校長室より

2021年8月の記事一覧

忙中閑あり

忙中閑あり

 「忙中閑あり」(ぼうちゅうかんあり)忙しい中にも、ちょっとゆっくりするヒマな時間もあるよね、ということわざです。8月になり、忙しい生徒の皆さんや先生方も「ちょっと一息」を感じているでしょうか。同じような言葉をいくつか考えてみましょう。毎日暑い日が続いていますが、「暑中涼あり」暑いけれども、ほっと涼しさを感じる時があります。エアコンの効いた建物に入ったとき、アイスクリームやかき氷を食べるとき、山に登って木陰で涼しい風が吹いてきたときなど。「夜寝苦しい中昼寝あり」これは言葉通りで、夜はなかなかぐっすりと眠れないのであれば、昼間短時間の「パワーナップ」で疲れを取ることも大切です。

 「壷中天あり」これは中国の後漢書に記載されている「世俗生活の中にある独自の別天地」のことです。「費長房という人は市場の役人だったが、ある日役所の窓から見える通りで店を出している薬売りの老人が、夕暮れに店をたたむと、店先の壷の中に入っていくのを目撃した。翌日、費長房が老人に昨日のことを尋ねると、老人は実は自分が仙人であることを明かし「見られたのなら、仕方ない」と壷の中に入れてくれた。壷の中には珍味を並べた別天地があり、酒を酌んで大いに楽しみを尽くしたという」壷の中は小さく狭いように見えますが、その中には天のように広い世界が存在する、ということで、「井の中の蛙、大海を知らず」の反対ですね。こんな壷があるのなら、私もボツにならずに、壷にはまりたい。