校長室より
【校長室より】通常授業開始
兵庫県立兵庫高等学校ホームページをご覧いただきまして、誠にありがとうございます。
キーワード「Solo活動」「オーラ」「目標達成」
梅雨入りし、曇り空が続いています。時折、雲の間から差し込む日差しがどことなく安心感や高揚感を与えてくれます。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う臨時休業の後、6月1日から、隔日の分散登校を実施して学校生活の「勘(かん)」を取り戻すための、「慣らし運転」を行ってきました。
5月17日以降、兵庫県内で新たな感染者が発生していないことから、6月15日(月)から通常の教育活動(8:30登校 6または7校時)を実施してまいります。引き続き、検温を含め健康チェックを継続します。各教室では可能な限り間隔をとり、マスクの着用、教室の定期的な換気とともに、教員は適宜フェイスシールドを着用するなど、感染拡大予防に努めます。
部活動では、段階的に週あたりの活動日数を増やし、同一学区内の練習試合等が可能となります。運動部では県総合体育大会や県高校野球選手権の代替大会の実施が発表されています。特に3年生は、生活リズムを保ちながら大会に臨んで欲しいと思います。また、今年の全国高校総合文化祭はウェブでの実施が検討されるなど新しい動きも見受けられます。
さて、生徒も登校を重ねるにつれて、徐々に学校生活に慣れてきました。
9:00始業でしたが、早めに登校し、教室で自習に励む生徒の姿が見受けられました。特に3年生は日増しにその数が増えています。目標達成に向けて、各自が時間を生み出し、自立した「Solo活動」を行っているのです。そのような姿を見ると、毎年、進路講演会で講義をお願いしている大竹先生の「地道な取組みを続ける生徒一人ひとりからは磁場が生じるかのごとくオーラを感じる。磁場は見えないけれど、誰が感じるかというと、本人が自信として感じる。」「忘却曲線から考えても、少しでも記憶に残っている間に、再び記憶しようとすると、さらに強化される。」というお話を思い出します。毎日、決めたことを少しずつでも続けることで、先が見通しにくい状況においても、周りに左右されず、今自分のやるべきこと集中できます。先輩たちも、同じようなプロセスを経て目標を達成していったのでしょう。例年よりも早い段階で、生徒のオーラが他の生徒に伝播し、学校全体に一体感が醸成されることを期待しています。本校教職員は、気迫のこもった授業を展開し、責任感を持って生徒の目標達成を支援します。
今後、新型コロナウイルス感染症の第2波に十分な警戒が必要です。梅雨から本格的な夏に向かって気温も上昇します。熱中症にも注意しながら、生徒の体力、学力のアップに取組んでまいります。
ああ再建の 意気高く
謳うわれらが 青春譜
文化の国の あけぼのは
ここより生れん ほのぼのと
その名ぞ「兵庫」 わが母校
令和2年6月15日
兵庫県立兵庫高等学校長 升川 清則
【校長室より】学校再開
兵庫県立兵庫高等学校ホームページをご覧いただきまして、誠にありがとうございます。
キーワード「慣らし運転」「一体感」「希望」
昨日の雨で、山の緑が一層鮮やかになってきました。庭先の紫陽花が蕾をほころばせ、梅雨の訪れを今や遅しと待ち構えています。
6月1日(月)から、隔日の分散登校を開始します。地域の感染状況がこのまま推移した場合には、6月15日(月)以降は平常授業を実施する見込みです。
今日からの2週間は、「慣らし運転」です。登校と家庭学習日(ステイホーム)を交互に行い、感染防止に備えながら、学校生活の「勘(かん)」を取り戻します。部活動にも少しずつ取組んでいきます。そのために、今後も規則正しく過ごし、自分の心と体の健康に留意することが重要です。登校しない日も、登校する日と同じように起床し、検温して健康チェックを継続します。生徒の皆さんは、熱や体にだるさがある時は、躊躇なく登校を控えて自宅で静養してください。
3月を含めると、約3ヶ月間という長期間の臨時休業になりました。
