ふるさと貢献について
R7年度 第7回姫路城学の実施
10月22日(水)、10月考査最終日の午後、第7回姫路城学を実施しました。今回は、歴史研究家の平良哲夫先生の案内のもと姫路城へ登りました。
平良先生は、姫路東高校に長年勤務されていたこともあり、はじめに東高の校舎デザインに秘められたトリビアを教えてくださいました。平良先生の解説により5月に自分たちで登城した時の疑問点が解決され、生徒たちは「なるほど!」と頷く様子が多く見られました。
今回は西の丸まで足をのばし、「全体を見た後に細部を見る」という文化財鑑賞法を実践していきました。平良先生の問いかけに答えながら、生徒たちは姫路城に対する理解がより深まったようです。
【生徒の感想】
・美術館や、通学路にある像が有名な人が作った作品だとは全く知りませんでした。姫路城では、これまで習ってきたことに加えて、平良先生の分かりやすく面白い解説から、より深く姫路城を好きになりました!また、平良先生のお話は聞きたいです。
・前回登ったときには気づかなかったところや、石垣の知識など、細かいところまで様々なことを教えていただき、新たな視点を見つけることができました。美術館の像や、石垣は外からでも普段見ているものだったので、これからは教わったことを気にしながら見てみようと思います。
・石垣の作り方で時代が分かるのは興味深かったです。千姫の廊下や塀の復元に関して、資料などの根拠がないと造れないと聞き、やはり国宝、世界文化遺産であるからには厳しいんだなと思いました。意外にも、石棺などを転用して石垣に使用したり、見えるところは緻密に、見えないところは少し甘く造るなど、完璧ではないところがあると知って驚きました。それもまた魅力だなと思います。
・平良先生のお話のおかげで今まで気づかなかった姫路の魅力に気づくことができました。姫路城だけではなく、美術館や東高、正門前の通路まで様々な歴史や人々が関わって今の形になっているんだと思うと、とても感慨深いです。今回は以前登城したときは全く知らなかった石垣の名前や姫路城の「戦に向けて作られた」という考えも少し見直すことができました。
R7年度 第6回姫路城学の実施
8月19日の午後、第6回姫路城学を実施しました。
前回に引き続き、兵庫県立歴史博物館を訪問し、学芸員 竹内 信 様にワークショップをしていただきました。今回は、江戸時代の異なる時代に描かれた2つの姫路城の地図を用いて、地図から推察できるさまざまな情報を2人1組のペアで読み取っていきました。また、疑問点や地図の比較による気づきなどもコピーされた地図に書き込んでいき、全体で共有しました。竹内様の史料解説を聞いた後、歴博のバックヤードも見学させていただきました。生徒たちは普段は見ることができない貴重な史料や施設内部の様子に少し緊張しつつも胸が躍っていました。
次回は、10月22日(水) 10月考査最終日の午後、歴史研究家の平良 哲夫 様と一緒に姫路城を登ります。
【生徒の感想(一部抜粋)】
・教科書や資料集で見るような資料を直接、見ることができてうれしかったです。資料をじっくりみて、考えて、自分が知っている知識と結びつける楽しさを知りました。
・資料に書いてある日付が必ずしも当時の様子を表しているとは限らず、一筋縄ではいかないところが研究の面白いところだなと思いました。また、考えたことを共有すると、自分の考えなかったような視点で考察している人ばかりだったので、1人ではなく複数人で、多角的に物事をみていくことも大切だなと思いました。
・普段は見られない裏側も見せていただいて、全国の資料が集まっていたり研究室があったりと博物館らしい設備が多くありましたが、1番印象的だったのは2500kgも運べるエレベーターでした。
・5W1Hを用いて資料から物事を読み解くことは、それこそ私たちの探究活動の基礎基本になることだけれども、いざやってみると疑問ばかりが見つかって「読み解く」ことに目がいかないものだなあ、と思いました。今回の資料は、写しと原画という違いもあるけれど、お互いに線の細さや、精巧さが全く異なり、たった二世紀でここまで技術は進歩するのか、と感嘆しました。
R7年度 第5回姫路城学の実施
7月29日(火)の午後、兵庫県立歴史博物館にて第5回姫路城学を実施しました。
講師の学芸員 竹内信さんに現在開催中の特別展「描かれたお城と城下町」および常設展の解説をしていただきました。
姫路城に関する時代の異なる古地図や屏風絵を見て、それぞれの史料から読み取れる姫路城や城づくりのイメージに関してお話しいただきました。
