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カテゴリ:農業部

人と自然科 収穫までもう一息 ブドウの袋掛けを行いました

 人と自然科では、ベリーA、ピオーネ、マスカット3種類のブドウを栽培しており、ベリーAは2年生の『果樹と緑』の授業で、ピオーネは3年生で『果樹と緑』コース(科目)を選択した生徒を中心に、そしてマスカットは全学年の生徒が『総合実習B』(別名放課後の農場当番)の授業で栽培を学んでいます。

 人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 1学期期末考査前には、一粒一粒丁寧に粒を抜き、房の形を整える摘粒作業を行いましたね。

 ブドウの栽培 現在摘粒作業中です・・・・に関する記事はこちら

 1学期期末考査に全力を出し切った生徒たちは、翌日からすぐに気持ちを切り替えてブドウ畑に向かいます。あっという間に粒が大きくなり、しっかり育っていますね。

 

 そして夏休み前最後の作業となる袋がけの実習を行いました。袋がけは、鳥害や虫害、裂果、日焼けなどを防いだり、ブドウ表面に付着するブルームと呼ばれる白い粉(乾燥などから身を守るため、ブドウ自身が出す油脂成分。)が取れるのを防ぐことを目的に行う作業です。有馬高校で栽培する3種類のブドウ合わせて約1600房すべてに袋掛けを行います。

 まずは最後となる房の確認、『修正摘粒』です。摘粒ができているか、裂果がないか最終確認する大切な作業です。今回袋がけをしたら次房を触れるのは収穫後となり、房を整える最後のチャンスです。

 今年も考査中にしっかり梅雨の雨が降ったため、特にピオーネで粒が大きくなり詰まってしまい、結構時間がかかってしましました。

 

 そしていよいよ袋がけです。紙袋を受け取り、各自の担当区に入っていきます。

 

 袋の口に隙間がないように、袋の上部で丁寧に止めていきます。

 ひと房残らず袋掛けすることはもちろん。口の綴じ方も注意が必要で、広がっているとそこから雨が入ってきてカビ(病気)が発生したり、害虫が入ってくるのでしっかり止めます。しっかりできましたか?

 

 袋掛けは約1時間で完了しました。白い袋がぶら下がっている光景は爽快ですね。

 

 そして袋掛け終了後はブドウ畑を電気柵で囲みます。アライグマによる食害を防ぐためです。

 近年有馬高校で一番悩まされている害獣はアライグマです。(今年は特に害獣被害が目立ちます。アライグマに加えてカラスも大暴れしています。)先日収穫交流会を行った、1年生が「農業と環境」の授業で大切に栽培していたスイートコーンもかなりやられてしまいました。

 園児の皆さんと一緒にスイートコーンの収穫を楽しみました・・に関する記事はこちら

 アライグマの鼻の高さをイメージしながら、電気線を張っていきます。これで大丈夫・・・と信じたいですね。定期的に見回りに行きましょうね。

  さて、夏休みに入ると、「総合実習B」(別名夏休みの農場当番)がスタートし、実習でかん水(水やり)や副梢などの枝管理を定期的に行う予定です。収穫までもう一息です。頑張りましょう。

 ちなみに有馬高校のブドウは、在校生ならびにその保護者限定での販売となります。(過去、ブドウが足りないなど地域の方にご迷惑をおかけした経験から、現在は一般販売を行っておりません。)2学期始業式でブドウ販売に関するお知らせを生徒に配布し、販売日(学年ごとに設定しています)をお知らせます。ご確認ください。

人と自然科 園児の皆さんと一緒にスイートコーンの収穫を楽しみました。

 人と自然科1年生農業と環境の授業では、4月からスイートコーンの栽培をとおして農業に関する基礎的な知識や技術を学んできました。

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 授業では担当区を任され、たねまきから収穫まで、責任を持って各自が管理してきました。