制約されていたことから解放されて、喜んだのも束の間、気分が落ち込んでしまうことがあります。長期間のステイホームの後、「心の空白」をつくらないために、自分で「次の目標」を立て、未来に向けて「張り合い」をつくっていくことが大切です。休業中は、生活を記録して「毎日を確かめる」習慣を身につけてきました。兵庫高校生全員が同じ生活記録に取組んできたことは、同じ歌を歌うように、一体感に繋がったと思います。
新型コロナウイルス肺炎の第2波が予想され、影響はまだまだ続きます。日常の中で、自分なりの小さな工夫を積み重ねて、「希望」をつくり出しましょう。
兵庫高校は、これからも一歩一歩、着実に進んでまいります。
武陽ヶ丘の あさみどり
白き雲湧く ユーカリに
生命の春を 証して
われらが夢の すむところ
その名ぞ「兵庫」 わが母校
令和2年6月1日
兵庫県立兵庫高等学校長 升川 清則
【校長室より】生徒の皆さんを待っています。
校内では、皆さんが登校してくることを心待ちにしているかのように、
可憐に小さな花が咲いています。
さて皆さん、どこに咲いているのか、お分かりでしょうか。
また、何の花か分かる人がいましたら教えてください。
理想は高き 学舎に 鳴るや真理と 自治の鐘
時永劫の うつろいに 花新たなり 文の苑
その名ぞ「兵庫」 わが母校
令和2年5月27日
兵庫県立兵庫高等学校長 升川 清則
【校長室より】生徒の皆さんへ
キーワード「日記」「行動」
生徒の皆さんへ
新学期が始まり1ヶ月が経過しました。
生徒の皆さんは、様々な困難はあるものの、それぞれ工夫をこらし自宅で元気に過ごしていることと思います。
さて、臨時休業は5月31日まで継続されます。
5月に入り、兵庫県が発表した県内における新型コロナウイルス肺炎の感染状況をみると。緊急事態宣言下の社会活動の制限は一定の効果があるように見えます。しかし、最近、戸外で小中高生が、マスクを着用せず集団で間隔をとらずに接している光景を目にします。少し緊張感が薄れている表れかもしれません。たとえ自分に症状がなくても感染させることがあります。油断は禁物です。引き続き、外出を控えて、マスク着用、手洗い等の感染対策をとってください。学校が再開された後に、感染拡大を起こしてはなりません。人同士が1.5~2m程度の距離を保つ習慣を、確実に身に付ける必要があります。
部活動においては、全国高校総体の中止を受け、県高校総体の夏季競技が中止となりました。選手の健康と安全を最優先にした結果といえども身を切る思いです。文化部においても、定期行事の中止が余儀なくされており、各部の大会やコンクールの開催が危ぶまれています。3年生にとっては、本当に残念な事態になりました。しかし、チャンスが訪れた時のために、各自できることを是非継続してください。
ずっと家にいるとストレスが溜まります。どう発散すればいいのだろうかと考えます。
先日、A紙に、国際宇宙ステーション(ISS)など閉鎖空間で長い時間を過ごした宇宙飛行士の若田光一さんのインタビューが掲載され、在宅の心得が3つ挙がっていました。
1 スケジュールを明確にする。(普段の学校の生活と変わらないスケジュールで過ごす。もちろん、休みの日はちゃんと休む。)
2 1日の生活リズムを乱さない。(睡眠時間は変えない。リラックスも大事。健康管理のための有酸素運動や筋力トレーニングは、生理学的にだけでなく、精神的な健康維持にもつながる。)
3 日記がおすすめ。(その日の行動を振り返り、長いトンネルの先を見据えて、今後のことを考える時間をとることが大きいと思う。)
さらに、「人生で、病気のこんなパンデミックが起こることはほとんどありません。後でもできることをやりたいと思うのではなく、今しかできないことを考えて過ごすことが大切だと思います。」と述べています。今一度、何ができたのか、何ができていないか、冷静に振り返りましょう。
実際には、何をしてきたかよくわからない、記録できていない等々、残念な状態があるかもしれません。たとえ、そうであっても、自分を「受け入れ」、自分を「認め」てください。そこから、行動の第一歩が始まります。
