校長室より

2021年4月の記事一覧

【校長室より】第76回入学式辞 要旨

兵庫県立兵庫高等学校ホームページをご覧いただきありがとうございます。

 

 武陽ヶ丘は、まさに春爛漫(はるらんまん)。
 本日、兵庫県立兵庫高等学校第76回入学式を挙行しましたところ、ご多用の中、PTA会長様にご臨席を賜り、厚く御礼申し上げます。
 ただ今入学を許可された76回生320名の皆さん、入学おめでとう。心よりお祝い申し上げます。皆さんはこれからの高校生活に、夢と希望に胸を膨らませていることと思います。今の喜びは、皆さんの努力の結果であることはもちろんですが、ご家族をはじめ、支え導いていただいた方々のお陰であると、感謝の気持ちを決して忘れてはなりません。
 さて、皆さんもご存じのように、本校の歴史は、明治41年に設立された県立第二神戸中学校に源を発し、その後、戦後の教育改革により県立第四神戸高等女学校と統合され、昭和23年、男女共学の県立兵庫高等学校として出発しました。本校は創立以来113年目を迎え、今日まで文武両道を継承し、校訓の四綱領「質素剛健 自重自治 これを貫くに至誠を以てす」を重んじる教育を進め、政治、経済、文化、芸術、スポーツなど、あらゆる分野に幾多の優秀な人材を輩出してきました。
 皆さんの入学に際し、創立以来、本校教育の根幹となってきた四綱領について私の考えを述べます。
 「質素」とは、見た目の華美にまどわされず、心の豊かさを第一に、物ごとの本質をしっかりと掴み、判断、行動せよということです。自分のありのままの姿を大切に、脇目を振らず目標に邁進してください。
 「剛健」とは、心身のたくましさのことです。自分の将来を見据え、粘り強く取り組む、強い意志と頑健な身体を養い、何者にも屈せず、自分の選んだ道を歩み続けよということです。
 「自重」とは、他の人の人格を重んじ、謙虚であるとともに自分に自信を持ち、堂々と生きる自立した人間に成長せよということです。
 最後の「自治」とは、「責任ある自由」のもと、自分たちのことを自らの責任において運営することです。集団では、仲間同士が試行錯誤しながら互いに切磋琢磨することが重要です。兵庫高校でともに学ぶ皆さんは、仲間であり、ライバルでもあり、目指すところはそれぞれ違いますが、お互いを高め合うかけがえのない存在です。1人ひとりがしっかり自分の役割を果たしながら、学業や学校行事、部活動を通じて、大きな達成感を得ることができます。仲間とともに学び、鍛えることの「ありがたさ」を感じることができれば、これほど素晴らしいことはありません。
 皆さんには、将来にむけて自立することは勿論のこと、「1つ上の自分」を目指して、「豊かな発想」と「たくましい行動力」をもって、世界や日本国中で活躍し、地元兵庫・神戸を支え牽引する人に成長してくれることを大いに期待します。
 本校は、文部科学省から「地域との協働による高等学校教育改革推進事業」や県教育委員会から「STEAM教育実践モデル校事業」の研究指定を受け、伝統に甘えることなく、国が目指す最先端の教育内容を提供し、発展を続けている学校です。「このままではこれからの時代に通用しないのでは」と危機感を持って、創造的な探究活動に学校全体で取組むのが兵庫高校での学びです。探究的な学びには、辛抱強い根拠の集積と新しい発想が求められます。
 そのために実践してほしいことを三つ述べます。
