちら

 想いのこもった素晴らしい発表で、会場にいる全員が聞き入ってしまいました。ちなみにこの発表も含め、有馬高校の代表生徒として出場した意見発表会に出場した3人の発表は、11月2日(土)に郷の音ホール駐車場で開催されます、第50回さんだ農業まつりのステージにて聞くことができます。(11時30分頃の出場予定です。)ぜひお越し下さい。

 さらに、プロジェクト発表会(学校でのプロジェクト研究を10分以内で発表する競技)に出場した研究発表は、10月26日(土)に開催予定の有馬高校第3回オープンハイスクールの学科説明会の中で発表する予定です。中学生の皆さん、楽しみにしていてください。さらにさらに、来年2月1日(土)に有馬高校で開催予定の学習活動発表会においても、意見発表・プロジェクト発表を披露する予定です。

 昨年度の学習活動発表会の様子はこちら

 続いて全国大会壮行会。新本部役員事業の生徒からこの夏の大会の結果、そして10月22日(火)から岩手県で開催される第75回日本学校農業クラブ全国大会に出場する3名の生徒と、10月25日(金)から栃木県で開催される第23回全国高校生フラワーアレンジメントコンテストに兵庫県の代表として出場する2名の生徒が紹介されました。

  

 そして全国大会に出場する選手代表より『今までの努力を自信に変え、全国大会で活躍できるように頑張ってきます。皆さん応援よろしくお願いします』と意気込みの言葉があり、会場全員で拍手で激励しました。

 最後はFFJの歌斉唱。全国の農業系高校で歌われる農業クラブ連盟歌をみんなで熱唱しました。多くの3年生にとってはおそらく最後のFFJの歌の斉唱。歌い終わった後には自然と拍手が沸き起こりました。

 

 そして新副会長による閉会の言葉で無事総会は終了しました。

 

 本日の総会をもって農業クラブ本部役員を引退した3年生の役員のみなさん。お疲れさまでした。そして人と自然科のために一生懸命頑張ってくださりありがとうございました。1.2年生の皆さん。先輩から引き継いだ熱い想い、人と自然科の伝統、先輩の活躍を超えられるように頑張っていきましょう。

人と自然科 三田市こうみん未来塾・祥雲SSHシンポジウム『生物多様性って誰のため?』にお邪魔しました

 9月28日(土)三田祥雲館高校にて三田市こうみん未来塾 祥雲SSHシンポジウム(祥雲生きもの教室スペシャル)が開催され、人と自然科3年生果樹と緑班の生徒が研究発表&パネリストとして参加しました。三田市の協力のもと三田祥雲館高校が開催しているこの会は、地域の児童・生徒がサイエンスに対する興味関心を深めること、地域の自然環境に対する理解を深めることなどを目的に開催されているものです。

 

 ちなみに・・・シンポジウムの前には『ミニマルシェ』が開催されました。三田祥雲館高校の生徒は、『園芸入門』などの授業で栽培している落花生を販売。そして私たち、人と自然科は、実習で栽培しているキュウリやサツマイモ、そして昨年度から果樹と緑班が本格的に栽培を始めた青パパイヤとバナナを販売しました。大温室で栽培している貴重な国産バナナは量り売り、そして青パパイヤはレシピ付きで販売し、たくさんの来場者にご購入いただきました。

 マルシェで賑わいを見せた後はいよいよシンポジウムスタートです。まずは研究・活動発表。トップバッターは有馬高校カブトムシ班『放置竹林問題に立ち向かえビートルズ!』です。今年の農業クラブ県大会プロジェクト発表会で優秀賞を受賞した研究発表です。

第72回兵庫県学校農業クラブ連盟大会 今年も人と自然科生徒が大活躍 前編 (大会1日目)に関する記事はこちら

続 人と自然科 第72回兵庫県学校農業クラブ連盟大会 今年も人と自然科生徒が大活躍 後編 (大会2日目)に関する記事はこちら

 発表した3名の生徒が課題研究の授業で行っているこの活動。

 人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 竹林実習で発生した間伐材をパウダーに加工したものを飼育マットに小型のカブトムシを養殖、販売することで里山管理の資金を得ると同時に、カブトムシの幼虫から排出される糞も土壌改良剤として活用しようというユニークな研究で、聴衆者の方の反応も上々でした。

  

 次は株式会社コスモス食品様の『おいしいをつくる多様な生きものたち』です 。コスモス食品様はフリーズドライの食品を製造販売されている会社ですが、地域の乳酸菌や酵母菌、そして日本の代表的な菌でもある麹菌の力を活かして調味料を開発されています。まさに生物多様性を活かした取り組みですね。

 

 最後の発表は生態学者の岡野 淳一様の『三田市皿池湿原公園の生粒多様性』です。三田市北部にある皿池湿原公園は、多くの昆虫や植物の絶滅危惧種が生息しています。『自然を守る』と聞くと、人間が手を触れてはいけないというイメージがあるかもしれんが、皿池湿原は人の力が加えられてこそ守られる湿原です。人間と自然の関係性について考えさせられる発表でした。

 研究活動発表のあとは基調講演。コンサベーションインターナショナルジャパンの浦口 あや様による『自然を守ることは人間を守ること』です。世界中で起こっている自然破壊の現状、そして原因を読み解き、なぜ生物多様性が必要なのか、私たち人間が何をすべきなのかについて、主に熱帯の開発途上国での事例をもとにご講演いただきました。

 

 最後はパネルディスカッションです。ファシリテーターとして人と自然の博物館三橋 弘宗研究員の進行のもと、有馬高校生を含むこの日発表したメンバーがパネラーとして壇上に上がり、それぞれの発表に対する質疑応答や、感じたことなどをパネラー同士、そして聴衆者とも共有することができました。有馬高校カブトムシ班の発表にもたくさん質問をいただき、本当にうれしかったです。

 

 あっという間にシンポジウムは終了。終了後も参加した中学生や三田祥雲館高校の生徒、講演いただいた浦口さんや三橋先生とも情報交換を行うことができ、たいへん有意義な時間となりました。

 

 今回のシンポジウムにお招きいただきました三田祥雲館高校の皆様、本当にありがとうございました。

人と自然科 ひとはく連携セミナー4回目 鳥たちの多彩なコミュニケーションについて学ぶ

 9月20日(金)人と自然科1年生学校設定科目「人と自然」の授業で、今年度第4回目となる「ひとはく連携セミナー」を行いました。

 人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 有馬高校人と自然科と県立人と自然の博物館の間では生徒のセミナー受講について協定を結んでおり、年間8回、県立人と自然の博物館を訪れ、博物館の専門員から、各分野のユニークかつ専門的な講義を直接受講することができます。前回第3回目も高橋 鉄美研究員より、『タンガニイカ湖での調査』をテーマに古代湖に住む魚の生態やそれを通した進化について講義をいただきました。

 ひとはく連携セミナー3回目 アフリカの古代湖の魚から進化について学ぶ・・・に関する記事はこちら

 第4回目のセミナーは太田菜央研究員より『鳥たちの多彩なコミュニケーション』と題し講義をいただきました。

 皆さんも毎日、通勤通学の途中や公園での散策などの時に鳥たちの鳴き声を耳にすると思います。またTVの特集などでも、鳥たちがダンスをしたり羽を広げたり、つつき合ったりする姿を見たことがあるのではないでしょうか。このような生き物の行動が、どのようになぜ行われているのかを生物学的な視点から調べる学問を『動物行動学』と言います。早速先生からは鳥たちが繰り広げる行動の意味についてたくさん紹介いただきました。

 先生のお話によると、鳥たちコミュニケーションを行う行動とヒトの言葉とは共通性があるとのことで、例えば鳥のさえずりは学習によって獲得されること、そしてその行動はお手本を聞いて練習をすることが必要、さらに音の並びには規則性があり、私たちが話す文法とよく似ていることなどが挙げられます。そこに手足や胴体、頭など体の一部を動かすことで情報の送受信を行う鳥もおり、このような行動を『マルチモーダルコミュニケーション』と呼ぶそうです。

 具体的な一例として『ルリガシラセイキチョウ』の求愛行動について説明いただきました。この鳥はオス・メスともに歌とダンスで求愛行動をとるそうで、巣材を咥えながらまるでタップダンスをしているかのようにジャンプを繰り返し、歌を歌います。そしてパートナーが近くにいるときにはジャンプのテンポが増え、歌の量が減るという行動を見せるそうです。このような一例のように、鳥たちは多様な信号を使ってオスとメスが双方向的にコミュニケーションをとっているとのことです。

 

 また、鳥たちが最もコミュニケーションツールとして活用しているのは音ですが、これは伝わる範囲が広く、姿が見えなくても視界が悪くても伝わるという利点があります。その音は『声』だけではありません。例えば『アカオタガモ』という鳥はくちばしを使ったドラミングを行ったり、『ヤシオウム』という鳥は、木の実などをたたいて音を出します。さらに『キガタヒメマイコドリ』や『レンジャクバト』などの鳥は羽を震わせたり大きく羽ばたくことで音を出し、警戒音を仲間に伝えるという行動をとります。本当に鳥の行動は奥が深いですね。生徒はノートやタブレットにメモを取りながら、真剣に講義を聞いていました。

  最後に先生から、『発声行動以外のコミュニケーションの研究はまだまだ発展途上。録画や解析などの手法が発展してきた現在、これから様々なことが解明される可能性がある』とのことでした。そして『オウフクチョウ』のはく製も間近でみせて下さり、生徒は熱心に観察していました。講義後の感想を見てみると、かなりの生徒が興味を持って講義を聞いていたようで『通学中や屋外での活動中に鳥を見つけたら、気にして観察したい』という声も多かったです。太田先生、興味深い講義をありがとうございました。

 

 さて、次回第5回目のひとはく連携セミナーは、10月4日(金)『種子散布の生態学』と題して、藤井俊夫研究員より、植物が生息域を広げていく技ついて学ぶ予定です。次回の講義も楽しみなテーマですね。

人と自然科 2024ひょうごまちなみガーデンショーin明石に出展しています

 9月22日(日) ~ 9月29日(日)の期間、兵庫県立明石公園にて、2024ひょうごまちなみガーデンショーin明石が開催されています。今年で32回目を迎えるこのイベントは、花と緑に関する県民の意識の向上や、花と緑あふれるまちづくりや暮らしづくりを後押しするためのイベントです。

 2024ひょうごまちなみガーデンショーin明石開催要項.pdf

 そしてイベントの展示の一つとして、県下の農業高校の生徒が自分たちでデザイン・施工した自慢の庭を展示する、アグリハイスクールガーデンが開催されており、有馬高校人と自然科も、3年生『果樹と緑コース』で学んでいる生徒が、『課題研究』の授業の中で、作庭に取り組みました。

  人と自然科教育課程表(課題研究・果樹と緑コースは3年生の欄をご覧ください)はこちら.pdf

 担当した生徒は夏休み中にも学校に登校し、竹林から竹を切り出し、加工を施し、準備を進めてきました。

 

 今週に入ってからは早朝の時間にも登校して試作を行い、毎日下校時間ぎりぎりまで先生と一緒に頑張っていた姿が印象的でした。

 

 そしていよいよ開催期間直前の9月20日(金)に明石公園を訪れ、作庭を行いました。 作庭は1.5m×2.3mの木枠の中に作成していきます。

 今回はダイアンサス・コリウス・ミントリーフ・トレニアなど季節の草花やリュウノヒゲなどの緑化材料6種類の植物を木枠にちりばめながら植栽していき、約4時間かけて作品を完成させました。

 

最後に今回の作品でもっともこだわった、竹で作った竹灯籠の生垣を後方に設置し完成です。

 完成した作品はこちら。

 

 テーマは『有馬富士と花火』です。竹灯籠に花火を描き、三田の夏をイメージした作品です。竹灯籠は電動ドリルで一個一個穴をあけたそうです。

 また、流木で有馬高校が位置する三田の象徴『有馬富士』を、そしてその麓にある『福島大池』を寒水石で表現しています。手作りのししおどしがかわいらしいですね。色とりどりの草花苗ともマッチしています。

 

 作庭した生徒からのコメント、『見てくださった方が心を落ち着かせるような庭に仕上げました。よかったら見に来てくださいね。』とのこと。今回作庭した作品は、9月29日(日)10:00~16:00(最終日は15: 00まで)明石公園に展示しています。(明石城公園入口の橋を渡ったときうち太鼓のあたりにあります。)

 期間中明石公園を訪れた際は、是非有馬高校人と自然科の生徒が作庭した庭を探してみて下さい。

人と自然科 ブドウ販売会終了 ご購入ありがとうございました

 9月11日(水)、13日(金)、18日(水)の3日間、人と自然科の生徒が授業で栽培したブドウ(ベリーA、ピオーネ、マスカットオブアレキサンドリア)の即売会(本校保護者、生徒限定)が各学年ごとに開催され、無事終了しました。

 有馬高校にブドウの季節がやってきました(収穫調査)・・・に関する記事はこちら

 さて、販売前の収穫です。ブドウは気温が上昇してから収穫すると日持ちが悪くなる(脱粒しやすくなる)と言われています。そこで今年は新たな取り組みとして、放課後(7時間目)に実施する『総合実習B』の当番実習授業を、収穫日に限り早朝の時間(0時間目)に実施してみました。

人と自然科教育課程表はこちら.pdf 

 朝7時20分点呼に欠席者もなく全員集合完了。何よりもブドウの品質第一です。

  

 各日約800~900房を収穫します。

 『朝の実習、農業高校生って感じで最高ですね』『早朝の農業実習・・・これこそ農業高校生の青春ですね』収穫を担当した生徒から前向きのコメントが多く聞かれ、担当者もとてもうれしく感じました。

 生徒自ら収穫したブドウは販売に向けて、調整、包装、袋詰めを行いました。栽培を担当した2年生、3年生「果樹と緑」の授業だけでなく、「総合実習」や他の農業科目でも少し助けてもらいながら、1年生から3年生まで手分けをして行いました。

 しわしわになったり、中で傷んでいたりしでいる粒がないかどうか確認し、ハサミで一粒一粒調整していきます。今年は特に夏の雨不足で、粒がしおれてしまっているものが出ていたので大変でした。商品を販売しお金をいただくということで、真剣に調整していきます。

 

 そして調整したブドウをランク付けしていきます。有馬高校人と自然科に脈々と引き継がれる伝統として、房のつまり具合で3つにランク付けし、上と中のランクのブドウをセロファンの包装紙に丁寧に包みます。(一番下のランクのブドウはご自宅用として、そのままレジ袋に詰めます。)そして1袋に2~3房で重さをはかり、レジ袋に入れ価格を決定します。

 

  このように調整、袋詰め、確認作業は販売直前まで行われ、ダンプに積み込み、販売会場となる体育館前の販売準備です。机を並べ、のぼりを立て、準備万端です。

 

 いよいよ販売開始。販売前から整理券を求め、たくさんの方が集まってくれました。ほんとうにありがとうございました。

 

 販売は放課後の農場当番(「総合実習B」)の授業で、1年生から3年生が一緒になって行いました。放課後の農場当番は行います。3年生の先輩のリーダーシップのもと、学年を超えて連携し、販売を行います。

 

 今年度からコンピュータを使ったレジシステムを導入しました。(少しお時間いただきました。待っていただいてありがとうございました)記入していただいた注文票を受け取り、会計を行っている間に後ろで待機している生徒が商品を準備します。そして売り切れた品種、ランクを一覧表に線を引いていきます。(最終日は売り切れシールを貼りました。)どんどん無くなっていきましたね。

 

  今年はジベレリン処理や、整房作業もうまくいき、9月初旬にはなかなかの出来栄えとなりました。一方で台風などの直撃は免れたものの、過去例がない高温が続きました。特に9月に入ってからも高温が続いたためブドウが熟しすぎてしまい、特に3連休を挟んだ最終18日(水)の販売では、少し味が落ちてしまったことが悔やまれます。来年は収穫時期(販売日含む)を前倒しすることも今後検討します。

 さらにもう一つ脅威だったのがアライグマによる害獣被害です。電柵は張ったものの、ちょっとした隙間(電線と地表の微妙な高さ)から侵入し、何度も食害を受けましたが、その都度生徒は考えて対策を行い、大切なブドウを守ることができましたね。 

 そして畑の面積が限られているため、今年度も予告通り数量制限をさせていただきました。ご理解ご協力ありがとうございました。

 

 このように大盛況であったブドウ販売は3日間で合計375名(昨年比46名増)の方に来場いただきました。栽培・販売を担当した生徒は、喜んで買ってくださるたくさんの生徒、保護者の姿を見て、やりがいを感じられたとのことでした。暑い中、ご来校いただいた保護者の皆さま、総合学科の生徒の皆様も、本当にありがとうございました。人と自然科の学びについて少しでも理解してもらえたらうれしいです。

 次回の販売イベントは秋の農業祭です。頑張って準備していきましょう。

人と自然科 秋の農業祭に向けダイコンの栽培もスタートしました

 9月に入りましたが、まだまだ暑い日が続いています。今年の夏は全く終わりが見えませんね。そのような中、9月9日(月)に人と自然科1年生『農業と環境』の授業では、ダイコンの栽培がスタートしました。

 人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 『農業と環境』の授業では、2学期にダイコン・ハクサイの栽培を行い、作物栽培の基礎基本を学びます。夏季休業中にはハクサイも播種(たねまき)しましたね。

 夏休みの実習 ハクサイの播種 秋野菜の栽培がスタートしました・・・に関する記事はこちら

 まずはダイコンを栽培する圃場の準備です。前週の『総合実習』の授業で、トラクタで耕した圃場の畝端を切る実習(作物の成長を促すために、排水をよくする作業です)をしてダイコンの播種(たねまき)の準備をしました。

 さて、いよいよ播種(たねまき)当日です。実習を前に、一連の作業内容を実演してもらいます。しっかり先生の説明を聞きましょう。

 まずは万能クワを使って畝の床を平らに整地します。次にクワの側面や手を使って、深さ約3cm2条(2列)でにさく条(溝を切ること)します。クワを上手く使うことは農業の基本ですね。

  そして、ダイコンの種子を1カ所3粒ずつ、株間30cm千鳥播き(互い違いにずらして播く方法)で落としていきます。後から間引きをするため、種子が隣とくっつかないように三角形に、それぞれ約1センチ離して置いていきます。ちなみに今年度は『YRくらま』という品種のダイコン栽培します。青首総太りで病気に強く、甘みがある品種特性を持っています。

 

 その後、土が乾燥しにくくなるように稲わらを数本置き、覆土(稲わらが飛ばないための重しも兼ねて)します。覆土が厚すぎないようにするのがポイントです。

 

 そして最後に潅水します。農業の基本、発芽の3要素は『温度・水・酸素』ということで、水かないと発芽しません。たっぷり潅水しましょう。

 

 そして観察を続けると・・・・二日後の水曜日には播種したダイコンは発芽していましたね。

 

 「農業と環境」の授業では自分の担当区域が設けられ、1人1人が責任を持って管理を行い、技術を習得していきます。今回播種(たねまき)したダイコンは11月中旬に収穫適期を迎え、秋の農業祭で販売されます。

 昨年度秋の農業祭の様子はこちら

 今年度の秋の農業祭は11月9日(土)を予定しています。販売はもちろん、例年一番自信のあるダイコンを一堂に展示し、品評会も行います。立派なダイコンが収穫できるように楽しく管理を頑張りましょう。

人と自然科 地域自然保護 ありまふじ公開セミナー 中間発表会を行いました

 人と自然科3年生学校設定科目『地域自然保護』の授業では、県立有馬富士公園をフィールドとし、1年かけて公園を訪れるゲストに公園の自然を感じてもらうための体験プログラムを生徒自身が企画し、実践する授業を行っています。

 人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 授業は4月からスタートし、今日まで公園を管理しているパークセンター職員から説明を受けたり、実際に公園で活躍されている夢プロ団体の皆さんから里山を活かした体験プログラムを受けたり、昆虫採集をしたり、自分たちで公園内を調査したり・・・とにかく公園について知る活動を続けてきました。

 『地域自然保護』今年もスタートしました・・に関する記事はこちら

 『地域自然保護』 現地フィールドワーク 有馬富士公園について知る・・に関する記事はこちら

 『地域自然保護』 現地フィールドワーク 里山を存分に楽しむ・・・に関する記事はこちら

 『地域自然保護』 現地フィールドワーク 里山管理を体験する・・・に関する記事はこちら

 『地域自然保護』 現地フィールドワーク 有馬富士公園の昆虫を調査する・・・に関する記事はこちら

 そして9月10日(火)には1学期に公園で体験し、学んだことを1枚の有馬富士公園巨大地図にまとめ、 アドバイザーとしてお世話になっている、人と自然の博物館研究員の先生方、管理者であるパークセンター職員、行政からは宝塚土木事務所の職員をお招きし中間発表を行いました。

 この日に向けて生徒は同じ班の生徒同士でディスカッションを重ね、一生懸命準備してきました。

 

 そして発表当日も、直前まで役割分担など最終をしていました。

 

 いよいよ発表スタートです。1班10分から15分の持ち時間で発表を行います。

 

 まず自分たちで考えた班名について紹介した後、夢プログラム体験や公園を散策しながら調査して感じたことについて発表します。

 そして公園で3か月間活動したからこそ気づいた、有馬富士公園の魅力、そして改善点について行政や管理者であるパークセンターの方に直接伝えました。

 