学校再開まで、これまでと同様ホームページによって連絡事項を確認し課題を確実にこなしてください。自分のみだしなみも整えましょう。今後、学校との皆さんとのやり取りは「Gsuit」を使用するとともに、学習アプリを活用した取り組みを始めます。不明な点は、気軽に担任や学年の先生に相談してください。
過去、兵庫高校生は阪神・淡路大震災や新型インフルエンザ禍など幾多の試練を乗り越えてきました。
平常時も緊急時も「行動」あるのみ。皆さんが元気な姿を見せてくれる日を楽しみにしています。
わが世の塵を低く見て 競う心の 気高さを
かたみに結ぶ 友垣の 夢純らなり 愛の庭
その名ぞ「兵庫」 わが母校
令和2年5月11日
兵庫高等学校長 升川 清則
【校長室より】生徒の皆さんへ
キーワード
「とにかく家に居よう」 「継続」 「限界突破」
生徒の皆さんへ
昨日は、4月下旬とは思えない肌寒い1日でした。その上、徒歩での帰宅途中に冷たい雨に降られました。空の雲の切れ間からは、夕日が神々しく西の彼方に沈んでいく光景に遭遇し、落ち込みかけた気持ちに勇気が湧きました。とはいえ季節は順調に進み、花々も桜やチューリップから、つつじにバトンタッチ。学校近くのお寺の境内で満開です。今朝は快晴で、真っ青な空のもと散歩していると、いつものように公園で運動している子どもたちに出会えて元気をもらい、1日を気分良くスタートできました。
皆さんは、毎日、自宅で元気に過ごしていることと思います。
「今できること」はないかと、仲間と共に元気な姿や音楽を発信する生徒、また、この期間に、図書館の「風と共に去りぬ」の原書を借りて、読破を試みる生徒もいます。兵庫高校生は本当に逞しいと、大変うれしく思います。私自身、生徒の皆さんが、学校で元気に過ごす姿を見せてくれること自体、本当にありがたいことだと感謝の気持ちが日に日に増してきています。
しかし、残念ながら、いつもの日常はありません。
一人ひとりが、過ごし方や行動を変えることが、一刻も早い事態の終息につながります。そして、皆さんの落ち着いた生活ぶりは、家庭に安心感をもたらし、きっと家族の絆も深まるに違いありません。
さて、作家の村上春樹さんは「走ることについて語るときに僕の語ること」(文藝春秋社)で次のように述べています。
「継続すること―リズムを断ち切らないこと。長期的な作業にとってはそれが重要だ。いったんリズムが設定されてしまえば、あとは何とでもなる。しかし、弾み車が一定の速度で確実に回り始めるまでは、継続についてどんなに気をつかっても使いすぎることはない。もしタイム内で走れなかったとしても、やれる限りのことはやったという満足感なり、次につながっていくポジティブな手応えがあれば、また何かしらの大きな発見のようなものがあれば、多分それは一つの達成になるだろう。言い換えれば、走り終えて自分に誇り(あるいは誇りに似たもの)が持てるかどうか、それがランナーにとって大事な基準になる。」
村上さんは、市民ランナーとしてフルマラソンを何度も完走されています。専門の長距離ランナーも舌を巻く緻密なトレーニングと気持ちのコントロールを実践し、目標を達成されてきたことが分かります。地道にランニングに取組むことで、作家として長編小説を執筆するための、「持続力」と「集中力」を保たれているのです。
先行きは、はっきりしませんが、学校からの連絡を確実に把握し、落ち着いて、しっかりと行動してください。今後、課題の提示だけでなく、学習アプリ等を活用した学習支援や、学校と生徒が双方向でやり取りができる仕組みの構築など、学習環境の整備を早急におこなっていきます。今こそ、自らの限界を突破するチャンスととらえて、自分がやると決めたことを、継続して取組んでください。
〇とにかく家に居よう
・みだりに自宅から外出しない
・特に、大型連休期間、府県をまたいだ移動や観光施設等への外出は自粛
・「3つの密」(密閉・密集・密接)の回避
※周りの人と一定の距離をとる