 1つは、「目的と目標」を常に意識することです。
 例えば「みんなの幸せの一端を担う人になる」「世のため人のために力を尽くす」など、人生の中で大きな目的を持ち、その目的を達成するために日々の目標を立てることが重要です。これから皆さんが目指す山は、さらに険しく、道のない山です。兵庫高校入学のこの機会に、さらなる高峰を目指そうではありませんか。
 2つは、自ら主体的に学ぶ姿勢を持つことです。
目的や目標を達成するために、誰かに知識や技能を教えてもらえばよい、と皆さんが考えているならば、今すぐ改めてください。教えてもらうという受け身の姿勢ではなく、自分から学ぶ積極性がなければ、目的目標を達成できないことはもちろんのこと、自分の人生を創ることもできません。
 3つは、コツコツと努力し続ける「継続する力」と、「集中してやり遂げる力」を身につけることです。継続する力を身につけるため、目標をいくつかの小さな目標に分けて、一つひとつ達成するという考え方を是非取り入れてください。逆に「先送り」「短気」「わがまま」などの癖がつくと、中途半端な意思の力で断ち切ることはできません。自分の現在地を見失しない「心ここにあらず」や「うわの空」の状態になる時もあるでしょう。その裏側にある「さみしさ」や「孤独感」をどう克服するかが鍵になります。「集中力が切れた」と思った時こそ、逆に意識して自分一人で行動してみましょう。日々できることを地道に続けて習慣化することで、少々の失敗や挫折を経験しても、くじけることのない自信を持つことができます。
 今話をした3つのことを実践し、兵庫高校の歴史に新たな歩みを刻んでください。
 さて、保護者の皆様、改めましてお子様のご入学おめでとうございます。お子様をこれより3年間お預かりいたします。本日は、感染拡大防止のため、教室やご家庭で入学式を映像でご覧いただくこととなりました。皆様のご協力に対し、深く感謝申しあげます。ご来校いただいた保護者の皆様には、入学式終了後に大きな拍手で、新入生を祝っていただければ、大変ありがたく存じます。
 保護者の皆様にお願いがございます。高校時代は心身共に大きな成長を遂げる一方で、心が大きく揺れ動く時期です。失敗をする時も、気持ちが萎える時もあるでしょう。そのようなとき、お子さんを見守り支えてあげてください。これから生徒たちは、日々刻々、目まぐるしく変化する、私たちが経験したことのない世の中で、生きていかなければなりません。「将来どのような人生を歩みたいか」について考える上で、これからの高校生活は極めて重要です。それゆえ、本校では、常に生徒を中心に据え、教職員と保護者、同窓会である武陽会の三者が一致協力して生徒の教育に取り組んでいます。保護者の皆様には、本校教育への絶大なるご理解、ご協力をよろしくお願い申し上げます。
 今も新型コロナウイルス感染症が全世界中で蔓延し、人類を不安の渦に巻き込んでいます。
 「人間万事塞翁が馬」という故事のとおり、一見不運に見える出来事が、見方を変えれば実は幸運に導かれた出来事であるかもしれません。出来事をどのように解釈するのかが、我われの人生を分けます。「この出来事は自分に何を気づかせようとしているのか」という見方があっても良いのではないでしょうか。
 皆さん一人ひとりが、成長のチャンスを逃すことなくとらえ、学業や学校行事、そして部活動などで、実り多い高校生活となるよう期待しています。
 

