2020年11月の記事一覧

ケース会議・講演会2

「神戸市立医療センター中央市民病院(人工内耳施術)」とのケース会議・講演会

10月19日(月)に神戸市立医療センター中央市民病院の言語聴覚士である諸頭三郎先生をお迎えして、ケース会議並びに講演会を開催しました。本校の幼児・児童・生徒についてのケースだけではなく、教育相談等で関わっている子どもたちについても、聞こえの状況や支援・配慮の方法などについてご教授いただきました。講演では、「人工内耳の聴こえと成長」という演題で、人工内耳や補聴器を装用している子どもたちについて、基本的なことから、社会生活での自立に向けて必要とされる力についてまで、具体的に教えていただきました。地域からも、学校園所の先生方や教育委員会の先生方、保健センターの方々等、30名のご参加をいただきました。

以下、地域からご参加いただいた方々に講演の最後にご記入いただいたアンケートから感想を抜粋させていただきました。

ケース会議

・どういう事を具体的に支援すればよいかがよくわかった。ロジャー
 の使い方もよくわかった。外国語で大型テレビに動画を流すことが
 多いので、RGBケーブルをつないでやってみようと思った。

・他の子どもさんの相談を聞かせていただくことで、新しい気づきが
 あります。

・各々の子どものことを細かに見てくださっていることがよくわかり
 ました。

・個別の対応の方法や支援の仕方の助言をいただき参考になりまし
 た。

講 演    演題「人工内耳の聴こえと成長」

・日常何気なく聞こえてくる会話などから取得する言葉や情報は多い
 と思うし、子どもであればなおさら重要。意識して言語は取得させ
 ていかないといけないなと思った。

・人工内耳をつけている児童がどの様に聞こえているか、何が聞こえ
 ないのかについて、具体的にわかりやすかったです。

・担当している生徒は、かすかなところで聞こえたことをつなぎ合わ
 せているのだと知りました。明日からの対応指導に活かしていきた
 いことにあふれたご講演でした。

・「難聴の現状を知り一般社会での限界と対策を判断する」というこ
 とが、心に残っています。
セルフ・アドボカシーのワークを進めて
 いかないといけないと思いました。

・大学、就職してから、援助がなく困ってしまうことがあることや、
 何に困っているのか本人が気づき、周りの人にそれを伝えていく力
 をつけることが大事だという事がわかり、学校でもそういう力をつ
 けていけるようにしたいと思いました。

・聴覚障害のある生徒は聞こえないことが当たり前の文化で育ってき
 ているので、聞こえる人の発言などの文化を押し付けてはいけない
 ことが分かりました。

・生徒への支援と生徒の自立とのバランスが難しいと感じます。よく
 コミュニケーションがとれているのでそれに私が甘えてしまってい
 るような気もしています。今日の話をもう一度振り返りたいと思い
 ます。 
      


          


ケース会議・講演会1

「岡山大学病院(人工内耳施術)・松本耳鼻咽喉科」とのケース会議並びに講演会


去る9月28日(月)に元川崎医療福祉大学教授で姫路市の松本耳鼻咽喉科の言語聴覚士である福田章一郎先生をお迎えして、講演会並びにケース会議を開催しました。本校の職員だけではなく、地域からも、補聴器や人工内耳を装用している幼児児童生徒への理解を深め、配慮事項や学校園での支援の方法を知りたいと参加してくださった学校園所の先生方・教育委員会や保健福祉関係の方々、35名のご参加をいただきました。

聴覚障害のある子どもたちに対しての支援についてどんなことができるのか、どんなことに配慮すればいいのかということなど、あらためて考えさせていただく機会になりました。

以下、地域からご参加いただいた方々に講演の最後にご記入いただいたアンケートから感想を抜粋させていただきました。

 

ケース会議

・参考になるアドバイスをいただき、すぐに実践していきたいと思い
 ます。

・成長するにつれて出てくる課題を聞くことで、長期的な視点をもつ
 ことができました。

・他の先生方のお話を聞くことができて勉強になった。今後指導に役
 立てていきたい。

・聞き逃しに気づかせるための方法を具体的に教えていただけてあり
 がたかったです。

講 演  演題「聴覚障害児は何を聞き取り、何を聞き逃しているか」

・子どもが行動できない理由(聞こえていない、理解できていないな
 ど)が知れてよかった。

・健聴の子と情報量の違いがあること、難聴児の困りごとが確認でき
 てよかった。

・聴覚からの情報は360度、睡眠中も入っているということを知り、
 聴覚障害児の困り感、視覚の情報の大切さを感じた。常に緊張して
 いる状態という心理も学べて良かった。

・聞きながらの作業が難しいとわかり、今後の指導の参考になった。

・初めて補聴器をつける子を担任し、どのような原理で聞こえていな
 いのか、これからどうなるのかということが少しわかったように思
 います。

・難聴児の聞こえ方、情報の入り方など具体的に話していただいてよ
 かったです。自分たちがどのように支援していかなければならない
 か参考になりました。

・身近な存在になればなるほど、わかっていると思ってしまうので、
 再度見直して取り組んでいきたい。

難聴児が聞き逃している言葉はすごく多く、そこを見極められるか
 が大切。授業中「わっ」と笑いが起こることも多く、そういう瞬間
 も聞こえず困ることが多いことを再確認した。

・人工内耳、またはきこえに課題のある児童は限られた情報の中、何
 とかききとろうとしているということ、見た目には理解しているよ
 うに見えても実はとても苦労している場合があることが分かり、あ
 らためて配慮の必要性を痛感しました。

・難聴児が困る場面の例では、普段の生活の中でも非常にストレスを
 感じていることがわかりました。