※公園で運動するときや散歩・ランニングするときにも集団で行わないなど配慮する
〇決めたことを毎日継続しよう
・「毎朝の健康チェック」「生活記録の記入」「身辺整理・清掃」等
・しっかりとした食事と十分な睡眠を確保
・計画的な学習と適度な運動を実践
〇限界を突破しよう
・悩み、苦しみ、雑念を忘れて勉強に没頭
※単なる憧れや、こだわりを捨て「無我夢中」になる。
※無駄な時間をつくらない。
・「自分は素晴らしい人間」だと理屈抜きに信じる
※あなたは、いかなるピンチや試練も必ず乗り越える。
・強い目的意識をもつ
※今自分があるのは周りにおかげと謙虚な気持ちを持ち続ける。
※「家族のため、世のため人のため、皆のため」に頑張ると思い続ける。
時永劫の うつろいに
花新たなり 文の苑
その名ぞ「兵庫」 わが母校
令和2年4月24日
兵庫高等学校長 升川 清則
【校長室より】令和2年度新入生への説明会 校長講話
ただ今入学を許可した75回生320名の新入生の皆さん、入学おめでとう。前をしっかり向いて、堂々と話を聞いている皆さんの姿を、非常に頼もしく思います。今の喜びは、皆さんの努力の結果であることに違いありませんが、ご家族をはじめ、皆さんを支え導いていただいた方々のお陰であると、感謝の気持ちを決して忘れてはなりません。
本日は、保護者の方々にはこの場にお越しいただけませんでしたが、入学を許可され、晴れて兵庫高校生となったことをしっかりと報告してください。
さて、本校は創立以来112年目を迎え、今日まで、文武両道を継承し、校訓の四綱領「質素剛健 自重自治 これを貫くに至誠を以てす」を重んじる教育を進めてきました。
第1の「質素」とは、見た目の華美にまどわされず、心の豊かさを第一に、物ごとの本質をしっかりと掴み、判断、行動せよということです。
第2の「剛健」は、心身のたくましさのことです。自分の将来を見据え、粘り強く取り組む、強い意志と頑健な身体を養い、何者にも屈せず、自分の選んだ道を歩み続けよということです。
第3の「自重」は、自分を大切にして卑下しないことです。自分と同様他の人の人格を重んじ、謙虚であるとともに自分に自信を持ち、堂々と生きる人間に成長せよということです。
最後の「自治」とは、「責任ある自由」のもと、自分たちのことを自らの責任において自ら運営することです。
私は、皆さんに、四綱領の精神を基本理念とし、将来にむけて自立することは勿論のこと、「豊かな発想」と「たくましい行動力」で他者と協働しながら、世界や日本国中で活躍し、地元兵庫・神戸を支え牽引する人に成長してくれることを大いに期待します。
そのために実践してほしいことを3つ述べます。
1つ目は、「目的と目標」を常に意識することです。
人生の中で大きな目的を持ち、その目的を達成するために日々の目標を立てることが重要です。登山に例えるならば、これまでも高い山を目指して、登り続けてきたかもしれませんが、これから登ろうとする山は、さらに険しく、道のない山です。兵庫高校入学のこの機会に、一旦山を下りて、さらに別の高峰を目指そうではありませんか。
2つ目は、自ら主体的に学ぶ姿勢を持つことです。
目的目標を達成するために、知識や技能を誰かに教えてもらえばよい、と皆さんが考えているならば、それは今すぐ改めてください。
3つ目は、コツコツと努力し続ける「継続する力」と、「集中してやり遂げる力」を身につけることです。
継続する力を身につけるため、目標をいくつかの小さな目標に分けて、1つひとつ達成するという考え方を是非取り入れてください。「先送り」「短気」「わがまま」などの癖が根づいてしまうと、中途半端な意思の力で断ち切ることはできません。日々できることを地道に続けて習慣化することで、少々の失敗や挫折を経験しても、くじけることのない自信を持つことができます。
今話をした3つのことを実践し、兵庫高校の歴史に新たな歩みを刻んでください。
現在、新型コロナウイルス肺炎が全世界中で蔓延し、人類を不安の渦に巻き込んでいます。