 スイートコーン種まきに関する記事はこちら

 スイートコーンの定植を行いました・・・に関する記事はこちら

 スイートコーン収穫にむけラストスパート・・・に関する記事はこちら 

 そして1学期期末考査が終わり、いよいよ7月9日(火)、北摂第一幼稚園の園児46名を農場に招き、スイートコーンを一緒に収穫する交流会を行いました。スイートコーンの絹糸(ひげ)も茶色に変わってきて、収穫適期を迎えていますね。

 ちなみに交流会前日には、園児の皆さんが段差や雑草でつまずかないように、みんなで環境整備をしました。

 まずは高校生代表のお兄さんから「いまからスイートコーンを収穫に行きます。楽しく収穫しましょうね。そして優しく取ってあげてください。」と歓迎のあいさつを行いました。そして園長先生から「園児のみんなこの日を楽しみにしていました。本当にありがとうございます」とお礼の言葉をいただいた後、園児からも一斉に「よろしくおねがいします」と元気いっぱいのあいさつをもらいました。

 あいさつの後はお兄さん、お姉さんと手を繋いでペアを作り、楽しくいろんな話をしながら早速スイートコーンが栽培されている畑に向かいます。

 

 そしてお兄さん、お姉さんの手をひっぱり、自分よりも背の高いスイートコーンのジャングルの中に突撃です。みんな見えなくなりましたね。

 

 どんどん前に進んでいくとペアの高校生が担当した区域に到着。たくさんあるスイートコーンの中から、大きいものを選び、一緒に力を合わせてもぎ取ります。

 

  立派なスイートコーンが収穫できましたか?おいしそうなスイートコーンをGETです。やったね!!

  

 楽しくなって次々収穫。どんどん袋の中がいっぱいになっていきます。 

 自慢のスイートコーンをもって仲良くなったお兄さん・お姉さんと一緒に記念写真です。

 

 収穫が終わった後も、幼稚園での生活や、人と自然科での楽しい毎日について、お互いいっぱいお話ししましたね。

 

  そしてあっという間に終わりの時間に・・・もうすぐお別れです。最後に代表のお兄さんから「今日は楽しかったですか。楽しかった人は手を挙げてください。」という質問に、園児から一斉に手が上がりました。交流会は大成功です。

 

 バスまでみんなでお見送りです。何度もハイタッチを繰り返しているシーンがあちこちで見られ、なんだか切ない気持ちになりましたね。短かい時間でしたが、本当に充実した交流会でした。

 

 私たちが一生懸命栽培したスイートコーンを、おうちの人と一緒においしく食べてくださいね。北摂第一幼稚園のみなさん楽しい時間を本当にありがとうございました。

人と自然科 1年生「農業と環境」 スイートコーン収穫にむけラストスパート 

 人と自然科1年生「農業と環境」の授業では、現在はイネとスイートコーンの栽培を行いながら農業に関する基礎的な知識や技術を実践的に学んでいます。

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 先日も教育実習生指導の下、田植え実習を行い、イネ(モチ米)は順調に生育しています。

 農業と環境の授業で田植え実習を行いました・・に関する記事はこちら

 そして5月に圃場に定植したスイートコーンも順調に生育しており、収穫間近となっています。

 スイートコーンの定植を行いました・・・に関する記事はこちら

 5月の定植後も授業では「土寄せ」(倒伏を防ぐために土を株元に寄せる作業)や「捕植」(生育が悪い株を新しい苗に植え替える作業)

 別名命のオーディションともいわれる「間引き」(1か所に2本育ててきたスイートコーンの芽を1本に絞る作業) 

 「追肥」(植物の生育を見ながら追加で肥料を与える作業)を3回(だんだんスイートコーンが大きく成長しているのが写真で分かると思います)

     【1回目】           【2回目】          【3回目】

 生育が順調かどうか判断するための「葉齢計算」(葉の枚数を計算する)や害虫が発生していないかの「観察」

 「除草」(雑草をとる作業)や「中耕」(土を耕し、土の中に空気を入れる作業)

 

  「受粉」(株ごと揺らして花粉を周囲に飛ばし、受精を促し、実の詰まったスイートコーンにする作業)

