学年・専門部
第5回ひとはく連携セミナー「タンガニイカ湖での調査」
人と自然科1年生学校設定科目「人と自然」の授業で実施している人と自然の博物館との連携セミナー「ひとはく連携セミナー」。第4回目は、高橋研究員より「タンガニイカ湖での調査」をテーマに、古代湖やそこに住む魚の生態、進化について講義を頂きました。
まず古代湖とは、10万年以上水がある湖のことを指します。世界には20ほどの古代湖が存在しており、最も古いものは4500万年前にできたとされ、地球上の20%の水を占めるバイカル湖です。今回のメインテーマであるタンガニイカ湖は、1000万年前にできたといわれています。コンゴ民主共和国・タンザニア・ザンビア・ブルンジ、これらの4つの国に囲まれている透明度の高い湖です。(乾季には水が濁るそうです。)また、南北に長く、全長約650km、兵庫県三田市から宮城県仙台市までと同じ距離ほどあり、地球上の18%の水を占めると言われている巨大な湖です。
そんなタンガニイカ湖には、シクリッド(カワスズメ)科の魚が約200種(そのうち、固有種が197種)も生息しています。シクリッド科は、形態・生態・遺伝的に多様で、食性では、岩に生えた藻を食べる「藻食性」や生きた魚の鱗を食べる「鱗食性」の魚などがいます。食性によって歯の形態も異なり、「藻食性」の中でも「単細胞藻類」を食べる魚はブラシのような歯を持っていたり、「糸状藻類」を食べる魚は藻を挟んでちぎり取ります。「鱗食性」の魚は、鱗が歯に引っかかるように発達しています。肉食の魚もおり、鋭く尖った歯を持っています。
講義中盤では、実際に高橋先生が現地調査で訪れたザンビアでの暮らしについて教えていただきました。ザンビアの首都である「ルサカ」では、英語が公用語として話されていますが、「ベンバ」や「ニャンジャ」といった言語も話されているそうです。また、アフリカでよく食されているホロホロチョウやブカブカの燻製、「シマ」と呼ばれるトウモロコシを原料とした主食など、食生活についても詳しく学びました。さらに、サバンナモンキーやカメレオンなど、現地で見かける生き物についても教えていただきました。ちなみに、ザンビアに住む人々にとって、カメレオンは「恐ろしい生き物」なのだそうです。(毒を持っていると思っている人がいたり、体の色が変わったり目がバラバラに動くのが怖いのではないか、と先生はおっしゃっていました。)
そして最後に、生物の進化について説明していただきました。一つの祖種から多くの種に急速に分化し、分化した種が異なる環境に適応する力を持つことを適応放散といいます。そしてタンガニイカ湖のシグリット科の魚においては、口内保育という独特の育児方法と岩住みという特徴から異所的種分化を行いやすいということが分かってきたとのことでした。さらに、自然選択と生殖隔離の両方に影響を与える形質「マジックトレイト」の一例として、オスとメスでサイズが異なる例などを教えていただきました。
しかし近年、環境汚染や外来生物により、タンガニイカ湖の生態系が変化しつつあるそうです。様々な問題が挙げられますが、特に地球温暖化が深刻な影響を与えています。通常は湧昇流が強く、湖底にある多くの栄養が魚の住んでいる浅場に供給されますが、地球温暖化により、湧昇流が弱まることで湖の水の流れも弱まり、湖底の栄養が魚の住んでいる浅場に供給されにくくなってしまうことで魚が減っています。
これらの主な原因は、先進国が出す二酸化炭素です。貴重な生態系を守るために、私たちにもできることがある、と、環境保全ついても考えられる機会となりました。
高橋先生、貴重な講義をありがとうございました。
人と自然科3年野菜班「近づいています」
3年野菜班「総合実習」の授業も残りわずかとなりました。
今回は校内販売に向けての収穫です。
セルリー(一般的にはセロリと言われていますが正式名称は
セルリーと言います)・ハクサイの収穫、包丁ですることも慣れてきました。
ホウレンソウの収穫、前回の実習を活かして行いました。