 そして最後は自分たちがホストとして提供したい夢プログラムの企画案を紹介しました。有馬富士公園の見どころをめぐるクイズラリーや謎解き、園内の植物や絶景を説明する看板やQRコードの設置など、高校生らしいアイデアが多く提案されました。

 発表後の質疑応答でも、職員だけでなく生徒からもたくさん質問や意見の発言があり、時間が足りないほど活発な意見交換が繰り広げられました。

 

 ちなみに各班が作成した模造紙はこちら。

 

 生徒が自分たちで描いたイラストや、有馬富士公園の見どころの写真が多く紹介されているこれらの模造紙は、有馬富士公園内にある三田市自然学習センターに一定期間展示させていただきます。公園を訪れた際はぜひご覧ください。

 さて中間発表も終わり来週からは、実際に来園者に提供する夢プログラムを高校生が企画していきます。そして12月には実際に高校2年生の後輩を有馬富士公園に招待し、自分たちが企画した夢プログラムを実践します。

 昨年の先輩が企画・実施した夢プログラムに関する記事はこちら

 大変ですが楽しみながら頑張っていきましょう。最後に中間発表を聞きに来てくださいました皆様、忙しい中お越しいただきありがとうございました。 

人と自然科  有馬高校にブドウの季節がやってきました(一般販売はしておりません)

 いよいよ新学期を迎えました。様々な作物を栽培している人と自然科では、大型台風の接近にやきもきしましたが、被害もほとんどなくほっと胸をなでおろしています。そして在校生、保護者の皆様に心待ちにしていただいているブドウもいよいよ収穫となりました。

 ブドウ栽培もスタートしました・・に関する記事はこちら

 ブドウ栽培 ジベレリン処理を行いました・・に関する記事はこちら

 ブドウの栽培 現在摘粒作業中です・・・に関する記事はこちら

 収穫までもう一息 ブドウの袋掛けを行いました・・・に関する記事はこちら

 今年の夏休みは後半までほとんど雨が降らず、かん水作業が大変でした。そしてもう一つ頭を悩ませたのがアライグマによる食害です。電気柵を張るなど対応しましたが、少しの隙間から潜り抜け、何度か被害にあってしまいました。

 夏休み中のかん水作業や草刈り作業も少し紹介している、フラワー装飾技能士に挑戦しました・・・に関する記事はこちら

 そして校内販売を前に、ブドウの栽培を主に担当した3年生、2年生の生徒が品質を確認するため、お試しで収穫し、調査をしました。さあ、ブドウ畑に入っていきましょう。

 

 まずは3年生。果樹と緑コースを選択している14名の生徒が高級ブドウのピオーネを担当しました。たくさんある房の中から調査用の1房(一番立派な房)を選びます。窓から色づきを確認し・・・

 

 どきどきしながら袋から取り出してみると・・・立派なピオーネが顔を出しました。

 

 早速収穫しましょう。ゆっくり丁寧にハサミを入れていきます。

 

 屈折糖度計で糖度を、上皿ばかりで重さを測定し、データを記録します。大きさも700g前後にそろっていました。目標一房600gなので、なかなかの出来栄えです。糖度は目標17度をほぼすべての房がクリアしていました。

 そして2年生の生徒も、学校設定科目(有馬高校人と自然科にしかない科目)『果樹と緑』の授業で栽培したベリーAの収穫、調査を行いました。

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 全員初めての収穫ということで、担当の先生から収穫方法について説明を受けます。ブドウは粒に『ブルーム』という粉のような油脂成分をまとっており、これをとらずに収穫、調整することがポイントです。

 

 3年生同様丁寧にはさみを入れ、ゆっくりと袋から取り出してみると・・・

 濃紫色のブドウが顔を出しました。房も詰まっており、摘粒作業がうまくいっていますね。

 

 早速収穫。丁寧にはさみを入れていきましょう。自慢の一品です。

 収穫後持ち帰り重さを量ってみると・・・ベリーAの糖度の目安の17度をほぼ全てが超えており、20度近くある房もありました。また重さは600g~900gと言うことで少しばらつきがあり、大きく作りすぎた房もありましたね。来年果樹と緑コースを選択し、ピオーネを栽培する生徒は再チャレンジしましょうね。

 

 さて、有馬高校ではピオーネ、ベリーAの他に、マスカットオブアレキサンドリアの栽培をおこなっています。そして収穫したブドウは有馬高校保護者、生徒限定で販売します。(以前は一般の方にも販売していましたが、販売数が限られているため、地域の方にご迷惑をおかけしてしまったことが理由で、現在一般販売はしておりません。本当に申し訳ありません。)

販売日時は学校行事等を考慮し

第3学年保護者・生徒 9月18日(水)15:40~

第2学年保護者・生徒 9月11日(水)15:10~

第1学年保護者・生徒 9月13日(金)15:10~

 です。詳しくは生徒が持ち帰った『有高産ブドウ販売会について』のプリントをご覧ください。(保護者の方が来校していただく際、当日このプリントが保護者である証明になりますので必ずご持参ください。)

 整理券の配布についてですが、今年度は6時間目の授業で販売会場準備を行う予定にしており、目安として準備が終了した14時15前後から整理券を配布する予定です。(あくまでも目安です。)

  また、ピオーネ、マスカットは数が少ないため、例年一人1セットの数量制限をお願いしています。(特に今年は樹の更新を行っているため、ピオーネが例年よりも少なめとなっています。)授業の一環と言うことでご理解ご協力をよろしくお願いします。

 

 みなさまのお越しをお待ちしております。

人と自然科 県庁緑化活動に伺いました(9月は有馬高校の作品が展示されています)

 夏休みも残り1週間を切りました。人と自然科の生徒は変わらず当番で『総合実習』(別名:農場当番)という授業に取り組んでいます。今は9月に入ってすぐに始まる、秋野菜(ダイコン・ハクサイなど)の栽培準備を頑張っています。

 さて、8月28日(水)人と自然科のフラワーアレンジメント班の生徒4名が兵庫県庁を訪れ、緑化活動を行いました。兵庫県には農水産高校が12校あり、1年を通して各校が輪番で県庁2号館ロビーに草花苗や観葉植物などの各校の特色を活かした実習作品を展示し、庁舎の緑化ならびに環境整備に貢献しています。

 昨年度(令和5年度)県庁緑化活動に対し教育長より感謝状をいただきました・・・に関する記事はこちら

 今年度有馬高校は9月を担当します。本来ならば8月の終わりに作品を設置予定でしたが、台風10号の接近により前倒しで伺いました。

 令和6年度も人と自然科農業クラブフラワーアレンジメント班が担うことになりました。展示に向け5月からデザインを考え、6月から作品の制作に取り掛かり、夏休み中も毎週登校し作品を完成させてきました。

 

 ちなみに有馬高校人と自然科といえばフラワーアレンジメント。フラワーアレンジメントに関する知識や技術を集中して学習できる学校設定科目『フローラルアート』があり、集中的に技術を習得することができます。

 人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 さらに技術を向上させたい生徒は、農業クラブフラワーアレンジメント班に所属し、国家資格のフラワー装飾技能士の資格取得やコンテストへの参加などで大活躍しています。

 夏季休業中資格取得第4弾 国家資格フラワー装飾技能士に挑戦しました・・に関する記事はこちら

 第19回NFD全国高校生フラワーデザインコンテストにて銀賞・銅賞・奨励賞受賞しました・・に関する記事はこちら

 第22回全国高校生フラワーアレンジメントコンテストに兵庫県代表として出場 銅賞受賞・・・に関する記事はこちら

 話を戻し設置当日、公用車に作品を慎重に積み込み・・・県庁に到着。作品を壊さないように慎重に降ろしていきます。

 

 そして学校で練習したとおり作品を組み立てていきます。

 

  最後に全体を見て微調整。納得のいく作品を展示できたようです。

 

 完成した作品はこちら。タイトルは『季節のアルバム~守りたい自然と伝統~』です。

 作品コンセプト

 日本の四季折々の自然や伝統的な行事を大切にし、これらの美しい景色を残していきたい、という想いを込めて制作しました。カラフルな花を使用し、多様な生き物たちが生き生きと活動する様子や、私たちの季節ごとの思い出を表現しています。

 

 人と自然科で農業とそれを取り巻く環境を学んでいるからこその作品ですね。ポイントは後方の4つの作品。それぞれ春夏秋冬を表しています。

 作品にはあちこちに個性あふれる多様な生き物たちが隠れていますので是非探してみてください。最後に記念写真です。

 私たちの力作は、9月いっぱい、県庁2号館ロビーにて展示しています。県庁を訪れる際はぜひご覧ください。

人と自然科 夏季休業中 農業インターンシップに5名の生徒が頑張りました

 いよいよ夏休み最終週となりました。これまでもブログで紹介してきましたが、人と自然科の生徒は資格取得や農業クラブの各種競技会などなど充実した時間を過ごした生徒が多かったですね。そして夏休み中は当番で『総合実習』(別名:農場当番)という授業があり、作物の管理実習を学んできました。

 人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 1年生の夏休み当番実習の一コマ ハクサイの播種 秋野菜の栽培スタートしました・・・に関する記事はこちら

 夏休み中の『総合実習』と並行して行われたのが、農業インターンシップです。ひょうご農林機構、そして阪神農業改良普及センターのご支援で将来本気で農業をやりたい、将来農業関連の大学や大学校に進学し就農したい、農業関連産業への就職を目指したい、目標実現のため実践的な農業を学びたいという生徒を対象に農業インターンシップを企画・実施しています。今年は5名の生徒が兵庫県内、そして有馬高校がある三田市で活躍されている4軒の先輩農家様にお世話になり、栽培・管理方法や流通、販売、さらには心構えなどを直接ご指導いただきました。

 それでは今年お世話になった農家さんでの研修を報告します。

 まずはたつの市にある『株式会社博農』です。ニンジンやキャベツ、ブロッコリー、ダイコンなどの野菜類を中心に大規模に栽培されている農業法人です。中でもお客様のニーズに合わせた、野菜のオーダーメード栽培が特徴です。そして代表取締役の八木さんは後継者育成にも力を入れておられ、多くの研修生を受け入れ、就農に導いておられます。

 

 今回は5月に開催された、第1回農業法人仕事説明会に参加し、八木さんから直接農業に対する熱いお話を伺い、ぜひ株式会社博農で夏休みに農業インターンシップを行いたい、と申し出た生徒2名が研修を行いました。

 5月に開催された、第1回農業法人仕事説明会に参加しました・・に関する記事はこちら

 2名の生徒は3泊4日で農業インターンシップを行いました。終了後に話を聞くと、基礎的な技術を学ぶ学校とは少し異なり、大規模経営だからこその発展的な技術が体験できたとのこと。さらに技術習得はもちろん、作業中や一緒に食事をとったりする時間に、八木社長や他の研修生と農業に関する様々な話をしたことが、一番ためになったとのことでした。 そして、将来農業に関する仕事に就きたいという気持ちが強くなったそうです。

 

  次は『おおにし農園』です。おおにし農園では、多品種の作物を、農薬をできる限り使わない農法で栽培し、直接消費者に新鮮な野菜を届けておられます。そして将来三田市で農業をやりたいという研修生も積極的に受け入れている農家さんです。おおにし農園さんには、農業系の大学進学後、就農、もしくは関連産業への就職を希望している1年生の生徒が6日間お世話になりました。

 

 研修中は早朝よりスイートコーンの出荷準備や、学校では栽培していないバターナッツやプッチーニ、コリンキーなど野菜の収穫、調整作業、圃場での谷上げ作業や除草作業、そして直売所であるパスカルさんだへの出荷作業も経験させていただいたようです。終了後感想を聞くと、実際に農家さんの下で農業を体験し大変さが分かったが、それと同じくらいたくさんの学びを得ることができた。ここで学んだことは今後あらゆる場面で活かしていきたい・・・とのこと。充実した実習となったようです。

 3軒目は『今西農園』です。本校のOBでもある今西さんは、高校時代の学びを礎に、洋ランの切り花農家として経営をスタートさせました。現在は阪神間唯一のカトレアに特化した経営をしておられ、年間約3万輪を生産。国内にとどまらず海外にも出荷しておられる三田市の認定農業者です。今西農園では、どうしても花卉農家で研修をしたいと強い希望を持っていた2年生の生徒が6日間実習を行いました。

 

 研修中は、カトレアの切り花の出荷補助はもちろん、親株の移動や害虫防除に関する作業など、現在は洋ランの栽培を行っていない有馬高校では学べないことをたくさん経験できました。そして、実際に今西さんが栽培しているカトレアを使ったフラワーアレンジメントも教えていただきました。有馬高校でも授業でフラワーアレンジメントを学んでいるため、今後の学びに活かせる体験だったようです。実習中には草花苗や切り花などで経営を成立させる難しさなど、実践的なお話も聞くことができ、充実した研修となったとのことでした。

 最後は三田市にある『中上農場』です。中上さんも本校の卒業生で、トマトやキュウリ、軟弱野菜などの施設野菜を複合的に栽培し経営されており、親方農家として多くの研修生を受け入れ、新規就農者を輩出されている兵庫県農業経営士の農家です。中上農園では農業関連学科への進学、そして将来は農業関連産業への就職を目指している、2年生の生徒が6日間研修を行いました。 

 実習ではキュウリの収穫や、ツルの管理、トマトの管理作業、そして最終日に巡回に行かせていただいたときには、キュウリ栽培に向けた支柱の組み立ても学んでいました。研修後に話を聞くと、学校の実習よりもさらに大変で、農業を営むことの厳しさを感じたとのこと。でもそれと同じくらい農業のやりがいも感じられたと笑顔で話してくれました。そして、研修中に中上さんの御婆様からいただいた『農業は栽培過程が一番重要だよ』という言葉がとても印象的で、農業への思いがさらに強くなったとのことでした。

 

 5人とも農家で実践的な管理や収穫、調整などの技術を学ぶことはもちろん、農家の方々から実際に農業経営していく上での厳しさや楽しさなど、現実的なお話をたくさん聞かせていただいたこと、そして同じ研修生と思いを分かち合ったことが印象に残った、とのことでした。これこそが農業インターンシップの意義だと思ってます。今回の経験を活かし、将来の進路につなげてください。

 今年度お世話なりました農家の皆様、そしてこのような機会をつくっていただいたひょうご農林機構、阪神農業改良普及センターの皆様、本当にお世話になりました。ありがとうございました。

人と自然科 第72回近畿学校農業クラブ連盟大会意見発表会 最優秀賞受賞 全国大会出場決定しました

 夏休みも残り10日程となり、高校野球夏の甲子園も決勝を残すのみ。今年は私たち人と自然科の生徒と同じく農業を学ぶ仲間である、秋田県立金足農業高校が甲子園に出場し、本校の人と自然科の生徒も応援団を結成し、吹奏楽部とともに甲子園に応援に行きましたね。

 高校野球甲子園 秋田県立金足農業高校応援に関する記事はこちら

 そんな中、有馬高校の実験室をのぞいてみると、必死に発表練習を頑張っている生徒が・・・ 

 農業高校生の甲子園に向け頑張っている生徒でした。農業高校生にとっての甲子園といえばもちろん、農業クラブ連盟大会ですね。8月21日(火)~22日(水)兵庫県加西市民会館に、近畿6府県から農業高校生が集結し「農業高校の甲子園(地区最終予選)」第72回近畿学校農業クラブ連盟大会が開催されました。

 この大会には近畿各府県大会を勝ち抜いた選手が出場。有馬高校からも7月の兵庫県学校農業クラブ連盟大会意見発表会にて最優秀賞を受賞した生徒が、兵庫県の代表選手として出場しました。

 第72回兵庫県学校農業クラブ連盟大会 今年も人と自然科生徒が大活躍 前編 (競技会当日)に関する記事はこちら

 第72回兵庫県学校農業クラブ連盟大会 今年も人と自然科生徒が大活躍 後編 (大会式典・結果発表)に関する記事はこちら

  この大会で最優秀賞(1位)を獲得した生徒のみが、近畿ブロックの代表選手として、全国の農業高校生8万人の頂点を目指し、10月に岩手県で開催される全国大会に出場する権利を得ることができます。まさに甲子園ですね。

 お昼ご飯には、京都府連盟の生徒と一緒にお昼ご飯を食べました。全国の農業高校生と交流できるのが農業高校・農業クラブ活動の魅力ですね。

 ちなみに話を聞くと、一人の生徒は京都府連盟会長で、開会式で旗手をもって入場する生徒で、そして二人は同じ意見発表会に出場する選手とのこと。お互いの健闘を誓い合いました。

 そして開会式。

 近畿ブロックに所属している2府4県の連盟旗入場です。今年は兵庫県が近畿ブロックの事務局を担当しているため、兵庫県連盟旗が最後に入場です。

 

 開会式の後、いよいよ競技が始まります。発表を前に誰もいない会場の隣の公園で最後の練習です。タイムもばっちりで準備万端です。

 

 そしていよいよ競技開始。この日は日頃の研究成果を10分以内で発表するプロジェクト発表会

 

 そして学校での学びや様々な体験を通して感じた意見を7分以内で発表する意見発表会が行われ、近畿ブロックただ一つの代表枠を争います。本校から兵庫県代表として出場したN.Sさんは分野Ⅱ類(国土保全・環境創造)に出場。

 背中から緊張感が伝わってきますね。発表順位は3番です。

  発表のタイムは6分54秒(7分を越えると減点となります)で、発表内容もノーミス。発表後本人に尋ねると、少し力んでしまった。もっと気持ちを込めて発表できた・・・とのこと。本当に意識が高いですね。

 日は変わり、8月22日(木)大会2日目です。舞台上には最優秀賞受賞者に授与される盾とトロフィーが並べられていました。

 

 いよいよ結果の発表です。最優秀賞の名前が呼ばれその場で立ちます。

 なんと本校から出場したN.Sさんが意見発表会分野Ⅱ類で見事最優秀賞を獲得。10月22日(火)~24日(木)に開催される第75回日本学校農業クラブ全国大会令和6年度岩手大会に、近畿ブロックの代表として出場が決まりました。有馬高校人と自然科としては意見発表会3年連続の出場となります。

 表彰式では、近畿学校農業クラブ連盟より賞状とトロフィーを、そして毎日新聞社様より賞状と盾を頂きました。

 表彰後はプロジェクト発表会・意見発表会で最優秀賞を獲得した生徒による代表者模範発表です。本校のN.Sくんも前日の競技会よりもさらに完成度の高い素晴らしい発表で、発表後会場からは大きな拍手が沸き上がりました。

 

 そして来年度近畿ブロック連盟の事務局校(近畿大会の運営を担当)である、奈良県立磯城野高校の代表生徒からのあいさつ、そして全員で農業クラブイメージソング『美しい未来へ』を熱唱しました。(歌手のさだまさしさんが作詞・作曲された曲です)

 

 そして会場全体で手拍子が起こる中、2府4県の連盟旗が退場し、大会は成功裏に終了しました。運営を担当された兵庫県立播磨農業高校の皆さま、本当にありがとうございました。

 

 大会も無事終了。そんな時、昨日一緒に昼食をとり、意見発表会Ⅱ類でライバルとして戦い、優秀賞(2位)を受賞した京都府連盟の選手が『全国大会に行けなかった僕の分まで頑張ってほしい』と激励に来てくれました。二人は握手をしてお互いを称え合い、そして『全国大会で最高の発表ができるように頑張る。ありがとう。』と応えていました。

 最後に記念写真です。今回は意見発表会の校内代表に選ばれてから約4ヶ月間、指導を担当された先生と一緒に写真を撮りました。

 

 県大会・近畿大会で有馬高校農業クラブを応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。すでに農業鑑定競技会で全国大会出場を決めている2名の選手とともに、全国大会岩手大会での全国制覇を目指し残りの2か月間頑張ります。1.2年生の皆さんも大活躍の先輩を目標に、日々の授業や実習を頑張っていきましょう。

人と自然科 ハクサイの播種 秋野菜の栽培がスタートしました

 お盆も終わり、いといよ夏休みも後半戦に突入しました。(生徒の皆さん、宿題は計画的に進んでいますか。)そのような中、人と自然科の生徒は『総合実習B』の授業として、当番制で実習を行っており、野菜の播種や鉢上げ、ブドウの収穫の準備、剪定枝や竹林の間伐材のチップ化・・・などの実習をとおして知識や技術を学んでいます。

 

 そして8月19日(月)の実習では、1年生の生徒が『農業と環境』の授業で栽培を学ぶハクサイの播種を行いました。

人と自然科教育課程表はこちら.pdf 

 『農業と環境』の授業では2学期にハクサイとダイコンの栽培を学びます。ちなみに1学期にはスイートコーンの栽培を学び、7月には北摂第一幼稚園の園児と一緒に収穫会を行いました。とっても楽しかったですね。

農業と環境 園児の皆さんと一緒にスイートコーンの収穫を楽しみました・・・に関する記事はこちら

 話を戻し、早速ホワイトボードで本日の実習内容について説明を受け、さらにたねまきの方法について実演を通して学びました。ちなみに今年度栽培するハクサイは『黄づつみ73』という品種で、半分に切ったら中央が鮮やかな黄色で、なにより根こぶ病や黄化病などの耐病性があるのが特徴です。