 「穂切り」(スイートコーン最大の敵である害虫の「アワノメイガ」の被害を少なくし、農薬の使用を少なくするために、雄穂を切り落とす作業)

 などなど1年1組の生徒は授業内だけでなく、昼休みや放課後も自主的に畑に足を運び、管理・観察を行う姿も多くみられます。本当に素晴らしいですね。

 そして6月最終週現在は以下のような状態。絹糸(スイートコーンのひげ)の部分が少し茶色くなってきました。

 この調子で順調に生育したら7月第2週には収穫を迎える予定です。しかし収穫までに心配なことが2つ。これから梅雨終盤を迎える天候と、最近有馬高校の農場をうろついているアライグマやカラスなどの動物(害獣)です。このような困難を乗り越え、収穫を迎えることができたスイートコーンは、北摂第一幼稚園の年中さんと一緒に収穫を楽しんだり、市道横の販売所にて地域の方にも販売予定です。

 おいしいスイートコーンが収穫できるように、みんなで祈りましょう。

人と自然科 ひとはく連携セミナー3回目 アフリカの古代湖の魚から進化について学ぶ

 6月21日(金)人と自然科1年生学校設定科目「人と自然」の授業で、今年度第3回目となる「ひとはく連携セミナー」を行いました。

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 有馬高校人と自然科と県立人と自然の博物館の間では生徒のセミナー受講について協定を結んでおり、年間8回、県立人と自然の博物館を訪れ、博物館の専門員から、各分野のユニークかつ専門的な講義を直接受講することができます。前回第2回目も太田 英利研究員から「生物の「種」について」をテーマに講義をいただきました。

 前回のひとはく連携セミナー2回目 生物の「種」について学ぶ に関する記事はこちら

  そして第3回目となるこの日は人と自然の博物館内にあるホロンピアホールにて、高橋 鉄美研究員より、『タンガニイカ湖での調査』をテーマに古代湖に住む魚の生態やそれを通した進化について講義を頂きました。

 

 まずはタンガニイカ湖について・・・世界には約20ほどの古代湖が存在していますが、タンガニイカ湖は1000万年前にできた湖だといわれています。アフリカのザンビアにある大きな湖で、全長650km。その距離は三田市から仙台市と同じ距離になり、地球上の18%の水を占めるといわれている巨大な湖です。

 

 そんなタンガニイカ湖は水深も約1400mあり、この湖には多くの魚が生息しているそうで、そのほとんどが固有種なのだそうです。その中でも特にシクリッド科(カワスズメ科)と呼ばれる魚が特徴的で、例えば歯に注目したらコケを食べる種が歯がブラシのように進化したり、うろこを食べる種は毛抜きのように進化したり・・・など多様な進化を遂げている個体が多く存在しているとのことでした。

 

 講義中盤では、実際に高橋先生が現地調査した現地の生活や動物の生態についても教えていただきました。アフリカでよく食されているホロホロチョウやチニョンゲ、チャンゴンゴなどの熱帯魚の食べ方、ウルウルと呼ばれる小さなハチやサバンナモンキー、カメレオンなどの現地では身近な動物についても、特性や危険性などについて紹介していただきました。

 そして最後に調査から見えた生物の進化について説明いただきました。一つの祖種から多くの種に急速に分化し、分化した種が異なる環境に適応する力を持つことを適応放散といいます。そしてタンガニイカ湖のシグリット科の魚においては、口内保育という独特の育児方法と岩住みという特徴から異所的種分化を行いやすいということが分かってきたとのことでした。さらに性選択と自然選択との連動をもたらす形質「マジックトレイト」の一例として、オスとメスでサイズが異なる例やpHの耐性などについての影響も教えていただきました。

 

 専門的な内容はまるで大学の講義のようで難しい部分もあったようですが、振り返りのレポートを見ると「興味深い内容で面白かった」「生物の進化について理解できた」など前向きな感想も多く充実した時間となったようです。