 令和3年4月8日


兵庫県立兵庫高等学校長
升 川 清 則

【校長室より】令和3年度第1学期始業式辞 要旨

兵庫県立兵庫高等学校ホームページをご覧いただきありがとうございます。

 
 桜の花も見頃が過ぎて、若葉が鮮やかな葉桜に代わってきました。
 このように、2学年のみですが一堂に会するのは昨年の体育祭以来となりました。コロナウイルスとの戦いは続いています。兵庫県における4月7日の感染者数は328人で過去最多となり、大阪府では878人の新規感染者で、過去発出された緊急事態宣言時を超える状況です。感染予防は、こまめな手洗いの励行、マスクの使用による咳エチケットの励行はもとより、十分な睡眠時間の確保やしっかりとした栄養の摂取など,規則正しい生活で健康な心身を維持することしかありません。毎朝検温して体調に異変があるときには、必ず自宅で様子を見てください。

 文化祭の準備もスタートしています。わくわく感を感じるクォリティの高いホームページもできています。どんな文化祭になるか、大いに期待しています。

 さて、3学期の終わりに、「心がけを少し変えると、自分でも驚くほど大きな良い変化に気づくことが出来る。勉強も、部活動でも、「これくらいでいいか」と「今、この場所」に安住せず、少しだけ無理をして身近なところから一歩踏み出し、さらに高みを目指して欲しい。」と話しました。
 先日、某化粧品会社の新聞広告に掲載された、病気から復帰した水泳選手の言葉がとても印象に残りました。彼女はこうコメントしています。「何かひとつのちょっとだけ違った行動だったり考えで、運命とか未来って簡単に変わると思っている」。その言葉に、私自身が一歩踏む出す勇気をもらいました。その記事にはプロモーション映像が紹介されていて、その作品もとても印象深い内容です。練習前のコーチの話を他の選手と聞いている様子とか、プールにお願いしますといって練習を始めるとか、どこにでもある日常の風景と、練習で鬼気迫る表情で集中して追い込む様子との対比が記憶に残りました。
 本当に集中するとは、どのような状態でしょうか。
 学習でも研究でも、運動部でも文化部でも、どれも同じではないかと思っています。「練習で全員が怒涛のような迫力で体を動かし声をだす。」「誰一人としていい加減な動きをしない。」「練習でミスをしたのち、すぐに次のプレーに移る。ミスをした自分をゴマ化さない。」「妥協しない。」などなど。目的目標に向かって最短距離で進むことができれば素晴らしい。
 今、皆さんは大勢で話を聞いています。私は目の前の人の集合体に話しているわけではない。皆さん一人ひとりに話しています。授業でもミーティングでも同じことです。「大勢の中でも意識をしっかり保って話を聞くことができる人」や「集団の中でも自分のやるべきことを行動できる人」が多ければ多いほど、肝心な時に底力を発揮できる集団だと考えます。皆さんにはまだまだ伸びしろがある。「勝てたらいいな」「合格できたらいいな」から「自分たちは勝てる」「みんなで高みを目指して合格する」まで意識を高めることが出来ます。
 本日の午後、入学式で76回生を迎えます。3学年そろって、将来「みんなの幸せの一端を担い」そして「世のため人のため」に活躍してくれると確信しています。
 新型コロナウイルスとの闘いは完全に収束するまで、しばらく時間がかかりそうです。それまで、健康にはくれぐれも留意して行動し、良い1年にしていきましょう。

 令和3年4月8日

兵庫県立兵庫高等学校長 
升 川 清 則 

【校長室より】令和3(2021)年度 学校経営について

兵庫県立兵庫高等学校ホームページをご覧いただきありがとうございます。

 

令和3(2021)年度 兵庫県立兵庫高等学校 学校経営について

1 教育目標
 四綱領「質素剛健 自重自治 これを貫くに至誠を以てす」を基調として精神性を高め、文武両道に精励させるとともに、先進的教育活動に取組み、21世紀の日本の担い手としての志を持って主体的に判断して行動し、他者と協働して課題を創造的に解決できるこころ豊かで自立する人材を育成する。

スローガン  四綱領「質素剛健 自重自治」の精神を教育の根本に新しい時代の開拓者を育てる


キーワード  学校組織・教員
        ○「適応力」(時流に乗る) ○「許容性」(継続のための寛容さ) ○「本業力」(教育実践)
       育成する生徒の資質
        ○ シェアド・リーダーシップ Shared Leadership        ○ 寛容と忍耐  Tolerance
        ○ 場を和ませる力  Soften the Atmosphere    ○  緊急対応   Emergency Response

 

2 重点項目

 学年・部・委員会・教科等の連携による組織的活動の推進と教職員の指導力の向上により、以下の項目に取り組む。
(1) 新教育課程(令和4年度入学生77回生)の決定、広報
(2) 文部科学省「地域との連携による高等学校教育改革推進事業(グローカル型)」、兵庫県教育員会「STEAM教育実践事業」の研究推進と新たな研究指定に向けた検討
  〇 全生徒を対象にした探究的活動の推進(GR、ひょうたん、STEAMライブラリー等)
  〇 情報教育(BYOD、オンライン授業等実施体制)の充実
  〇 英語教育、キャリア教育の充実
  〇 国際交流の推進(新たな連携覚書の締結等)
(3) 教科指導の充実、大学入学共通テスト得点向上への取組み
(4) 生徒理解と対話に基づく生徒指導、学校保健(感染症対策含)、環境整備の充実
(5) 勤務の精鋭化(ペーパーレス化、グループウェア及び採点ソフトの活用等)と年休・夏季休暇の取得促進