分かりやすい授業
分かりやすい授業
生徒の皆さんは「分かりやすい」ということについて、考えたことがあるでしょうか。「分かりやすい授業」「分かりやすい説明」「分かりやすい話」どれも良いものに思いますよね。本当にそうでしょうか。
香寺高校の先生方も、日夜「分かりやすい授業」をしようと頑張っておられます。私も理科、主として化学の授業をしていたときは、何とかして「分かりやすい授業」をしようと心がけていました。そのために、何をしていたかというと、「物事を単純に考える」「適切な比喩を取り入れる」「〇か、×かで答えを出す」というようなことです。今振り返ってみて、それは本当に正しかったのか、本当に分かりやすい授業になっていたのかな、と思っています。
分かりやすく説明しようとするあまり、複雑なものを単純に見せたり、全く異なるものを比喩として取り入れたり、正解が〇か×か、という問いを出したりすることがありました。でもそれって、本来は複雑で分かりにくいものを、分かったような気にさせるだけだったのではないか、と思うようになりました。
というのも、高等学校までの「勉強」は、ある問題に対しては答えが一つに決まるものがほとんどです。しかし実際の社会における問題では、答えが複数個存在したり、0点の答えや100点の答えはなくて、Aの答えだと60点くらいで、Bの答えだと80点くらいかな、というようなことが、当たり前のように起こります。例えば「地球温暖化を防ぐ方法」とか「パレスチナとイスラエルの平和を実現する」とか「日本の原子力発電はどうすればよいか」「コロナを終息させる方法」これらの問題について、答えは「ない」か「分からない」か「いろいろある」です。ただし、多くの人々が解決に向けて取り組んで、研究をしている問題でもあります。ですから、あまりにも「分かりやすい話」というものは、どこかで「怪しいかもしれない」と思うようにすることが大切ではないか、と思っています。
「分かりやすい」を求めると、コロナにかかりやすい、大学に受かりやすい、体重を測りやすい、漬物が漬かりやすい、かもしれません。
学校紹介・美術工芸部紹介
サンテレビ「4時!キャッチ」2020/7/15
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