人と自然科 夏季休業中 農業インターンシップに5名の生徒が頑張りました
いよいよ夏休み最終週となりました。これまでもブログで紹介してきましたが、人と自然科の生徒は資格取得や農業クラブの各種競技会などなど充実した時間を過ごした生徒が多かったですね。そして夏休み中は当番で『総合実習』(別名:農場当番)という授業があり、作物の管理実習を学んできました。
1年生の夏休み当番実習の一コマ ハクサイの播種 秋野菜の栽培スタートしました・・・に関する記事はこちら
夏休み中の『総合実習』と並行して行われたのが、農業インターンシップです。ひょうご農林機構、そして阪神農業改良普及センターのご支援で将来本気で農業をやりたい、将来農業関連の大学や大学校に進学し就農したい、農業関連産業への就職を目指したい、目標実現のため実践的な農業を学びたいという生徒を対象に農業インターンシップを企画・実施しています。今年は5名の生徒が兵庫県内、そして有馬高校がある三田市で活躍されている4軒の先輩農家様にお世話になり、栽培・管理方法や流通、販売、さらには心構えなどを直接ご指導いただきました。
それでは今年お世話になった農家さんでの研修を報告します。
まずはたつの市にある『株式会社博農』です。ニンジンやキャベツ、ブロッコリー、ダイコンなどの野菜類を中心に大規模に栽培されている農業法人です。中でもお客様のニーズに合わせた、野菜のオーダーメード栽培が特徴です。そして代表取締役の八木さんは後継者育成にも力を入れておられ、多くの研修生を受け入れ、就農に導いておられます。
今回は5月に開催された、第1回農業法人仕事説明会に参加し、八木さんから直接農業に対する熱いお話を伺い、ぜひ株式会社博農で夏休みに農業インターンシップを行いたい、と申し出た生徒2名が研修を行いました。
5月に開催された、第1回農業法人仕事説明会に参加しました・・に関する記事はこちら
2名の生徒は3泊4日で農業インターンシップを行いました。終了後に話を聞くと、基礎的な技術を学ぶ学校とは少し異なり、大規模経営だからこその発展的な技術が体験できたとのこと。さらに技術習得はもちろん、作業中や一緒に食事をとったりする時間に、八木社長や他の研修生と農業に関する様々な話をしたことが、一番ためになったとのことでした。 そして、将来農業に関する仕事に就きたいという気持ちが強くなったそうです。
次は『おおにし農園』です。おおにし農園では、多品種の作物を、農薬をできる限り使わない農法で栽培し、直接消費者に新鮮な野菜を届けておられます。そして将来三田市で農業をやりたいという研修生も積極的に受け入れている農家さんです。おおにし農園さんには、農業系の大学進学後、就農、もしくは関連産業への就職を希望している1年生の生徒が6日間お世話になりました。
研修中は早朝よりスイートコーンの出荷準備や、学校では栽培していないバターナッツやプッチーニ、コリンキーなど野菜の収穫、調整作業、圃場での谷上げ作業や除草作業、そして直売所であるパスカルさんだへの出荷作業も経験させていただいたようです。終了後感想を聞くと、実際に農家さんの下で農業を体験し大変さが分かったが、それと同じくらいたくさんの学びを得ることができた。ここで学んだことは今後あらゆる場面で活かしていきたい・・・とのこと。充実した実習となったようです。
3軒目は『今西農園』です。本校のOBでもある今西さんは、高校時代の学びを礎に、洋ランの切り花農家として経営をスタートさせました。現在は阪神間唯一のカトレアに特化した経営をしておられ、年間約3万輪を生産。国内にとどまらず海外にも出荷しておられる三田市の認定農業者です。今西農園では、どうしても花卉農家で研修をしたいと強い希望を持っていた2年生の生徒が6日間実習を行いました。
研修中は、カトレアの切り花の出荷補助はもちろん、親株の移動や害虫防除に関する作業など、現在は洋ランの栽培を行っていない有馬高校では学べないことをたくさん経験できました。そして、実際に今西さんが栽培しているカトレアを使ったフラワーアレンジメントも教えていただきました。有馬高校でも授業でフラワーアレンジメントを学んでいるため、今後の学びに活かせる体験だったようです。実習中には草花苗や切り花などで経営を成立させる難しさなど、実践的なお話も聞くことができ、充実した研修となったとのことでした。
最後は三田市にある『中上農場』です。中上さんも本校の卒業生で、トマトやキュウリ、軟弱野菜などの施設野菜を複合的に栽培し経営されており、親方農家として多くの研修生を受け入れ、新規就農者を輩出されている兵庫県農業経営士の農家です。中上農園では農業関連学科への進学、そして将来は農業関連産業への就職を目指している、2年生の生徒が6日間研修を行いました。
実習ではキュウリの収穫や、ツルの管理、トマトの管理作業、そして最終日に巡回に行かせていただいたときには、キュウリ栽培に向けた支柱の組み立ても学んでいました。研修後に話を聞くと、学校の実習よりもさらに大変で、農業を営むことの厳しさを感じたとのこと。でもそれと同じくらい農業のやりがいも感じられたと笑顔で話してくれました。そして、研修中に中上さんの御婆様からいただいた『農業は栽培過程が一番重要だよ』という言葉がとても印象的で、農業への思いがさらに強くなったとのことでした。
5人とも農家で実践的な管理や収穫、調整などの技術を学ぶことはもちろん、農家の方々から実際に農業経営していく上での厳しさや楽しさなど、現実的なお話をたくさん聞かせていただいたこと、そして同じ研修生と思いを分かち合ったことが印象に残った、とのことでした。これこそが農業インターンシップの意義だと思ってます。今回の経験を活かし、将来の進路につなげてください。
今年度お世話なりました農家の皆様、そしてこのような機会をつくっていただいたひょうご農林機構、阪神農業改良普及センターの皆様、本当にお世話になりました。ありがとうございました。