校長による記事

【校長室の窓】第44回卒業証書授与式 式辞

 厳しい寒さもようやく和らぎはじめ、相高坂にも少しずつ春の到来を感じられる今日の佳き日、兵庫県立相生高等学校第44回卒業証書授与式を、土井PTA会長様をはじめ、多くの保護者の皆様のご臨席を賜り挙行できますことは、私ども教職員にとりましてこの上ない大きな喜びでございます。本当にありがとうございます。

 44回生191名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。また、保護者の皆様におかれましては、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。心よりお喜び申 し上げます。これまで、本校の教育活動に格別のご理解とご協力を賜りました事、 重ねて感謝申し上げます。

 さて、卒業生の皆さんにとって、この3年間はまさに、苦難の3年間ではなかっ たかと拝察いたします。暗闇の中を手探りしながら、そしてもがきながら、今日のこの日まで頑張ってきてくれました。そんな皆さんを誇らしく思います。思い返せば、入学式も満足に行えず、すぐに2ヶ月に及ぶ臨時休校となり、マスク着用と手指消毒徹底の生活が始まりました。「三密の回避」という言葉のもとに、本来教育活動で重要であると思われることを全て剥ぎ取られる中での高校生活のスタートでした。勉強、部活、学校行事、全てにおいて、縮小、延期、中止という言葉に置き換わっていきました。一番申し訳なかったのは、先輩達が行ってくれるはずであった伝統的な学校行事を、一切見ることがでないまま3年生となったことです。しかし、君たちは、この多くの制約の中で、仲間と知恵を出し合い、創意工夫しながら学校、学年を盛り上げ、相高生としての団結を強めてくれました。何よりも新たな学校文化、新たな相高ブランドを生み出し、後輩につなげてくれました。相高生としての自信と誇りを見せつけてくれた学年でした。本当に感謝しています。皆さん、ありがとう。

 もう一つ、個人的に想いがあるのは、皆さんと一緒に行くことができた修学旅行です。酷い爆弾低気圧により、飛行機が飛ぶかどうかもわからない、飛んでも北海道に着くかどうかわからない、着いても高速道路は全面通行止め、トマムについてもスキーができないかもしれない。という中での出発でした。しかし、何と全ての不安が飛ぶ直前、到着する直前、高速道路に乗る直前にクリアしていきました。「いやー、本当にこんなことってあるんだなあ、凄い学年だなあ、運を持っているなあ。」と感じたのを覚えています。

 こうしたコロナ禍の3年間の逆境を乗り越えてきた君たちは、だからこそ強い。臨機応変に対応する力と創造力が凄い。そして運を持っている。そんな学年だったように思います。

 さて、これからの社会は、人工知能AIやロボット産業が一層進展する時代(Society5.0)であると同時に、「VUCA」の時代であるともいわれます。「変動的で不確実で複雑で曖昧な」時代のことです。何が正解かわからない時代、予想できない時代、既存の価値観が否定されてしまう時代がやってくると言われています。

 この劇的に変化する社会において、今後、皆さんが生き抜いていくために求められる力は、AIでは解析不可能な課題、すなわち何が正解かわからない課題を、自らあるいは他者と協働して解決していこうとする力なのです。そのためにも、自分の良さや可能性を認識するとともに、あらゆる他者、他職種を価値のある存在として尊重し、様々な立場の人の意見を傾聴し、そして協働しながら解決策を生み出して行こうとする努力をしていかねばなりません。それこそが、新時代の社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓いていく方法であると私は思っています。

 最後になりましたが、卒業生の皆さん、もしかすると皆さんの中には、中学校の卒業式をできなかった人もいるのかもしれません。どうか、今日の日をこれまでの6年間の想いを込めた一日にしていただければと思います。そして同時に、これまでの相生高校での学びに関わって頂いた全ての方々への感謝の念を忘れることなく、成長した自分に自信を持ち、誇り高らかに勇ましく次のステージに進んでください。そして、共に学校生活を送り、共に苦しみ、共に泣き、共に笑い、共に支え合ってきた仲間との友情や繋がりを忘れることなく、人生の宝としてください。

 どうぞ皆さんの前に広がる未来が幸多いものでありますように心より祈念し、式辞といたします。    

 

 