「人間万事塞翁が馬」という故事のとおり、一見不運に見える出来事が、見方を変えれば実は幸運に導かれた出来事であるかもしれません。起こったことに一喜一憂せず、どう解釈するのかが、我われの人生を分けます。「この出来事は自分に何を気づかせようとしているのか」という見方があっても良いのではないでしょうか。
明日以降、登校日を除いて、5月6日まで臨時休校となります。
その間は、他人と自分の命を守るために、不要の外出を控え自宅で過ごしてください。毎朝の健康チェックを通じて自己の健康に留意するとともに、「1週間の記録」を活用して、日々の活動の振り返りを行いながら、学習面・体力面の基礎固めを図ると共に読書を通して、一回り大きな自分を創ってください。不安なことや、気になることがあれば、気軽に担任の先生に相談してください。
本校では、常に生徒を中心に据え、教職員と保護者、そして同窓会である武陽会の三者が一致協力して生徒の教育に取り組んでいきます。本校での高校生活で、皆さん一人ひとりが、成長のチャンスを逃すことなく、学業や学校行事、そして部活動で互いを高め合えるよう期待しています。
以上、75回生の入学にあたっての講話とします。
令和2年4月8日
升 川 清 則
【校長室より】保護者の皆様へ
【校長室より】令和2年度1学期 在校生への説明会 校長講話
おはようございます。
校内の桜も桜色一色から、若葉の鮮やかな緑がアクセントを加えてくれています。山々の木々も新緑の季節を前に、若葉がまさに芽吹こうとして、例年と変わらぬ様子を見せています。
しかし、今日、我われと新型コロナウイルスとの戦いは続いています。
兵庫県における4月7日21:00時点での感染者数は229人で、東京都や大阪府のような大幅な感染拡大ではないものの、感染経路の不明な症例、帰国者、若者の感染者が増加しており、予断を許さない状況です。
昨日、兵庫県を含む7都府県を対象に新型コロナウイルスの感染拡大に備える緊急事態宣言が国から発出されました。
これに基づき、兵庫県においても対処方針が示され、以降、5月6日まで、学校は臨時休業となります。週1日、午前中の登校日においても、授業、部活動は実施しません。臨時休業中は、学校以外の公園での運動を除いて、むやみに外出せず自宅で過ごしてください。
感染予防は、こまめな手洗いの励行、マスクの使用による咳エチケットの励行はもとより、十分な睡眠時間の確保やしっかりとした栄養の摂取など,規則正しい生活で健康な心身を維持することが重要です。そして、「密閉」、「密集」、「密接」といった3つの「密」が重なるおそれのある集会、イベントへの参加は厳に慎んでください。私たちは自分自身がウイルスに感染することをもちろん防がなければなりません。一方で、無症状でもすでに感染しているという可能性もあり、感染源となるおそれもあります。
もし、体調に異変があるときには、本日配布する文書「令和2年度新型コロナウイルス感染症の予防的対応について」を参考に適切に対応してください。臨時休業中は、学校から皆さんには、これまでと同様に学校ホームページを通じて、連絡等を行います。くれぐれも、SNS等における憶測やデマに惑わされないでください。
自宅においては、
1 毎朝、検温を行い、健康状態を調査用紙に記入したうえで、学校ホームページから状況を各自フォームに入力すること。このデータにより皆さんの健康状態を把握します。37.5度以上の熱が4日以上、続くときには相談窓口に連絡してください。
2 生活記録を活用し、その日の行動をイメージしながら計画を立て、課題などの学習を計画的に行ってください。さらに、読書や運動も継続して行ってください。1日の終わりには、その日の生活の振り返るとともに、自己の目標を確認しましょう。
以上を確実に実施して、有意義に過ごしてください。
登校日には、
マスクを使用するなど感染予防に留意して登校してください。
なお、たとえ平熱とあまり変わらない微熱やだるさを感じるなどの、少しでも症状があるときには無理をせず、ためらわずに自宅で待機してください。
また、登校に不安のあるときには、遠慮なく担任に申し出てください。