 さて、次回の人博連携セミナーは、夏休みを挟んだ9月20日(金)『鳥たちの多彩なコミュニケーション』と題して太田菜央研究員より、鳥たちの鳴き声や行動の意味について学ぶ予定です。楽しみですね。

人と自然科 スマート&大型農業機械ふれあい体験会にお邪魔させていただきました

 人と自然科の生徒が学ぶ『農業』において、生産性を高めるために活躍してきたのが農業機械です。2年生の選択科目にも『農業機械』の授業があり、エンジンの仕組みや燃料の種類、性質を学ぶだけでなく、実際に刈払機やトラクタなどの操作方法も、座学と実習をとおして学んでいます。

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 しかし有馬高校の農場は、大規模な農家さんに比べると小さく、農業機械も小型のものを使用しています。さらに近年、農業者の⾼齢化や労働⼒不⾜を補うために、デジタル技術を活⽤し農業の⽣産性向上を図る技術が搭載されたスマート農業機械が開発され、活躍していますが、残念ながら有馬高校にはまだ導入されていません。

 田植えに向けトラクタ耕うん実習を行いました・・に関する記事はこちら

 刈払機の操作方法について学びました・・に関する記事はこちら

 そのような状況の中、6月21日(金)有馬高校のすぐ目の前にある三田小学校で、5年生を対象とした『農業機械に触れる体験学習会』が企画され、最新のロボットトラクタや、日本最大級の耕うん用トラクタが間近に見ることができるとのこと。そこで農業を学んでいる人と自然科の生徒もぜひご参加どうですか?とお誘いいただき、3年生の生徒が喜んで参加させていただきました。

 小学校到着後、まず目の前に現れたのが、横幅5.5mのロータリ&ハロー(畑を耕し、土を砕く作業機)を装着した巨大なトラクタです。

 実際に三田市内の大規模農家さんで活躍しているとのことです。農機具メーカーの方によると日本最大級の大きさなのだそうです。後ろの作業機が折りたたむ姿はまるで巨大ロボットのようでしたね。

  次はラジコン草刈り機です。

 1台は斜面の草を刈るのに適した草刈り機で、エンジンオイルが偏らないように、斜面の角度に応じてエンジンも傾く構造をしていましたね。そしてもう一台はまるでクモのような姿をしており、前後左右縦横無尽に移動する姿に魅了されましたね。

  次は田植機とコンバインです。

 田植機は6条植え(一度に6列イネの苗を植えることができる)で、GPSがついており直行アシスト機能がついています。そしてコンバインは4条刈(一度に4列のイネを刈ることができる)で、機体についているセンサが作業情報をタブレット端末に伝え、日々の作業情報を蓄積し、作業管理・機械情報管理を分析することができるとのことです。(ちなみにこのコンバインが今回登場した農業機械の中で一番高額とのことでした。)

 

 そして最後はロボットトラクタです。

 事前にタブレットPCで耕うんなどを行うコースを設定しておくと、運転席に誰もいない状態で、リモコン操作でトラクタが作業を行います。今回は実際に30m×30mの枠を水田に見立て、無人運転を見せていただきました。

 畑の端に近づくとスピードを落とし旋回。そして直進に入るとスピードを上げる姿は感動でしたね。そしてタブレットにはトラクタの前方に付けられたカメラから送られていた映像も観ることができましたね。

 約1時間、農機具メーカーの方に丁寧に説明していただきました。今回の体験会は小学5年生の子供たちに、最新&大型の農業機械の姿を見せてときめきを与え、農業への興味、関心を高めることが目的と伺っていましたが、私たち農業を学ぶ高校生も十分ときめきましたね。

 今回お誘いいただいた三田小学校の先生方、そして農機具メーカー『株式会社ヰセキ』の皆様、このような貴重な経験をさせていただきありがとうございました。

人と自然科 ブドウの栽培 現在摘粒作業中です

 6月も後半となり、近畿地方もいよいよ梅雨に突入しました。そんな中でも人と自然科の生徒は『総合実習』の授業を中心に実習を頑張っており、例えば野菜苗の土づくりや・・・

