校長室より

2022年1月の記事一覧

音楽の方から迎えに来てくれる

音楽の方から迎えに来てくれる

 歌手で俳優の福山雅治さんが、ラジオ番組でこんな話をしていました。

「曲がうまく完成できなくて、悩んでいたときにスタッフの人からこう言われた。『福山さん、大丈夫。そのうちに音楽の方から迎えに来てくれるから』この言葉で行き詰まっていた気持ちが癒やされた」

 頑張って努力していても、うまくいかないことがあります。いや、うまく行かないことの方が多いかもしれません。それでも諦めないで頑張っていると、向こうの方から手を差し伸べてくれるような感覚になることがあるようです。いわゆる「ゾーンに入る」という感覚でしょうか。

古くは日本のプロ野球の巨人の監督をされた、川上哲治選手が現役時代の言葉で有名なものがあります。

「ボールが止まって見える」

    スポーツ選手の世界では、何回か聞いたことがある話です。では私の場合は・・・

 昔の話で恐縮ですが、12月の全校集会で生徒の皆さんには話をしたのですが、私の大学受験の時の話です。もともと私は数学の成績は良かったのです。しかし入試前の模擬試験で、数学の点数が200点満点で26点しか取れなくて「おいおい、どうするねん」と落ち込んでいました。入試当日、数学の試験では全部で大きな問題が6問ありました。ぱっと見て、これはできそうだな、と思った2番だったか、3番だったかから始めました。短時間で1問仕上げることができて「よし、いけるかも」と落ち着いた覚えがあります。その後は制限時間の120分ギリギリまで集中して、4問完答することができました。当時の感覚では、6問中2問完答では苦しい、最低3問解きたい、4問できれば万々歳という感じでした。自分でも「ゾーンに入ったな」と感じた瞬間でした。

 必死に努力し続けていれば、向こうの方から迎えに来てくれる感じになる。こんな経験はあまりないことだとは思いますが、それくらい頑張れ、ということだと思います。「ゾーンに入る」という経験をするためには、ガーンとショックを受けて、ゴーンという鐘の音を聞いて、ドーンと構えておくことが必要かもしれません。