3学期の終わりに、2つ話をしました。
1つは、「行動・態度と言動を改める」ということ、もう1つは「物事の見方や解釈を変える」ということでした。
我々の行動を変えることが、感染拡大を予防し、自分や周りの人の命を守ります。
ウイルスとの戦いも、「この出来事は自分に何を気づかせようとしているのか」という見方ができる人は、いざというときに思わぬ力を発揮できるものです。
繰り返し皆さんにお願いします。
今回の臨時休業を、自らの行動を変えること、学校に登校する意味を考えること、家族のありがたみ、友人の素晴らしさ、さらに、今やらなければならないことや、これまでの自分の誤りに、気づく貴重な時間にしなければなりません。新型コロナウイルスとの戦いは、まだまだ続きますが、時がたてば必ず終息します。それまで、健康にくれぐれも留意し、1年後、2年後、さらに将来、自分のため、家族のため、さらに世のため人のために活躍する自分の姿を思い描いて、兵庫高校生らしく前向きに行動してください。
本日も、全員で校歌を高らかに歌うことが叶いません。残念でなりません。次に皆さんと歌える時を楽しみにしています。
以上、年度初めの講話とします。
令和2年4月8日
升 川 清 則
【校長室より】第3学期終業式辞
正門をはいったところの蜂須賀桜も終わり、それに続いて校内の桜のつぼみが膨らんでいます。満開になるのが待ち遠しい限りです。冬の間、葉を落としていた通勤途中のあじさいも、知らぬ間に元気に葉をつけて、花をつける準備を整えつつあります。
今回のコロナウイルス対策による一斉休業が始まって3週間が過ぎました。
皆さんは、学校ホームページによる連絡をペースメーカーに、課題をこなして、有意義な時間をきっと過ごしていたことと信じます。
私たちが日常かかえる不安な気持ちや、先行きが不透明な状況を象徴するかのような、現在の目に見えないウイルスとの戦いです。とはいえ、手洗いや咳エチケットの励行で予防策は講じることができます。また、感染しても重症化しないように、適度な運動と十分な睡眠の確保やしっかりとした栄養の摂取など,規則正しい生活で健康な心身を維持することができます。
今回の休校で、学校に登校する意味を考えること、家族のありがたみ、友人の素晴らしさ、さらには、今やらなければならないことや、これまでの自分の誤りに、はたと気づいた人がいれば、それは貴重な時間であったといえます。
今日、皆さんの元気な様子を見て、ただただ嬉しく感激しています。
さて、この1年、皆さんは、今日まで、兵庫高校生らしく果敢にチャレンジし、勉学に、学校行事に、部活動によくがんばりました。
終業式にあたり、心にとどめて欲しいことを2つ話します。
1つ目は、「行動・態度と言動を改める」ということです。
「先送り」「短気」「わがまま」など、良くない行動の癖がついてしまうと、中々断ち切ることはできません。日々できることを地道に続けて習慣化することで、悪癖にもブレーキをかけることができます。
我われが無意識に使う言動にも注意したいものです。
「ダメや」「最低や」といった、物事を強く感情的に否定する「ネガティブな言葉を日常的に使わない」ことが重要です。
「誰かの良いところを無条件に本気で心の底から褒める『感嘆』の言葉」
「心から有り難いと思って語る『感謝』の言葉」
「素晴らしい自然、芸術、音楽、スポーツに触れたとき、その喜びを表現する『感動』の言葉」
といったポジティブな言葉を意識して使うことを習慣にしたいものです。感嘆、感謝、感動、3つの感を意識することで、ネガティブな感覚が薄れ、自分自身の人格が磨かれていきます。
2つ目は「物事の見方や解釈を変える」ということです。
往々にして不運に見える出来事が、実は幸運に導いてくれる出来事である場合があります。起こったことに一喜一憂せず、その事象をどのように解釈するのかが、我われの人生を分けます。失敗したときにも、「失わなかったもの」や、「与えられたもの」に目を向けることができるはず。失敗や挫折も、自分にとっては、一度限りのかけがえのない人生の一コマです。「この出来事は自分に何を気づかせようとしているのか」という見方ができる人は、気持ちに余裕が生れます。