 

 学校樹を使った樹木の剪定・・・

  大温室の熱帯果樹の管理(今年もバナナに花が咲き、たわわに実がついています。)など、楽しく技術を身に付けています。

 そして人と自然科の人気の一品、ブドウ栽培も順調に進んでいます。ちなみに有馬高校ではベリーA、ピオーネ、マスカット3種類のブドウを栽培しており、ベリーAは2年生の生徒が必修(全員)で『果樹と緑』の授業で、ピオーネとマスカットは3年生の『果樹と緑』の授業で選択した技術を学んでいます。

  人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 4月から栽培をスタートさせ、栽培は順調に進んでおり、5月下旬~6月上旬にかけて種なしや果実の肥大を目的としたジベレリン処理も実施しました。

 ジベレリン処理の様子はこちら

 その後も生徒はブドウの栽培技術を毎週のように学んでおり、茎と葉の間からでた「副梢」を摘んだり、まきひげを除去したり、伸ばしたつるが地面に付かないように、そして果実に栄養が行きわたるように先端を止める「摘芯」という技術を学びました。

 

 そして6月下旬に入り生徒が頑張っているのが、「摘粒」という技術です。ベリーAの場合は1房75粒。ピオーネの場合は45粒を目標に一粒一粒抜いていきます。まずはピオーネ栽培中の3年生の様子です。

 

  梅雨に入ったということでこれから雨の日が増えてきます。今はまだ小粒ですが、ブドウの粒は雨が降るたびに肥大するので、ブドウ畑に行くたびに房が詰まっています。そこで房の内側にある上向き、下向きの粒や変形の粒、割れた粒を抜いていきます。ピオーネは房をゆすってみて、支梗(粒の塊)が独立して動いたら完成です。

 続いてベリーA栽培中の2年生の様子です。抜きすぎると房がすかすかになり、残しすぎたら粒が割れてしまいます。完成形を予想しながら行うので、もっとも技術と経験が必要な作業といえます。時には玉直しといい、粒の位置を変えながら円筒型に整えていきます。

 

 ベリーAは最終的に房を釣り針上に曲げられるようになったらOKです。この作業が7月上旬まで続き、いよいよ袋がけに入っていきます。9月の収穫に向けあと一踏ん張りです。

 みんな真剣な表情ですね。

 さて、収穫したブドウは有馬高校の生徒、保護者限定に販売します。現時点では9月第2週を予定していますが、今後の天候によって変わってくるので2学期に始業式に配布予定の『ブドウ販売について』のお知らせを楽しみに待っていてください。

 昨年度のブドウ収穫の様子はこちら

 美味しいブドウを皆さんに購入していただけるように頑張りましょう。(もちろん一週間を切った1学期期末考査も全力で頑張りましょう。)

人と自然科 農業機械の授業で刈払機の操作方法について学びました

 6月も中旬を過ぎ、いよいよ梅雨が近づいてきました。人と自然科の農場でこの時期に大変なことは、もち米を栽培している水田のあぜやブドウを栽培している果樹園のに繁茂する雑草です。雨上がりに一気に成長してしまい、病気の原因や害虫のすみかになってしまいます。

 1年生「農業と環境」の授業で田植え実習を行いました・・・に関する記事はこちら

 ブドウ栽培 ジベレリン処理を行いました・・に関する記事はこちら

 梅雨を前に、実習でいつでも草刈りができる技術を習得するため、2年生農業機械の授業で、刈払機の操作について学びました。

 R6入学生人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 運転実習の前に、まずはエンジンの仕組みや安全に実習を行うための知識を習得しました。ちなみに刈払機に搭載されているエンジンは2サイクルエンジンです。点火プラグやキャブレターなどガソリンエンジン特有の部品の役割や仕組み、エアークリーナーやマフラーの役割、燃料となる混合油の作り方などについて実物を交えながら学びました。

 

