【自然科学部】柳池生物多様性野外実験場でヒシの除草作業
2022年7月30日、太子町総合公園柳池内の生物多様性野外実験場で、ヒシの除去作業を行いました。ヒシは在来種の浮葉植物で、やや富栄養な条件下では爆発的に繁殖します。柳池の生物多様性野外実験場では兵庫県下ではたつの市内に1カ所しか自生地がない、希少植物ヒシモドキなどの絶滅危惧種の生息域外保全を行っています。ザリガニやコイなどの影響を心配したのですが、自生地以上に順調な生育をしており、6月中旬以降栽培では開花困難な、開放花も数多く咲かせています。
実験場内にヒシが入り込みヒシモドキの生育を妨げないように、侵入防止フェンス付近のヒシを除去しました。
また、授業「探究」で実験に使用するヒシとヒシモドキを採集しました。これまでの研究でヒシモドキがヒシと似た生育環境で育つ植物だが、ヒシが繁栄しヒシモドキが絶滅する原因として、「種子の機能」「根の機能」などの差があることは分かっています。今回の実験ではヒシモドキが絶滅危惧種になった原因の一つに、「除草剤などの薬剤耐性が極めて乏しいため」という仮説を検証する予定です。
手前:ヒシモドキ(絶滅危惧種) 奥:ヒシ(普通種) |
左:ヒシ(普通種) 右:ヒシモドキ(絶滅危惧種) |
ヒシの除去前 侵入防止フェンスをヒシが圧迫している |
ヒシの除去 水温は気温より低くため池内は案外快適
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ヒシ除去後 左前の植物がヒシモドキ 右奥はヒシ |
ヒシモドキは水深90cm付近で開放花が開花 |
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