 

 説明を受けた後、早速実習開始です。 まずは3号ポリポットをトレイに並べ、培養土を入れます。水がたまる約1センチのスペースを確保するのがポイントです。

 

 そして、指で植え穴を開け、種子を落としていきます。ハクサイの種子は非常に細かいため、今回はコーティング種子(小さな種を機械などで播種しやすいように加工されている種子)を使います。

 

 種子を落とした後は、両側の土を寄せ覆土します。ハクサイは好光性種子なので、深くなりすぎないように(もちろん種子が浮き出ないように)するのがポイントです。

 

 播種したポットを並べ、かん水をしたら播種は終了です。培養土の量もほぼ一定ですね。入学して約5か月が経ち、少しずつ技術が身についていますね。

 

 『農業と環境』の授業では、2学期に入るとすぐにダイコンの播種を行う予定です。そして自分の担当区が設けられ、生徒が責任を持って管理を行います。11月上旬には収穫を迎え、秋の農業祭(今年は11月9日(土)を予定しています)で販売、品評会を行う予定です。

 昨年度秋の農業祭に関する記事はこちら

 秋の農業祭に来られる地域の方に喜んでもらえるように、立派なハクサイを栽培しましょうね。

 ちなみに・・・ハクサイの播種が終わった後も、ハクサイ・ダイコンの栽培を行う圃場の土壌消毒に関する実習や・・・

 5月に田植えをしたもち米の除草

 5月に行った田植え実習に関する記事はこちら

などなど様々な実習を通して技術を学び、充実した時間となりましたね。暑い中の実習お疲れさまでした。

人と自然科 夏季休業中資格取得第4弾 国家資格フラワー装飾技能士に挑戦しました

 夏季休業もあっという間に後半戦に突入しました。相変わらず人と自然科の生徒は「総合実習B」の実習授業(別名農場当番)で当番で生徒が登校し、作物の管理を頑張っています。今年は雨がほとんど降っていないので、かん水作業が本当に大変です。

人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 

 さて、人と自然科の生徒は夏季休業中も、それぞれの興味関心、将来の進路実現を目指し、様々な資格取得に励んでいます。先日も3つ目の建機系資格として、伐木等業務(チェンソー)特別教育に関する記事を紹介しました。

 夏季休業中資格取得第3弾 伐木等業務(チェンソー)特別教育を実施しました・・に関する記事はこちら

 そしてチェンソーの資格取得を頑張っているちょうどその頃、学校の造園材料実験室(別名フラワーのお部屋)をのぞいてみると・・・

 こちらも真剣な表情で頑張っている”人と自然科”の生徒の姿がありました。8月10日(土)に実技試験が行われたのが、フラワーアレンジメントに関する国家資格、フラワー装飾技能士です。今年度は、農業クラブフラワーアレンジメント班に所属している2年生の生徒4名が3級に挑戦しています。実技の試験合格に向け4月から基礎的な練習を開始。実技試験前には特別非常勤講師の先生を招いてより一層力を入れて練習を行ってきました。(ちなみに昨年は2級にも3名の生徒が合格しています。)

 3級の実技試験の内容は、花束(リボン含む)、ラウンドアレンジメント、そしてブートニアの制作です。すべての作品を時間内に規定通りの形に制作しなければ合格できません。そのため、繰り返し練習を行いました。

 一つ目は花束(リボン含む)の制作です。制限時間は35分。まずはリボンは約3分を目安に垂を10センチになるように測り、ねじりながら形を整えていきます。そして花束本体を制作していきます。カーネーションの花を30cmにカットし、アセビやレザーリーフをスパイラル状に重ねていきます。そして最終的にアーチ状になるように微調整して完成です。

 スタンダードカーネーションが正三角形と正六角形になるように、そして花よりアセビが出ないように調整するのがポイントです。

 

 次はラウンドアレンジメント。制限時間は30分です。まずは専用のかごに吸水性フォームをセットし、底辺のスタンダードカーネーションを6本、正六角形に配置します。次にレザーリーフを間に刺していき、その上にスプレーカーネーションを配置していきます。そして中心に18cmのスタンダードカーネーションをまっすぐ配置し、ドーム状になるように高さと角度を調整し、最後にアセビでスポンジを隠すように埋めていき完成です。

 

 ポイントはアセビが花よりも出ないこと、あとは円錐状になってしまわないように角度を調整することがポイントです。

 

 最後はブートニア。制限時間は25分です。まずはリボンの準備です。7cmにリボンを切りファイブループを作りワイヤーで固定します。そしてレザーリーフファンとアセビ、デンファレをそれぞれ既定の長さにカットし、ワイヤリングとテーピングの技術を用いて軸を曲げながら組み立てていきます。

 最後にリボンで巻き上げ、事前につくっておいたリボンをつけ完成です。

 実技試験では制限時間内に正確に制作する必要があり、ストップウォッチを片手に何度も繰り返し練習をしていました。そして来る8月10日(土)の実技試験に挑戦しました。生徒に聞くと、練習の成果が十分に発揮でき、全員手応えがあったとのことです。

 ちなみに7月14日(日)には筆記試験がすでに終わっており、あとは8月下旬の結果発表を待つばかりとのことです。全員合格できていることを祈りましょう。

 ちなみに・・・今年は農業クラブフラワーアレンジメント班に3名の1年生が入部しました。人と自然科の卒業生の中には、取得した資格を活かし、フラワーアレンジに関係する仕事に就いている先輩もたくさんいらっしゃいます。夢の実現に向け、頑張りましょう。応援しています。

人と自然科 夏季休業中資格取得第3弾 伐木等業務(チェンソー)特別教育を実施しました

 8月に入っても暑い日が続いていますね。そんな中でも人と自然科の生徒は総合実習Bの実習授業(別名農場当番)に毎日当番で生徒が登校し、作物の管理を頑張っています。

 そして夏季休業中多くの生徒が頑張っているのが資格取得です。人と自然科の生徒は在学中、漢字検定やビジネス文書実務検定などの一般的な検定はもちろん、日本農業技術検定やフラワー装飾技能士、生物分類技能検定など農業学科で学んでいるからこそ取得可能な資格取得にも挑戦することができます。先日も夏季休業中の実施する資格取得第2弾として、フォークリフト技能講習を実施しました。

 夏季休業中資格取得第2弾 フォークリフト技能講習を実施しました・・・に関する記事はこちら

 そしてこの夏最後の建機系最後の資格として、8月3日(土)~8月5日(月)の3日間、1年生から3年生の希望者26名を対象に、伐木等業務(チェンソー)特別教育を実施しました。(私有地の木を切るなど、個人でチェンソーを利用する場合は資格は必要ありませんが、将来企業や自治体活動で使用する場合は資格(特別教育の受講)が必要となります。)

 

 まずは有馬高校にて2日間、学科講習と簡単な実技講習です。座学では伐木等作業に関する知識、チェーンソーに関する知識、振動障害及びその予防に関する知識、関係法令の4項目を学びます。

 スライドや映像を用いて、伐木する際の刃の入れ方や、木の倒し方などの伐木技術、チェンソーに使用するの燃料や潤滑油、機械の握り方や姿勢、振動障害やその予防、災害事例、関係法令など、安全にチェンソーを操作する知識についてしっかり教えていただきました。

 

 2日目の後半からは実習服に着替えて実技に入っていきます。実技前、最後の座学は関係法令についてです。安全に関する様々な決まりについて学びました。

 

 そしていよいよ実技スタート。安全装具の着脱を学んだあと、翌日実際に使用するチェンソーを使ってエンジンのかけ方を学びました。 翌日の伐木実習にむけ準備は万端ですね。ちなみに2・3年生の生徒で農業機械の授業を選択(以下の教育課程表参照)している生徒は、エンジンのかけ方や構造についてスムーズに理解できましたね。

R6入学生人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 

 3日目は会場をキャタピラー講習センターに移し、いよいよ伐木実習です。

 

 まずは伐木の準備。昨日までの座学で学んだ内容を活かし、燃料である混合油とチェンソーオイルを充填しエンジンのかかり具合を確認します。 

 そして安全用具を着用しエンジンをかけて・・・

 

 まずは基本の切り方である丸太の玉切りを想定した鋸断(きょだん)です。最初は教習所の講師の先生方の手助けを頂きながら進めていきましたがすぐに慣れ、一人で切断できるようになりました。農業機械はとにかく使うことで上達します。

 待ち時間は小屋の中で目立ての練習です。作業中の事故原因のほとんどが目立てが不十分で刃の切れ味が悪く、余計な力を加えてしまうことだそうです。丸棒やすりを使って、やすりの角度を約30度で研いでいきます。

 

 現場に戻ります。次に突っ込み切り。刃の先端を丸太にさして四角形、もしくは三角形に抜く切り方です。刃が丸太の中に入ったら見えないので難易度が高くなります。上手く抜けましたね。

 

 そしていよいよ立木の伐倒です。

 

 学科講習で学んだ通り、まず倒したい方向に受け口を作ります。水平に下切りし、角度30~45度で斜め切りします。

 

 そしてチェンソーの刃を丸太の中心に入れ、切れ込みを作る芯切りを行った後、追い口切りです。反対側に受け口の高さ2/3程度に刃を入れます。その際切り込みすぎず『つる』と呼ばれる切り残される部分を残しておくことがポイントです。

 

 そしてくさびを打ち込み、倒していきます。

 

  切り口を見てみると・・今回は少し短いですが『つる』と呼ばれる部分が残っていますね。この『つる』があることによって安全に意図した方向に倒すことができます

 

 予定していた実技講習も無事終了し、最後はメンテナンスです。

 

 講習を受けた26名全員がライセンスを取得することができました。受講した皆さん。3日間の講習お疲れさまでした。今年度夏の建機系資格はこれで終了。来年度はアーク溶接・刈払い機・小型車両建設機械の3つの資格取得講習を予定しています。(1年おきに交互に実施しています。)人と自然科の皆さん。自身のスキルアップのために在学中様々なことにチャレンジしましょう。

人と自然科 夏季休業中資格取得第2弾 フォークリフト技能講習を実施しました

  夏季休業に入り、あっという間に7月が終わりましたね。夏季休業中も人と自然科の生徒は総合実習Bの実習(別名農場当番)や・・・

 オーストラリア短期研修(現在絶賛アップ中のブログ参照 人と自然科の生徒も2名参加しています)や農業クラブ県大会・・・

 第72回兵庫県学校農業クラブ連盟大会 今年も人と自然科生徒が大活躍 前編 (大会1日目)に関する記事はこちら

 続 人と自然科 第72回兵庫県学校農業クラブ連盟大会 今年も人と自然科生徒が大活躍 後編 (大会2日目)に関する記事はこちら

 農業インターンシップ(後日ブログにて紹介予定です)など、各々の生徒が目標を持ち、自身のスキルアップに励んでいます。スキルアップの一つとして行われているのが、建機系の資格取得。先日も第1弾として、ガス溶接技能講習を実施し、17名の生徒がライセンスを取得しました。

 夏季休業中資格取得第1弾 ガス溶接技能講習を実施しました・・に関する記事はこちら

 そして建機系資格第2弾として、7月27日~31日の5日間、希望した人と自然科の生徒19名を対象に、フォークリフト技能講習を実施しました。(募集をかけたところ希望者が多く、想定人数を定超えたため、今回は3年生優先で実施。受講できなかった1年生と2年生の一部生徒は、春休みに改めて実施予定です。)5日間という長い時間をかけて取得するこの資格は、日本で一番大きなフォークリフトも含め、1t以上の大型フォークリフトも運転できる価値ある資格です。

 まずは27日(土)・28日(日)の2日間、有馬高校にキャタピラー講習所兵庫教育センターの講師の方に来校いただき、学科講習が行われました。 法令で定められた座学の時間は11時間。技能講習のため、学科試験が不合格の場合、別途居残りして補習&追試を受け、そこで合格しないと実技講習に進めません。

 

 スライドを用いてフォークリフトの種類、走行に関する装置や構造及び取り扱いの方法に関する知識、荷役に関する装置の構造・機能・取り扱いに関する知識、運転に必要な力学の知識、フォークリフトの点検・整備、安全運転の心得、災害事例、関係法令などについて講義を受けました。 講師の先生も教本やスライド、模型や動画などを使って丁寧に指導してくださいます。

 

 生徒も筆記テスト合格に向け、大切な語句に教本にマーカーで線を引きながら、必死に学んでいました。

 

 2日目の最後、いよいよ筆記試験です。直前の休憩時間には全員が団結して復習を行っていました。

 採点の結果全員合格。無事実技試験に進むことができました。今年は全員優秀とのコメントもいただき、先生もホッとしました。

 

 3日目の29日(月)から小野市にあるキャタピラー教習センターに移動し、実技講習スタートです。

  

 ゼッケンを受け取り、再度安全と熱中症についての指導を受けた後、2班に分かれ早速講習会場に移動します。

 座学で学んだフォークリフトの機体各部の名称、エンジンの構造を復習し、まずは前後の走行からスタートです。安全確認の方法、エンジンのかけ方、ハンドルの回し方、アクセル・ブレーキの踏み方など基本的な走行操作について学びます。

 フォークリフトは狭い倉庫内での作業を可能にするため、普通車と異なり後輪が左右に動き、小回りが利く仕組みになっており、少しハンドルを回しただけで車体が回転します。加えて高校生なのでもちろん車の運転をしたことがありません。生徒は最初感覚をつかむのが難しかったようで、最初は車体を三角コーンにぶつけたり、車線から脱輪したりと、苦労していました。

 

  2日目は、いよいよコースに入って、荷役作業をしながらの運転です。 フォークを操作しパレットに載った0.5tの荷物を運搬します。フォークを操作するレバーは、上昇・下降を操作する『リフトレバー』と前傾・後傾を操作する『チルトレバー』の2本を操作します。特にリフトが地面と水平になっているのかの判断は難しく、経験が重要です。

 

 さらにコース上には直角に曲がる場所が多く、常に左右の間隔を気にする必要があります。

 

 気が付いたら夕日が・・・2日目の実技も体調不良者はなく終了。夕日を背に練習コースから戻ってきました。毎日8:30~18:30。気温が35度を超える中、全員で教え合いながら頑張っている姿が印象的でした。

 そしていよいよ最終日。講習の最後に行われる実技試験にむけ、一連の作業、走行を繰り返し練習します。そして他の人の運転もしっかり見ながら、自分が運転していることをイメージしながら講習を受けることが上達するポイントです。実技試験が不合格の場合は別途補講&再試験があるため全員真剣です。

 

 いよいよ実技試験。指さし安全確認からスタートです。引率した先生はもちろん、5日間一緒に練習をやり抜いたメンバーも、心の中で合格を祈りながら見守ります。

 

 結果は全員合格。発表後は自然に拍手が起こりましたね。本当に良かったです。

 

 受講し学校に戻ってきた生徒に話を聞くと、大変だったけど充実した5日間だった、そしてなによりフォークリフトを運転することがとても楽しかったとのこと。このライセンスは卒業後に効力を発揮し一生モノです。将来資格を活用する際は安全第一を心がけてください。

 ちなみに夏季休業中には、第3弾 チェンソー特別教育も実施予定です。頑張りましょう。

続 人と自然科 第72回兵庫県学校農業クラブ連盟大会 今年も人と自然科生徒が大活躍 後編 (大会2日目)

 さて、今年の農業クラブ県大会も最終日を迎えました。

 第72回兵庫県学校農業クラブ連盟大会 今年も人と自然科生徒が大活躍 前編(大会1日目) に関する記事はこちら

 加西市民会館に県下11校の農業高校生が集合。昨夜は発表の疲れでみんなぐっすり寝られたようです。

 

 農業クラブ県連盟副会長の開会宣言の後、成人代表より結果発表があり、表彰者が壇上に呼ばれました。

 

 今年の有馬高校人と自然科の結果は以下の通りです。

プロジェクト発表会 (学校でのプロジェクト研究を10分以内で発表する競技)

 分野Ⅲ類(資源活用・地域振興)優秀賞 3-1 Y.K O.K 1-1 U.Y H.Y 

 意見発表会(学校での学びや様々な体験を通して感じた意見を7分以内で発表する競技)

 分野Ⅰ類(農業生産・農業経営)優秀賞 2-1 I.K

 分野Ⅱ類(国土保全・環境創造)最優秀賞 3-1 N.S

 分野Ⅲ類(資源活用・地域振興)優秀賞 3-1 N.N

農業鑑定競技会(農具や機械、植物の病気害虫など、農業に関する知識を競い合う競技)

 分野果樹 最優秀賞 3-1 T.M

 分野草花 優秀賞  3-1 Y.Y

 1学科1クラスしかない少数ながら精鋭ぞろいの人と自然科。他の大規模農業高校に負けず劣らずの素晴らしい戦いを行い、出場したすべての競技で上位3賞に入賞という前代未聞??の大活躍という結果でした。

 まずは優秀賞を獲得したプロジェクト発表会。あと一歩及ばず最優秀賞・近畿大会出場は逃しましたが、優秀賞の獲得は人と自然科としては4年連続5回目の受賞という快挙です。

 そして意見発表会ではⅡ類の生徒が最優秀賞を獲得。4年連続優勝カップを有馬高校にもって帰ることができました。N.Sさんは8月21日~22日兵庫県で開催される、近畿学校農業クラブ連盟大会に兵庫県の代表として出場する権利を得ました。(近畿大会で最優秀賞を受賞した場合、全国大会に出場となります。まさに農業高校の甲子園・インターハイです。)そしてⅠ類・Ⅲ類に出場した2名の選手も3位と2位の優秀賞という結果。惜しくも近畿大会にコマを進めることはできませんでしたが、発表競技での3賞入賞は本当にすごいことなんです。

 

 農業鑑定競技会では、2分野で最優秀賞を含む入賞。入賞した2名とも全体2位以内の成績であったため、10月に岩手県で開催される日本学校農業クラブ全国大会への出場を決めました。

 

 表彰後は模範発表。最優秀賞を受賞し、近畿大会に兵庫県代表として出場する選手が全参加者の前で発表します。意見発表会分野Ⅱ類で最優秀賞を獲得した本校の生徒も、会場が静まり返るほどの素晴らしい発表をしてくれました。

 

 そして式典の後半では参加者全員でFFJの歌斉唱。全国の農業高校生が歌える農業クラブ連盟歌です。大きな声でみんなで歌い、最後は拍手が沸き起こりました。感動です。

 

 最後は県連盟クラブ旗引継ぎ。今年度事務局である播磨農業高校から次年度事務局校の山崎高校に県連盟旗が引き継がれました。そして引き継がれた県連盟旗を先頭に、有馬高校を含む11校の農業高校のクラブ旗が退場し、大会は終了となりました。

 

 最後に獲得した賞状やカップ・盾を手に、校長先生を囲んでみんなで記念撮影です。兵庫県のマスコットキャラクター「ハバタン」と播磨農業高校のマスコットキャラクター「播農ぴよ吉」も駆けつけてくれました。

 

 これまで応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。意見発表会で兵庫県代表として近畿大会に出場する選手は、全国大会出場を目指し頑張りましょう。そして農業鑑定競技会で10月に岩手県で開催される全国大会に出場する選手は全国制覇を目指しさらに学習を深めましょう。後輩の皆さんも先輩を目標に、日々の授業や実習を頑張り、来年につなげていきましょう。これからも人と自然科生徒の活躍にご期待下さい。

人と自然科 第72回兵庫県学校農業クラブ連盟大会 今年も人と自然科生徒が大活躍 前編 (大会1日目)

 夏休みに入った講義棟をのぞいてみると・・・暑い中毎日、一生懸命発表練習をしている姿が

 人と自然科の生徒にとって夏といえば・・・もちろん農業高校の甲子園・インターハイとも呼ばれる、農業クラブ連盟大会各種競技会です。農業高校の生徒が日頃の授業や実習で身につけた知識や技術、そして農業クラブ活動等をとおして経験したことをまとめ、発表し、兵庫県さらには近畿・全国の農業高校生と競い合う大会です。有馬高校は昨年も県大会、近畿大会を突破し全国大会にコマを進めています。

 昨年の農業クラブ近畿大会京都大会に関する記事はこちら

 昨年の農業クラブ全国大会熊本大会に関する記事はこちら

 今年の第72回兵庫県学校農業クラブ連盟大会は事務局校の播磨農業高校がある加西市で開催。出発前には早朝からクラスの仲間や農場の先生に加え、校長先生・教頭先生、事務長先生も激励に来てくださいました。

 7月23日(火)には農業鑑定競技会(農具や機械、植物の病気害虫など、農業に関する知識を競い合う競技)が開催され、野菜・草花・果樹の3部門に1年生から3年生まで校内大会を突破した16名の生徒が出場しました。(競技会場は一切撮影NGのため、入口のみの紹介です。参考までに校内大会の記事をご覧ください)

  農業鑑定競技会校内予選会実施に関する記事はこちら

  そして7月24日(水)・25日(木)には大会の花形競技である、プロジェクト発表会と意見発表会が開催され、加西市民会館に県下11校の農業高校生が集結しました。

 

  県連盟副会長の開会宣言により、いよいよスタートです。まずはクラブ旗入場。

 