令和5年2月28日

兵庫県立相生高等学校

校 長 栗 林 秀 忠

【校長室の窓】3学期始業式 式辞

みなさん、おはようございます。
そして、新年明けましておめでとうございます。
皆さんの顔を見ながら話ができないのは寂しい限りですが、かわりに朝の登校時に元気な挨拶してくれる皆さんを見て、とても嬉しい気持ちになりました。
まずは、本日、体調を崩して欠席している人も数人いますが、こうして全員の無事を確認できて3学期を迎えることを嬉しく思います。

 

さて、新年を迎えるにあって、私が皆さんに望む生徒像を繰り返しになりますが、改めて5つ伝えます。
1つは、自ら考え問いを立てることができる生徒、まずは質問力をつけましょう。そして、自分の意見をしっかりと表現することができるようになりましょう。
2つには、人生において失敗や挫折はつきものですが、何度でも立ち上がって挑戦し続けることのできる強い心、強い精神力を養っていきましょう。
3つには、挨拶、感謝の言葉が素直に言える人になりましょう。他者の痛みや喜びを感じることができるなど、人としての豊かな人間性や感性を有する人になりましょう。
4つには、悩んだとき、困ったときに、人に助けを求めることができる人になりましょう。そのためにも、人から助けてもらえるような人になりましょう。
5つには、母校を愛し、誇りを持って学校生活を送りましょう。

 

さて、昨年末、経団連が発表した「企業が求める人材」像の第1位は、「コミュニケーション能力の高い」人材でした。第2位は、「意欲的」な人材でした。第1位のコミュニケーション力は、もう10年以上不動の1位です。ただ、10年前とは、その理由が少し異なってきているようです。これまでは、挨拶を中心として社内雰囲気の向上や、チームで仕事を行う関係から協調性があり、何よりも自社や他社との関係において人間関係構築ができる人材を重要視していました。もちろん現在もその意味でのコミュ力の重要性は変わってはいませんが、企業が大いに期待しているのが、「想定していない問題や課題に臨機応変にかつ柔軟に対応できる人材」「答えの無い課題に果敢にチャレンジしていこうとする人材」「多種多様な仲間と協働的にかつ発展的に課題解決に向かおうとする力を有した人材」なのだそうです。要するに「何事にも意欲的でコミュニケーション力に富んだ人材」ということです。
実は、これって、「探究活動」で得られる力なんです。高校でもこの探究活動に力を入れはじめていますが、大学は、凄まじい勢いで探究的課題研究活動を取り入れています。というか、元来大学はそういう所だと私は思いますが・・・

 

探究活動とは、「自ら問いを立てる(設定)→調べる(調査)→考える(分析)→考えをまとめる(創造)→発表する(表現)→振り返る(検証)」という一連の流れがあるわけです。一人でできない事が多いので、仲間とあるいは知らない他職種の人と協働していくことが必要なわけです。だから、コミュニケーション力が高まるわけです。自発的だから自主性や意欲的な活動が増えるわけです。
企業はそういう人材を欲しています。これは、君たちが社会人になったときも変わっていないと思います。企業は、探究活動に大きな成果を有している人物は、高いコミュニケーション力を有し、意欲的・活発的であると思うわけです。みなさんは、まだ社会人になるまでには時間がある人が多いですが、そういう人材になることを意識して、意欲的かつ前向きに学校生活を送って欲しいと思います。

 

最後になりましたが、コロナ感染対策を引き続き徹底し、この3学期を乗り切っていきましょう。そしてこの一年が、生徒のみなさん、先生方も含めて、素晴らしい一年となりますように、そして相生高校がますます発展していきますことを祈りまして、式辞といたします。

なお、共通テスト直前となった三年生の諸君への激励は、激励会で言わせていただく予定でしたが、学年通信をもって私からの激励とさせていただきます。

以上でおわります。

【校長室の窓】2学期終業式 式辞

 みなさん、おはようございます。
 コロナ感染拡大防止のため、急遽、放送での終業式となりました。
 今年を振り返ると、コロナ禍ではありましたが、相高祭や体育大会、宿泊研修や修学旅行、各種講演会や研修会、オープンハイスクールなど、ほとんどの教育活動を従来の規模に戻し実施することができました。完全実施に対して、不安な面もありましたが、君たちなら大丈夫だろう、きちんとルールや約束事を守ってくれるだろう、任せて大丈夫だろうという安心感が、私の気持ちを実施へと向けてくれたように思います。そして、全てにおいて見事に期待通りの、期待以上の成果を収めてくれました。本当に皆さんに感謝いたします。ありがとうございました。

