校長室より

校長室より

YOASOBI

YOASOBI

 生徒の皆さんは、当然よく知っているYOASOBIです。Ayaseとikuraによる2人組の音楽ユニットですが、配信する(CDという形式ではほとんど発表されていない)楽曲がどれも大ヒットです。2019年に結成し、小説を音楽にするプロジェクトから誕生しました。「夜に駆ける」「ハルジオン」「たぶん」「群青」「もう少しだけ」「三原色」どの曲も個性的で、一度聞くと忘れられない感じがします。私のようなおじさん達がYOASOBIを知ったのは、2020年12月の紅白歌合戦で「夜に駆ける」を歌ってからでしょうか。現在ではユニクロがコラボしてTシャツを販売したりもしています。

    今回、Kiss FMで8月1日に放送された「日本郵便 SUNDAY’S POST」という番組を聴いていると、その番組内で「レターソングプロジェクト」という企画で、小学校6年生の「はつね」さんからの手紙をもとに、YOASOBIが「ラブレター」という楽曲を完成し、8月9日から配信が始まることが分かりました。この「はつね」さんが書いた手紙が非常に感動的で「私は苦しいときも楽しいときも音楽を聴いてきた。音楽さん、ありがとう」という内容なのですが、ほぼ忠実に内容を生かした「ラブレター」がまた大変素晴らしい曲にできあがっています。この曲も大ヒット間違いなしだと思います。合唱や、吹奏楽等の課題曲に採用されるかもしれません。皆さんも夜遊びをしながら、YOASOBIの「ラブレター」という楽曲を聴いてみて下さい。

 

ベルベル人

ベルベル人

 7世紀にアラブ人がやってくる前から、北アフリカ地域に住んでいた先住民族がベルベル人です。ベルベルという名前は、ギリシャ語で「わけのわからない言葉を話す者」を意味するバルバロイに由来するそうです。北アフリカ地域は、古代から多くの国家からの侵略を受け、イスラム化やフランスによる植民地化などの歴史を経て、ベルベル人たちは多くの苦難を乗り越えてきました。有名人では、サッカー元フランス代表のジダンやベンゼマもベルベル人です。良くない出来事があった女優の沢尻エリカさんですが、彼女の母親も国籍はフランスでしたがベルベル人だそうです。

 「アムドゥヤズ ン ドゥシャル ワル イスファルジュ シャ」

    ベルベル語のことわざで「村の歌い手は評価が低い」という意味です。これは聖書にある「預言者は自分の故郷では歓迎されない(身近なものはありがたくない)」という意味と同じです。「幸せの青い鳥を探しに出かけたが、実は自宅にいた鳥が青い鳥だった」という話にも通じるところがあります。自分の身近なところにあるものを、もう一度見直してみましょう。「帯に短し、襷に長し」では役に立ちませんが。

 

 

 

忙中閑あり

忙中閑あり

 「忙中閑あり」(ぼうちゅうかんあり)忙しい中にも、ちょっとゆっくりするヒマな時間もあるよね、ということわざです。8月になり、忙しい生徒の皆さんや先生方も「ちょっと一息」を感じているでしょうか。同じような言葉をいくつか考えてみましょう。毎日暑い日が続いていますが、「暑中涼あり」暑いけれども、ほっと涼しさを感じる時があります。エアコンの効いた建物に入ったとき、アイスクリームやかき氷を食べるとき、山に登って木陰で涼しい風が吹いてきたときなど。「夜寝苦しい中昼寝あり」これは言葉通りで、夜はなかなかぐっすりと眠れないのであれば、昼間短時間の「パワーナップ」で疲れを取ることも大切です。

 「壷中天あり」これは中国の後漢書に記載されている「世俗生活の中にある独自の別天地」のことです。「費長房という人は市場の役人だったが、ある日役所の窓から見える通りで店を出している薬売りの老人が、夕暮れに店をたたむと、店先の壷の中に入っていくのを目撃した。翌日、費長房が老人に昨日のことを尋ねると、老人は実は自分が仙人であることを明かし「見られたのなら、仕方ない」と壷の中に入れてくれた。壷の中には珍味を並べた別天地があり、酒を酌んで大いに楽しみを尽くしたという」壷の中は小さく狭いように見えますが、その中には天のように広い世界が存在する、ということで、「井の中の蛙、大海を知らず」の反対ですね。こんな壷があるのなら、私もボツにならずに、壷にはまりたい。

 

 

 

温室効果ガス削減、やる気あるの

温室効果ガス削減、やる気あるの

 地球温暖化対策計画の政府原案が発表されました。管首相が表明した2030年度の排出量を2013年度比で46%削減する目標を実現するための案です。この原案を見て「なんじゃ、これは」と思った人は私だけではないはずです。2013年の部門別二酸化炭素排出量は、産業部門が4億6300万トン、家庭部門が2億800万トンであるのに、削減率は産業部門が37%減で、家庭部門が66%減を目標にしています。二酸化炭素を排出する部門を5つに分けたときに、一番排出量が多い産業部門の削減率が少なくて、排出量の少ない家庭部門の削減率が大きいのです。全体を削減するときに、多い分野から削っていく方が効果が高いということは、小学生にも理解できる理屈です。産業界からの反発を恐れ、家庭部門では表だった反対の声は小さいだろうという忖度が働いた結果だと思います。これを見ると、政府は本気で排出量を減らす気がないと思えてしまいます。

 世界中で気候変動、自然災害が数多く報告され、温暖化対策は待ったなしの状況にありながら、この期に及んでも「日本の産業を守る」ことを優先しています。こんな忖度は、選択せずに、洗濯してしまわないといけません。

 

 

24時間の使い方

24時間の使い方

 どんな人にも平等に与えられているものが、時間です。大変忙しい人も、ボーッと生きていてチコちゃんに叱られる人も、一日は等しく24時間しかありません。

 先日、香寺高等学校の女子バスケットボール部が太子高等学校と練習試合を行いました。顧問の鍋田先生は、とても熱心に指導をしていただいています。

「試合に出ている選手だけではなくて、ベンチに座っている選手達も、試合の中で学ぶことはあるのだから、ボーッと見ているだけではだめだ」その通りです。試合が終わった後に、私はこんな話をしました。

 「バスケットボール部の練習や試合の時間は、1時間とか2時間くらいしかありません。その短い時間に集中して練習を頑張ることは大事です。でももっと大事なのは、それ以外の時間の使い方です。夜はしっかり睡眠を取る。ちゃんとご飯を食べる。甘いジュース等を飲み過ぎない。生活のあらゆるところで時間を大切に使うことができれば、バスケットボールはもっとうまくなります」

 もちろんこの話は、バスケットボール部に限ったことではありません。どんな部活動にも当てはまりますし、勉強にも当てはまります。これから暑い夏休みに向かいます。生徒の皆さんは、しっかりした時間の過ごし方を心がけて下さい。時間の使い方を、オカンに任せてはあかんですし、土管に保管してもいけません。