校長室より

2022年9月の記事一覧

大人からくる意見は聞くな

大人からくる意見は聞くな

 絵本作家の五味太郎さんが、10代の若者に対して発言をしています。

 「大人には大雑把に分けて2種類の人間がいるということ。充足した人間と、そうでない人間。それで、どうも若い人に何かと指導したり、いろいろ言ってきたりする人は『何か自分に不足があって言ってくるんだ』というのを、敏感に感じてた」

 「充足している大人は、自分からは何も言わない。穏やかに若者を見ている。俺は中学では体操部で、そこでも、すぐに何か言ってくる大人と、じっと見ている大人がいた。いろいろ言ってくる人は『根性が足りないんだ』とか言うけど、それを聞いても混乱しちゃう」

 「だから、あえて今の若者に何か言うなら『大人からくる意見は聞くな。必要だったら、自分から質問しなよ』参考になるのは、自分からは言ってこない穏やかな大人だから」

 「だから、心ある大人はガキに何も言わないでやってくれ。『その一線を越えるとダメだ』ということ以外は、ぐっとこらえてほしい。問題をつくっているのは、いつも大人。そのことに気づかない限り、社会は是正できないよ」

 学校という場所は、子どもを育てる所ですから、先生が生徒に何も言わないということはありえません。しかし最近では、どうも先生が小さな事まで言い過ぎではないかと感じることがあります。見て見ぬふりをするというのではなく、穏やかに見守っているということも必要ではないかと思います。自分から、設問に質問できるくまモンが良いですね。

 

暴君

暴君

 さもなければ 

 完璧だったのに。大理石の堅固さ、盤石(ばんじゃく)のゆるぎなさ

 万物を蔽(おお)う大気の自由さを手にできたはずだ。

 ところが今や、疑惑と恐怖に押し込められ、

 閉じ込められ、苦しめられる。

 

 野望と被害妄想に取り憑かれた男のこの言葉は、ロシアのプーチン大統領のものではありません。今から400年以上前に「ウィリアム・シェイクスピア」によって書かれた戯曲「マクベス」第3幕第4場からのものです。「マクベス」は、勇猛果敢だが小心な一面もある将軍マクベスが、妻と謀って主君を暗殺し王位に就くが、内面・外面の重圧に耐えきれず錯乱して暴政を行い、貴族や王子らの復習に倒れるという物語です。

 シェイクスピア研究の大家である「スティーブン・グリーンブラッド」が書いた「暴君」では、マクベスの台詞を引用しつつ、次のように書いています。

 「シェイクスピア作品を通してずっとそうであるように、暴君の態度は病的なナルシシズムに傾く。ほかの連中の命などどうでもよいのだ。重要なのは、自分が『完全』で『揺るぎない』と感じられることだ。宇宙など粉々になるがいいのだ。そうマクベスは妻に語っていた。天地がひっくり返ればいいのだ」

 「暴君とは、際限のない自意識、法を破り、人に痛みを与えることに喜びを感じ、強烈な支配欲を持つ人物。病的にナルシシストであり、この上なく傲慢だ。何だってやれると思い込み、自分には資格があるとグロテスクに信じている」

 歴史上に名前を残した「暴君」の例として、ヒトラーやスターリンが挙げられますが、プーチンも彼らの仲間入りをするのでしょうか。また、日本も含めいろいろな国家の「指導者」たちにも、どこか当てはまることはないでしょうか。もっと言うと、企業の社長や官庁の事務次官、権力を行使できる立場にある人たちは、いつの間にかこのような傾向を持ってしまわないでしょうか。暴君は校訓をもとにして、王君の真似をすべきです。

 

スライスようかん

スライスようかん

 創業200年以上の京都の老舗和菓子店「亀屋良長」が食パン用「スライスようかん」を考案し、ヒット商品になったそうです。

 「ようかんを食パンのトースト用にアレンジした商品です。小倉ようかんを2、5ミリにスライスし、真ん中に塩入りのバターようかんをのせ、けしの実をトッピングしたものです。トーストするとあつあつの小倉バタートーストができます。2018年の秋から販売しています」

 発案した女将の吉村由依子さんは、発案のきっかけを語りました。

 「二人の子どもの朝食を作る中でひらめきました。長男はスライスチーズをのせたトーストが好き。一方、次男はあんこが好きで、トーストしたパンにあんこをぬっていました。でも、あんこは冷えると硬く、ぬりにくくて面倒で。『チーズみたいに簡単にできたらいいのに』と思ったのです」

 原因はいろいろあるのでしょうが、和菓子離れは深刻な状況のようです。ヒット商品はどうしても洋菓子の方が多く、また若者はあまり和菓子を食べない傾向があるようです。

 私は朝食にはお米を食べることが多いですが、このスライスようかんがあれば食パンも良いかなと思います。ようかんは、ようかんで食べないといけません。