 県連盟旗を先頭に県下11校の農業クラブ会長が旗を持ち入場します。まるで甲子園の入場のような光景です。有馬高校も人と自然科110名の代表として、農業クラブ会長が歴史ある有馬高校農業クラブ旗を持ち、堂々と入場しました。県下11校の農業クラブ旗が並ぶ光景は圧巻です。

 県連盟会長や多くの来賓の方から歓迎や激励の言葉をいただき、開会式は滞りなくすすみ無事終了。

 いよいよ午後からは競技会に入ります。これまでの準備、練習の成果を十二分に発揮できるように、発表直前まで先生との打ち合わせ、そして炎天下の中屋外で最後の調整です。

 

 そして競技会直前、プロジェクト発表会の選手代表の一声で円陣を組み、お互いハイタッチして士気は最高潮。いよいよ発表競技のスタートです。

 プロジェクト発表会 (学校でのプロジェクト研究を10分以内で発表する競技)

 分野Ⅲ類(資源活用・地域振興) 3-1 Y.K O.K 1-1 U.Y H.Y 

 

 そして意見発表会(学校での学びや様々な体験を通して感じた意見を7分以内で発表する競技)には、3つの分野に学校代表がそれぞれ出場しました。

分野Ⅰ類(農業生産・農業経営)2-1 I.K

分野Ⅱ類(国土保全・環境創造)3-1 N.S

分野Ⅲ類(資源活用・地域振興)3-1 N.N

 

 発表会は一発勝負。プロジェクト発表会は10分以内、意見発表会は7分以内で発表します。緊張の中、今まで積み重ねた準備と数えきれない練習を糧に自信に満ち溢れた、そして有馬高校人と自然科の代表としての誇りを持ったすばらしい発表でした。本当に頑張りましたね。100点満点です。

 ちなみにこの日発表競技に出場した生徒は、近くの施設に宿泊。県内の農業高校生とボッチャや花火などを行い交流したとのこと。

 全国の農業高校生とつながりができるのが農業クラブ活動の魅力ですね。

  さて、競技の結果は翌日の大会式典で発表です。結果は続 人と自然科 第72回兵庫県学校農業クラブ連盟大会 今年も人と自然科生徒が大活躍 後編 (大会式典)で紹介します。

人と自然科 夏季休業中資格取得第1弾 ガス溶接技能講習を実施しました

 いよいよ夏休みがスタートしました。人と自然科では在学中、様々な資格取得講習を独自に実施、斡旋しています。先日も有馬高校を会場として行われた日本農業技術検定試験に11名の生徒が挑戦。さらに9月に行われる危険物取扱者試験にも10名の生徒が申し込むなど、各々が自身の興味関心のある資格に挑戦しています。そして夏休みは自由に活用できる時間が確保しやすいため、多くの生徒が様々な資格・検定に挑戦しています。

 中でも人と自然科の生徒に人気があるのは建機系資格。今年度第1弾として7月21日(日)と22日(月)に、ガス溶接技能講習が行われ、1~3年生の希望生徒17名が挑戦しました。

 

 1日目はキャタピラー教習所講師の先生を有馬高校にお招きし、学科講習です。この資格は技能講習のため、翌日に学科試験があり、不合格の場合は補習をして再試験を受ける必要があります。全員合格できるようにしっかり学びましょう。

 

 教本やスライド、実物の機材や映像などを用いてしっかり学習します。ガス溶接等に用いる可燃性ガスのアセチレンや、支燃性ガスの酸素を中心としたガスの種類、それぞれの性質や発火温度、比重、発熱量・・・

 

 ガス溶接に欠かせないガス容器の取り扱い方法や圧力調整期(ゲージ)、ゴムホース、吹管、点火用ライターの構造や取り扱い方法、火災や粉じん爆発の災害事例やその防止方法などを学んでいきます。大切な部分は教本にマーカーでラインを引いていきます。この資格は技能講習のため翌日には学科試験があり、不合格の場合お金を払って補習と再試験を受ける必要があります。お金と時間を無駄にしないように、講師の先生の言葉を聞き逃さないよう真剣に話を聞いていました。

 

 2日目はキャタピラー教習所に場所を移し、学科講習&学科試験&実技講習です。このあと実施される学科試験に向け、講義が始まる前から自主学習している姿も見られました。

 

 まずは1日目に学んでいなかった労働安全衛生法や高圧ガス保安法などの関係法令について学びました。事業者は作業中の危険を防止するため必要な措置を講じなければならないこと、そして労働者も事業者が講じている安全に必要な措置を守らなければならないことなどが法令で定められているとのこと。普段の農業実習にもつながりますね。

 

 そしていよいよ学科試験。結果は・・・全員合格で一安心。発表時には拍手が沸き起こりました。

 

 そしていよいよ実技講習に移ります。

 

 ボンベとガス溶接機をつなぎ圧力計を装着します。

 そして安全具を装着。目を傷めないためのサングラスとヒューム(鉄が混ざった煙)を吸わないためのマスクもしっかり装着します。

 準備ができたらまずは鉄の切断技術を習得します。点火用ライターで着火。酸素の量を手元で調節します。火の色が青白く変わりましたね。

 一定のスピードで、炎と母材の距離も一定にしながら進めていくのがポイントです。上達するためには待ち時間もほかの人がやっている姿を見ることが大切です。あっという間にみんな技術を習得し、一人で作業を行うことができるようになりました。

 

 切断技術を身に付けた後は、2枚の板を接合する溶接を学びます。

 両端を仮止めし、一定のスピード、幅で進めていきます。

 早速つなぎ目を確認。上手く溶接できましたか?

 このように2日間かけて実施したガス溶接技能教習も、全員資格を取得することができ無事終了。みんな笑顔で手を振りながら学校に戻っていきました。

 

 ちなみに今年の夏休み中にはガス溶接以外にもチェンソーとフォークリフトの資格取得講習が希望者を対象に行われます。また、国家資格であるフラワー装飾技能士の筆記、実技試験に挑戦する生徒もいます。自身の将来の進路目標実現のため、頑張りましょう。

人と自然科 収穫までもう一息 ブドウの袋掛けを行いました

 人と自然科では、ベリーA、ピオーネ、マスカット3種類のブドウを栽培しており、ベリーAは2年生の『果樹と緑』の授業で、ピオーネは3年生で『果樹と緑』コース(科目)を選択した生徒を中心に、そしてマスカットは全学年の生徒が『総合実習B』(別名放課後の農場当番)の授業で栽培を学んでいます。

 人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 1学期期末考査前には、一粒一粒丁寧に粒を抜き、房の形を整える摘粒作業を行いましたね。

 ブドウの栽培 現在摘粒作業中です・・・・に関する記事はこちら

 1学期期末考査に全力を出し切った生徒たちは、翌日からすぐに気持ちを切り替えてブドウ畑に向かいます。あっという間に粒が大きくなり、しっかり育っていますね。

 

 そして夏休み前最後の作業となる袋がけの実習を行いました。袋がけは、鳥害や虫害、裂果、日焼けなどを防いだり、ブドウ表面に付着するブルームと呼ばれる白い粉(乾燥などから身を守るため、ブドウ自身が出す油脂成分。)が取れるのを防ぐことを目的に行う作業です。有馬高校で栽培する3種類のブドウ合わせて約1600房すべてに袋掛けを行います。

 まずは最後となる房の確認、『修正摘粒』です。摘粒ができているか、裂果がないか最終確認する大切な作業です。今回袋がけをしたら次房を触れるのは収穫後となり、房を整える最後のチャンスです。

 今年も考査中にしっかり梅雨の雨が降ったため、特にピオーネで粒が大きくなり詰まってしまい、結構時間がかかってしましました。

 

 そしていよいよ袋がけです。紙袋を受け取り、各自の担当区に入っていきます。

 

 袋の口に隙間がないように、袋の上部で丁寧に止めていきます。

 ひと房残らず袋掛けすることはもちろん。口の綴じ方も注意が必要で、広がっているとそこから雨が入ってきてカビ(病気)が発生したり、害虫が入ってくるのでしっかり止めます。しっかりできましたか?

 

 袋掛けは約1時間で完了しました。白い袋がぶら下がっている光景は爽快ですね。

 

 そして袋掛け終了後はブドウ畑を電気柵で囲みます。アライグマによる食害を防ぐためです。

 近年有馬高校で一番悩まされている害獣はアライグマです。(今年は特に害獣被害が目立ちます。アライグマに加えてカラスも大暴れしています。)先日収穫交流会を行った、1年生が「農業と環境」の授業で大切に栽培していたスイートコーンもかなりやられてしまいました。

 園児の皆さんと一緒にスイートコーンの収穫を楽しみました・・に関する記事はこちら

 アライグマの鼻の高さをイメージしながら、電気線を張っていきます。これで大丈夫・・・と信じたいですね。定期的に見回りに行きましょうね。

  さて、夏休みに入ると、「総合実習B」(別名夏休みの農場当番)がスタートし、実習でかん水(水やり)や副梢などの枝管理を定期的に行う予定です。収穫までもう一息です。頑張りましょう。

 ちなみに有馬高校のブドウは、在校生ならびにその保護者限定での販売となります。(過去、ブドウが足りないなど地域の方にご迷惑をおかけした経験から、現在は一般販売を行っておりません。)2学期始業式でブドウ販売に関するお知らせを生徒に配布し、販売日(学年ごとに設定しています)をお知らせます。ご確認ください。

人と自然科 園児の皆さんと一緒にスイートコーンの収穫を楽しみました。

 人と自然科1年生農業と環境の授業では、4月からスイートコーンの栽培をとおして農業に関する基礎的な知識や技術を学んできました。

 人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 授業では担当区を任され、たねまきから収穫まで、責任を持って各自が管理してきました。

 スイートコーン種まきに関する記事はこちら

 スイートコーンの定植を行いました・・・に関する記事はこちら

 スイートコーン収穫にむけラストスパート・・・に関する記事はこちら 

 そして1学期期末考査が終わり、いよいよ7月9日(火)、北摂第一幼稚園の園児46名を農場に招き、スイートコーンを一緒に収穫する交流会を行いました。スイートコーンの絹糸(ひげ)も茶色に変わってきて、収穫適期を迎えていますね。

 ちなみに交流会前日には、園児の皆さんが段差や雑草でつまずかないように、みんなで環境整備をしました。

 まずは高校生代表のお兄さんから「いまからスイートコーンを収穫に行きます。楽しく収穫しましょうね。そして優しく取ってあげてください。」と歓迎のあいさつを行いました。そして園長先生から「園児のみんなこの日を楽しみにしていました。本当にありがとうございます」とお礼の言葉をいただいた後、園児からも一斉に「よろしくおねがいします」と元気いっぱいのあいさつをもらいました。

 あいさつの後はお兄さん、お姉さんと手を繋いでペアを作り、楽しくいろんな話をしながら早速スイートコーンが栽培されている畑に向かいます。

 

 そしてお兄さん、お姉さんの手をひっぱり、自分よりも背の高いスイートコーンのジャングルの中に突撃です。みんな見えなくなりましたね。

 

 どんどん前に進んでいくとペアの高校生が担当した区域に到着。たくさんあるスイートコーンの中から、大きいものを選び、一緒に力を合わせてもぎ取ります。

 

  立派なスイートコーンが収穫できましたか?おいしそうなスイートコーンをGETです。やったね!!

  

 楽しくなって次々収穫。どんどん袋の中がいっぱいになっていきます。 

 自慢のスイートコーンをもって仲良くなったお兄さん・お姉さんと一緒に記念写真です。

 

 収穫が終わった後も、幼稚園での生活や、人と自然科での楽しい毎日について、お互いいっぱいお話ししましたね。

 

  そしてあっという間に終わりの時間に・・・もうすぐお別れです。最後に代表のお兄さんから「今日は楽しかったですか。楽しかった人は手を挙げてください。」という質問に、園児から一斉に手が上がりました。交流会は大成功です。

 

 バスまでみんなでお見送りです。何度もハイタッチを繰り返しているシーンがあちこちで見られ、なんだか切ない気持ちになりましたね。短かい時間でしたが、本当に充実した交流会でした。

 

 私たちが一生懸命栽培したスイートコーンを、おうちの人と一緒においしく食べてくださいね。北摂第一幼稚園のみなさん楽しい時間を本当にありがとうございました。

人と自然科 1年生「農業と環境」 スイートコーン収穫にむけラストスパート 

 人と自然科1年生「農業と環境」の授業では、現在はイネとスイートコーンの栽培を行いながら農業に関する基礎的な知識や技術を実践的に学んでいます。

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 先日も教育実習生指導の下、田植え実習を行い、イネ(モチ米)は順調に生育しています。

 農業と環境の授業で田植え実習を行いました・・に関する記事はこちら

 そして5月に圃場に定植したスイートコーンも順調に生育しており、収穫間近となっています。

 スイートコーンの定植を行いました・・・に関する記事はこちら

 5月の定植後も授業では「土寄せ」(倒伏を防ぐために土を株元に寄せる作業)や「捕植」(生育が悪い株を新しい苗に植え替える作業)

 別名命のオーディションともいわれる「間引き」(1か所に2本育ててきたスイートコーンの芽を1本に絞る作業) 

 「追肥」(植物の生育を見ながら追加で肥料を与える作業)を3回(だんだんスイートコーンが大きく成長しているのが写真で分かると思います)

     【1回目】           【2回目】          【3回目】

 生育が順調かどうか判断するための「葉齢計算」(葉の枚数を計算する)や害虫が発生していないかの「観察」

 「除草」(雑草をとる作業)や「中耕」(土を耕し、土の中に空気を入れる作業)

 

  「受粉」(株ごと揺らして花粉を周囲に飛ばし、受精を促し、実の詰まったスイートコーンにする作業)

 「穂切り」(スイートコーン最大の敵である害虫の「アワノメイガ」の被害を少なくし、農薬の使用を少なくするために、雄穂を切り落とす作業)

 などなど1年1組の生徒は授業内だけでなく、昼休みや放課後も自主的に畑に足を運び、管理・観察を行う姿も多くみられます。本当に素晴らしいですね。

 そして6月最終週現在は以下のような状態。絹糸(スイートコーンのひげ)の部分が少し茶色くなってきました。

 この調子で順調に生育したら7月第2週には収穫を迎える予定です。しかし収穫までに心配なことが2つ。これから梅雨終盤を迎える天候と、最近有馬高校の農場をうろついているアライグマやカラスなどの動物(害獣)です。このような困難を乗り越え、収穫を迎えることができたスイートコーンは、北摂第一幼稚園の年中さんと一緒に収穫を楽しんだり、市道横の販売所にて地域の方にも販売予定です。

 おいしいスイートコーンが収穫できるように、みんなで祈りましょう。

人と自然科 ひとはく連携セミナー3回目 アフリカの古代湖の魚から進化について学ぶ

 6月21日(金)人と自然科1年生学校設定科目「人と自然」の授業で、今年度第3回目となる「ひとはく連携セミナー」を行いました。

 人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 有馬高校人と自然科と県立人と自然の博物館の間では生徒のセミナー受講について協定を結んでおり、年間8回、県立人と自然の博物館を訪れ、博物館の専門員から、各分野のユニークかつ専門的な講義を直接受講することができます。前回第2回目も太田 英利研究員から「生物の「種」について」をテーマに講義をいただきました。

 前回のひとはく連携セミナー2回目 生物の「種」について学ぶ に関する記事はこちら

  そして第3回目となるこの日は人と自然の博物館内にあるホロンピアホールにて、高橋 鉄美研究員より、『タンガニイカ湖での調査』をテーマに古代湖に住む魚の生態やそれを通した進化について講義を頂きました。

 

 まずはタンガニイカ湖について・・・世界には約20ほどの古代湖が存在していますが、タンガニイカ湖は1000万年前にできた湖だといわれています。アフリカのザンビアにある大きな湖で、全長650km。その距離は三田市から仙台市と同じ距離になり、地球上の18%の水を占めるといわれている巨大な湖です。

 

 そんなタンガニイカ湖は水深も約1400mあり、この湖には多くの魚が生息しているそうで、そのほとんどが固有種なのだそうです。その中でも特にシクリッド科(カワスズメ科)と呼ばれる魚が特徴的で、例えば歯に注目したらコケを食べる種が歯がブラシのように進化したり、うろこを食べる種は毛抜きのように進化したり・・・など多様な進化を遂げている個体が多く存在しているとのことでした。

 

 講義中盤では、実際に高橋先生が現地調査した現地の生活や動物の生態についても教えていただきました。アフリカでよく食されているホロホロチョウやチニョンゲ、チャンゴンゴなどの熱帯魚の食べ方、ウルウルと呼ばれる小さなハチやサバンナモンキー、カメレオンなどの現地では身近な動物についても、特性や危険性などについて紹介していただきました。

 そして最後に調査から見えた生物の進化について説明いただきました。一つの祖種から多くの種に急速に分化し、分化した種が異なる環境に適応する力を持つことを適応放散といいます。そしてタンガニイカ湖のシグリット科の魚においては、口内保育という独特の育児方法と岩住みという特徴から異所的種分化を行いやすいということが分かってきたとのことでした。さらに性選択と自然選択との連動をもたらす形質「マジックトレイト」の一例として、オスとメスでサイズが異なる例やpHの耐性などについての影響も教えていただきました。

 

 専門的な内容はまるで大学の講義のようで難しい部分もあったようですが、振り返りのレポートを見ると「興味深い内容で面白かった」「生物の進化について理解できた」など前向きな感想も多く充実した時間となったようです。

 さて、次回の人博連携セミナーは、夏休みを挟んだ9月20日(金)『鳥たちの多彩なコミュニケーション』と題して太田菜央研究員より、鳥たちの鳴き声や行動の意味について学ぶ予定です。楽しみですね。

人と自然科 スマート&大型農業機械ふれあい体験会にお邪魔させていただきました

 人と自然科の生徒が学ぶ『農業』において、生産性を高めるために活躍してきたのが農業機械です。2年生の選択科目にも『農業機械』の授業があり、エンジンの仕組みや燃料の種類、性質を学ぶだけでなく、実際に刈払機やトラクタなどの操作方法も、座学と実習をとおして学んでいます。

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 しかし有馬高校の農場は、大規模な農家さんに比べると小さく、農業機械も小型のものを使用しています。さらに近年、農業者の⾼齢化や労働⼒不⾜を補うために、デジタル技術を活⽤し農業の⽣産性向上を図る技術が搭載されたスマート農業機械が開発され、活躍していますが、残念ながら有馬高校にはまだ導入されていません。

 田植えに向けトラクタ耕うん実習を行いました・・に関する記事はこちら

 刈払機の操作方法について学びました・・に関する記事はこちら

 そのような状況の中、6月21日(金)有馬高校のすぐ目の前にある三田小学校で、5年生を対象とした『農業機械に触れる体験学習会』が企画され、最新のロボットトラクタや、日本最大級の耕うん用トラクタが間近に見ることができるとのこと。そこで農業を学んでいる人と自然科の生徒もぜひご参加どうですか?とお誘いいただき、3年生の生徒が喜んで参加させていただきました。

 小学校到着後、まず目の前に現れたのが、横幅5.5mのロータリ&ハロー(畑を耕し、土を砕く作業機)を装着した巨大なトラクタです。

 実際に三田市内の大規模農家さんで活躍しているとのことです。農機具メーカーの方によると日本最大級の大きさなのだそうです。後ろの作業機が折りたたむ姿はまるで巨大ロボットのようでしたね。

  次はラジコン草刈り機です。

 1台は斜面の草を刈るのに適した草刈り機で、エンジンオイルが偏らないように、斜面の角度に応じてエンジンも傾く構造をしていましたね。そしてもう一台はまるでクモのような姿をしており、前後左右縦横無尽に移動する姿に魅了されましたね。

  次は田植機とコンバインです。

 田植機は6条植え(一度に6列イネの苗を植えることができる)で、GPSがついており直行アシスト機能がついています。そしてコンバインは4条刈(一度に4列のイネを刈ることができる)で、機体についているセンサが作業情報をタブレット端末に伝え、日々の作業情報を蓄積し、作業管理・機械情報管理を分析することができるとのことです。(ちなみにこのコンバインが今回登場した農業機械の中で一番高額とのことでした。)

 

 そして最後はロボットトラクタです。

 事前にタブレットPCで耕うんなどを行うコースを設定しておくと、運転席に誰もいない状態で、リモコン操作でトラクタが作業を行います。今回は実際に30m×30mの枠を水田に見立て、無人運転を見せていただきました。

 畑の端に近づくとスピードを落とし旋回。そして直進に入るとスピードを上げる姿は感動でしたね。そしてタブレットにはトラクタの前方に付けられたカメラから送られていた映像も観ることができましたね。

 約1時間、農機具メーカーの方に丁寧に説明していただきました。今回の体験会は小学5年生の子供たちに、最新&大型の農業機械の姿を見せてときめきを与え、農業への興味、関心を高めることが目的と伺っていましたが、私たち農業を学ぶ高校生も十分ときめきましたね。

 今回お誘いいただいた三田小学校の先生方、そして農機具メーカー『株式会社ヰセキ』の皆様、このような貴重な経験をさせていただきありがとうございました。

人と自然科 ブドウの栽培 現在摘粒作業中です

 6月も後半となり、近畿地方もいよいよ梅雨に突入しました。そんな中でも人と自然科の生徒は『総合実習』の授業を中心に実習を頑張っており、例えば野菜苗の土づくりや・・・