 さらに刈払機を使用する際に最も重要な安全について。保護エプロンや保護面の装着やベルトの調整など実演を交えて学びまた。そして刃に当たった石が飛ばないための刃の動かし方、刃の交換方法、エンジンのかけ方などについてしっかり学びました。

 

 しっかり知識を身につけ、翌週は早速果樹園に向かい、実習を通して技術を習得します。今回は安全に配慮しながら同時に10台の機械を動かし、草刈りを行いました。

 

 保護面や保護エプロンを着用、ベルトの長さを調節し、エンジンをかけまます。刃の周囲に人や物がないかしっかり確認しましょう。

 

 エンジンが始動したところで、草刈りの開始です。ポイントは・・・刃を水平にし、地面に近い位置で、右から左に動かし、一歩前に出て再び右から左に刃を動かします。

 

 刃の角度が上向きになってしまうと、刃に当たった石が顔の付近に飛んできてしまうので危険です。また、刃を反対の左から右に動かすと、刈った草が前に飛んでしまい、刈りにくくなります。

 

 合計2時間の実習を行いましたが、きれいになりましたか?初めて機械を使用するということで、少し刈った草丈が長めに残っている部分も見られましたね。農業機械はとにかく使い続けることで上達します。これから何度も実習で操作し、技術を習得しましょう。

 人と自然科では夏季休業中、農業や造園業、建設業などに就業した際、刈払機を運転するときに必要な「刈払機取扱作業者」の資格を取得することができます。

 昨年夏季休業中に実施した「刈払機取扱作業者」資格取得講習の様子はこちら

 ちなみに今年はフォークリフト、チェンソー、ガス溶接の資格取得講習を予定しており、延べ60名以上の生徒が申し込みを終えています。卒業後の進路実現に向け、様々な機会を生かし、スキルアップしていきましょう。

人と自然科 地域自然保護 現地フィールドワークその3 有馬富士公園の昆虫を調査する

 人と自然科3年生の学校設定科目「地域自然保護」の授業では、今年も県立有馬富士公園をフィールドとし、1年かけて有馬富士公園を訪れるゲストに公園の自然を感じてもらうための体験プログラムを生徒自身が企画し、実践する授業を行っています。

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  前回は「緑の環境クラブ」の皆様に、里山管理に関する夢プログラムを体験させていただきました。(5月28日に予定されていた、元キッピーフレンズ、公園の植物を活用した夢プログラムは警報による休校のため、10月に延期となりました)

 前回のフィールドワーク 里山管理を体験する に関する記事はこちら

 現地フィールドワーク3回目となる6月11日(火)は、三田市自然学習センターの吉田コミュニケーターにお世話になり、公園内の昆虫を捕獲・調査するプログラムを体験しました。

 

 緑豊かな有馬富士公園には多様な種類の昆虫が生息しており、とにかく捕まえまくる(危険な蜂やヘビはNG)という、楽しそうなプログラムです。世界には約100万種、日本には約3万種の昆虫が確認されていますが、そのうち1000種類を越える昆虫が公園に生息しているとのこと。今日の目標はみんなで力を合わせて50種類以上の昆虫を捕獲することです。(特別な許可を得て捕獲しております。)

 

 捕獲するコツを教えていただいた後、早速網と虫かごを持って出発です。公園に出た瞬間全員スイッチが入りましたね。里山の中にも入り、全力で追いかけます。

 

 早速チョウを捕獲したようですね。捕獲した昆虫は虫かご、もしくはジップロックに入れます。一見かわいそうに見えるかもしれませんが、トンボや蝶などは羽を傷めない優しい方法なのだそうです。

 

 公園内にある、狐の巣穴を再現した洞窟内も捜索。洞窟内に生息するカマドウマが発見されました。そして葉の上にケムシ発見。タケカレハの幼虫です。どうやら毒を持っているようで慎重にジップロックにいれます。

 

 地面や樹木もじっくり観察します。いつもは気になりませんが、アリがあちらこちらに歩きまわっていました。よくよく見てみると、種類の異なるアリが。最終的には3種類確認できました。

 

