校長室より
【校長室より】通常授業開始
兵庫県立兵庫高等学校ホームページをご覧いただきまして、誠にありがとうございます。
キーワード「Solo活動」「オーラ」「目標達成」
梅雨入りし、曇り空が続いています。時折、雲の間から差し込む日差しがどことなく安心感や高揚感を与えてくれます。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う臨時休業の後、6月1日から、隔日の分散登校を実施して学校生活の「勘(かん)」を取り戻すための、「慣らし運転」を行ってきました。
5月17日以降、兵庫県内で新たな感染者が発生していないことから、6月15日(月)から通常の教育活動(8:30登校 6または7校時)を実施してまいります。引き続き、検温を含め健康チェックを継続します。各教室では可能な限り間隔をとり、マスクの着用、教室の定期的な換気とともに、教員は適宜フェイスシールドを着用するなど、感染拡大予防に努めます。
部活動では、段階的に週あたりの活動日数を増やし、同一学区内の練習試合等が可能となります。運動部では県総合体育大会や県高校野球選手権の代替大会の実施が発表されています。特に3年生は、生活リズムを保ちながら大会に臨んで欲しいと思います。また、今年の全国高校総合文化祭はウェブでの実施が検討されるなど新しい動きも見受けられます。
さて、生徒も登校を重ねるにつれて、徐々に学校生活に慣れてきました。
9:00始業でしたが、早めに登校し、教室で自習に励む生徒の姿が見受けられました。特に3年生は日増しにその数が増えています。目標達成に向けて、各自が時間を生み出し、自立した「Solo活動」を行っているのです。そのような姿を見ると、毎年、進路講演会で講義をお願いしている大竹先生の「地道な取組みを続ける生徒一人ひとりからは磁場が生じるかのごとくオーラを感じる。磁場は見えないけれど、誰が感じるかというと、本人が自信として感じる。」「忘却曲線から考えても、少しでも記憶に残っている間に、再び記憶しようとすると、さらに強化される。」というお話を思い出します。毎日、決めたことを少しずつでも続けることで、先が見通しにくい状況においても、周りに左右されず、今自分のやるべきこと集中できます。先輩たちも、同じようなプロセスを経て目標を達成していったのでしょう。例年よりも早い段階で、生徒のオーラが他の生徒に伝播し、学校全体に一体感が醸成されることを期待しています。本校教職員は、気迫のこもった授業を展開し、責任感を持って生徒の目標達成を支援します。
今後、新型コロナウイルス感染症の第2波に十分な警戒が必要です。梅雨から本格的な夏に向かって気温も上昇します。熱中症にも注意しながら、生徒の体力、学力のアップに取組んでまいります。
ああ再建の 意気高く
謳うわれらが 青春譜
文化の国の あけぼのは
ここより生れん ほのぼのと
その名ぞ「兵庫」 わが母校
令和2年6月15日
兵庫県立兵庫高等学校長 升川 清則
【校長室より】学校再開
兵庫県立兵庫高等学校ホームページをご覧いただきまして、誠にありがとうございます。
キーワード「慣らし運転」「一体感」「希望」
昨日の雨で、山の緑が一層鮮やかになってきました。庭先の紫陽花が蕾をほころばせ、梅雨の訪れを今や遅しと待ち構えています。
6月1日(月)から、隔日の分散登校を開始します。地域の感染状況がこのまま推移した場合には、6月15日(月)以降は平常授業を実施する見込みです。
今日からの2週間は、「慣らし運転」です。登校と家庭学習日(ステイホーム)を交互に行い、感染防止に備えながら、学校生活の「勘(かん)」を取り戻します。部活動にも少しずつ取組んでいきます。そのために、今後も規則正しく過ごし、自分の心と体の健康に留意することが重要です。登校しない日も、登校する日と同じように起床し、検温して健康チェックを継続します。生徒の皆さんは、熱や体にだるさがある時は、躊躇なく登校を控えて自宅で静養してください。
3月を含めると、約3ヶ月間という長期間の臨時休業になりました。
制約されていたことから解放されて、喜んだのも束の間、気分が落ち込んでしまうことがあります。長期間のステイホームの後、「心の空白」をつくらないために、自分で「次の目標」を立て、未来に向けて「張り合い」をつくっていくことが大切です。休業中は、生活を記録して「毎日を確かめる」習慣を身につけてきました。兵庫高校生全員が同じ生活記録に取組んできたことは、同じ歌を歌うように、一体感に繋がったと思います。