 さて、以前、神戸新聞に、23歳の女性で、大学を卒業して就職された方から、次のような記事が投稿されていました。

『小学校、中学校そして高校までは、何に対しても【正解】がありました。教科書の問題は解答ページに、とる べき行動は校則に、細かいことはすべて先生が答えを教えてくれました。勉強して、良い大学へ行って、素敵なパートナーを見つけることが、私にとって正しい事だと思っていました。しかし、大学や社会にでると突然、正解のない問題ばかりが降りかかってきます。何が正しいか、何が幸せなのか、自分で見極めろと言われます。私なりの正しさって何だろう?幸せって何だろう?幸せになることが人生の目標であるならば、今の私はどこに向かって歩んでいっていいかわからない。私は今、人生の【正解】が欲しいです。』

というものでした。始業式の時にも話をしましたが、これからの時代は、VUCAの時代と言われています。すなわち、「変動的で不確実で複雑で曖昧な時代」。何が正しいか分からない、正解のない時代が来ている事を表している投書のようにも思います。

 高校での学習活動は、昔と大きく変わってきています。教科書の中身を丸暗記で、詰め込むだけではない学びが求められています。大学入試でも、思考力や判断力を問う問題が増え、面接では主体性や表現力が求められます。実社会では、アピール力やプレゼン力が求められます。要は、人に自分の考えを伝える力がとても重要であるということです。どんなに素晴らしい知識を有していても、それをうまく人に伝えることができなければ意味が無く、宝の持ち腐れになってしまいますからね。

 要するに世の中での評価が、「インプットからアウトプット」に変化しているということなのです。教科書の内容をインプット(丸暗記)して、その内容をそのまま回答することで評価されていたこれまでの時代が終焉を迎えようとしています。これからは、基礎基本としてインプットした内容を、他の情報と絡めて、自分の頭の中で処理し、応用して、違った形や違った価値観として、どうアウトプット(表現)していくかが問われる時代になってきたということです。

 そこで、皆さんに日頃から、意識して欲しいことは、

1 疑問を持つ訓練をしてください。質問力を高めて欲しいです。

  講演会とかだけでなく、授業でもニュースでも、常に疑問を抱き、問いを立てる訓練をしてほしい。

2 他者との情報共有や協働を活発にして欲しいです。

恥ずかしがらずに、疑問を先生や友達、あるいは家族に伝えて情報共有する練習をしてください。また、一人では解決できない問いについて、周りの人と一緒に悩んだり解決したりするように心掛けてください。

 まずはこの2つから意識してやってみてください。3学期は、探究の発表会もあります。皆さんの表現力やプレゼン力を楽しみにしています。

 最後に、3年生の皆さん。いよいよ、共通テストまで1ケ月をきりました。しかし、まだ時間はあります。不安になったら負けです。自分を信じて、死に物狂いでラストスパートをかけてください。そして何より健康に留意することです。 

 それでは、生徒の皆さん、冬休みを怪我や事故等に巻き込まれることなく、全員が無事に新年を迎え、また元気に3学期の始業式に来てくれることを願い、式辞といたします。なお、3学期の始業式は、コロナ第8波の影響と共通テスト直前ということもあるため、今回と同じ放送での式とします。以上で終わります。

【校長室の窓】2学期始業式 式辞

みなさんおはようございます。

長いようであっという間の夏休みでしたが、皆さん充実した生活を送れたでしょうか。

まずは、体調不良で欠席している人もいますが、こうして皆さんの全員の無事が確認できたことにホッとしています。ありがとう。

また、貴重な休みの時間にもかかわらず、コースを含め3日間実施したオープンハイに準備や運営に当たってくれた生徒の皆さんには本当に感謝します。素晴らしい対応力だったお思います。ありがとうございました。

いよいよ高校生にとってとても重要な2学期が始まります。1年生は文理選択です。そのためにも将来への目標をしっかりと持たなくてはなりません。先生、家族、先輩などとも相談して、後悔の無い選択をしてください。2年生はまずは1ケ月後の修学旅行ですね。予定通り出発するつもりです。終わったら、進路への切り替えと部活の仕上げに向けての取組になりますね。学校行事を含め中核学年としての活躍を期待します。3年生はいよいよ進路実現への取組が始まります。夏休み明けの成績が悪くても、今から充分伸びていきますので、最後まで自分を信じて取り組んでいって欲しいと思います。

 