類型の授業で種まき、間引きなどを行ったダイコン・カブの収穫。
8月末に球根を植え付けて栽培するホーム玉ねぎの収穫です。秋の新タマです。
最後に「課題研究」で栽培したニンジンの収穫です。初めてに
しては上々の出来です。
収穫した野菜は洗浄して調製を行います。
最後に校内販売です。
『野菜のプロになろう!』と昨年の12月からスタートした専攻班の実習、
プロに近づいてきましたね。
人と自然科「クラインガルテン」最終回です
11月26日(水)5月から開始した「クラインガルテン」20回目の今日、
最終回となりました。
圃場での実習前に閉講式です。
小川校長先生より『これからも有馬高校・人と自然科の応援を』と
挨拶がありました。
次いで、修了書の授与です。
次に生徒を代表して『これをきっかけにご家庭でも農業を楽しんでやってください』と
挨拶がありました。
最後に講座を振り返って生徒・受講生の方より感想を述べてもらいました。
生徒からは『人に伝えることの難しさがわかった』
『野菜の料理について教えてもらい嬉しかった』
『この授業が受けたくて有馬高校へ入学した』などのコメントがありました。
受講生の方からは『栽培の難しさ、収穫の楽しみを実感できた』
『若い人と交流できてよかった。野菜以外の話もできてよかった』
『いい雰囲気で授業できた。この仲間をいつまでも大切に』
『これからも学んでいってください。素直な気持ちを持ち続けてください』と
温かい言葉をいただきました。
最後は圃場にてブドウの仮剪定です。
最後まで和気あいあいと実習を行いました。
この授業は、生徒・地域の受講生が共に創り上げて行う授業です。
7名の受講生の方、14名の生徒の皆さん、本当にありがとうございました。
人と自然科3年野菜班 まだまだ学ぶことがあります
3年生野菜班の「総合実習」もあとわずか・・・。さまざまな実習を行って
きましたが、今回は4月に植え付けたヤマノイモと10月に定植したホウレンソウの
収穫を行いました。
ヤマノイモは丹波篠山や三田地域で栽培されていますが、近年は生産者が減ってきて
います。慎重に掘って収穫します。
夏の少雨傾向で大きさが心配でしたが、まずますの出来栄えです。
次にホウレンソウの収穫です。
今まで収穫するタイミングが合わず今回が初めての収穫になります。
収穫したホウレンソウは計量、袋詰め作業を行います。
3年生もまだまだ学ぶことがありますね。
人と自然科「クラインガルテン」あと1回です・・・
5月からスタートした「クラインガルテン」も今回と合わせて2回になりました。
いいサイズのブロッコリーと紫色のカリフラワーですね。
今回はそれぞれ自慢の一品を持って全員で記念撮影です。
収穫の終わった区域は次年度のために上層と下層の土を入れ替える天地返しを
行います。寒さにさらすことで病気や害虫の発生を軽減する効果があります。
次週は閉講式・ブドウの仮剪定・畑の片付けと盛りだくさんの内容を予定
しています。あと1回の授業、一般受講生の方との交流、楽しんでやりましょう!
《人と自然科修学旅行14(4日目)》旅の最後は国際通りでお土産探し
ずらっと並んだお土産屋さんでシーサーのキーホルダー、カラフルな沖縄ガラス、サトウキビのお菓子など、悩みながら見て回っていました。
そして国際通りの楽しみといえば食べ歩き。
ブルーシールのアイス、サーターアンダギー、タコス、沖縄そば…。
那覇の中心といえばここ、というだけあって色とりどりの看板やお店のにぎわいにワクワクが止まらない様子でした。
あっという間に時間がすぎてしまい、
急いで那覇空港へ
楽しかった沖縄とも、ついにお別れの時。
解団式を終えると「あーもう本当に帰るんだ…」と実感がこみ上げてきました。
中には、まだアイスを食べている子もいて、
“最後の最後まで沖縄満喫モード”全開でした。
アナウンスが流れ、いよいよ搭乗口へ。
歩きながら、みんな自然とこの数日を振り返っていました。
最後は「また絶対来よう!」と笑顔で締めくくり。
兵庫に帰ります!