新型コロナウイルス肺炎の第2波が予想され、影響はまだまだ続きます。日常の中で、自分なりの小さな工夫を積み重ねて、「希望」をつくり出しましょう。
兵庫高校は、これからも一歩一歩、着実に進んでまいります。
武陽ヶ丘の あさみどり
白き雲湧く ユーカリに
生命の春を 証して
われらが夢の すむところ
その名ぞ「兵庫」 わが母校
令和2年6月1日
兵庫県立兵庫高等学校長 升川 清則
【校長室より】生徒の皆さんを待っています。
校内では、皆さんが登校してくることを心待ちにしているかのように、
可憐に小さな花が咲いています。
さて皆さん、どこに咲いているのか、お分かりでしょうか。
また、何の花か分かる人がいましたら教えてください。
理想は高き 学舎に 鳴るや真理と 自治の鐘
時永劫の うつろいに 花新たなり 文の苑
その名ぞ「兵庫」 わが母校
令和2年5月27日
兵庫県立兵庫高等学校長 升川 清則
【校長室より】生徒の皆さんへ
キーワード「日記」「行動」
生徒の皆さんへ
新学期が始まり1ヶ月が経過しました。
生徒の皆さんは、様々な困難はあるものの、それぞれ工夫をこらし自宅で元気に過ごしていることと思います。
さて、臨時休業は5月31日まで継続されます。
5月に入り、兵庫県が発表した県内における新型コロナウイルス肺炎の感染状況をみると。緊急事態宣言下の社会活動の制限は一定の効果があるように見えます。しかし、最近、戸外で小中高生が、マスクを着用せず集団で間隔をとらずに接している光景を目にします。少し緊張感が薄れている表れかもしれません。たとえ自分に症状がなくても感染させることがあります。油断は禁物です。引き続き、外出を控えて、マスク着用、手洗い等の感染対策をとってください。学校が再開された後に、感染拡大を起こしてはなりません。人同士が1.5~2m程度の距離を保つ習慣を、確実に身に付ける必要があります。
部活動においては、全国高校総体の中止を受け、県高校総体の夏季競技が中止となりました。選手の健康と安全を最優先にした結果といえども身を切る思いです。文化部においても、定期行事の中止が余儀なくされており、各部の大会やコンクールの開催が危ぶまれています。3年生にとっては、本当に残念な事態になりました。しかし、チャンスが訪れた時のために、各自できることを是非継続してください。
ずっと家にいるとストレスが溜まります。どう発散すればいいのだろうかと考えます。
先日、A紙に、国際宇宙ステーション(ISS)など閉鎖空間で長い時間を過ごした宇宙飛行士の若田光一さんのインタビューが掲載され、在宅の心得が3つ挙がっていました。
1 スケジュールを明確にする。(普段の学校の生活と変わらないスケジュールで過ごす。もちろん、休みの日はちゃんと休む。)
2 1日の生活リズムを乱さない。(睡眠時間は変えない。リラックスも大事。健康管理のための有酸素運動や筋力トレーニングは、生理学的にだけでなく、精神的な健康維持にもつながる。)
3 日記がおすすめ。(その日の行動を振り返り、長いトンネルの先を見据えて、今後のことを考える時間をとることが大きいと思う。)
さらに、「人生で、病気のこんなパンデミックが起こることはほとんどありません。後でもできることをやりたいと思うのではなく、今しかできないことを考えて過ごすことが大切だと思います。」と述べています。今一度、何ができたのか、何ができていないか、冷静に振り返りましょう。
実際には、何をしてきたかよくわからない、記録できていない等々、残念な状態があるかもしれません。たとえ、そうであっても、自分を「受け入れ」、自分を「認め」てください。そこから、行動の第一歩が始まります。
学校再開まで、これまでと同様ホームページによって連絡事項を確認し課題を確実にこなしてください。自分のみだしなみも整えましょう。今後、学校との皆さんとのやり取りは「Gsuit」を使用するとともに、学習アプリを活用した取り組みを始めます。不明な点は、気軽に担任や学年の先生に相談してください。
過去、兵庫高校生は阪神・淡路大震災や新型インフルエンザ禍など幾多の試練を乗り越えてきました。