2つ話しましたが、プラスの発想をすれば人生はプラスに作用し、良い出会いにつながっていくものです。調子が良いときは謙虚な気持ちで感謝し、難が有るときには、それをひっくり返して有り難うという。そうすればピンチもチャンスに変わるかもしれません。他人と過去は変えることはできませんが、自分と未来は変えることができます。1年後、2年後、さらに将来の自分を思い描き、これから是非とも心がけて欲しいと思います。
新型コロナウイルスの蔓延は、まだまだ先行きが不透明ですが、時がたてば必ず終息します。それまで、健康にはくれぐれも留意し、自分のため、家族のため、さらに世のため人のために活躍する自分の姿をイメージながら行動してください。
このたびは、全員で校歌を高らかに歌うことが叶いません。残念でなりません。
最後の一節を口ずさんで終わります。
文化の国のあけぼのは ここより生れん ほのぼのと
その名ぞ兵庫 わが母校
これをもって式辞とします。
令和2年3月23日
升 川 清 則
【校長室より】第72回卒業証書授与式 校長式辞
式 辞
玄関脇に植えられた白梅が、例年よりも早く満開を迎えた佳き日に、本校第72回卒業証書授与式を挙行いたしましたところ、多くの来賓の皆様、保護者の皆様におかれましては、ご多忙にも関わりませず、卒業生の門出を祝うためにご隣席をいただき厚くお礼申し上げます。誠に有り難うございます。
ただ今、卒業証書を授与いたしました314名の皆さん、本日めでたく、卒業の日を迎えられたこと心よりお祝い申し上げます。皆さんの3年間の努力と精進に対して心から賛辞をおくります。皆さんは、平成29年4月の入学から今日まで、兵庫高校生らしく果敢にチャレンジし、勉学に、学校行事に、部活動に活発に活動してきました。あっという間の3年間で、まだ実感は湧いてこないかもしれませんが、真直ぐにこちらを向いている凛々しい表情から成長ぶりが伝わってきます。
さて、今年で阪神・淡路大震災から25年が過ぎました。皆さんがこの世に生を受けたのはその六年後です。これまでにない未曽有の大災害でしたが、国内外からの多くの支援により、神戸の街の復興が成し遂げられました。当時の様子は校舎一階事務室前の柱の銘板に記されています。これからも、震災の経験や教訓を忘れず、伝え、これを活かし、しっかりと備え、次の災害への心構えが必要です。
世の中は依然として厳しい情勢が続いています。国内においては、昨年も台風による大規模な洪水などの自然災害が日本各地に被害をもたらし、少子高齢化の加速など、日本経済も不安定な状況にあります。神戸も、高齢化と人口減少など新たな課題に直面し新たなまちづくりが喫緊の課題です。
また、海外ではテロ行為や難民問題を始め、政治や経済で緊張が続いており、地球規模の温暖化も年々深刻化しています。さらには新型コロナウイルス肺炎が、世界中で大流行するなど新たな感染症との戦いも始まりました。現代は少なくとも過去の延長線上に単純に未来が来るような時代ではなくなっているといえます。
そのような中でも、72回生は、逞しく高校生活を過ごしてきました。全力で取組む先輩たちに続き、「責任ある自由」を育くみ、真の兵庫高校生へと成長していきました。
先日の3学期の始業式でも、目標の進路に立ち向かう皆さんが、しっかりと前を見据える姿、そして、校歌を堂々と歌う様子に、力強さを感じました。111年の伝統を誇る本校の偉大な先輩方にも劣らぬ高校生活を全うした皆さんに改めて敬意を表します。
卒業にあたり、これからいかなる時も前向きに生きていくために、心にとどめていただきたいことを3つ述べます。
1つ目は、「習慣を改める」ということです。
