「チーム医療」講座紹介

総合科学コース 看護医療系講座「チーム医療」の紹介

令和6年度「チーム医療」2学期第9回の記録

2学期9回目の講座は、11月12日(火)に福崎町のアキタケ診療所より秋武宏規先生にお越しいただき、講義をしていただきました。

講義のテーマは「地域医療」です。

 

アキタケ診療所は、本校では学校医としてお世話になっており、福崎町の医療を支える診療所です。地域住民の日常生活でのケガや病気に対して、医療を提供する一次医療機関として利用されています。診察でお忙しい合間を縫って、講義をしていただきました。

 

講義では、おもに医療連携について教えていただきました。医療連携とは一つの医療機関だけでは対応できない患者を、地域の総合病院や救命救急センターと連携し、治療をおこなう仕組みです。過去の事例では、豊岡の患者を淡路島の医療センターに搬送し、治療をおこなったケースもあったそうです。また、豊岡の総合病院は、その立地から鳥取県や京都府の患者の受け入れもおこなっており、広域連携がおこなわれていることをお話しいただきました。

 

講義の最後には医療従事者に必要な資質についてもお話しいただき、医療従事者を目指す生徒たちは真剣な表情で聴いていました。

 

 次回は11月19日(火)に「公立神崎総合病院におけるチーム医療」について講義をしていただきます。

令和6年度「チーム医療」2学期第8回の記録

2学期8回目の講座は、11月5日(火)に福崎町の保健センターより保健師の本窪田里奈先生にお越しいただき、講義をしていただきました。

講義のテーマは「保健師とチーム医療」です。

 

講義の前半は、おもに保健師の仕事内容について教えていただきました。地域住民の生活を支える保健師の仕事は多岐にわたり、乳幼児から高齢者までを対象としていることを教えていただきました。本窪田先生は高齢者への保健指導を主にされているようで、「転倒予防教室」や認知症患者とその家族への支援を担っており、大変なところもあるが、やりがいを感じる仕事だとお話しされていました。

 

後半では、保健師と多職種との連携について教えていただきました。保健センターには、保健師のほかにも医師や薬剤師、社会福祉士なども勤務しており、地域住民のニーズに沿った医療サービスを提供するために連携を図っていることを教えていただきました。また、保健センターだけでは扱えないような事例には、地域の病院などとも協力し、住民の生活のサポートをしていると話されていました。私たちの生活を支える保健師の仕事についてじっくり学ぶことができる時間になりました。

 

 次回は11月12日(火)に「地域医療」について講義をしていただきます。

令和6年度「チーム医療」2学期第7回の記録

2学期7回目の講座は、10月29日(火)に姫路獨協大学より沖嶋今日太先生にお越しいただき、講義をしていただきました。

講義のテーマは「作業療法士の仕事と望ましいチーム医療のあり方」。

 

講義の前半は、これまで生徒が講義を受けてきた「チーム医療」について、異なる視点からお話をしていただきました。チームで何かに取り組むときには、全員が納得した治療を提供していくことは難しくなる。しかし、一人で患者の治療ができてしまうスペシャリストは存在しないので、「チーム医療」の考え方が重要になると説明していただきました。

 

講義の後半では、上述したような連携をとっていくために欠かせない職種が作業療法士であると教えていただきました。心身のリハビリテーションの専門家であると同時に、チームを機能させるために組織を育成したり連携の必要性を多職種に理解してもらうことも作業療法士に求められる能力である。そういったことから、社会的にもこれから活躍の場がどんどん広がっていく職業であることを伝えていただきました。

 次回は11月5日(火)に「保健師とチーム医療」について講義をしていただきます。

令和6年度「チーム医療」2学期第6回の記録

2学期6回目の講座は、10月15日(火)に姫路獨協大学より山本英則先生にお越しいただき、講義をしていただきました。

講義のテーマは「臨床工学技士の仕事、チーム医療における役割」。

 

講義の前半は、普段あまり目にすることのない臨床工学技士の仕事について教えていただきました。臨床工学技士は、手術の際の人工心肺装置の操作や、人工透析などをおこなう仕事であることを教えていただきました。

 

講義の後半では、筋肉の微弱な電流を読み取って、心臓の動きが分かる機械を生徒に装着し、心電図の解析を行いました。少しの動揺や気持ちの乱れもデータとして表れていて、演習を行っている本人も周りの生徒もとても楽しそうでした。

 次回は10月29日(火)に「臨床工学技士の仕事、チーム医療における役割」について講義をしていただきます。

令和6年度「チーム医療」2学期第5回の記録

2学期5回目の講座は、10月8日(火)に姫路獨協大学より赤星成子先生にお越しいただき、講義をしていただきました。

講義のテーマは「看護の仕事とチーム医療」。

 

講義の前半は、看護師の仕事とチーム医療のなかでの看護の役割について講義をしていただきました。

講義のなかでは、看護師に求められる能力や仕事内容についてお話をしていただきました。

 

講義の後半では、グループで演習をおこないました。生徒は、言葉で伝えることのできないもどかしさや、相手が理解してくれないことにイライラしながらも、ゲームに取り組んでいました。この「協力ゲーム」を通してコミュニケーションの大切さや、「伝える」ことの大切さについて学びました。

 

次回は10月15日(火)に「臨床工学技士の仕事、チーム医療における役割」について講義をしていただきます。

 

令和6年度「チーム医療」2学期第4回の記録

 講座「チーム医療」2学期4回目の講座は、姫路獨協大学より鈴木正浩先生にお越しいただき、講義をしていただきました。講義のテーマは「言語聴覚士の仕事とチーム医療について」。