平常時も緊急時も「行動」あるのみ。皆さんが元気な姿を見せてくれる日を楽しみにしています。
わが世の塵を低く見て 競う心の 気高さを
かたみに結ぶ 友垣の 夢純らなり 愛の庭
その名ぞ「兵庫」 わが母校
令和2年5月11日
兵庫高等学校長 升川 清則
【校長室より】生徒の皆さんへ
キーワード
「とにかく家に居よう」 「継続」 「限界突破」
生徒の皆さんへ
昨日は、4月下旬とは思えない肌寒い1日でした。その上、徒歩での帰宅途中に冷たい雨に降られました。空の雲の切れ間からは、夕日が神々しく西の彼方に沈んでいく光景に遭遇し、落ち込みかけた気持ちに勇気が湧きました。とはいえ季節は順調に進み、花々も桜やチューリップから、つつじにバトンタッチ。学校近くのお寺の境内で満開です。今朝は快晴で、真っ青な空のもと散歩していると、いつものように公園で運動している子どもたちに出会えて元気をもらい、1日を気分良くスタートできました。
皆さんは、毎日、自宅で元気に過ごしていることと思います。
「今できること」はないかと、仲間と共に元気な姿や音楽を発信する生徒、また、この期間に、図書館の「風と共に去りぬ」の原書を借りて、読破を試みる生徒もいます。兵庫高校生は本当に逞しいと、大変うれしく思います。私自身、生徒の皆さんが、学校で元気に過ごす姿を見せてくれること自体、本当にありがたいことだと感謝の気持ちが日に日に増してきています。
しかし、残念ながら、いつもの日常はありません。
一人ひとりが、過ごし方や行動を変えることが、一刻も早い事態の終息につながります。そして、皆さんの落ち着いた生活ぶりは、家庭に安心感をもたらし、きっと家族の絆も深まるに違いありません。
さて、作家の村上春樹さんは「走ることについて語るときに僕の語ること」(文藝春秋社)で次のように述べています。
「継続すること―リズムを断ち切らないこと。長期的な作業にとってはそれが重要だ。いったんリズムが設定されてしまえば、あとは何とでもなる。しかし、弾み車が一定の速度で確実に回り始めるまでは、継続についてどんなに気をつかっても使いすぎることはない。もしタイム内で走れなかったとしても、やれる限りのことはやったという満足感なり、次につながっていくポジティブな手応えがあれば、また何かしらの大きな発見のようなものがあれば、多分それは一つの達成になるだろう。言い換えれば、走り終えて自分に誇り(あるいは誇りに似たもの)が持てるかどうか、それがランナーにとって大事な基準になる。」
村上さんは、市民ランナーとしてフルマラソンを何度も完走されています。専門の長距離ランナーも舌を巻く緻密なトレーニングと気持ちのコントロールを実践し、目標を達成されてきたことが分かります。地道にランニングに取組むことで、作家として長編小説を執筆するための、「持続力」と「集中力」を保たれているのです。
先行きは、はっきりしませんが、学校からの連絡を確実に把握し、落ち着いて、しっかりと行動してください。今後、課題の提示だけでなく、学習アプリ等を活用した学習支援や、学校と生徒が双方向でやり取りができる仕組みの構築など、学習環境の整備を早急におこなっていきます。今こそ、自らの限界を突破するチャンスととらえて、自分がやると決めたことを、継続して取組んでください。
〇とにかく家に居よう
・みだりに自宅から外出しない
・特に、大型連休期間、府県をまたいだ移動や観光施設等への外出は自粛
・「3つの密」(密閉・密集・密接)の回避
※周りの人と一定の距離をとる
※公園で運動するときや散歩・ランニングするときにも集団で行わないなど配慮する
〇決めたことを毎日継続しよう
・「毎朝の健康チェック」「生活記録の記入」「身辺整理・清掃」等
・しっかりとした食事と十分な睡眠を確保
・計画的な学習と適度な運動を実践
〇限界を突破しよう
・悩み、苦しみ、雑念を忘れて勉強に没頭
※単なる憧れや、こだわりを捨て「無我夢中」になる。
※無駄な時間をつくらない。
・「自分は素晴らしい人間」だと理屈抜きに信じる
※あなたは、いかなるピンチや試練も必ず乗り越える。
・強い目的意識をもつ
※今自分があるのは周りにおかげと謙虚な気持ちを持ち続ける。
※「家族のため、世のため人のため、皆のため」に頑張ると思い続ける。
時永劫の うつろいに
花新たなり 文の苑
その名ぞ「兵庫」 わが母校
令和2年4月24日
兵庫高等学校長 升川 清則