 

 学校樹を使った樹木の剪定・・・

  大温室の熱帯果樹の管理(今年もバナナに花が咲き、たわわに実がついています。)など、楽しく技術を身に付けています。

 そして人と自然科の人気の一品、ブドウ栽培も順調に進んでいます。ちなみに有馬高校ではベリーA、ピオーネ、マスカット3種類のブドウを栽培しており、ベリーAは2年生の生徒が必修(全員)で『果樹と緑』の授業で、ピオーネとマスカットは3年生の『果樹と緑』の授業で選択した技術を学んでいます。

  人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 4月から栽培をスタートさせ、栽培は順調に進んでおり、5月下旬~6月上旬にかけて種なしや果実の肥大を目的としたジベレリン処理も実施しました。

 ジベレリン処理の様子はこちら

 その後も生徒はブドウの栽培技術を毎週のように学んでおり、茎と葉の間からでた「副梢」を摘んだり、まきひげを除去したり、伸ばしたつるが地面に付かないように、そして果実に栄養が行きわたるように先端を止める「摘芯」という技術を学びました。

 

 そして6月下旬に入り生徒が頑張っているのが、「摘粒」という技術です。ベリーAの場合は1房75粒。ピオーネの場合は45粒を目標に一粒一粒抜いていきます。まずはピオーネ栽培中の3年生の様子です。

 

  梅雨に入ったということでこれから雨の日が増えてきます。今はまだ小粒ですが、ブドウの粒は雨が降るたびに肥大するので、ブドウ畑に行くたびに房が詰まっています。そこで房の内側にある上向き、下向きの粒や変形の粒、割れた粒を抜いていきます。ピオーネは房をゆすってみて、支梗(粒の塊)が独立して動いたら完成です。

 続いてベリーA栽培中の2年生の様子です。抜きすぎると房がすかすかになり、残しすぎたら粒が割れてしまいます。完成形を予想しながら行うので、もっとも技術と経験が必要な作業といえます。時には玉直しといい、粒の位置を変えながら円筒型に整えていきます。

 

 ベリーAは最終的に房を釣り針上に曲げられるようになったらOKです。この作業が7月上旬まで続き、いよいよ袋がけに入っていきます。9月の収穫に向けあと一踏ん張りです。

 みんな真剣な表情ですね。

 さて、収穫したブドウは有馬高校の生徒、保護者限定に販売します。現時点では9月第2週を予定していますが、今後の天候によって変わってくるので2学期に始業式に配布予定の『ブドウ販売について』のお知らせを楽しみに待っていてください。

 昨年度のブドウ収穫の様子はこちら

 美味しいブドウを皆さんに購入していただけるように頑張りましょう。(もちろん一週間を切った1学期期末考査も全力で頑張りましょう。)

人と自然科 農業機械の授業で刈払機の操作方法について学びました

 6月も中旬を過ぎ、いよいよ梅雨が近づいてきました。人と自然科の農場でこの時期に大変なことは、もち米を栽培している水田のあぜやブドウを栽培している果樹園のに繁茂する雑草です。雨上がりに一気に成長してしまい、病気の原因や害虫のすみかになってしまいます。

 1年生「農業と環境」の授業で田植え実習を行いました・・・に関する記事はこちら

 ブドウ栽培 ジベレリン処理を行いました・・に関する記事はこちら

 梅雨を前に、実習でいつでも草刈りができる技術を習得するため、2年生農業機械の授業で、刈払機の操作について学びました。

 R6入学生人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 運転実習の前に、まずはエンジンの仕組みや安全に実習を行うための知識を習得しました。ちなみに刈払機に搭載されているエンジンは2サイクルエンジンです。点火プラグやキャブレターなどガソリンエンジン特有の部品の役割や仕組み、エアークリーナーやマフラーの役割、燃料となる混合油の作り方などについて実物を交えながら学びました。

 

 さらに刈払機を使用する際に最も重要な安全について。保護エプロンや保護面の装着やベルトの調整など実演を交えて学びまた。そして刃に当たった石が飛ばないための刃の動かし方、刃の交換方法、エンジンのかけ方などについてしっかり学びました。

 

 しっかり知識を身につけ、翌週は早速果樹園に向かい、実習を通して技術を習得します。今回は安全に配慮しながら同時に10台の機械を動かし、草刈りを行いました。

 

 保護面や保護エプロンを着用、ベルトの長さを調節し、エンジンをかけまます。刃の周囲に人や物がないかしっかり確認しましょう。

 

 エンジンが始動したところで、草刈りの開始です。ポイントは・・・刃を水平にし、地面に近い位置で、右から左に動かし、一歩前に出て再び右から左に刃を動かします。

 

 刃の角度が上向きになってしまうと、刃に当たった石が顔の付近に飛んできてしまうので危険です。また、刃を反対の左から右に動かすと、刈った草が前に飛んでしまい、刈りにくくなります。

 

 合計2時間の実習を行いましたが、きれいになりましたか?初めて機械を使用するということで、少し刈った草丈が長めに残っている部分も見られましたね。農業機械はとにかく使い続けることで上達します。これから何度も実習で操作し、技術を習得しましょう。

 人と自然科では夏季休業中、農業や造園業、建設業などに就業した際、刈払機を運転するときに必要な「刈払機取扱作業者」の資格を取得することができます。

 昨年夏季休業中に実施した「刈払機取扱作業者」資格取得講習の様子はこちら

 ちなみに今年はフォークリフト、チェンソー、ガス溶接の資格取得講習を予定しており、延べ60名以上の生徒が申し込みを終えています。卒業後の進路実現に向け、様々な機会を生かし、スキルアップしていきましょう。

人と自然科 地域自然保護 現地フィールドワークその3 有馬富士公園の昆虫を調査する

 人と自然科3年生の学校設定科目「地域自然保護」の授業では、今年も県立有馬富士公園をフィールドとし、1年かけて有馬富士公園を訪れるゲストに公園の自然を感じてもらうための体験プログラムを生徒自身が企画し、実践する授業を行っています。

  R6入学生人と自然科教育課程表はこちら.pdf

  前回は「緑の環境クラブ」の皆様に、里山管理に関する夢プログラムを体験させていただきました。(5月28日に予定されていた、元キッピーフレンズ、公園の植物を活用した夢プログラムは警報による休校のため、10月に延期となりました)

 前回のフィールドワーク 里山管理を体験する に関する記事はこちら

 現地フィールドワーク3回目となる6月11日(火)は、三田市自然学習センターの吉田コミュニケーターにお世話になり、公園内の昆虫を捕獲・調査するプログラムを体験しました。

 

 緑豊かな有馬富士公園には多様な種類の昆虫が生息しており、とにかく捕まえまくる(危険な蜂やヘビはNG)という、楽しそうなプログラムです。世界には約100万種、日本には約3万種の昆虫が確認されていますが、そのうち1000種類を越える昆虫が公園に生息しているとのこと。今日の目標はみんなで力を合わせて50種類以上の昆虫を捕獲することです。(特別な許可を得て捕獲しております。)

 

 捕獲するコツを教えていただいた後、早速網と虫かごを持って出発です。公園に出た瞬間全員スイッチが入りましたね。里山の中にも入り、全力で追いかけます。

 

 早速チョウを捕獲したようですね。捕獲した昆虫は虫かご、もしくはジップロックに入れます。一見かわいそうに見えるかもしれませんが、トンボや蝶などは羽を傷めない優しい方法なのだそうです。

 

 公園内にある、狐の巣穴を再現した洞窟内も捜索。洞窟内に生息するカマドウマが発見されました。そして葉の上にケムシ発見。タケカレハの幼虫です。どうやら毒を持っているようで慎重にジップロックにいれます。

 

 地面や樹木もじっくり観察します。いつもは気になりませんが、アリがあちらこちらに歩きまわっていました。よくよく見てみると、種類の異なるアリが。最終的には3種類確認できました。

 

 そして木の幹には擬態している昆虫が結構いました。どこに隠れているのか分かりますか?(2種類います)

 

 さらに樹液が出ている樹木も観察。甲虫が集まっており、枝などでほじくってみるとクワガタムシが出てきました。(これまでの地域自然保護の活動でクワガタムシが捕獲できたのは初めてですね)

 

  こんな感じであっというまに約1時間、みんな小学生に戻ったかのように全力で公園内を走り回り、様々な昆虫を捕獲・観察することができました。

 学習センターに戻り、捕獲した昆虫の名前を図鑑で調べ、仲間分けをしていきます。

 

 名前がわかったら付箋を貼って、「チョウの仲間」「カメムシの仲間」「コウチュウの仲間」「トンボの仲間」・・・など仲間分けします。分からない名前は吉田さんに同定してもらいました。

 

 調査の結果、「チョウの仲間」は、ベニシジミやヒョウモンエダシャク、テングアツバなど8種類、「コウチュウの仲間」は、ノコギリクワガタやスジクワガタ、シロテンハナムグリなど15種類、その他二ホンミツバチやハナアブ、マダニなどなど・・・全部で56種類の昆虫を捕獲することができました。目標達成ですね。

 プログラムを通して、楽しみながら有馬富士公園の生物多様性が感じることができました。コミュニケーターの吉田さん楽しいプログラムをありがとうございました。

 

  今回の夢プロ体験で前半の公園でのフィールドワークは終了です。ここからは、これまでの活動を通して取材した、あ有馬富士公園の魅力と改善点を有馬富士公園の巨大な白地図にまとめていきます。そして9月には人と自然の博物館の研究員や公園関係者、県職員の皆様の前で発表し、自分たちが実際に企画、実施する夢プログラムへとつなげていきます。頑張りましょう。

人と自然科でトライやるウィークの中学生頑張りました

 6月3日(月)~7日(金)の5日間、狭間中学校の2年生の生徒2名が有馬高校人と自然科の農場、学校園庭で「トライやるウィーク」を頑張りました。

  兵庫県では中学2年生を対象に、職場体験、福祉体験、勤労生産活動など、地域での様々な体験活動を通じて、働くことの意義、楽しさを実感したり、社会の一員としての自覚を高める事を目的に「トライやるウィーク」が展開されています。そして有馬高校でも毎年、農業や植物管理の仕事を実際に現場で体験したいという中学生を人と自然科の農場で受け入れています。

 まずは事前訪問の様子から。校長室を訪ね、先生方の前で決意文を読んでくれました。

 

  「野菜の育て方を学びたい」「継続力や集中力を身に付けたい」「健康に優しいい野菜の栽培方法を体験したい」と意気込みを発表してくれました。そして校長先生からも「熱中症に気を付けて、そして指導を担当する先生方の話をしっかり聞いて、体験からいろいろなことを学んでください。がんばってください。」と励ましの言葉を頂きました。

 そしていよいよ「トライやるウィーク」開始です。

 人と自然科は野菜・草花・果樹と緑の3つのコースがあり、それぞれのコースで様々な農業体験を行いました。

 例えば野菜コースではトマト苗の定植やキュウリの収穫・袋詰め作業、タマネギやニンニクの調整

 果樹と緑コースでは、ブドウの整枝作業や樹木の剪定作業

 そして草花コースでは花壇や花苗の管理作業を行い、最終日には販売所で花苗の販売実習も行い、来校された地域のお客様に人と自然科の生徒が栽培した草花苗を実際に販売しました。

 そして校務員さんと一緒に行った学校樹の剪定作業でトリマーを、芝生の管理として芝刈機を実際に操作して管理作業を体験しました。

 5日間のトライやるウィークはあっという間に終了。最後にお礼と報告のため、教頭先生を訪ねました。二人ともトライやるウィーク前の比べて自信に満ちた表情のように感じました。

 5日間慣れない作業でとても疲れたけど、全ての体験が楽しく充実していたとのこと。一番印象に残ったのは二人ともキュウリの収穫・袋詰め作業だったようです。教頭先生からも、「体験中大変だったこと、困ったことをどのようにしたら解決できるのか。それを考えるのが君たちの役目です。将来農業をしなかったとしても今回の体験が二人のこれからに生きてきます。残りの中学校生活も楽しんでくださいね」と励ましの言葉をいただきました。

 最後は恒例 農場長との記念撮影です。

 

 5日間体を動かす作業ばかりで大変だったと思います。まずはゆっくり休んで下さい。そして残りの中学校生活、充実した時間にして下さい。有馬高校の先生方も二人を応援しています。

人と自然科 1年生農業と環境の授業で田植え実習を行いました

 6月6日(水)1年生「農業と環境」の授業で、手植えによる田植え実習を行いました。この日に向け、有馬高校の水田でも事前に2年生「農業機械」の授業で耕うん実習を行い準備を進めてきました。

 人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 さて、2時間目が終わり、いよいよ田植え実習ということで、みんなサンダル姿で集合してきました。

 

 まずは実習前の事前学習です。田植えの手順や苗の植え方、水分補給や着帽、タオルを首に巻く・・・など熱中症予防についての注意点などについて重点的に説明を受けました。

 この日実習を仕切るのは、摂南大学に在籍し、農業の教師を目指している2名の教育実習生です。一人は人と自然科を、もう一人は総合学科を卒業された先輩です。人と自然科には農業の学びを活かし、国公立大学や難関私立大学に進学し、毎年のように卒業生が、教育実習生として戻ってきています。

 令和5年度人と自然科 進路実績はこちら.pdf

 また有馬高校では総合学科の生徒も2,3年生の選択科目で農業の授業を受講することができ、今回教育実習で戻ってきてくれた生徒のように、授業で農業に興味を持った生徒が農学部に進学し、関連産業に就職している生徒もいます。

 総合学科の教育課程表はこちら

 ホワイトボードを使った説明も終わり、いよいよ水田に向かいます。そして水田でも実演を交えて最後の説明を受けます。

 

 イネの苗を受け取り、一列に並びます。 そして早速田んぼに入りましょう。畦を踏んではいけません。裸足で水田に入るということで、最初は躊躇している生徒もいましたが、すぐにやる気モードに突入です。

 

 そしていよいよ田植え開始。苗を3本取り分けます。このとき、根のかたまりの部分を持ってちぎらないと、根が切れて活着しにくくなります。そして教育実習生の合図で一斉にイネの苗を植えていきます。ちなみに有馬高校で今年栽培するイネは「ヤマフクモチ」という品種のもち米です。

 

 イネの苗は玉ヒモ(20cmおきにイネの苗を植える場所の印がついたロープ)に沿って、1カ所に3本ずつ、中指の第1関節の深さまで植えていきます。ロープを持つ生徒も真剣です。

 

 そして一歩下がって自分の足跡を消します。ここで重要ポイント。一連の作業が終わったら全員で腰を上げること。これが全体を教育実習の先生が玉ヒモを持つ生徒に次に進める合図を出すきっかけになります。

 

 膝下まで沈む水田に足を取られてしまう生徒もいましたが、楽しく真剣に実習を行うことができました。

 そして開始1時間30分が過ぎたころ、1枚の田んぼにイネの苗ををまっすぐ等間隔に植えることができました。

 

 足を洗って振り返り。教育実習生からも、一生懸命頑張ったということでほめてもらえましたね。みんな達成感と充実感に満ちた表情でした。

 

 今回手植えをしたもち米は、10月下旬に収穫を迎える予定です。有馬高校では毎年手刈りで収穫しています。

 昨年度の稲刈りの様子はこちら

 そして今年は11月9日(土)に予定されている秋の農業祭にて、もち米、そしてこのもち米を使って加工した「焼餅入りおしるこ」として販売予定です。楽しみですね。

 昨年令和5年度の秋の農業祭に関する記事はこちら 

 収穫まで皆様しばらくお待ち下さい。

人と自然科 農業クラブ三田警察署の花壇装飾活動&感謝状をいただきました

 6月4日(火)農業クラブ本部役員ならびに有志の生徒7名が三田警察署を訪れ、花壇装飾活動を行いました。人と自然科では、日ごろの授業や実習で学んだ技術を活かして、公共施設の花壇装飾やイベントでの作庭などを行っています。今回は先週の三田市消防本部に続いての公共施設植栽活動です。

 先週の三田市消防本部の花壇装飾活動に関する記事はこちら

 三田警察署でも事前に代表生徒が、冬のお花であるパンジーやビオラの片付けを行い、基肥(お花を定植する前に施す肥料)を施し、耕うんを行い定植できるように準備を行っていました。

 

 今回は自分たちで栽培したサルビアやペチュニア、マリーゴールド約300鉢を持参し装飾開始です。

 まずは花苗を並べてデザインを決めていきます。早速ベゴニアの苗を中央に配置していますね。

  そして後方に背の高いサルビアを配置し、左右はオレンジと黄色のマリーゴールドで何かをデザインしているようです。

 ペチュニアで隙間を埋めてデザイン完成。一斉に定植していきましょう。

 潅水をたっぷり行い周囲の土や花がらを掃除して・・・

 約1時間半かけて完成した花壇はこちらです。

 真ん中にはベゴニアで110の数字を、そして右側には警察署の地図記号、右側には兵庫県のマークをマリーゴールドでデザインしました。

 花壇完成後、三田署長が見に来てくださり、その後署長室に案内され、直接感謝状をいただきました。

 そして署長との懇談会も行い、お花の管理方法を伝えるとともに、生活安全課の署員の方からも近年高校生の間で広がっている闇バイト、裏バイトに関する情報提供や兵庫県警が運用している犯罪発生マップの紹介などをしていただきました。

 最後に署長と一緒に記念撮影です。このたびは感謝状をいただき本当にありがとうございました。

 

 なお今回装飾に使用した、マリーゴールドやペチュニアなどの花苗は現在有馬高校ガラス温室にて絶賛販売中です。平日の9:00~17:00、6月いっぱいをめどに販売しています。場所は有馬高校西門(6角形の大温室が目印です)から入っていただき、左手の温室です。

 

  無くなり次第終了となります。詳細は以下のとおりです。

R6春の農業祭終了後花販売 .pdf

  生徒が実習で丹精込めて栽培した草花苗です。ぜひご購入ください。

人と自然科 ひとはく連携セミナー2回目 生物の「種」について学ぶ

 5月31日(金)人と自然科1年生学校設定科目「人と自然」の授業で、今年度第2回目となる「ひとはく連携セミナー」を行いました。

 R6入学生人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 有馬高校人と自然科と県立人と自然の博物館の間では生徒のセミナー受講について協定を結んでおり、年間8回、県立人と自然の博物館を訪れ、博物館の専門員から、各分野のユニークかつ専門的な講義を直接受講することができます。第2回目の講義は太田 英利研究員から「生物の「種」について」をテーマに講義をいただきました。

  まずは「種類」と「種」の違いについて皆さんはわかりますか?英語で言うと「種類」は「kind」、「種」は「species」となり、地球上に生きている個体の集合体を「種」といっています。種の定義としてよく使われるのが「生物学的概念」と「類型学的概念」で、簡単に言うと「生物学的概念」は生殖の可否で分類し、集合体を作る考え方で、「類型学的概念」は姿・形で分類し集合体を作る考え方です。 

  しかし姿・形は生き物が住んでいる環境によって異なってくる可能性も高く、確実性に疑問がもたれることもあります。そこで新しい考え方として出てきたのが「遺伝子に基づく類縁関係」で分類する方法です。実際にDNAの配列を参考に分類していきます。「遺伝子に基づく類縁関係」が発揮された一つの例として、アオカナヘビの例を教えていただきました。

  沖縄県の宮古諸島と沖縄諸島に生息しているアオカナヘビ。見た目がほぼ同じことから1990年代まで同じ種と考えられていました。しかし詳しくDNAの解析をしてみると姿かたちがよく似た全く別の「種」ということが分かり、1996年に宮古諸島に生息していたアオカナヘビがミヤコカナヘビに改名されたのだそうです。面白い事例ですね。

 同じようにワニ・カメ・ムカシトカゲ・トカゲ・ヘビは爬虫類の仲間ですが、DNA解析を行ったところ、ワニとカメは鳥に近い、特にワニは極めて鳥に近いということが分かったとのことです。生き物の世界もまだまだ新しい発見がたくさんありますね。生徒は一所懸命にメモをとりながら聞いていました。太田先生、興味深いお話をありがとうございました。

 次回の「ひとはく連携セミナー」は高橋 鉄美研究員より『タガニイカ湖での調査』というテーマで、世界に生息する固有種について学びます。楽しみですね。

人と自然科 農業クラブ活動として三田市消防本部の花壇装飾活動実施

 人と自然科のように高校で農業を学ぶ生徒は全員、生徒会に加え農業クラブという組織に所属します。そして日ごろ授業や実習で学んだ知識や技術を自分のものにするため、様々なボランティア活動に取り組んだり、全国の農業高校生と知識や技術を競い合う競技会に挑戦したりしています。

 最近のボランティア活動 でんスポアドベンチャーフェスタにて苗販売&アレンジ体験実施しましたに関する記事はこちら

 最近行われた知識を競い合う競技会 農業クラブ農業鑑定競技会校内予選会に関する記事はこちら

 そして5月30日(木)農業クラブ本部役員ならびに有志の生徒9名が三田市消防本部を訪れ、花壇装飾活動を行いました。この日に向けて代表の生徒が事前に、冬に植栽したパンジーやビオラの片付けを行い、基肥(お花を定植する前に施す肥料)を混ぜ込み、耕うんを行うなど準備を行っていました。

