【校長室の窓】3学期終業式 式辞

みなさん、おはようございます。

WBCで日本が優勝しました。本当に感動しましたね。皆さん見ましたか?特に準決勝のメキシコ戦の勝利は、私は思わず涙しました。皆さんはどうでしたか?私の義理の母は、日頃全く野球に興味がなくルールも分からないはずなのに、泣き崩れました。単に勝利に対してその喜びが原因で涙したのではありません。観戦しているオーディエンスのほとんどが心のどこかで諦めかけていたことや、大谷選手のパフォーマンスや、全く打てなかった村上選手がサヨナラ打を打ったことなどが、心を大きく揺さぶられた原因ではないでしょうか?

このような人としての感性を大切にして欲しいと思います。もうすぐに桜が満開となります。美しいものを見て感動したり、映画を見て涙したりと・・心揺さぶられる経験をたくさんして欲しいと願っています。

さて、最初にマスクに関しての話をします。次年度より、学校生活における教育活動は、マスク無しが基本となり、通常の教育活動に戻ります。ご家族ともよく相談して個人の判断でマスク着用はお願いします。ただし、飲食を伴う実習や行事、対面で声出しを必要とするよう教育活動については、マスク着用を指示しますので、自宅からマスクを持参しておくようにしましょう。また電車やバス内で他の乗客が不快に思わないようなマナーを心掛けてください。

 

さて、令和4年度が終わろうとしています。この一年間、依然としてコロナ禍ではありましたが、3年振りに様々な行事などの教育活動を行うことができました。皆さんが学力的にも人間的にも大きく成長してくれたと感じています。

 

まず2年生ですが、各種行事の中核的学年としての責任ある行動と素晴らしい行動力を見せてもらいました。前向きな言動やマラソン大会の時に走り終わった後に関係の無い仕事にも何か手伝いましょうかと積極的に声をかけてくれた生徒もいたようですが、そんな他者への配慮を感じる言動をはじめとして、挨拶も含め礼儀的な所も本当に成長しているなあと様々な場面で感じることができ、また多くの先生方からもそのようなことをたくさん耳にしてきました。個人的に、特にうれしかったのは、一緒に行った修学旅行です。私自身、かつて、こんなに何も心配しなくても安心して引率できた修学旅行はなかったと思います。そして、旅行の解団式で言った事(修学旅行という非日常的な時間を共に過ごしているにもかかわらず、校長のところに誰も話しかけにこないという話)のすぐ後に、校長に話しかけに来てくれた生徒の皆さん。内容はともあれ、人に注意されたことや忠告されたことをすぐに実行に移すのは、とても勇気ある事でなかなかできないことだと思います。正直、だれも来ないだろうと思っていました。数人でしたが、行動を起こすことができる生徒がちゃんといるんだなあと嬉しくなりました。

 

次に、1年生です。先日の学習成果発表会は、実に素晴らしかったです。私が予想している以上に情報収集や分析による将来展望が描けていました。表現力もまだまだではあるが悪くなかったです。他校と比較するのはよくありませんが、時間的余裕がない中での、しかも1年生としての発表ということでは、申し分のないものでした。質問の時間をとってあげられなかったことは許してください。本当に申し訳ありませんでした。また、1年生は、学校生活が楽しい、頑張っているという前向きな回答をする生徒が多かったのは非常に嬉しいことです。

 

以前にも言いましたが、君たちには、十分な伸びしろがあります。それに気づいて欲しいし、自分を信じて欲しい。可能性があるのに、自分で自分の力を決めつけてしまっている人も少なからずいます。校長先生は、相生高校に来て、2年しか経っていませんが、この学校で何事に対しても、しんどくてもしっかりと取り組めば、少しずつではあるが、確実に学業(成績)を含めて人間的成長を遂げることができる学校であると確信しています。だからこそ、自分を信じて、先生方を信じて頑張って欲しい。

 

たとえば、経営学上の組織論でいうと、

「組織(集合体)は、化合物であり、生き物でもある。」と言われます。

一人の人間が精一杯の力を発揮して10のエネルギーを出したとして、それが2人集まれば、10+10=20が最大となるはずなのですが、集合体としての組織は、それが不思議な事に30や倍の40のエネルギーにもなることがある!というものです。まあ、当然その逆もありますが、個人が組織となることで

計り知れない大きな力を発揮することができるという理論です。WBCがまさにそれを証明してくれていますよね。

 

学年の皆さんのまとまりや勢いがあること、学年の先生方のまとまりや雰囲気が良いこと、そして何よりも、生徒と先生方との信頼関係が厚ければ厚いほど良い組織となり、膨れ上がるエネルギーを有する事になる。学年という言い方をしましたが、すべての生徒とすべての先生方との信頼関係を揺るぎないものにしていって欲しいと願っています。そのためにも、日頃からのコミュニケーション能力を高めてほしい。質問力を高めて欲しい。相手を思いやる心を高めて欲しい。人に助けを求めることができる人になって欲しい。人から助けを求められる人になって欲しい。喜びや感謝の心を素直に表現できる人になって欲しい。

そういった人間性や感性などの人間的成長をしていくことが、みなさんの成長の鍵となり、相生高校という組織の大きな力となっていくと確信しています。

 

では皆さん、春休みとなります。新学期に向けて、準備をよろしくお願いします。