さて、この前の終業式で挨拶の話をしましたが、それをしっかり受け止めてくれたのかな・・・夏休み中、本当に多くの生徒がこれまで以上に意識して、挨拶してくれていたように思います。嬉しかったのは、元進学校の校長先生が来られた際に、相生高校の生徒はなんか元気がいいなあ。気持ちの良い挨拶してくれたわ。と言ってくださいました。やっぱり、怒られるのより褒められる方が良いよね。

 

私が、頑張って、勇気を持って、自分から挨拶しよう!(声を出す必要は無い。会釈でも充分良い)それは、皆さんにとにかく「強い心」をつくって欲しいからです。「強い心」には、いろんな意味合いがあります。

一つには失敗から何度でも立ち上がって挑戦する強い精神を持って欲しいということです。大学を含め実社会に出てから失敗はつきものです。失敗を繰り返しながら成長をしていきます。失敗をすると人は苦しむじゃないですか・・その時の苦しみながらの再起への知恵や根性が人生の飛躍の土台となると思うんです。人間の成長には、失敗とは真逆の成功体験による達成感や栄誉や賞賛による場合もあります。これも人間の成長にはとても重要ですよね。そしてこれらは、同時に存在し、君たちの人生に降りかかってきます。でも、達成感や栄誉や賞賛によって、人が潰れることはあまりありませんよね。しかし、失敗したときは、そこから立ち上がれない人は、終わってしまいます。だからこそ、日頃より強い精神力を身につけることを意識しながら生活して欲しいと思います。

二つ目に、人に優しく思いやりを持って接して欲しい。電車やバスで席を譲れますか?これ勇気いりますよね。私は福祉の免許を持っていますが、今でも勇気いります。例えば文化祭などの学校行事で、友達を意見が合わなくて、悔しさをぐっと我慢した人やきつい言い方をされてもケンカにならないように自分の感情をぐっと押し殺した人もいるのではないですか?心が傷ついたり、我慢したりする人というのは、強い人だなあと私はいつも思います。決していじめられて我慢しなさいといっているのではないですよ。
人に対して優しく生きる!そう意識しながら生活してみてください。

三つ目に、これが一番大事だと思うのですが・・自分が困難な局面にいる時に、人に助けを求められる人になって欲しい。すごく勇気いることですが、社会ででたらこれほど重要な事はないと私は思っています。同時に、人から愛され、人から助けてもらえる人、手を差し伸べてもらえる人になって欲しいからです。

これからの時代は、ICTが一層進み2029年には人工知能の賢さがついに人間を越えると言われています。答えがあるものはすべてAIが答えてくれます。同時に「変動的で不確実で複雑で曖昧な時代」(VUCAの時代とも言われている)が来ると言われています。その時の人間の役割は「答えのない課題」を解決していくことが求められてくるわけです。そのために、「探究活動」(解決していこうとする力)が重視されているわけです。でも、だいたい答えがない課題を一人の力だけで解決することは難しくないですか?なんせ正解かどうかわからないんだから・・・だから、仲間や他職種やその他多様な人々と協働して答えを探し出していかなければならないわけです。人と協働するためには、そりゃまず挨拶や笑顔ですよね。そして、自分だけでは分からないから、助けて欲しい、教えて欲しいと言わなければなりません。挨拶もせず目も合わせず偉そうにしている人に力を貸してくれませんよ。そして、人に助けて欲しい、教えて欲しいと伝えるのも、これまた非常に勇気のいる事です。大人になったら、苦手は分野でできないことがあります。でも、どの分野にもすぐ近くに得意な人はいるものです。その周りの人の力を借りることはとても重要です。大人になればわかります。人に頼ることが如何に大事か。そして如何に勇気のいることか。

 

もう分かると思いますが、人に好かれ、人に愛される人は、失敗しても自然と周りに味方がいます。立ち上がれる環境にあるということです。周りに味方がいるので自然と人に対して優しくできます。

そのためにも、挨拶も含めて、真面目に実直に何事にも一生懸命に積極的に取り組んで欲しい。自分を高めていって欲しい。どうか、2学期は、いま挙げた3つを少しだけでいいので意識して過ごして欲しいと思います。

【校長室の窓】1学期終業式 式辞

 みなさんおはようございます。3年振りの全校生徒が一堂に会しての式典となります。特に3年生は入学後すぐに休校となり、ずっとコロナだったので、体育館に全生徒が入るのは初めての光景ではないかと思います。この1学期は、少しずつではありますが、教育活動がコロナ前の状態に戻すことができはじめました。皆さんにとって充実した1学期になったでしょうか?ただ、また「第7波」がやってきています。十分気を付けて夏休みを過ごしてださい。