《人と自然科修学旅行13(4日目)》最終日まで、とことん人と自然科 ~サトウキビ刈り体験と黒糖作り~
まずは現地のスタッフさんとサトウキビ農家さんにサトウキビの収穫について教わってきました。
道具の持ち方や刈り取るコツを教わって、いよいよ挑戦!
最初の一本を切るのは思った以上に大変そうでしたが、さすが人と自然科。
すぐに慣れて、実習の時のように友達同士で声を掛け合いながら作業し、どんどん刈り取っていきました。
持ち上げてみると予想以上に重くて、農家の方の大変さを改めて実感しました。
スタッフさんが生のサトウキビを少し切ってくれ、かじってみると…
砂糖よりもやさしい甘さで、自然そのままの味が口いっぱいに広がりました。
そのあとは、サトウキビを絞って黒糖づくりです。
手間暇かけられて作られる黒糖に、あらためて根気のいる作業だと感じました。
サトウキビの収穫や製品になるまでの大変さや黒糖のおいしさを知ることができ、充実した時間になりました。
このあとは、国際通りで自由時間。
「大人になったらまた来たい」との声と共に人と自然科オリジナルプランは終了です。
《人と自然科修学旅行12(3日目)》修学旅行最後の夜 ~クラスレクで絆を深める~
あっというまに沖縄最後の夜。
最後の夜にはクラスレクリエーション
修学旅行委員企画の、各部屋対抗のクイズ大会をしました。
「初日にクリーン作戦をした浜の名前は?この生物の毒の強さは?」など修学旅行で学んだ問題があったり、
「この先生の中学時代の部活は?校長先生のフルネームは?」など引率団の先生方の問題があったり、
「1年生の時に栽培したトウモロコシの品種は?今年定植したブドウの品種は?」など人と自然科なら答えられて当然の問題もあり、答え合わせの度にみんな大盛り上がりでした。
この修学旅行1番の賑やかさでした。
仲間との最高の時間でもあり、明日で終わってしまう寂しさも少しあった、やんばる最後の夜でした。
《人と自然科修学旅行11(3日目)》 国の天然記念物を“知る” “守る” ~ヤンバルクイナ生態展示学習施設で本物のヤンバルクイナに会う~
沖縄北部・やんばるの象徴でもあり、世界でここにしかいない、飛べない鳥「ヤンバルクイナ」。
絶滅危惧IA類に分類されるヤンバルクイナを間近で観察できる唯一の施設にいってきました。
まずはじめにヤンバルクイナの生態や特徴を職員の方に教えていただきました。
「飛べない」「鳴き声が独特」「意外と走るのが速い」などなど、知っているようで知らなかった情報がたくさん。
“やんばるの森でどう生きているか”が浮かび上がってきました。
そしてガラス越しに、実際のヤンバルクイナを観察。
目の前をスタスタ歩いたり、落ち葉をつついたり、時にはじっとこちらを見つめてきたり…。
また、この施設では、外来種の問題や交通事故の現状についても詳しく紹介されていました。
「夜行性で道路に出やすい」「黒っぽい体で車から見えにくい」…こうした理由で事故が多発していて、地域の人たちの取り組みや標識の設置など、守るための努力も知ることができました。
“希少種を守る”ことの第1歩は知ること、そして「気づくこと」からなんだと実感でき、自然との共生について考えさせられる体験となりました。
《人と自然科修学旅行10(3日目)》沖縄の固有種に出会う~やんばる学びの森でトレッキング~
昨日、ナイトハイクで訪れた森の昼の顔を覗きに行きました。
あいにくの雨天ですが、みんなカッパを着てやる気満々です。
入り口でスタッフさんにコースの説明を聞いてからスタート。
ガイドさんから「これはケナガネズミの食痕、これはリュウキュウハグロトンボ」など動植物や名前や特徴など沖縄の植生や固有種、外来種について学びながら、どんどん山の中を進んでいきます。
中盤にさしかかると、小さな滝のほとりで小休憩。雨上がりには滝に虹がかかるので、「虹の滝」と言われているそうです。
ガイドさんの話もとても面白く、時間を忘れて夢中で探検してきました。
季節を変えてまた歩きたいと思えるヤンバルの森でした。