校長室より
得意な分野
得意な分野
生徒の皆さんには、得意な分野があると思います。「英語が得意」「マンドリンを弾くのが上手」「油絵を描くのが好き」「サッカーなら任しとけ」などなど。
ある一つのことに秀でるということは、大変な事ではありますが、必要なことだと思います。それを生かして、進学や就職に繋がるからです。しかし、「一芸に秀でる」だけで大丈夫でしょうか。
私が尊敬する先輩のN先生は、高校教員を定年退職後、現在パラリンピック競技で、車椅子バスケットボールの運営のお仕事をされています。彼は英語の先生で、通訳としても活躍されました。また車椅子バスケットボールの審判にも参加されていました。
何が言いたいのかというと、
① 英語ができる人
② 車椅子バスケットボールに詳しい人
① だけできる人、②だけできる人はたくさんいるかもしれません。しかし、①②の両方できる人は、数が少なく、大変貴重な人材ということになります。
例えば、英語の得意な人は、もう一つ違う言語をマスターしてみるとか、コンピューターが使えるようになるとか、世界の地理や文化に造詣が深いとか、もう一つの付加価値をつけてみるのはどうでしょうか。
例えば、サッカーが好きな人は、スペイン語を勉強してスペインで「リーガ・エスパニョーラ」の取材をする記者を目指してみるとか、トレーニング理論を勉強して「FCバルセロナ」のトレーナーになるとか、考えていると夢が広がりませんか。実は、バルセロナはスペインの中でもカタルーニャ地方なので、カタルーニャ語なのですが。
一つの分野を極めつつ、もう一つの分野にも手を出してみる。今夜、本屋に行って、分野を極めると、何や損や、ということにはなりません。
分かりやすい授業
分かりやすい授業
生徒の皆さんは「分かりやすい」ということについて、考えたことがあるでしょうか。「分かりやすい授業」「分かりやすい説明」「分かりやすい話」どれも良いものに思いますよね。本当にそうでしょうか。
香寺高校の先生方も、日夜「分かりやすい授業」をしようと頑張っておられます。私も理科、主として化学の授業をしていたときは、何とかして「分かりやすい授業」をしようと心がけていました。そのために、何をしていたかというと、「物事を単純に考える」「適切な比喩を取り入れる」「〇か、×かで答えを出す」というようなことです。今振り返ってみて、それは本当に正しかったのか、本当に分かりやすい授業になっていたのかな、と思っています。
分かりやすく説明しようとするあまり、複雑なものを単純に見せたり、全く異なるものを比喩として取り入れたり、正解が〇か×か、という問いを出したりすることがありました。でもそれって、本来は複雑で分かりにくいものを、分かったような気にさせるだけだったのではないか、と思うようになりました。
というのも、高等学校までの「勉強」は、ある問題に対しては答えが一つに決まるものがほとんどです。しかし実際の社会における問題では、答えが複数個存在したり、0点の答えや100点の答えはなくて、Aの答えだと60点くらいで、Bの答えだと80点くらいかな、というようなことが、当たり前のように起こります。例えば「地球温暖化を防ぐ方法」とか「パレスチナとイスラエルの平和を実現する」とか「日本の原子力発電はどうすればよいか」「コロナを終息させる方法」これらの問題について、答えは「ない」か「分からない」か「いろいろある」です。ただし、多くの人々が解決に向けて取り組んで、研究をしている問題でもあります。ですから、あまりにも「分かりやすい話」というものは、どこかで「怪しいかもしれない」と思うようにすることが大切ではないか、と思っています。
「分かりやすい」を求めると、コロナにかかりやすい、大学に受かりやすい、体重を測りやすい、漬物が漬かりやすい、かもしれません。
神風は吹かない
神風は吹かない
兵庫県に発令されていた緊急事態宣言が、5月31日まで延長されることになりました。この先も不透明な社会情勢が続くことになりそうです。日経プレミアシリーズ「新型コロナとワクチン 知らないと不都合な真実」という新書が2020年12月に出版されており、非常に参考になります。この本によれば、新型コロナウイルスに対しては、
① 現状を一発で解決する逆転の秘策はない。 神風は吹かない。
② うまくいってないのは、誰かがサボタージュや事実隠蔽をしているからではない。 犯人捜しをしてもダメ。
とあります。これまで通りの感染症対策を地道に続けることが大切であり、ウイルスやワクチン、免疫の基礎的な内容を解説した後、多くの情報に対して、私たちはどのように接していくのか、その態度や姿勢についてにも触れられています。