 植え付け当日、マリーゴールド、ペチュニア、ベゴニア、サルビアなどの花苗約400鉢を持参し、自分たちでデザインを考え植栽します。ちなみに有馬高校農業クラブが植栽を担当しているスペースは、道路に面した花壇と、庁舎の入り口右側にある2か所の花壇です。

 

 今回は男子チームと女子チームに分かれてデザインしました。相談しながら花壇の配植を検討し、苗をおいていきます。

 まずは男子チーム。中央にマリーゴールドとペチュニアでラインを作り、淡い色のベゴニアで挟むデザインのようです。

 

 一方の女子チーム。中央に背の高いサルビアを配置し、周囲を背の低い花苗で囲むという高低差を活かしたデザインのようです。

 

 そしてデザインが完成したらみんなで一斉に植えています。途中署員の方がたくさん覗いてくださり、「いつもありがとうございます」「とてもきれいですね」とうれしい声をたくさん掛けていただきました。

 最後にたっぷり潅水(かんすい)して約1時間で終了です。

 完成した花壇はこちら。

 最後にみんなで記念写真。

 完成を知った署員の皆さんが見に来てくださり、一緒に写真を撮りました。かっこいい消防士の皆さんに囲まれて緊張しましたね。

 

 三田市消防本部前を通る際は、是非ご覧下さい。

人と自然科 令和6年度第1回先輩農業者特別授業を行いました

 5月29日(水)人と自然科3年生の生徒を対象に、先輩農業者特別授業が開催されました。先輩農業者特別授業は阪神農業改良普及センター様にサポートいただき、実際に地域で活躍されておられる農業者の方を招いて生の声を聴くことで、就農、進学への意識を高めることを目標に行われています。

 

 人と自然科を卒業していく生徒は、保育や芸術、経済など様々な分野に進学、そして製造業やサービス業など幅広い職種に就職していきますが、もちろん農業を学ぶ学科ということで、就農や関連産業への就職を目標としている生徒が一定数います。そのような生徒は農学系の国公立大学、私立大学、県立農業大学校、専門学校へ進学した後、就農や関連産業への就職を果たす生徒が多いようです。

R5人と自然科卒業生進路実績はこちら.pdf

それ以前の人と自然科卒業生の進路実績をご覧になりたい方はこちらページ(学科概要)内のリンクをご覧ください

 この先輩農業者特別授業は、就農や関連産業への就職を目指す生徒を後押しすることはもちろん、経営者でもある先輩農業者の話は他の分野へ進む生徒にとっても有益な情報をたくさん得ることができる絶好の機会となっています。

 

 今回お話をいただいた小仲さんは、県内の農業高校を卒業後、東京にあった農業者大学校へ進学。卒業後平成8年に、ウメとクリを栽培する『湖梅園』の4代目として就農されました。現在はクリ7.5ha、ウメ1.6haを栽培されており、特に小仲さんが栽培されるクリは日本中の料理人から高い評価を得ており、『令和天皇即位の礼』の晩餐会デザートでも使用され、世界中の国賓が小仲さんのクリを口にされたそうです。世界中の有名人に自分が栽培したクリを食べてもらいたいという夢の一つが叶った瞬間だったと誇らしげに話しておられました。

 

 小仲さんのこだわりは土づくり。『畑で出たものは畑に帰す』という思いから自作の堆肥舎を建て、三田牛の牛糞を近隣の牧場から分けていただき、クリのイガや剪定枝など通常廃棄の対象となるものも、混ぜ合わせ自家製完熟堆肥を作り、畑に戻しているとのことでした。 さらに持続可能な農業経営を目指し、樹高を低くする低樹高栽培や果樹栽培ではなかなか取り組みにくい機械化を積極的に進めており、乗用草刈機や乗用防除機(スピードスプレーヤー)、ウッドチッパーなど積極的に導入されているとのことでした。

 

 後半は自身の高校時代、大学校時代、就農直後、そして後継者が戻ってきて一緒に経営している現在を振り返り

『大学校時代で得たものは人とのつながり。今でもそのつながりを経営に生かしている』

『農業経営で大切なことの一つが情報を得ること。天候や社会情勢が原因で経営が予定通りいかないことがあるがそれが農業。情報を得て早く対応することが大切』

 

など日々感じることを直球で伝えていただき、最後に高校生へのメッセージとして

『私も含め今の農業者が皆さんにかなわないもの。それは若さ、価値観、感性の3つ。新しい価値観、感性とパワーで、今の農業を変えていってください。応援しています。』と激励いただきました。

 小仲さんの言葉の一つ一つに、仕事に対するプライドやこだわりが感じられましたね。質問も積極的にでてきたところからも、たくさんのヒントを得ることができたのではないでしょうか。この特別授業を糧に、いよいよ進路実現に向け頑張っていきましょう。

 

 小仲さん、熱い話を本当にありがとうございました。そしてご支援いただきました阪神農業改良普及センター様、このような機会をいただきありがとうございました。

人と自然科 ブドウ栽培 ジベレリン処理を行いました

 人と自然科では、ベリーA、ピオーネ、マスカット3種類のブドウを栽培しており、2年生の果樹と緑の授業でベリーA、3年生果樹と緑で高級ブドウのピオーネを、そして「総合実習」の授業を中心に全学年でマスカット・オブ・アレキサンドリアの栽培技術を学んでいます。

 人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 4月の芽かき作業から栽培はスタート、生徒は毎週ブドウ畑に足を運び技術を習得しています。

 今年もブドウ栽培スタートしました・・に関する記事はこちら

 そして5月に入るとブドウは一気に成長し、様々な管理作業に追われています。たとえば上に伸び、屋根に突き当たろうとしている枝を折らないように、ねじりながら下に向ける「捻枝」、テープナーという道具を使って針金にとめていく「誘引」作業や1本の枝に2つ~3つついている花穂(つぼみの塊)を1つにしぼる「摘穂」、房の形を整える「整房」などなど、毎回実習は充実していますね。

 

 そして5月下旬に入り、いよいよジベレリン処理を学びました。ジベレリンは植物ホルモンの一種。主に無核化(種なしにすること)を目的に行い栽培期間中2回実施します。

 まずは2年生によるベリーAのジベレリン処理です。

 

 ベリーAの場合、ジベレリンの濃度は100ppm。実施時期は開花前約2週間です。判断方法の一つとして、蕾の幅が約1.8mmを超えてきたた頃。タイミングを逃すと果実にに種が残ってしまうため、中間考査終了後、短時間残って実習を行いました。カップに入れ、花穂(つぼみの状態の房)を一つ一つ丁寧に液に浸していきます。

 

 しっかり処理できましたね。2回目は開花後訳15日後が適期です。しっかり取り組みましょう。

 その一週間後・・・今度は3年生の生徒ピオーネのジベレリン処理を行いました。

 

 ピオーネの1回目の処理適期は満開から約5日後。濃度は12.5ppmです。さすが3年生。昨年ベリーAの栽培を学んだだけあって、慣れた手つきです。

 ちなみにピオーネの2回目ジベレリン処理時期は1回目の10~15 日後です。

 3年生がジベレリン処理を行った翌日には、2年生総合実習で、着粒促進のためにマスカット・オブ・アレキサンドリア のフルメット処理も行いました。

 

 これからブドウ栽培は最大の難関「摘粒」(粒を一粒一粒落として房の形を整える作業)へと移っていきます。ブドウを待っている皆様(有馬高校の生徒・保護者限定販売です)のために頑張りましょう。

 昨年度の ブドウ販売会の様子はこちら
 

人と自然科 令和6年度農業クラブ前期総会を開催しました

 中間考査が無事終了し、先日有馬高校では前期生徒総会が開催されました。

 前期生徒総会に関する記事はこちら

 生徒総会に続き、5月24日金曜日には講義棟に 人と自然科の1年生から3年生の生徒全員が集まり、令和6年度農業クラブ前期総会が開催されました。

 人と自然科のように、全国の農業に関連する学科で学ぶ生徒は全員『生徒会』に加えて『農業クラブ』という組織に所属しています。(そのため生徒総会と農業クラブ総会の両方に出席します。)農業クラブが生徒会と異なるのは、農業や環境などに関する知識や技術を習得する日頃の授業や実習も農業クラブ活動であり、習得した知識や技術を活かした地域貢献活動も農業クラブ活動です。

 直近の地域貢献活動 でんスポアドベンチャーフェスタ出店に関する記事はこちら

 また全国の農業高校生と交流したり、農業について学んだことを全国約9万人の農業高校生と競い合う各種競技会に挑戦したりするのも農業クラブ活動の特徴です。

 先日全国の農業高校生とフラワーアレンジメント技術を競い合った第19回NFD全国高校生フラワーデザインコンテストに関する記事はこちら

  昨年全国の農業高校生と競い合った農業クラブ全国大会熊本大会に関する記事はこちら

 総会の進行はもちろん農業クラブ本部役員の生徒が全て行います。そして今年度初めてBYOD端末(一人一台端末)のタブレットコンピュータに総会資料を配信しペーパーレスで行うことにしました。

 前期副会長による開会の言葉の後、まずは人と自然科のリーダーである前期会長より挨拶です。『競技会や郊外活動などで活躍された、昨年卒業された先輩方に負けないように人と自然科の生徒が一丸となって頑張りましょう』とクラブ員一人一人を鼓舞する素晴らしい挨拶でした。

 

  そして議長が選出された後、総会に入ります。執行部事業から令和5年度事業報告と令和6年度事業計画案

 

 執行部会計から令和5年度会計決算報告と令和6年度会計予算案、さらには監査委員から会計監査報告があり、異議もなく承認されました。

 

 議長解任後は昨年度の活動成績報告。昨年度は前文で紹介した農業クラブ全国大会やフラワーアレンジメントに加え、全国産業教育フェアフラワーアレンジメントコンテストでも銅賞に入賞するなど様々なコンテストで優秀な成績を収めることができたことが報告され、『今年度も先輩に負けない活躍ができるように頑張りましょう。』と言葉がありました。

 第22回全国高校生フラワーアレンジメントコンテストに兵庫県代表として出場 銅賞受賞に関する記事はこちら

 県庁緑化活動に対し教育長より感謝状をいただきました に関する記事はこちら

 農業クラブフラワーアレンジメント班の生徒がゆずりは賞(教育長表彰)受賞 に関する記事はこちら

 農業クラブフラワーアレンジメント班 さんだチャレンジャーズアワードを受賞 に関する記事はこちら

 次は令和6年度前期有馬高校農業クラブ執行役員の紹介です。2.3年生を中心とした11名の執行部役員に加え、新たに7名の1年生を加えた27名の執行委員が紹介されました。このメンバーが人と自然科の核となり、農業祭などの行事やオープンハイスクールの運営、農業を通したボランティア活動など、人と自然科を盛り上げてくれます。役員のみなさんよろしくお願いします。

 

 最後はもちろんFFJの歌斉唱です。FFJの歌は全国の農業高校生が県大会や全国大会、農業高校生が集う会議や交流会で必ず斉唱する歌です。

 (日本学校農業クラブ連盟HP内に、FFJの歌が聞けるリンクがあります)

 農業クラブ本部役員の生徒の大声に多くの生徒が応え、会場は大合唱でした。人と自然科生徒の勢いを感じました。

 

 閉会のことばで前期総会も無事終了。

 農業クラブ活動はいよいよ本格的にスタートします。6月には兵庫県下11校の農業高校生が集まるイベント『リーダー講習会』そして7月には農業高校生の甲子園、インターハイとも呼ばれる『各種競技会』の予選会である県大会です。人と自然科のみなさん、日々の農業学習を楽しみながら全国制覇を目指し、頑張りましょう。

人と自然科 令和6年度 第1回農業法人仕事説明会に参加しました

 5月23日(木)加古川総合文化センターにて、農業法人仕事説明会が開催され、将来農業関係の仕事に就く可能性がある、人と自然科の生徒6名が参加しました。

 ひょうご農林機構(ひょうご就農支援センター)が主催で開催されているこの事業は、県内の農業高校、農業大学校に所属している生徒を対象に毎年2回開催されます。近年増えている農業法人と農業を学んでいるが、家が農業をしていない生徒をマッチングさせることを目的に6年前から実施されています。今回は県下の農業法人17社の経営者、そして社員の方がブースを設け、生徒・学生は県内8校から74名の生徒・学生が参加しました。

 人と自然科生徒の近年の進路状況を見てみると、128年の歴史を持つ有馬高校において、多くの先輩方とのつながりを活かた幅広い企業への就職はもちろん、農業系の4年制農学系大学や農業大学校などへ多数の生徒が進学し、大学、農業大学校卒業後に就農する生徒が毎年のように出てきています。

 (参考)今年3月に卒業した人と自然科進路実績はこちら.pdf

 今回参加した6人の生徒は、国公立大学・私立大学農学部や農業大学校に進学した後に就農、もしくは農業関連産業を希望する2年生です。開会式の後早速ブースを回ります。

 この日出展いただいた農業法人は、有馬高校の通学域でもある神戸市だけでなく、たつの市や上郡町、新温泉町や淡路市など県内全域から、そして、野菜・畜産・水稲など多様な経営体の法人のからの参加がありました。スライドや資料、動画などを準備いただき、分かりやすく説明していただきました。

 本校から参加した6人は、一人6社~7社の農業法人ブースを訪れ、経営内容やこだわり、勤務体系、休日などの話を熱心に聞き、メモを取っていました。そして時には農業に対する自分たちの考えも経営者の方に伝えていました。

 そして会場を見回っていると見覚えのある学生が・・・1年前に人と自然科を卒業し、現在県立農業大学校2年生として農業を学んでいる先輩でした。すでに就職活動がスタートし、関連産業への就職か農業法人への就農か迷っている中での参加なのだそうです。農業大学校でも様々なことにチャレンジし、毎日充実されているとのこと。とてもうれしいです。活躍している先輩の姿に励まされますね。

 3時間の説明会はあっという間に終了。終了後のアンケートを覗いてみると、「熱い思いを持っている経営者の方が多く、農業に対するプライドを感じた」「進路選択を考えるきっかけになった」・・・などなど充実した時間となったです。

 

 次回の開催は12月です。このような機会をいただきましたひょうご農林機構のみなさま、本当にありがとうございました。

人と自然科 農業クラブ農業鑑定競技会校内予選会実施しました

 5日間にわたる1学期中間考査がついに終わりました。生徒の皆さん手ごたえはいかがですか?これからは有高祭(文化祭)にむけ、忙しくなりますね。

 さて1学期中間考査中、人と自然科では農業クラブ農業鑑定競技会の校内予選会が密かに開催されていました。

 

 人と自然科の生徒も含め、全国の高校で農業を主に学ぶ生徒は全員『農業クラブ』という組織に所属しています。そして日頃の学習の成果や活動の成果を全国の農業高校生と競い合うのが各種競技会で、別名『農業高校の甲子園』『農業高校のインターハイ』と呼ばれており、8万人の頂点を目指す、農業高校生あこがれの場です。

 昨年度の農業高校の甲子園 農業クラブ全国大会熊本大会に出場 に関する記事はこちら

 そして各種競技の中で有馬高校が得意としているのが「農業鑑定競技会」です。農業鑑定競技会は、実習や座学など、農業に関する学習で得た知識を活かし、鑑定・判定を通して問題を解いていく競技です。出題数は40問で、農業に関わる生物やその病気、種子、肥料、機械機具、・・・等々を20秒または40秒というわずかな時間で鑑定・判定します。

 この農業鑑定を人と自然科では、科目「総合実習」の考査として実施しており、特に1学期中間考査は7月の県大会出場をかけた校内予選会として実施しました。学年関係なくガチンコ勝負。今年から新設された野菜・草花・果樹の3つの部門の代表権を争います。

 昨年の県大会 第71回兵庫県学校農業クラブ連盟大会  前編(競技会当日)に関する記事はこちら

 このように机の上に植物や工具、病気や害虫の写真が並べられ、生徒は観察しながら問題を解いています。

 

 せっかくなので今回校内予選会(1学期中間考査)で出題された問題をいくつか紹介します。

 この花をもつ果実の名称を答えなさい。

 

 このうち、パイプレンチはどれですか?記号で答えなさい。

 

このうち短日植物はどれですか?記号で答えなさい。

 

 このような問題が40問続き、正答率で競います。ちなみに昨年は、人と自然科の生徒が県大会で最優秀賞(1位)と優秀賞(2位)を受賞し全国大会に出場。全国大会においても優秀賞を受賞することができました。

 昨年の県大会 第71回兵庫県学校農業クラブ連盟大会  後編(大会式典)に関する記事はこちら

 今回有馬高校の代表に選ばれる皆さん。先輩の活躍に続き、今年も全国大会に出場できるように、そして日本一を目指し頑張って準備していきましょう。

人と自然科 第19回NFD全国高校生フラワーデザインコンテストにて銀賞・銅賞・奨励賞受賞しました

 先日第19回NFD全国高校生フラワーデザインコンテストの結果が発表され、人と自然科フラワーアレンジメント班で技術を磨いている生徒が、銀賞・銅賞・奨励賞受賞しました。

 

 大会結果はこちら(外部リンク)

 まずは人と自然科のフラワーアレンジメントに関する取り組みについて少し紹介します。人と自然科では2、3年生の選択科目で学校設定科目「フローラルアート」を設定しており、授業でフラワーアレンジメントに関する知識や技術を習得することができます。

人と自然科教育課程表はこちら.pdf

3年生「フローラルアート」チャレンジ教室の一コマはこちら

  そしてさらに高度な技術を習得したい生徒は、農業クラブフラワーアレンジメント班に所属し、放課後や休日も練習を行い、国家資格であるフラワー装飾技能士の資格取得や全国大会への挑戦に向けた練習を行っています。

 国家資格フラワー装飾技能士に挑戦しています・・に関する記事はこちら

 もうひとつの全国大会 第22回全国高校生フラワーアレンジメントコンテストに兵庫県代表として出場 銅賞受賞に関する記事はこちら

 そして今回フラワーアレンジメント班の生徒が出場した第19回NFD全国高校生フラワーデザインコンテストはフラワーデザインの甲子園ともいえるイベントで、全国の高校でフラワーアレンジメントを学ぶ生徒が日本一を目指し挑戦する大会です。今回はフラワーアレンジメント班に所属している生徒が挑戦。大会に向けて、特別非常勤講師のフローリストの先生にアドバイスいただきながら自分たちでデザインを考え、花台も自分の手で制作。2ヶ月以上かけて完成させました。

 今回の大会テーマは「サステナビリティ」です。テーマに沿って作品の随所に工夫を凝らしていますね。出場した選手の作品と作品コンセプトはこちらです。

 S.Aさん タイトル:四季の”Re”サイクル (NFD銀賞)

 シュレッダーした落ち葉を糧にして、失われつつある日本の四季がこれからもめぐり続けてほしいという願いを込めました

I.Yさん タイトル:循環 (NFD銅賞)

 色とりどりの植物が重なり合って、繰り返し生命が巡り自然が循環する様子を表現しました

I.Kさん タイトル:果てしない可能性 (奨励賞)

 私たち高校生からあふれ出す個性的なアイデアが世界中で実行され、持続可能な社会が実演されている様子を表現しました

S.Hさん タイトル:想望

 感情が複雑に絡み合う世界。多様性を互いに認め合い平和な時代をともに築いていくという想いを作品に込めました

 どの作品も個性的で素晴らしい作品ですね。入賞したみなさんおめでとうございます。

 ちなみに先日人と自然科に入学した1年生も3人の生徒がフラワーアレンジメント班に入部したとのことです。先輩の活躍に負けないように練習頑張りましょう。

人と自然科 地域自然保護 現地フィールドワークその2 里山管理を体験する

 人と自然科3年生学校設定科目「地域自然保護」の授業では、今年も県立有馬富士公園をフィールドとし、1年かけて有馬富士公園を訪れるゲストに公園の自然を感じてもらうための体験プログラムを生徒自身が企画し、実践する授業を行っています。

 人と自然科教育課程表はこちら.pdf

  前回は実際に有馬富士公園で夢プログラムを実施されている地域の先輩方からプログラムを体験させていただいており、里山を存分に楽しむプログラムを体験しました。

 前回のフィールドワーク 『ありまふじ里守の会』里山を存分に楽しむ に関する記事はこちら

 そして5月14日(火)、現地フィールドワーク2回目として、有馬富士公園で里山管理活動を継続的に行い、さらにはシイタケ菌打ち体験やキノコ観察会などの体験活動を来園者に提供されている『緑の環境クラブ』の方々から夢プログラムを体験しました。まずは体験の1週間前、グループの代表の方に来校いただき事前学習を行いました。

 

 里山と人間との密接な関係や多様な生態系、そして常緑樹を中心に間伐するなど、里山管理の方法について学んだ後、安全に里山管理柄を行うための注意点について詳しく説明いただきました。特に今回は太い樹木を伐木するということで、鋸刃の入れ方やロープのかけ方など、専門的な技術をスライドを見ながら学びました。

 そして一週間が過ぎ、有馬富士公園へ。天候は快晴です。

 ヘルメットと剪定ばさみ・のこぎりを装着し、自己紹介です。今回は緑の環境クラブより10名の方にお世話になります。お忙しい中本当にありがとうございました。そして安全に実習を行うための最終確認。マダニなどから守るために肌の露出を避けること、ハチやマムシが出たときは安易に近づかず周囲に知らせることなど、けがをしないための大切な心構えを再確認しました。

