校長室

3学期終業式 式辞

 

 令和3年度が終わります。この1年を振り返ってどうでしたか。納得のいく1年だったでしょうか。

 今年度もコロナ禍に見舞われ、特に学校行事や部活動において多くの制約を強いられ、十分な活動ができなかったことは非常に残念で申し訳なく思いますが、本校に関しては何とか今日こうして3学期の終業式を無事に迎えることができました。それというのも、皆さん一人一人が新型コロナウイルス感染予防に努めてくれたお陰だと思っています。ありがとうございました。

 さて、誰もが知る徳川家康は、「不自由を常と思えば不足なし。堪忍(かんにん)は無事長久の基、怒りは敵と思え」という言葉を人生訓としていました。これは、不自由なことがあっても、実はそれが当たり前のことだと考えれば不満を感じることはない、様々な出来事に我慢できなくなったり、我がままになったり、苛立って怒ってしまったりするのは、正しい心の持ち方ではない、自分をコントロールできなくなるのは「心の敵」だと思え、という意味です。このことは、私達が日頃生活を送る中で心掛けたいこと、コロナ禍を生きる上で認識を新たにしなければならないことのように思います。

 現代は科学技術の発展もあり、私達の生活の質は大きく向上し、自由で便利で豊かなものになっています。この状態がノーマルとなって、それに慣れすぎてしまったり、合理的なことばかりを追求しすぎてしまったりした結果、イレギュラーな状態を不自由で窮屈に感じたり、本来そこにある大切なプロセスを踏まえることに対して「面倒だ」「無駄だ」などと考えてしまいがちになっていないでしょうか。それは、短絡的な、打算的な思考に堕してしまうことにも繋がっているように感じます。

 学習について言えば、「苦手だから」「興味がないから」「時間がないから」「受験に関係がないから」などと自分を納得させる理由をいくつも考えて楽な方に逃げていませんか。自分に問いかけてみてください。

 話は変わりますが、2022年度入試において出題された英語長文のテーマを調べました。国公立大学進学のために必須の大学入学共通テストでは、デザートの作り方、テレビ発明の特許権争い、プラスチックのリサイクルなどが出題されました。

 皆さんが目標とする

 神戸大学は、光害が夜行性生物に与える影響・樹木の成長など

 岡山大学は、遺棄された漁網が環境に及ぼす影響・読書の効果

 兵庫県立大学は、デジタル技術が生活に与える影響・自動翻訳機能の開発と将来の展望

 同志社大学は、食料の廃棄・DNAの解読・南極グリーランドの氷の溶解など

 立命館大学は、ルネサンス期の女性画家・人の心理など

 関西学院大学は、科学観察・コーヒーの普及など

 関西大学は、奴隷の歴史・創造力を生み出す条件など

 こうして見ると、理科、地歴・公民、保健、家庭、情報など幅広く出題されていることがわかります。国語の評論のテーマも同様です。基礎知識、予備知識がないと、英単語、英文法、英語構文がわかっても、内容を理解することはできません。英単語、英文法、英語構文が「わかる」ということと、内容が「わかる」ということは別の次元の話です。

 このことからも、学習に楽はない、学習に無駄はないということを強く認識してほしいと思います。「面倒だ」「無駄だ」と思われることの方がはるかに重要であることの方が多いのです。

 今日で令和3年度が終わりますが、この1年間の自分の姿勢を顧みてください。1年前、2年前の合格者発表のあの瞬間を思い起こし、楽な方に逃げず、「面倒だ」「無駄だ」と思わず、初心に返って学び続けてください。

 令和4年度の皆さんの飛躍と成長を期待しています。

 最後に、明日から春休みです。不要不急の外出、3密の場所への出入りは避け、やむなく外出した場合も、手洗い・消毒とマスクの着用を徹底し、皆さん一人一人が新型コロナウイルス感染予防に努めてください。