この特別展を企画した竹内さんならではの専門的なお話を伺うことができ、生徒からは多くの質問が出ていました。その質問にも丁寧に答えていただきつつ新たな視点を提示してくださり、とても贅沢な時間を過ごしました。
次回は8月19日(火)の午後、今回に引き続き、歴史博物館にて学芸員の竹内信さんによるワークショップを予定しています。
【生徒の感想】
・私は特に、現存12天守の50分の1の模型の展示のところで見た、姫路城の大きさ、立派さにはとても目を惹かれました。徳川家光によって建設された「寛永度江戸城天守(3代目)」の方が姫路城より大きかったので、もし現存していれば…と思うと面白いです。姫路城が世界遺産であることが当たり前になりつつあるので、今こそ「姫路城の何がすごいのか」を考えなければいけないという言葉が印象に残りました。
・私は歴史博物館に訪れるのが初めてだったので、新鮮な気持ちで楽しむことが出来ました。姫路城展の中では、皆が、私では思いつかないような視点での質問をたくさんしていて、知見を深めることが出来ました。竹内さんの解説も詳しくて、まだまだ沢山の知らないことがあるのだなと感じました。50分の1のサイズの城の模型も、姫路城の大きさが他のお城に比べてすごく大きくて、他のお城についてあまり詳しくない私は、他のお城の構造に驚くと同時に、改めて姫路城のすごさを感じられました。
R7年度 第4回姫路城学の実施
7月9日(水)7月考査最終日の午後、第4回姫路城学を実施しました。
野里の町家芥田家を訪問し、NPO法人野里まちづくり協議会代表の瀬澤 義和さんと芥田家当主の芥田 博司さんにお話を伺いました。
瀬澤さんからは、姫路城の城下町を含めて評価されているものであり、野里の町はバッファゾーンの北端に位置し、角のように飛び出して設定されるほど築城当時から姫路城との関係性が深い重要な地域であることを教えいただきました。芥田さんは、歴史的史料から芥田家のルーツや鋳物師としての覇権争いなど、たくさんのエピソードを交えてお話してくださいました。
次回は7月29日(火)の午後、歴史博物館を訪ね、学芸員の竹内氏にお話しを伺う予定です。
【生徒の感想】
・私は今まで東高の場所を説明するとき、姫路城の「横」と言っていたのでこれからは「中」と言わないといけないなと思いました。芥田さんからは、野里の町や芥田家の歴史のマニアックなことまで教えていただきました。また、生で播磨鍋を見せていただき、とても貴重な体験になりました。
・城下町の歴史が自分の想像以上に長く、安土桃山からの伝統を守るためたくさんの人が尽力し、野里が好きだという強い思いを感じることができました。芥田さんのお話では、芥田家がとても大きな存在だったこと、また、姫路の町を支えてきた一つと知れて面白かったです。
・何で東高は綺麗にならないのかなと少し不満に思っていましたが、今回の話を聞いてこの東高をこのまま守っていかなければならないなと強い責任感を感じました。
R7年度 第3回姫路城学
6月20日(金)放課後、本校百周年記念館1階にて、第3回姫路城学を実施しました。
漆喰職人の 山脇組 山脇一夫様を講師として迎え、「世界遺産・国宝姫路城に使われている漆喰」についての講義をしていただきました。
姫路城の「漆喰」は何からできていて、その材料はどうやって手に入れるのかなど、姫路城の壁や瓦屋根を日常的に補修管理されている経験から、お話してくださいました。また、漆喰の材料や姫路城からはがされた漆喰壁を実際に触らせていただき、生徒たちは材質や重さ、厚みなど多くのことを感じていました。
近年は、漆喰の材料を入手するのが困難な状況であり、漆喰技術を後世に残していくことの大切さを生徒たちも感じたようです。
【生徒の感想(一部抜粋)】
・普段ならば触ることのできない切り取られた実物の漆喰壁に触れてみたとき、そして実は漆喰の壁がワンパターンではないことに気が付いたときには、おお、と思わず心躍りました。
・今回の講座を聞いて吸湿効果やCO2を吸収することが出来るなど、沢山の漆喰の良いところを知れました。壁の漆喰を見せていただいて、藁が入っている層があったりするのが分かり、昔の職人さんたちの試行錯誤の跡が見えました。
・漆喰に使われる銀杏草も産地によりあれほど色に違いが出ていることに疑問を持ちました。姫路城が修理を繰り返されることによって守られている、ということが興味深かったです。
・姫路城の漆喰は昔の職人さんが塗った方法のまま塗っていることを初めて知りました。実際の漆喰の層を見せていただき、私達が見ている漆喰はほんの一部分で、見えてない部分も昔のまま保存されていることを実感しました。
次回第4回「姫路城学」は、7月9日(水)に野里の町家を訪ね、野里まちづくりの会の方からお話を伺う予定です。