宇宙飛行士たちが月に到達するためには、地球のとてつもない引力をまさに断ち切らなくてはなりません。ロケットの発射直後の数分間、距離にして数キロ足らずの上昇に必要としたエネルギーは、その後の数日間、約70万キロの飛行に使ったエネルギーをはるかに上回るといわれています。同じように習慣という引力も非常に強いものです。「先送り」「短気」「わがまま」などの癖が根づいてしまったら、中途半端な意思の力だけでは断ち切れません。日々できることを地道に続けて習慣化することで、少々の失敗や挫折を経験しても、くじけることのない自信を持つことができます。
行動だけではなく、我われが無意識に使う言動にも注意が必要です。何よりも、「ダメだ」「最低だ」といった物事を強く感情的に否定する「ネガティブな言葉を日常的に使わない」ことが重要です。「誰かの良いところを無条件に本気で心の底から褒める『感嘆』の言葉」「心から有り難いと思って語る『感謝』の言葉」「素晴らしい自然、芸術、音楽、スポーツに触れたとき、その喜びを表現する『感動』の言葉」、このようにポジティブな言葉を意識して使うようにする必要があります。それが習慣になったとき、無意識のうちにネガティブな感覚が薄れ、自分自身の人格が磨かれていくでしょう。
2つ目は「人生の解釈を変える」ということです。
自分の人生には、劇的な成功体験でなくても、小さな成功体験が数多くあるはずです。過去を振り返り、「あの人に巡り会ったことで人生が拓けた」「あの出来事が起こったことで道が拓けた」と気づくことがあれば、それは素晴らしいことです。「人間万事塞翁が馬」「禍福はあざなえる縄のごとし」という故事のとおり、往々にして不運に見える出来事が、実は幸運に導かれた出来事であるかもしれません。起こったことに一喜一憂せず、どう解釈するのかが、我われの人生を分けます。いかなる失敗体験においても、「失わなかったもの」や、「与えられたもの」に目を向けることができるかどうかが重要です。どのような失敗や挫折であろうとも、自分にとっては一度限りの、かけがえのない人生の一コマです。「この出来事は自分に何を気づかせようとしているのか」という見方があっても良いのではないでしょうか。
3つ目は「人生における問題を、自分に原因があると引き受ける」覚悟を持つことです。
カナダの精神科医エリック・バーンは、「他人と過去は変えることはできないが、自分と未来は変えられるのだ」と述べています。自分の内面、人格、動機などに働きかけることができるのは自分だけです。信頼されたければ、信頼されるに足る人間になる、才能を認められたければ、まずは人格を高めるところから始めなければならないということです。プラスの発想をすれば人生はプラスに作用し、良い出会いにつながっていくものです。良いときは感謝し、難が有るときには、それをひっくり返して有り難うという。そうすればピンチもチャンスに変わるかもしれません。
本校で文武両道を磨いた皆さんは新たな進路においても、高度な専門性を身に付け、さらにその先でも意欲的に研鑽を積まれることでしょう。これからは、日本中、いや世界中の優れた人材と相まみえることになります。その時には、互いに切磋琢磨しつつも自信を持って、自分の道を究めて欲しいと願っています。
さて、保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。
教職員一同、力をあわせてお子様の教育にあたってまいりましたが、至らぬこともあり、ご迷惑やご心配をおかけしたことも度々であったと存じます。本校の教育方針をご理解いただき3年間終始ご協力、ご支援を賜りましたことを代表してお礼申し上げます。お子様が健康で社会に有為な人となられることを切にお祈りいたしますとともに、今後も、本校への変わらぬご交誼とご鞭撻をお願いいたします。
卒業生の皆さん、健康にはくれぐれも留意し、自分のため、家族のため、さらに世のため人のために、そして、君たちの後に続く後輩たちのためにも大いに活躍されることを祈っています。
名残は尽きませんが、72回生、107陽会の前途に幸多かれと、心よりお祈りしつつ本校生として最後の校歌を、ともに高らかに歌いお別れいたしましょう。
これをもって式辞といたします。
さようなら
令和2年2月28日
升 川 清 則