 さて、今日は「挨拶」について話します。これまでも何度か挨拶の重要性について話をしてきましたが、あまりにもショックというか、悔しい気持ちになった事がありましたので、皆さんにお伝えします。真剣に聞いてください。

 6月の終わりに学校評議員会がありました。相生高校の応援団で、本校の発展を心から応援していただいている方々で、コロナもあり3年振りに開催しました。その中のお二人の方(お一人は自治会の方ですが企業の常務取締役で、お子様が相生高校出身ではじめて来校されたと言われていました。もうお一方は地元の公民館の館長さんで、長年相生市の教育に携わってこられた方でした)、このお二人から「今日ここに入ってくるまでに、生徒の誰一人、挨拶してくれなかった。会釈すらなかった」と言われました。自治会の男性の方は、卒業生の親として、また企業人としてはじめて相生高校に来られました。「はじめて訪れる相生高校ってどんな生徒がいるのか。どんな学校の雰囲気なのか・・」と、内心ドキドキしながら校門をくぐられたそうです。「もう本当にショックだった。校門をくぐった人は何らかの学校関係者のはず。それがわからない相高生はいないはず。なのに、誰一人、挨拶も会釈もしてこないことに大変なショックを受けました。」と言われました。また、館長さんは、「校門から会議室までに十数人の生徒さんにすれ違ったけれど、誰一人挨拶してくれませんでした。挨拶運動を活発にされていると記載されていますが、効果無いのではありませんか?」とのお言葉をいただきました。

 

 どうです、みなさん・・・厳しいご指摘ですよね。

 

 お二人の側を通った生徒は、ほんの一握りの生徒ですが、まるで全ての生徒がそうなのでは??という印象を与えてしまったかもしれません。想像してください。企業の会合や相生市教育関係の席で、

「相高生は、勉強はできるけど挨拶一つもできないみたいやで!」

といわれたらどうします? 怖くないですか?悔しくないですか?
皆さんは、大学とかに進学するから、今は関係ないわ!!と思っている人いませんか?これだけ、勉強や行事やボランティア活動に頑張っている皆さんなのに、まるで「人間性ができていない」といわれているようで、非常に悔しい気持ちになりました。でも、これが社会ですなんですよ。たかが挨拶、されど挨拶です!!

 この2年間、コロナでのオンライン授業、オンライン面接、声を出して会話をしない、大きな声で挨拶しない、食事中の会話はしない等・・、大きく世の中の価値観も変わったことが原因かもしれませんが、皆さんが社会人になる時、今日の話を思い出してください。先ほどの評議員の方が、「企業人としての忠告です。」と前置きされて、「挨拶は社会人として非常に大切です。会釈でもいいんです。声を出さなくても目線を合わせて、こっくりとうなずくだけでもいいんです。その際に笑顔があればより良い!」と言われたことを覚えていてください。

 

 今の1年生には伝えていませんが、昨年私がこの学校に来てから、「自分から挨拶をする」「小さな事だが、勇気がいる行為で強い心を育てるためのささやかな訓練」であると。また「人間性」を高めることや身体を鍛える(運動する)ことも、実は学力の向上に結びつくことが立証されていると。伝えてきました。

 毎朝ではありませんが、できるときは7時40分から8時まで朝の立ち番をするようにしていますが、毎朝私は君たちに元気をもらっていました。しんどいときでも君たちの元気な笑顔と挨拶をいただくことで、私は元気になって気持ちよく仕事に臨めるようになっています。君たちの挨拶や笑顔には大きな力があります。昨年以上に挨拶をしてくれるようになっていると思いますし、立ち止まり礼やとても素敵な笑顔で挨拶や会釈をしてくれる人が多いです。これは武器です。23歳の時の武器になります。大きな声で挨拶する必要はありません。
目線を合わせて会釈でいいんです。実践してください。まずは、夏休みに家庭から。

 最後に、いよいよ、夏休みです。ありきたりな言葉ですが、「夏を制する者は受験を制する」です。「文武両道」。勉強も部活動も、目標を立てて、こつこつ計画性をもって、自分を信じて目標達成に向けてしっかり頑張って欲しい。有意義な夏休みを!!