③ 自分で考えるためには、個々人の「しなやかさと、強さ」が必要である。 「情報を簡単に信じる」「一度信じた情報を疑わない」姿勢は危険である。
新型コロナに限らず、いわゆる情報リテラシーを身に着けることは大切です。何でもかんでもYouTubeとWikipediaに頼ることは、危険な場合もあるということです。危険を避けるためには、世間の間で、意見を戦わせて、保険をかけんといけんです。
勝負は早い
勝負は早い
生徒の皆さん、特に3年次の皆さん、自分の進路先を考えていますか。就職希望の人は、もうすぐに希望する職種や事業所を決定していかなければなりません。昨年度はコロナの影響で、就職選考が1ヶ月遅れましたが、例年であれば、9月16日以降に選考ですから、夏休みが勝負の時期です。進学希望の人も、推薦入試等を利用する場合は勝負は早いです。ぼーっと生きていると、チコちゃんに叱られてしまいますよ。
では、何をすればいいのか。一つは香寺高校での勉強です。今まで通り、今まで以上に予習、復習と定期考査の成績が大切です。もう一つは面接試験への対応です。面接のやり方は、年次の先生方や進路指導の先生方が指導して下さいますが、一番大事なのは、自分のストーリーを自分で作ることです。「私は高校時代に○○を頑張りました」「私は○○に力を入れることで、××ができるようになりました」という風に、大人(高校生ではない)が聞いたときに「なるほど、この子はこういうことを大切にしているのだな」と納得してもらえるようなストーリーです。言うのは簡単ですが、このストーリーを考えるのは大変難しいのです。実は1、2年次からそのつもりで考えておく方がいいと思います。大人を納得させられることができれば、進学も就職も怖いものなしです。
締め切りの時期が決まっていますから、早く準備することが大切です。早く準備すると、子役が予約しないで飛躍することができますね。
緊急事態宣言
緊急事態宣言
兵庫県にも、3回目の緊急事態宣言が出されるようです。1回目の昨年度の春は、小中高等学校がすべて休校になりましたから、生徒の皆さんも記憶に新しいと思います。今回は、今のところ学校が休校になることはなさそうですが、今後のまん延状況次第では、どうなるかはわかりません。
部活動や大会、発表会等も、兵庫県ではまだ禁止にはなっていませんが、これも先行きはわかりません。今回の第4波と呼ばれる感染状況では、変異ウイルスの影響が大きく、いままであまり感染しにくいと思われていた若年層にも感染が広がっています。兵庫県の高等学校でも、神戸阪神間を中心に感染者の報告があるようですし、私たちの地域である西播磨地区でも、高校生の感染者が出ています。
生徒の皆さんは、これまでも感染対策に十分配慮してきたと思いますが、なお一層の対策をお願いします。それは私も含めた教職員の皆さんに対しても同様です。季節が進み、暖かくなり、休日もある中、観光地や商業施設等へ出かけたくなる気持ちはよくわかりますが、慎重に行動して下さい。
まん延防止等重点措置(まん防)では、役に立ちませんでした。やはりマンボウは、水族館の中で辛抱強く、感冒にならないように、展望をもつ必要があります。
依存症
依存症
依存症と聞くと、ギャンブルとか覚醒剤とか、何か恐ろしいものを想像しませんか。しかし実は人間は、簡単に何かに依存してしまう可能性を持っています。
生徒の皆さんの中には「スマホ依存症」に近い人はいませんか。あるいは「ゲーム依存症」とか。もちろん香寺高校では、校内でのスマホの使用は禁止されています。しかし朝起きてから、夜眠るまでに、どれだけの時間スマホを見つめているか、一度カウントしてみてはどうでしょうか。
皆さんは20歳になるまでは、タバコを吸うことや、お酒を飲むことが禁止されていることを知っていますよね。では、なぜ禁止されているのでしょうか。実はタバコに含まれるニコチンと、お酒に含まれるエタノールには、とても強力な依存作用があります。その強さは、覚醒剤並みという研究もあります。大人でも依存症になっている人もいますから、若い人たちはもっと簡単に依存症になってしまう可能性があることが、禁止されている理由のうちの一つなのです。
現在では、スマホを使わないという生活は成り立たないかもしれません。しかし、スマホを使用しすぎることで、集中力が希薄になったり、睡眠障害が起こったという研究事例もあるそうです。
何かに依存するのではなく、オゾン層の保存を望んでいます。
先生はえらい
先生はえらい
今回は「先生はえらい」という話です。これは私が言っているのではなくて、内田樹(うちだ たつる)という大学の先生が言っていることです。一部、私の意見も混じっていますが。