  3班に分かれ、いよいよ実習地へ向かいます。

 ラジオ体操、そしてマダニ対策の虫よけスプレーをしっかり吹き付けた後、里山に入ります。

 入る直前には、触るとかぶれる可能性のあるウルシ類の植物も教えていただきました。

 まずは全員で下草刈り体験です。このように地表部を覆うネザサをノコギリや剪定ばさみで刈っていきます。

 

 『バイオネスト』という分解を促進させるためのスペースに集めていきました。さっぱりして風通しが良くなりましたね。

 

  次は間伐体験です。混み合った里山を明るくしていきます。一週間前の事前学習で教えてもらった内容を思い出しながら、ロープと滑車をかけていきます。

 今回はソヨゴやヒサカキなどの常緑樹をノコで伐採しました。太い樹木は下の写真のように受口を作り、ロープを引っ張り、意図した方向へ倒していきました。

 

 そして間伐した樹木置き場を作るために丸太を削って杭を作り、枝を使って支え、安全に杭を打ちバイオネストを作りました。

 

伐採した木は腐食し土に還りやすくするために小さく切断し、お手製のバイオネストに積んでいきました。

 木を1本間伐しただけで、上空から光がさしてきました。里山の中に光が入ると、地表面に新しい植物が芽吹き始め、多様な生態系が生まれます。

 約2時間のプログラムはあっという間に終了。最後に道具の手入れをしっかり行います。これも大切なプログラムです。

 最後に大ホールに戻って振り返りです。この日見つけた樹木の名前を復習し、

  1人ずつ本日のプログラムで気づいたことを発表しました。『木を1本切るだけで様々な技術が必要だということを学んだ』『里山管理の方法について学ぶことができた』『次回機会があれば、もっと太い木を間伐してみたい』など前向きな意見ばかりで、生徒にとって忘れられない経験となったようです。

 緑の環境クラブの皆さん、すばらしい夢プログラムをありがとうございました。

 

 この日あまりにも天気が良かったので、最後に公園のシンボルツリーの前で集合写真を撮りました。

 

 次回の現地研修は元キッピーフレンズの方から、公園の植物を活用した夢プログラムを体験する予定です。

人と自然科 ひとはく連携セミナー1回目 兵庫県のlいろいろな生き物について学ぶ

 人と自然科には身近な環境保全方法を学ぶ「ナチュラルキープ」やフラワーアレンジメント技術を専門的に学ぶ「フローラルアート」など、人と自然科でしか学べない授業「学校設定科目」がたくさんあります。

R6入学生人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 そして1年生の生徒が全員学ぶ学校設定科目が「人と自然」。今年も「人と自然」の授業で、ひとはく連携セミナーがスタートしました。有馬高校人と自然科と県立人と自然の博物館の間では生徒のセミナー受講について協定を結んでおり、年間8回、県立人と自然の博物館を訪れ、博物館の専門員から、各分野のユニークかつ専門的な講義を直接受講することができます。有馬高校から徒歩で約15分。みんなで元気よく歩いていきます。天気にも恵まれてよかったですね。

 さて、第1回目の講義はセミナーは「兵庫県のいろいろな生物」をテーマに、毎年お世話になっている鈴木武研究員から講義をいただきました。鈴木先生は植物研究の第一人者ですが、植物以外にも昆虫やは虫類など幅広く研究されています。

 まずは「種分化」について学びました。大陸移動や砂漠・氷河の形成などが障壁となって複数の集団にれること分断されることを地理的隔離といい、また個体群の中で生殖が行われないこと、もしくは同じ場所に生息していても互いの間で交雑が起きないことを「生殖的隔離」といいます。このような様々な隔離によって「種」というのができあがっていくのだそうです。

 次に種分化の一例として、鈴木先生が研究の第一人者であるタンポポについて説明していただきました。タンポポにはカンサイタンポポやセイヨウタンポポ、カントウタンポポ、シロバナタンポポなど多様な種類があり、花弁の色はもちろん、特に外片の細かな形の違いで見分けるのだそうです。ちなみに近年はカンサイタンポポとセイヨウタンポポの雑種も増えているそうです。

 そして鈴木先生のコレクションも実際に見せていただきました。ヘラクレスオオカブトや蛇のレプリカ、イモリやハツカネズミ・・・それぞれの生き物の触り方や特徴など実際に触れて学ぶことができました。

 

 ちなみに生き物には特徴から名前がついているものが多くあるようで、例えば今回見せていただいた生き物では、イモリは井戸や池を守る「井守」、ヤモリは家を守る「家守」、コウモリは河を守る「河守」という意味が込められているとのことでした。

 とても興味深く学べたようであっという間に90分すぎてしまいました。鈴木先生本当にありがとうございました。はじめてのひとはくセミナーということで、集合写真を撮りました。

 今年入学した1年生は、農業や環境に特に興味があり、普段の農業に関する実習も意欲的です。そして人と自然科ではこのようなユニークな経験、体験を積み重ね、3年後の進路実現につなげていきます。

 令和5年度人と自然科 進路実績はこちら.pdf

 次回のひとはくセミナーは太田 英利研究員より『生物の種について』というテーマで、「種」についてさらい知識を深めていきます。頑張りましょうね。

人と自然科1年生 『農業と環境』 スイートコーンの定植を行いました 

 1年生の生徒が有馬高校に入学してあっという間に1か月経ちました。人と自然科でも『総合実習』をはじめとした実習の授業が本格的にスタート。野菜・草花・果樹の栽培について、実学を通してしっかり学んでいます。

 R6入学生人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 作物の栽培について基礎から学ぶ『農業と環境』の授業では、先日自分たちで種をまいたスイートコーンを圃場に移植する定植という行程を学びました。

 スイートコーンの種まきの様子はこちら

 種をまいて10日後、育苗ハウスを訪れてみると・・・

 一気に10センチほど成長していました。早速発芽率を計算。ほとんどの生徒が85%を超えていましたね。優秀です。

 その後雨が続き、なかなか圃場に入れない日が続きましたが、ゴールデンウィーク明けにやっと天気が持ち直し、整地作業です。農具の説明を受けた後、早速農場に向かいます。

 皆さん野菜などの作物が植えられているところが山のように盛り上がっているのを見たことがあると思います。これは専門用語で『畝(うね)』と言って、排水性を良くしたり、作業効率を上げたりする役目があります。この『畝』の上の部分『床(とこ)』をクワを使って平らにする作業が整地です。

 一見簡単そうに見えますがコツが必要です。山の上を削りすぎると低くなりすぎてしまいますし、逆に高くしすぎると床の面積が小さくなりスイートコーンを植える間隔が狭くなってしまいます。目安は畝幅50cmです。そして柄を短く持つと力が入りやすくなります。また仕上げはクワの横の部分を使って整えます。

 整地できたところでいよいよ定植です。

 今回は株間(苗の中心から中心までの間隔)30cm、並み植え(隣の列の苗と平行に植える方法)で行いました。ポイントは、少し深めに植えてウオータースペース(かん水したときに水がたまるくぼみ)を作ることです。うまく定植できましたか?

 定植した日はちょうど公開授業&春季オープンハイスクールの日。中学生と保護者の方がたくさん見学に来てくださり、少し緊張しましたね。

 公開授業&春季オープンハイスクールに関する記事はこちら

 約1時間半かけて一人30本のスイートコーンを定植しました。これから気温もどんどん上がり、スイートコーンもどんどん成長していきます。

 ちなみに人と自然科では毎年1年生の生徒が栽培したスイートコーンを北摂第一幼稚園の年中さんと一緒に収穫をしています。昨年もとても楽しい時間となりました。

 昨年の収穫交流会の様子はこちら

 しっかり管理・観察して、おいしいスイートコーンを収穫できるように頑張りましょう。

人と自然科 地域自然保護 現地フィールドワークその2 里山を存分に楽しむ

 人と自然科3年生学校設定科目「地域自然保護」の授業では、今年も県立有馬富士公園をフィールドとし、1年かけて有馬富士公園を訪れるゲストに公園の自然を感じてもらうための体験プログラムを生徒自身が企画し、実践する授業を行っています。

R6入学生人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 前回は有馬富士公園パークセンター職員の方から、有馬富士公園の歴史や県立公園に関する関係法令など、パークマネジメントについてお話いただき、実際に現地見学も行いました。

 前回授業 現地フィールドワークその1 有馬富士公園について知る に関する記事はこちら

 そして今回からはいよいよ実際に有馬富士公園で夢プログラムを実施されている地域の先輩方からプログラムを体験させていただきます。4月30日(火)有馬富士公園の里山を復元、活用する活動をされているの皆様による、里山を存分に楽しむプログラムを体験しました。『ありまふじ里守の会』は有馬富士公園にある里山や棚田の再生活動を楽しみながら行っているグループです。

 代表の遠藤先生から簡単な日程説明を受けたあと、安全のためのヘルメットを受け取り、早速里山に入っていきます。

 まずはアイスブレイク「立体カモフラージュ」というプログラムです。約10mの草むらの中にぬいぐるみなどの人工物が隠されており、何個隠されているか見つけながらゆっくり歩いていきます。

 これは簡単・・・とみんな思っていたようですが、見つけた数を聞いてみると全く足りておらず・・・ワイワイ言いながら全員やり直し。2回目のチャレンジです。想像以上に盛り上がりましたね。このプログラムではこれから入る里山の中で、しっかり視野を広げる練習の意味も兼ねているとのことでした。

 しっかりアイスブレイクできたところで、先ほど受け取ったヘルメットを着用し、いよいよ里山に入ります。

 次のプログラムは『アニマルトラッキング』です。里山の中に生息する多様な生き物の痕跡を探します。まず見つけたのは動物の足跡。Vの字の跡からイノシシだと推測されます。

 そしてさらに歩くと樹木の幹に縦の傷が・・・下から上に傷が付けられているということで、雄鹿が角を研いだ後だと推察できました。

 さらに歩くと地面にエビフライのようなものが落ちていました。これはリスが松ぼっくりの「かさ」の部分を食べ、芯の部分を地面に落としたもので、別名『森のエビフライ』と言われています。このように様々な生き物の痕跡を見つけることができ、里山の生物多様性を感じることができました。

 そして最後のプログラムは「カントリーヘッジづくり」です。カントリーヘッジとは枝などの木材を積み上げ、通路側と林内を区別する垣根のことです。里山の資源を循環できるだけでなく、木材を積んでいるだけなので隙間が多くでき、小さな生きものの住処となります。早速、里山に散らばり、落ちている枝を拾い集めます。また、間伐も行い必要な材料を集めました。

 材料がそろったところで杭を打ち、互い違いに枝を重ねていったら完成です。里山の中の資源を楽しく活用する・・・本当に楽しい時間でしたね。

 あっという間に時間は過ぎ、本日のプログラムは終了です。最後にかやぶき民家に集まり、企画を行う際のポイントや、安全に行うために大切なことなどを振り返り、体験を終えての感想も共有しました。

 ありまふじ里守の会の皆様、企画から本番のプログラム体験まで本当に時間をかけて準備いただきありがとうございました。生徒にとっても貴重な経験となりました。

 次回は緑の環境クラブの皆さまにお世話になり、本格的な里山管理に関する夢プログラムを体験する予定です。楽しみですね。天候に恵まれますように・・・。

人と自然科 農業クラブ でんスポアドベンチャーフェスタにて苗販売&アレンジ体験実施しました

 人と自然科では日頃の授業で学んだ知識や技術を活かし、様々な活動を行っています。先日4月20日(土)にも春の農業祭が開催され、授業や実習の成果である野菜苗、花苗を地域の方に販売し、800人を超える方が来場され大成功に終わりました。

 令和6年度春の農業祭 盛大に開催されましたに関する記事はこちら

 農業祭の熱気が冷めやまない4月27日(金)神戸市北区にある北神戸田園スポーツ公園にて、「でんスポアドベンチャーフェスタ」が開催され、人と自然科農業クラブの本部役員の生徒、並びに農業クラブフラワーアレンジメント班の生徒が参加しました。

 

  「でんスポアドベンチャーフェスタ」は北神戸田園スポーツ公園に地域の方が集い、食品バザーやダンス、ワークショップなどをとおして地域の方と交流を深めることを重視しているイベントです。有馬高校人と自然科としては昨年春に続き、3回目の参加となりました。今回は農業クラブ本部役員の生徒による、花苗・野菜苗販売などの農産物販売と、フラワーアレンジメント班によるコサージづくり体験教室を行います。会場に到着後早速準備開始です。

 今回のイベントにはは自分たちで栽培した花苗や野菜苗を1500ポット以上持参しました。商品を陳列したりフラワーアレンジメントの体験会場を整えていきます。そして、レジのシミュレーションやアレンジメント体験のリハーサルも主体的に行っていました。素晴らしいですね。

 10:00になり、いよいよイベントスタートです。スタートと同時にお客様で販売所がいっぱいになり販売班は大忙しです。

 有馬高校の草花苗は花持ちがよく、夏まで楽しめる。そして野菜苗も植え傷みが少なく丈夫、と地域の方から高い評価をいただいています。トマトやバジルなどの野菜苗はあっという間に完売です。そして花苗はサルビアやアゲラタムが人気。たくさんのお客様に私たちの実習の成果である農産物を購入していただきました。

 次はフラワーアレンジメント班によるコサージづくり体験です。大きな声を出してお客様を呼び込みます。

 人と自然科と言えばフラワーアレンジメント。「フローラルアート」という学校設定科目(有馬高校人と自然科にしかない科目)を通して2年間、専門的な知識と技術を習得することができます。

 R6入学生人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 そして授業で学んだ技術を生かして各種大会にも出場しており、先日も全国大会で複数の生徒が上位入賞を果たしています。今回は6名のアレンジメント班メンバーが参加し、日頃の授業や実習で身に付けた技術を活かし、アーティフィシャルフラワーを使ったコサージづくり体験を提供しました。

 小さな子供から年配の方まで、ワイヤリングやテーピングなどの技術を丁寧に指導していきます。中には『昨年もこのイベントで一緒にコサージを作ってとても楽しかったから今年も来ました・・・』といううれしい言葉もいただきました。この日は40名を超える方が体験を楽しんでくださいました。

 さて、農業クラブ本部役員&フラワーアレンジメント班の生徒がイベントを頑張っていると・・・やはり出てきてくれました。人と自然科の生徒が実習を頑張っていると姿を現す妖精さん「ひとっしー」です。

 

  現れた瞬間、小さな子どもたちがたくさん集まり大人気です。一緒に写真を撮ったり、お客様の呼び込みをお手伝いしてくれるなどイベントを盛り上げていました。

 

 当日は雨の予報でしたがどうにか持ちこたえ、龍舞や音楽ライブ、木工やガラスなどのワークショップ、神戸電鉄グッズ販売、自衛隊や大型バスなど働く車乗車体験などのブースが出展し、イベントは大盛り上がり。そしてイベントに訪れた、神戸電鉄のゆるキャラ『しんちゃん』と自衛隊のゆるキャラ『ひょうちん』が偶然出会うという奇跡のコラボも実現しました。 

 有馬高校のブースに来場いただき、花苗、野菜苗を購入いただいた皆さま、アレンジメントを体験してくださいました皆さま、ありがとうございました。また田園スポーツ公園の皆様、イベントにお誘いいただき本当にありがとうございました。

人と自然科 ブドウ栽培もスタートしました

 有馬高校人と自然科の生徒は様々な作物の栽培を学び、生産した農産物を販売しています。現在も花の苗の販売が最盛期を迎えています。

R6春の農業祭終了後花販売について.pdf

 数ある生産物の中で1,2を争う人気商品がブドウです。人と自然科では2年生全員が果樹と緑の授業で、そして3年生果樹と緑コースを選択した生徒が、ブドウの栽培を学んでいます。

R6入学生人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 そんな大人気のブドウですが、4月中頃に新芽が吹き出し、いよいよ栽培がスタートです。

 ブドウ栽培最初の実習内容は芽かきという作業。たくさん出てきた芽を、必要なものだけ残す作業です。授業担当の先生から、出てきた場所による芽の名称の違いや、どの芽を残すのかを学んだあと、さっそくブドウ畑に向かいます。

 一般的なブドウの樹の仕立て方として、幹に約20センチおきに『結果母枝』という芽を出す部分を作っていきます。そしてそこからたくさん出る芽を選抜していき、最終的に1本に絞ります。いきなり1本に絞ると棚に誘引(枝を固定すること)するときに折れる可能性もあるので、保険として2本ずつ残します。左が芽かき前の写真、右が芽かき後の写真です。すっきりしましたね。

 

 2年生の生徒はベリーAの栽培を学びます。初めてブドウ栽培を学ぶということで、慎重に行っていましたね。

 そして3年生の生徒は、高級ブドウピオーネとマスカットを栽培します。昨年の経験もあり、スムーズに実習を行っていました。

 無事芽かきは終了。ここからブドウ栽培は摘穂、整房、誘引、副梢の管理、ジベレリン処理、巻きひげとり・・・などなどたくさんの工程が待っています。そして収穫したブドウは、有馬高校保護者、生徒限定で販売します。

 昨年度のブドウ販売会の様子はこちら

 おいしいブドウが収穫できるように頑張りましょう。

人と自然科 地域自然保護 現地フィールドワークその1 有馬富士公園について知る

 人と自然科3年生学校設定科目『地域自然保護』では、先週のオリエンテーションに続き、いよいよ有馬富士公園での活動がスタートしました。

 R6入学生人と自然科教育課程表はこちら.pdf  

 オリエンテーション 地域自然保護今年もスタートしました・・・に関する記事はこちら

 4月23日(火)生徒は公園を訪れ、実際に公園を運営・管理されているパークセンター職員の田中様から、有馬富士公園の概要、施設、県立公園に関わる法令そして夢プログラムについて説明をいただきました。

 まずは公園を実際に管理している兵庫県園芸公園協会の活動内容について学びます。「都市公園運営事業」「花緑施設運営事業」「花と緑のまちづくり事業」を行っており、現在18施設の都市公園・花緑施設を運営されています。そしてその一つがここ有馬富士公園です。

 次に有馬富士公園について詳しく学びます。有馬富士公園は、県内でも5本の指に入る来場者数を誇り、地域の方が公園の設立から関わっているユニークな公園です。そしてなんといっても特徴的なのが『夢プログラム』です。地域のボランティアの方がそれぞれの特技を活かし、来園者に向け様々な体験プログラムを提供しており、全国からとても注目されています。さらに 植物の伐採や生き物の採取など、都市公園法や条令で禁止されていることも、『夢プログラム』という仕組みを使って『管理』という名目で実施し、様々な体験プログラムを提供することができます。

 説明後はさっそく園内を散策しながら説明を受けました。まずは公園が一望できるスポット三田市自然学習センター屋上へ。シンボルの有馬富士と福島大池を望みます。

 

 そして公園に入っていきます。園内には季節のお花がたくさん咲いていましたね。

 

 有馬富士公園は里山をテーマとした公園です。園内には子どもたちが自然に触れ合うためのガーデン階段をはじめ、環境学習で学ぶための草地の生態園や水辺の生態園・鳥の小道などユニークなスポットがたくさんありました。

 

 そして福島大池をぐるっと一周散策し・・・

 

 昔の里地里山の風景、暮らしが感じられるかやぶき民家・棚田エリアに到着です。かやぶき民家にはボランティアでかやぶき民家を管理されている団体『かやぶき民家守しよう会』の方が常駐されています。屋内にはかまどや囲炉裏などがあり、今はちょうど端午の節句前いということで和室に5月人形が飾られていました。

 

  あっという間に時間が過ぎ、いつの間にか帰校時間。最後はダッシュでパークセンターに戻ってきました。全く時間が足りなかったですね。6月には2時間かけて公園内を自由に調査、取材する計画です。

 有馬富士公園パークセンター田中様、お忙しい中説明、案内いただきありがとうございました。

 次回からは地域の方が実際に公園で実施されてる夢プログラムをゲストとして体験します。第1弾は公園の里山や棚田を活用し体験活動を提供されている「里守の会」の皆さんから夢プログラムを体験する予定です。とっても楽しみですね。

人と自然科 1年生いよいよ農業の授業、実習スタートです

 人と自然科に入学した新入生。今年も農業に興味・関心の高い生徒が多いですね。いよいよ実習授業がスタートです。まずは全員で農場施設の見学です。

  人と自然科は野菜、草花、果樹と緑の3つのコースに分かれており、6棟のガラス温室と11棟のビニールハウス、そして約1haの圃場でトマトやキュウリ、花苗や鉢花、そしてブドウやブルーベリーなどの果樹を栽培しています。

 そしてシンボルとなっている施設は大温室。県下の県立学校最大の温室です。現在は亜熱帯植物に加え、バナナやアボカド、フィンガーライムなどの亜熱帯果樹の栽培をしています。

 有馬高校のシンボル 大温室がパワーアップして生まれ変わりました・・・に関する記事はこちら

  このような環境でこれから3年間、農業や環境を学ぶということで、ワクワクしてきますね。

 さて見学が終わったところで初めての農業の授業です。最初の授業は実習。農業に関する基礎的な知識や技術を学ぶ『農業と環境』の授業です。

R6入学生人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 

  いきなり屋外での授業、これぞ農業高校ですね。『農業と環境』の授業では1学期にスイートコーンを栽培します。各自の担当区が設けられ、各自が責任をもって管理、栽培を行うことで技術を習得します。そして最初の実習はたねまきです。有馬高校では近年ポリポットに種をまき、育苗した苗を圃場に植え付ける移植栽培を行っています。

