【生物班】サギソウ自生地で除草作業

 例年行っている、サギソウやモウセンゴケなどの生育地で、除草作業を行いました。保全活動を行っている、湧水湿地は以前は大型草本のカモノハシの優占面積が拡大し、サギソウやモウセンゴケ、ミミカキグサ類などが減少していました。現在は、湿地の25~30%程度の面積を草刈り機で刈り払い、土壌に直射日光があたるように刈り払った草を除去しています。先輩たちの研究から、サギソウの発芽を促す共生菌はカモノハシなどの枯れ草を分解する菌類であることが判明しています。

 昨年の植生調査の結果から、人工交配により結実率を向上させ種子散布量を増やしても、大型草本が高密度で生育する場所では開花数(個体数)は増えていませんでした。 地表に日光が当たる環境をつくる「中規模の攪乱」がサギソウや食虫植物など小型の湿性植物の保全に効果があることがわかりました。

 周辺からのササの湿地内への侵入も問題でした。一昨年より刈り取った草をササの上にかぶせることで、日照条件を悪化させ生育を抑制できないか試行していますが、まずまずの効果があるようです。ササは刈り取るだけでは小型化して、シバのような生育形態になるので、刈り取りよりも「枯れ草マルチ」の方が保全には適していると考えます。

 サギソウ群落の作業の後は、トウカイコモウセンゴケ群落、イシモチソウ群落の除草を行いました。南方系のトウカイコモウセンゴケはモウセンゴケのような越冬芽をつくらないので、霜がおりると葉が傷んでしまいます。落ち葉の下になっている株は傷みが少ないのですが、生育期になっていも落ち葉をかぶっていると弱ってしまいます。そこで、落ち葉かきをして、ササやコシダなどの刈り取り除去をすることで群落を保全しています。イシモチソウはまだ発芽には早かったのですが、GW頃には元気な姿を見ることができると思います。

地表に光があたるように刈り取った草を除去

参加者

越冬芽から成長を開始したモウセンゴケ

南方系のトウカイコモウセンゴケは耐寒性が低い