校長室より

2022年1月の記事一覧

足が重い

足が重い

 気が進まない、乗り気でない、やる気が出ない、腰が引けている、というような時に「足が重い」とか「足取りが重い」と言います。実は本当に「足は重い」ものなのです。

 例えば、体重が50㎏の人であれば、片足で約10㎏あります。全体で50㎏だとすると、それくらいあっても別に不思議ではないですが、でも片足で10㎏、両足だと20㎏というのは「重い」感じはします。しかし普段の生活で、私たちは自分の足の重さを感じることはほとんどありません。これはなぜでしょうか。実は地球上に生まれてから、ずっと重力がある状態で生活をしているため、自然に手足や頭、身体を動かす骨格や筋肉を使うことに慣れているためです。ですから、普段と異なる状況のときに限り「足って重いな、身体って重いな」と感じることになります。2つ例を挙げましょう。

 1 意識がない人や、病気の人を抱え上げたり、運ぶとき

 自分の身体は自分で動かすことに慣れていますが、人の身体を持つとき、運ぶときは、大変重たく感じるものです。体重50㎏の人を一人で抱え上げるのは大変です。もっと体重の重い人だと、数人がかりでないと運べません。それくらい人の身体は重いものなのです。

 2 宇宙飛行士の人は宇宙で筋力トレーニングをするが、地球に帰ってくると歩けない

 宇宙では重力がないので、人は立ったり、歩いたりという基本動作をする必要がありません。ですから筋肉がどんどん衰えていきます。それを防ぐために毎日一定時間筋力トレーニングをするのですが、追いつきません。地球へ戻ってきた当初は、重力に逆らって立ったり歩いたりすることができません。これは病気等で、長期間寝たきりの生活をした後にも起こることです。

 人間は普段は意識せずに、とても難しいことを何気なくやってのけています。その条件が変化したときに始めて「すごいことをしているのだな」と感じるわけです。私は重い思いを持って、heavyなthoughtを書き続けています。