先生と呼ばれる人たちは、みんな偉いに決まっているのです。中には「この先生はちょっと変わっているぞ。大丈夫かな?」と思う先生もいるかもしれません。しかし、その先生を作り上げるためには、その先生が先生として存在するためには、両親を始めとする親族一同、教えてもらった小学校中学校高校の先生、大学の先生、その他大勢の人達の影響のおかげで、その先生が出来上がりました。ですから、その先生が偉いのは、その先生を育てた多くの人たちが偉いからです。
なるほど、と思った生徒の皆さんは、香寺高校の先生方は偉いに決まっているので、先生方からしっかり学んでください。
なるほど、と思った先生方は、自分を育ててもらった多くの方々に感謝しつつより一層研鑽に励んでください。
私も、高倉健さんのように研鑽に励んでいきます。
前期始業式
前期始業式
令和三年度が始まりました。皆さんも一つ学年を進級して、新三年生、新二年生のスタートです。学期の初めにあたり、皆さんに大切な話をします。
「目標を持つこと、そしてその目標に向かって努力すること」
当たり前のことですが、私がなぜこんな話をするのか。もちろんそれは「いけえりかこ」さんの活躍を見たからです。
皆さんご存じの通り、池江さんは素晴らしい水泳選手でしたが、白血病という病気にかかってしまいます。懸命な治療の結果、病気からは回復することができました。その後、水泳競技に復帰しようとしますが、映像や写真を見ても分かる通り、全盛期からは筋肉が落ち、とても泳ぐどころではありませんでした。そんな状態から、厳しい練習に取り組んだのでしょう。また食事にも気を遣ったのでしょう。驚異的な回復ぶりを見せて、誰もが不可能だと思っていた東京オリンピックの代表にまでなってしまいました。
池江さんが病気になってしまったのは不幸なことだと思いますが、そこから復帰するために、「目標を持つこと、そしてその目標に向かって努力すること」を実践したのだと思います。その結果、彼女はこれまでよりも逞しく成長し、大好きな水泳競技を通して、人々に勇気を与えることができるようになりました。自分のためだけに頑張るのでは、限度があります。彼女は自分のために努力したのですが、その姿は多くの人々の励みになりました。ただ、彼女は「もう一度泳ぎたい。泳ぐからにはオリンピックに出場したい」という目標をもち、その実現に向けて大変な努力をしたことは間違いありません。
皆さん全員が池江さんのようになれるわけではありません。ただ、「目標を持つこと、そしてその目標に向かって努力すること」は誰にでもできることだと思います。皆さん一人一人が目標を持ち、努力することで、皆さんの人生が変わるかもしれません。一緒に頑張っていきましょう。
最後に、私は理科の先生です。りかこさんは、理科降参ではなくて、理科が得意であると信じています。
新年度のご挨拶
新年度のご挨拶
生徒の皆さん、保護者の皆様、地域、学校関係者の皆様、はじめまして。
令和3年4月1日に校長として本校に着任しました、木村篤志と申します。よろしくお願いします。令和3年3月31日に、県立加古川西高等学校の校長を定年退職し、再任用校長として新たな気持ちでスタートいたしました。校長としましては、県立佐用高等学校3年、県立加古川西高等学校2年に続き、3校目となります。
県立香寺高等学校は、兵庫県下で初めての総合学科の高等学校であり、多くの選択科目を設けて、これまでに多くの実績をあげてきています。また、外国人生徒の入学生もおり、まさに現代の多様性を重視する社会の縮図のような高等学校です。私も微力ながら香寺高校のために頑張っていきたいと思いますので、これまでと変わりなく、ご支援をお願いします。
それにしても、コロナが終息するのはいつコロナのでしょうか。
令和3年 新年のご挨拶
保護者、地域、学校関係者の皆さま、あけましておめでとうございます。
令和3年の良き年をお迎えになったこととお喜び申し上げます。
昨年中は、多くの皆さま方から本校教育の推進に多大なご支援を賜り、心からお礼申し上げます。
昨年から続く新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、今だ衰える様子を見せず、その勢いは止まりませんが、きっといつの日か感染拡大が収まり、日常の生活に戻る日が訪れると思います。
今年も皆さま方のお力をお借りしながら、本校の発展に教職員一同邁進する所存ですので、昨年に引き続き変わらぬご支援をお願い申し上げます。
令和3年1月4日
校長 河合 良成
学校紹介・美術工芸部紹介
サンテレビ「4時!キャッチ」2020/7/15
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