 そして木の幹には擬態している昆虫が結構いました。どこに隠れているのか分かりますか?(2種類います)

 

 さらに樹液が出ている樹木も観察。甲虫が集まっており、枝などでほじくってみるとクワガタムシが出てきました。(これまでの地域自然保護の活動でクワガタムシが捕獲できたのは初めてですね)

 

  こんな感じであっというまに約1時間、みんな小学生に戻ったかのように全力で公園内を走り回り、様々な昆虫を捕獲・観察することができました。

 学習センターに戻り、捕獲した昆虫の名前を図鑑で調べ、仲間分けをしていきます。

 

 名前がわかったら付箋を貼って、「チョウの仲間」「カメムシの仲間」「コウチュウの仲間」「トンボの仲間」・・・など仲間分けします。分からない名前は吉田さんに同定してもらいました。

 

 調査の結果、「チョウの仲間」は、ベニシジミやヒョウモンエダシャク、テングアツバなど8種類、「コウチュウの仲間」は、ノコギリクワガタやスジクワガタ、シロテンハナムグリなど15種類、その他二ホンミツバチやハナアブ、マダニなどなど・・・全部で56種類の昆虫を捕獲することができました。目標達成ですね。

 プログラムを通して、楽しみながら有馬富士公園の生物多様性が感じることができました。コミュニケーターの吉田さん楽しいプログラムをありがとうございました。

 

  今回の夢プロ体験で前半の公園でのフィールドワークは終了です。ここからは、これまでの活動を通して取材した、あ有馬富士公園の魅力と改善点を有馬富士公園の巨大な白地図にまとめていきます。そして9月には人と自然の博物館の研究員や公園関係者、県職員の皆様の前で発表し、自分たちが実際に企画、実施する夢プログラムへとつなげていきます。頑張りましょう。

人と自然科でトライやるウィークの中学生頑張りました

 6月3日(月)~7日(金)の5日間、狭間中学校の2年生の生徒2名が有馬高校人と自然科の農場、学校園庭で「トライやるウィーク」を頑張りました。

  兵庫県では中学2年生を対象に、職場体験、福祉体験、勤労生産活動など、地域での様々な体験活動を通じて、働くことの意義、楽しさを実感したり、社会の一員としての自覚を高める事を目的に「トライやるウィーク」が展開されています。そして有馬高校でも毎年、農業や植物管理の仕事を実際に現場で体験したいという中学生を人と自然科の農場で受け入れています。

 まずは事前訪問の様子から。校長室を訪ね、先生方の前で決意文を読んでくれました。

 

  「野菜の育て方を学びたい」「継続力や集中力を身に付けたい」「健康に優しいい野菜の栽培方法を体験したい」と意気込みを発表してくれました。そして校長先生からも「熱中症に気を付けて、そして指導を担当する先生方の話をしっかり聞いて、体験からいろいろなことを学んでください。がんばってください。」と励ましの言葉を頂きました。

 そしていよいよ「トライやるウィーク」開始です。

 人と自然科は野菜・草花・果樹と緑の3つのコースがあり、それぞれのコースで様々な農業体験を行いました。

 例えば野菜コースではトマト苗の定植やキュウリの収穫・袋詰め作業、タマネギやニンニクの調整

 果樹と緑コースでは、ブドウの整枝作業や樹木の剪定作業

 そして草花コースでは花壇や花苗の管理作業を行い、最終日には販売所で花苗の販売実習も行い、来校された地域のお客様に人と自然科の生徒が栽培した草花苗を実際に販売しました。

 そして校務員さんと一緒に行った学校樹の剪定作業でトリマーを、芝生の管理として芝刈機を実際に操作して管理作業を体験しました。

 5日間のトライやるウィークはあっという間に終了。最後にお礼と報告のため、教頭先生を訪ねました。二人ともトライやるウィーク前の比べて自信に満ちた表情のように感じました。