 

 講義の前半では、言語聴覚士の仕事内容について教えていただきました。ことばや聞こえの障害だけでなく、摂食嚥下障害も支援する専門職であることを伝えていただきました。「この職業は、ヒトが『人らしく』生きていくために重要な仕事である」と話されていました。

 演習では、失語症の患者の伝えたいことをうまく聞き出すという活動をおこないました。患者役の生徒は、「ほ」と「ど」しか話せない状況で、自分の思いが伝わらないことにもどかしさを感じ、周りの生徒はなんとか気持ちを読み取ろうと必死になっていました。

 講義の後半では、演習の振り返りを最初に行いました。鈴木先生は「目の前の患者が困っていること、伝えたいことを考える想像力が、医療従事者として大切なことだ」と話されていました。

 講義の最後には、失語症の患者に面会する前に知っておきたい情報について考える模擬カンファレンスをおこないました。生徒はしっかりと想像力を働かせながら、自分の働いている姿をイメージしながら課題に取り組んでいました。

次回は「看護の仕事、チーム医療における役割」について講義をしていただきます。

令和6年度「チーム医療」2学期第3回の記録

 講座「チーム医療」2学期3回目の講座は、姫路獨協大学より山本洋之先生にお越しいただき、講義をしていただきました。

 講義のテーマは「理学療法士の仕事、チーム医療における役割」。

 

 講義の前半では、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士に共通する仕事内容や、それぞれが得意とする支援について教えていただきました。この3つの職業は主にリハビリテーションを担当します。しかし、リハビリテーションと言っても、様々な段階やアプローチの方法があることを教えていただきました。

 講義の後半では、実際にリハビリテーションの現場でも用いられる、超音波を発生させる機械を用いて、その原理について講義していただきました。物理の専門的な知識が必要な話でしたが、分かりやすく教えていただき、生徒も新しい知識を身につけられたようでした。

次回は「言語聴覚士の仕事、チーム医療における役割」について講義をしていただきます。

令和6年度「チーム医療」2学期第2回の記録

 講座「チーム医療」2学期2回目の講座は、姫路獨協大学より清水隆明先生にお越しいただき、講義をしていただきました。

 講義のテーマは「診療情報管理士の仕事とチーム医療における役割」と「高齢化社会を支える医療介護制度と地域の取組」。

 

 講義の前半では、診療情報管理士という聞きなれない職業について詳しく教えていただきました。以前は、主にカルテを管理することが仕事内容でした。しかし、カルテが電子化した今では、「コーディング」と呼ばれる患者の病気を分類することが主な仕事となっていることをお話しいただきました。

 この作業はWHOが管轄する分類基準に基づいて管理されているため、非常に専門性が高くやりがいのある仕事だと話されていました。

 講義の後半では、超高齢化社会となっている日本の取組と、その対策について教えていただきました。また、外国の医療制度として、タイの医療制度についても教えていただきました。日本との違いや、「医療ツーリズム」という海外で医療を受ける仕組みの拠点病院のことまでユーモアを交えながら教えていただきました。

次回は「理学療法士の仕事、チーム医療における役割」について講義をしていただきます。

令和6年度「チーム医療」2学期第1回の記録

講座「チーム医療」2学期1回目の講座は、姫路獨協大学より藤原史博先生にお越しいただき、講義をしていただきました。

講義のテーマは「在宅看護の仕事、チーム医療における役割」。

 

講義の前半では、これまでの病院に入院し、看護をおこなうという考え方から、可能な限り在宅で看護をおこなう流れに転換が進んでいることについて説明していただきました。住み慣れた自宅や、地元で療養生活を送るために必要な看護について教えていただきました。「ホーム(勤める病院)ではなく、患者の自宅で限られた器具で適切な看護をするのはとても難しい仕事だけど、とてもやりがいのあることだ」と話されていました。

講義の後半では、ペアになり、心臓や肺の音を聴診器を使って聴いたり、脈をとるなどの演習をおこないました。音を聴くだけ、患者の状態を知ることができると言われてから演習をおこないましたが、実際に聞き分けるのはとても難しかったです。

講義の最後に生徒からの「働くうえで大切にしていることはなんですか」という質問に、

「毎日患者を看ていると、それが当たり前になってくる。命を預かっている立場にもかかわらず、こちらが生かしてあげている、という感覚に陥ってしまっていた。ありきたりな言葉だけど、初心を忘れず、謙虚な気持ちで仕事をしている」と話されていたのが印象的で、生徒の心にも届いているように感じました。

 

次回は9月17日に「高齢化社会を支える医療介護制度と地域の役割」について講義をしていただきます。

令和6年度「チーム医療」1学期第5回の記録

1学期5回目の講座は、神戸常磐大学より上原弘美先生にお越しいただき、講義をしていただきました。

講義のテーマは「歯科衛生士とチーム医療」。

 

私たちの身近な問題である口腔保健の話を中心に教えていただきました。

講義の前半では、「歯の健康が全身の健康につながっている」とお話しされましたが、生徒はあまり理解できていないようでした。しかし、う蝕(虫歯)や歯周病が原因で様々な健康影響が出ることが示されると、日々のブラッシングがいかに大切かを理解したようでした。

 

講義の後半では、生え変わることのない永久歯を大切にし、生涯を通じて健康であるための秘訣などを教えていただきました。上原先生のユーモアの交えた講義で、笑いの絶えない2時間となりました。

 

次回は6月11日に「診療放射線技師とチーム医療」について講義をしていただきます。