 まずはポリポットに培養土を入れていきます。この時上から約1センチのスペースを設けます。ウォータースペースというかん水したときに水がたまるための空間を作るのがポイントです。

  そしてたねを落とすための植穴を指で作り

 

 たねを2粒落として覆土(土をかぶせること)します。ポイントは栽培過程で間引きを行う際、残す苗を傷めないために、たねの間を1センチほど開けておきます。そして覆土は一般的にたねの2~3倍の厚さが適当と言われています。

 

 ちなみに今年栽培する品種は『ゆめのコーン』バイカラー(黄と白の2色の粒が混ざる)で中生(たねまきをして収穫するまでの期間が普通)の品種です。一人30ポットたねまきして実習は終了。育苗器に入れ、加温・加湿することによって発芽を促します。順調にいけば2~3日で発芽します。 

 そして3日後・・・早速みんなで育苗ハウスに発芽状況を観察しに行きました。

 

 約1センチの新芽が顔を出していましたね。次の授業で発芽率を計算してみましょう。

 人と自然科では栽培したスイートコーンを毎年、北摂第一幼稚園の年中さんと一緒に収穫をしています。昨年もとても楽しい時間となりました。

 昨年の収穫交流会の様子はこちら

 今年もおいしいスイートコーンを幼稚園児の皆さんに届けられるように頑張りましょう。

人と自然科 令和6年度春の農業祭 盛大に開催されました

 4月20日(土)春の農業祭が開催されました。この日は早朝から美しい日の出。農業祭が近づくにつれ天気予報がどんどん晴れに変わっていきましたね。当日は快晴でした。

 

 春の農業祭に向け、生徒は春休み前から栽培をスタート。実習授業をとおしで野菜苗、草花苗約20000株を準備し、地域の皆さまをお迎えします。

  春の農業祭に向けた実習風景 春の農業祭まであと2日に関する記事はこちら

 そして前日の授業、そして当日早朝もテントを立てたり苗の状態を確認したり・・・など最終の準備、打ち合わせを行いました。

 春の農業祭は人と自然科2.3年生が運営します。まずは開会式。教頭先生より、「体調管理に気を付けて、日ごろの成果を存分に発揮し頑張ってください。」との激励言葉を頂き・・・

 そして農業クラブ会長あいさつ「さて問題です。野菜苗を担当する皆さん。トマトのポリポットの色は何色か覚えていますか?・・・・果樹と緑班の皆さん、カーネーション、そしてラナンキュラスの値段覚えてますか?・・・・春の農業祭が成功するように、頑張りましょう。」とみんなが笑顔で元気になるあいさつがありました。

 

 そして各部門最終準備です。8時を過ぎたあたりから長蛇の列が・・・緊張感が増してきましたね。

 

 朝9:00農業クラブ会長の鐘の音でいよいよ販売開始。順番にハウス、温室内に案内していきます。

 

 ハウス、温室の中はすぐにお客様でいっぱいです。お目当ての野菜苗、花苗をかごに入れていきます。生徒はかごを持ったり品種や栽培方法を説明したり・・・お客様のサポートをします。

 温室内では花苗、野菜苗の栽培、そしてカゴにたくさんのせられた花苗、野菜苗を数え会計をしていきます。今回部門によっては、計算間違いを防ぎ、効率よく会計を行うため、タブレットを導入してみました。

 

 そして購入いただいた苗は、2年生の生徒を中心に、駐車場まで運びます。一輪車による運搬中、栽培方法や学校生活などの話をしながら楽しく運搬してくれるのでいつも地域の方に大人気です。

 

 農業クラブコーナーでは生徒がデザインしたTシャツなどのグッズ販売、そしてやはり今年も現れてくれました。人と自然科の生徒が販売実習を頑張っていたら出てきてくれる妖精さん、人と自然科公式ゆるキャラ「ひとっしー」です。

 

 当日は約850人の方に来場、約13000株の苗を購入いただきました。春の農業祭は大成功でしたね。ご購入いただいた皆さま、生徒の学びの成果を『購入』という形で『評価』『応援』いただき本当にありがとうございました。また、長時間お待ちいただいた方、ご理解、ご協力ありがとうございました。

 閉会式の後、最後の春の農業祭となる3年生の集合写真です。(ちなみに生徒が嬉しそうに手にしている白い紙は、春の農業祭、販売実習の振り返りをまとめるレポート用紙(宿題)です。みなさんが農業祭を通して何を学び、気付きを得たのか、レポートを読むのが楽しみです。

 

 なお、農場には多少の花苗、野菜苗が残っており、平日の10:00~16:00に以下の通り販売しております。

 R6春の農業祭終了後花販売.pdf

 これからも有馬高校人と自然科の農産物をどうぞよろしくお願いします。

人と自然科 学校設定科目『地域自然保護』今年もスタートしました

 有馬高校人と自然科の魅力の一つとして挙げられるのが、ここでしか学べない授業『学校設定科目』がたくさんあるということです。

R6入学生人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 たとえば県立と自然の博物館を訪れ、研究員から専門的な講義を直接聞くことができる1年生の『人と自然』。フラワーアレンジメントに関する知識や技術が2年間集中的に学べる『フローラルアート』。身近な地域の環境保全に関する手法について学べる『ナチュラルキープ』などユニークな科目がたくさんあります。中でも生徒に人気なのが、3年生で選択できる学校設定科目『地域自然保護』です。今年も19名の生徒が選択し、4月16日(火)第1回目の授業がスタートしました。

 この授業は学校から車で約15分の位置にある県立有馬富士公園をフィールドとし、公園を訪れるゲストに自然を感じてもらうための体験プログラムを生徒自身が企画し、実践する授業を行っています。活動はなんと今年で15年目。この授業を受講したいから人と自然科を選ぶ受検生もいるとのこと。とても嬉しいですね。

 昨年先輩が企画・実践した体験プログラム(ありまふじ夢プログラム)に関する記事はこちら

 さて第1回目の授業は、人と自然の博物館の研究員である遠藤先生、藤本先生、そして福本先生より、有馬富士公園の紹介、公園で取り組んでいる里山管理、さらには夢プログラムを企画するにあたってのアドバイスについてお話をいただきました。まずは自己紹介です。

 ほとんどの生徒が幼い頃有馬富士公園を訪れたことがあるとのこと。そしてこの授業を選択した理由、さらには意気込みについて一人一人発表しました。

 そしていよいよ『有高版ありあふじ夢プログラム』のスタートです。まずは人と自然の博物館の先生方から有馬富士公園の紹介です。有馬富士公園は「里地里山」をテーマとしている公園で、年間来園者数80万人。すごい集客力ですね。施設内にはかやぶき民家があり、その周囲には棚田が広がり、そこに隣接する有馬富士が里山の役割を担っています。

 

 次に公園で実際に行われている夢プログラムについて紹介いただきいただきました。公園を愛する地域の方がホストとなり、来園者に様々な体験プログラムを提供しています。この授業では1学期に「里守の会」「元キッピーフレンズ」「緑の環境クラブ」の3つの団体が提供する夢プログラムを体験します。

 

 そして遠藤先生を中心に公園で取り組んでいる「ありまふじ棚田里山プロジェクト」について説明いただきました。仲間(ボランティア)を募って、下草刈りや棚田の整備、貴重な地場野菜の栽培など、実践を通して里山について学び、利用し、守る活動が始まっています。これらの活動についてスライドや資料を使い、わかりやすく説明していただきました。

 

  最後に今年1年間で体験プログラムを企画する私たちに向けてのメッセージとして、

 自己満足や無謀、義務感の内容にならないように「自分がしたいこと(Wants)」「できること(Can」「求められていること(Needs)」この3つが重なるプログラムを考えていきましょう。

 とボランティア活動に取り組むための大切なポイントについて教えていただきました。

 人と自然の博物館の先生方、貴重なお話ありがとうございました。さて、いよいよ来週から有馬富士公園での学習活動がスタートします。次回はパークセンターの職員の方から園内の見学を通して有馬富士公園の概要を学ぶ予定です。この授業では、人博の先生だけでなく、パークセンター職員、県土木事務所職員、夢プロの先輩方、三田市自然学習センターコミュニケーターの皆さま・・・・・など様々な団体の方が生徒の学びをサポートしてくれています。本当にありがとうございます。

 生徒の皆さん。これから1年間、体験・実践を通して楽しみながら、学びを深めていきましょう。

人と自然科 春の農業祭まであと2日

 1年生のオリエンテーション合宿も終わり、いよいよ人と自然科も令和6年度が本格的にスタートでを切りました。今年も人と自然科の生徒の活躍をブログを通して紹介していきます。

 さて、4月20日(土)には令和6年度 「春の農業祭」が開催されます。今年は第20回の記念の年です。春の農業祭は野菜苗・草花苗を地域の方に販売するイベント。この日に向けて春季休業中も人と自然科の生徒は総合実習Bの授業で実習を頑張ってきました。

R6入学生人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 苗の栽培に必要な土を作って

 野菜や花のたねを一粒一粒播いていきます。繊細な作業ですね。

 そして発芽し、成長した苗をポリポットに鉢上げしていきます。

 そして潅水など、約1か月間丹精込めて育苗してきました。

 野菜苗はトマト、ミニトマト、中玉トマト、ナス、ピーマン類など20種類前後

 

 草花苗はベゴニア、サルビア、マリーゴールド、ダリア、ダイアンサスなど15種類前後準備しています。

 

 今年は3月下旬~4月にかけて草花苗は天候にも恵まれ順調な仕上がりです。一方野菜苗はタネがうまく入手できなかったこともあり、例年準備しているパプリカや万願寺トウガラシなど、種類が少なめになていることご了承ください。

 春の農業祭を前に農業クラブ本部役員の生徒がポスター・看板を作り

 

 市道横フェンスに3カ所に設置しました。

 

 設置したポスターはこちら

 令和6年度春の農業祭ポスターpdf 

 農業祭当日、自家用車は正門より入場いただき、職員に指示に従い体育館側(右折)・総合学科棟前(左折)をご利用ください。正門前、並びに農場横の市道には絶対に駐車しないようお願いします。

(※昨年4月から、三田市ふるさと学習館前の有料駐車場が閉鎖となりましたのでご留意ください。)

 皆さまのお越しをお待ちしております。

人と自然科 演習林実習に行ってきました

 有馬高校も修了式を終え、春休みに入りました。人と自然科では、春休み中も当番で実習の授業(総合実習B)があり、春の農業祭に向け準備を進めています。生徒は楽しそうに頑張っていますね。

 R6入学生人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 昨年度の春の農業祭に関する記事はこちら(ちなみに令和6年度の春の農業祭は4月20日(土)を予定しています。)

 さて、そのような春休みの当番実習の一環として、3月28日(木)果樹と緑班の3年生が演習林実習を行いました。みなさんは有馬高校が山林を持っている(管理している)というのはご存じですか?有馬高校人と自然科は三輪と藍本の2カ所に演習林を所有しており、果樹と緑班の生徒が林道整備を行っています。

 まずは入山前の確認。今回最大の目標は「怪我をしないこと」です。実習服の袖をおろし、ズボンの裾や靴のひもが枝に引っかからないように注意すること。実習用グローブを必ず着用すること。暑くなったら水分補給を行うなど、安全に関する注意を確認しました。

 安全を確認した後は早速入山です。小川を渡ったところから有馬高校が管理している演習林です。


 演習林の中に入ると、林道が整えられています。以前はここで間伐や枝打ちなど頻繁に実習を行い、杉の材木を生産していたようですが、現在は生徒が課題研究や授業で植物を活用する場となっています。今回の実習では、林道にある倒木や枯れて落下した枝を除去する作業を行いました。まずは山の麓の林道です。風で折れた枝などが林道をふさいでおり、のこぎりで小さく切断し、協力してよけていきます。

 進んで行くと一本の丸太が林道をふさいでいました。

 

 早速チェンソーで伐木してから除去します。夏にチェンソーの資格を取得した生徒が活躍しました。男女問わずみんな上手です。

 人と自然科 伐木等業務(チェーンソー)特別教育実施 についての記事はこちら

 伐木した丸太を協力して運搬・除去していきました。

 
 そしていよいよ尾根に向かって登山です。急な坂を登ります。落石に注意しながら声を掛け合い登っていきます。



 尾根に到着。再び林道を整備していきます。境界線の杭を確認しながら進んでいきましょう。

 林道に落ちた種子から発芽した幼木も、大きくなる前に取り除いておきます。


 道中には多様なコケやウラジロなどの植物、キノコやツバキなど山の生物多様性も感じることができ、生徒はカメラで記録したりメモを取ったり、画像検索して名前を調べたりしていました。


 4時間近く行った演習林実習も一人も怪我せず下山を果たしました。いよいよ3年生最上級学年です。人と自然科のリーダーとして活躍してください。期待しています。

人と自然科2年生対象 卒業生を囲む会を実施しました

 先日有馬高校でも第76回卒業式が盛大に行われ、有馬高校で3年間学んだ生徒たちが旅立っていきました。

  第76回卒業式に関する記事はこちら

 そして先輩が卒業してすぐに、人と自然科2年生では1年後の進路実現に向け、本格的にスタート。3月8日(金)人と自然科2年生(77回生)の生徒を対象に、卒業生を囲む会が開催されました。人と自然科と進路指導部が合同で実施しているこの行事は、卒業を迎えたばかりの先輩方に来校いただき、自分の目標としてきた進路を実現した経験を直接後輩に伝えるという、先輩、後輩のつながりが強い人と自然科ならではの伝統行事です。

 今年人と自然科を卒業した先輩も、3年間の農業に関する授業や実習、校外活動で身につけた知識や経験を活かし、国公立大学3名をはじめ、多様な進路を実現しています。

 速報!!76回生人と自然科進路実績は

      ↓↓こちら

 R5 人と自然科 進路実績.pdf

 そして今回は、鳥取大学、島根大学、関西外国語大学、四條畷学園短期大学、修成建設専門学校、ソフト99コーポレーション、大阪府警に進学、就職する7名の卒業生に囲む会への参加を快諾していただきました。つい一週間前まで制服姿で顔を合わせていた先輩方ですが、全員スーツ姿に変わり、大人の印象を受けました。

 

 まずは全体会。自己紹介に加え、【なぜ、そしてどのようにして進路先を決定したのか】【合格・内定までにとりくんだことは】【進路実現のために高校3年間で取り組んでおいた方が良いこと】についてお一人ずつアドバイスをいただきました。

 

 幼いことからの目標を実現させた先輩がいる一方で、夢や目標が高校での学びを通して変化してきた先輩も多く、中には1年前にこの卒業生を囲む会で先輩からかけられた言葉で進路を決めたという方もいました。保護者はもちろん担任の先生や農場、進路指導部の先生に相談に行き、様々な情報を手に入れることの重要性を教えていただきました。

  また、先輩方からは、農業クラブの競技会や地域イベントへの参加など、先生方から勧められたチャンスを逃さないこと、とにかく経験を積むこと、中でも資格検定の重要性についてはほとんどの先輩からアドバイスをいただきました。人と自然科で取得できる農業技術検定や建機系の資格はもちろん、進学の生徒は英語検定の取得が重要になってくるとのことでした。

 

 そして進路実現に向けてのアドバイスとして、『3年生の1学期は特に勉強しておくことをおすすめします』『自分は部活も頑張っていたので、3年生の夏休みは正直死ぬほど勉強と対策をしました』『就職や専門学校は大学と異なり、将来の職業がほぼ決まってしまうので、たくさんの人と話をして決めた方が良いです』など具体的な話もあり、『後輩の皆さんの夢が叶うことを応援しています。』と言う言葉がとても印象的でした。

 

 全体会のあとは分科会。そして農業系4年制大学、農業系以外の4年制大学、短大・専門学校、就職・公務員の4グループに分かれて分科会です。

 

 先ほどの全体会で意識が高まっていたせいもあり、2年生からはたくさんの質問が飛びだし、先輩は一つ一つ丁寧に答えてくださいました。その話を2年生は前のめりで聞いている姿が印象的でした。

 

 また先輩も大学の推薦入試や就職で作成した面接ノートや小論文の練習シートなどを実際の持参してくださり、具体的なアドバイスをいただきました。そして先輩からのアドバイスを忘れないように、2年生がメモをとる姿が印象的でした。

 

 あまりにも熱が入りすぎて、分科会の1時間はあっという間に終了。時間になっても2年生、卒業生ともに話が止まらず、やむなく打ち切りとなってしまうほどの熱量でした。このようにOB・OGがサポートしてくれるのも人と自然科の大きな魅力です。先輩からのエールをエネルギーにして進路実現に向け頑張りましょう。

 

 最後に、新生活の準備で忙しい中、後輩のために時間を作ってくださいました7名の卒業生の皆さん。本当にありがとうございました

 

人と自然科 県庁緑化活動に対し教育長より感謝状をいただきました

 2月5日(月)兵庫県庁にて、県庁緑化展示にかかわる感謝状贈呈式が行われ、有馬高校人と自然科フラワーアレンジメント班の生徒が出席し、教育長より感謝状をいただきました。

 兵庫県には農水産高校が12校あり、毎月担当校が県庁2号館のロビーに実習で学んだ技術を活かして作庭を行ったり、作品を展示したりして県庁に潤いのある空間を提供しています。この活動に対し、今回兵庫県教育長より感謝状をいただきました。

  ちなみに今年度有馬高校人と自然科は10月を担当しました。

 10月の県庁緑化を有馬高校が担当しています に関する記事はこちら

 今年度は人と自然科農業クラブフラワーアレンジメント班の1年生を中心に作品を展示をしました。授業の中で学ぶフラワーアレンジメントを活用し、「多様性」をテーマにした作品を展示。メインで使われている7色は、LGBTQ+を象徴する色になっており、多様性を互いに認め合える社会の実現を願うという想いが込められています。

 最後に教育長と一緒に記念撮影させていただきました。

 今回の表彰を励みに、これからも普段の学びを活かして、さまざまな活動に取り組み、スキルアップしていきましょう。

人と自然科 課題研究発表会を実施しました

 1月17日(水)講義棟に人と自然科1年生から3年生が集まり、課題研究発表会を実施しました。

 人と自然科3年生課題研究の授業は、入学してから農業や環境について学んできた知識や経験をもとに、生徒自ら課題を設定し、計画、実施、評価反省する科目です。課題研究発表会は3年生にとって3年間の集大成。もう一つの卒業式ですね。

 R6入学生人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 この日は3年生が自分が取り組んだ研究をまとめ、1.2年生の後輩の前で発表しました。人と自然科には野菜、草花、環境(来年度から果樹と緑コースに移行します)の3つのコースがあり、1.2年生はすべての部門を学びます。そして3年生になると一つのコースを選択し、集中的に学びます。ちなみに司会進行や計時もすべて1,2年生の生徒が担当し発表会を進めていきました。

 それでは3年生が1年間取り組んだ研究テーマを紹介します。まず草花部門。

・草花でコンパニオンプランツはできるのか?

・綿花の比較実験

・NPKの割合が草花に与える影響

・シードカードで繋ぐ心と伝統~人から人へ想いを込めて~

・未来へつなぐ(繋ぐ)私たちの品種改良~好みの色を咲かせよう~

 

 続いて環境部門。

・竹パウダーとタンニン鉄の有効活用

・浄水発生土の活用方法

・パパイヤの有効活用

・壊れたウッドデッキを修復

・植物にストレスを与えよう

・竹の活用~竹害の改善~

・ブドウの剪定枝を用いた堆肥作り

 最後は野菜班です。

・イチゴの栽培・繁殖研究

・ミミズコンポストについて

・カボチャの新栽培

・ジャガイモの長期保存

・袋栽培について

・コンパニオンプランツによる環境にやさしい農業

 どの発表も、専門性の高い素晴らしい研究内容で、後輩の1.2年生も先輩方の発表に見とれていました。そして発表会が進むにつれ、同級生や後輩からも質問が多く飛び出し、発表者はしっかり回答していました。さすが3年生ですね。

 そして全学年生徒の投票の結果、野菜班『根粒菌を用いた緑肥栽培』の発表が学科代表に選ばれました。

 

  今回学科の代表に選ばれた発表は1月27日(土)に有馬高校で行われる学習活動発表会にて、人と自然科代表として発表します。

 R05学習活動発表会プログラムはこちら.pdf

 中学生の皆さん、保護者の皆さま楽しみにしておいて下さい。

 発表会終了後、3年生全員で今回が最後になるかも知れない集合写真です。

 

 3年間人と自然科での学習いかがでしたか?農業や環境、そしてフラワーアレンジメントなど、人と自然科の特色ある学びに前向きな生徒が多く、作文コンクールや農業クラブ各種競技会、フラワーアレンメントの全国大会などで大活躍でしたね。この3年間、心も体も大きく成長したと感じています。人と自然科での学びや経験を活かし、次のステップでも頑張ってください。そして卒業しても、人と自然科の応援団でいて下さいね。農場の先生全員、卒業後の皆さんの活躍を心から祈りつつ、影ながら応援しています。