 5日間慣れない作業でとても疲れたけど、全ての体験が楽しく充実していたとのこと。一番印象に残ったのは二人ともキュウリの収穫・袋詰め作業だったようです。教頭先生からも、「体験中大変だったこと、困ったことをどのようにしたら解決できるのか。それを考えるのが君たちの役目です。将来農業をしなかったとしても今回の体験が二人のこれからに生きてきます。残りの中学校生活も楽しんでくださいね」と励ましの言葉をいただきました。

 最後は恒例 農場長との記念撮影です。

 

 5日間体を動かす作業ばかりで大変だったと思います。まずはゆっくり休んで下さい。そして残りの中学校生活、充実した時間にして下さい。有馬高校の先生方も二人を応援しています。

人と自然科 1年生農業と環境の授業で田植え実習を行いました

 6月6日(水)1年生「農業と環境」の授業で、手植えによる田植え実習を行いました。この日に向け、有馬高校の水田でも事前に2年生「農業機械」の授業で耕うん実習を行い準備を進めてきました。

 人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 さて、2時間目が終わり、いよいよ田植え実習ということで、みんなサンダル姿で集合してきました。

 

 まずは実習前の事前学習です。田植えの手順や苗の植え方、水分補給や着帽、タオルを首に巻く・・・など熱中症予防についての注意点などについて重点的に説明を受けました。

 この日実習を仕切るのは、摂南大学に在籍し、農業の教師を目指している2名の教育実習生です。一人は人と自然科を、もう一人は総合学科を卒業された先輩です。人と自然科には農業の学びを活かし、国公立大学や難関私立大学に進学し、毎年のように卒業生が、教育実習生として戻ってきています。

 令和5年度人と自然科 進路実績はこちら.pdf

 また有馬高校では総合学科の生徒も2,3年生の選択科目で農業の授業を受講することができ、今回教育実習で戻ってきてくれた生徒のように、授業で農業に興味を持った生徒が農学部に進学し、関連産業に就職している生徒もいます。

 総合学科の教育課程表はこちら

 ホワイトボードを使った説明も終わり、いよいよ水田に向かいます。そして水田でも実演を交えて最後の説明を受けます。

 

 イネの苗を受け取り、一列に並びます。 そして早速田んぼに入りましょう。畦を踏んではいけません。裸足で水田に入るということで、最初は躊躇している生徒もいましたが、すぐにやる気モードに突入です。

 

 そしていよいよ田植え開始。苗を3本取り分けます。このとき、根のかたまりの部分を持ってちぎらないと、根が切れて活着しにくくなります。そして教育実習生の合図で一斉にイネの苗を植えていきます。ちなみに有馬高校で今年栽培するイネは「ヤマフクモチ」という品種のもち米です。

 

 イネの苗は玉ヒモ(20cmおきにイネの苗を植える場所の印がついたロープ)に沿って、1カ所に3本ずつ、中指の第1関節の深さまで植えていきます。ロープを持つ生徒も真剣です。

 

 そして一歩下がって自分の足跡を消します。ここで重要ポイント。一連の作業が終わったら全員で腰を上げること。これが全体を教育実習の先生が玉ヒモを持つ生徒に次に進める合図を出すきっかけになります。

 

 膝下まで沈む水田に足を取られてしまう生徒もいましたが、楽しく真剣に実習を行うことができました。

 そして開始1時間30分が過ぎたころ、1枚の田んぼにイネの苗ををまっすぐ等間隔に植えることができました。

 

 足を洗って振り返り。教育実習生からも、一生懸命頑張ったということでほめてもらえましたね。みんな達成感と充実感に満ちた表情でした。

 

 今回手植えをしたもち米は、10月下旬に収穫を迎える予定です。有馬高校では毎年手刈りで収穫しています。

 昨年度の稲刈りの様子はこちら

 そして今年は11月9日(土)に予定されている秋の農業祭にて、もち米、そしてこのもち米を使って加工した「焼餅入りおしるこ」として販売予定です。楽しみですね。

 昨年令和5年度の秋の農業祭に関する記事はこちら 

 収穫まで皆様しばらくお待ち下さい。