校長室より

2021年1月の記事一覧

【校長室より】第3学期始業式辞要旨


 新年あけましておめでとうございます。新春らしい、寒さが厳しい朝になりました。
 君たちが元気に登校し始業式を迎えられたことをうれしく、そして大変ありがたく思います。
 さて、昨年2020年の漢字は「密」でした。昨年の3学期始業式で、その字が「金」になればと期待を込めて話しました。しかし、世界中が新型コロナウイルス感染症流行の影響を受け、東京オリンピック・パラリンピックも延期されました。高校総体など多くの大会、コンクールが中止になり結果的に残念な1年になりました。
 年末から年明けにかけて、新規の感染者が激増し、昨日は東京都2447人、兵庫県284人と過去最高になりました。昨日、昨年と内容は異なるものの首都圏1都3県に再び緊急事態宣言が発出されています。我々、一人ひとりが感染拡大防止につとめなければ、終息はありえません。
 一方、今年の12月25日は、島田叡先輩生誕120周年(1901年明治34年)にあたります。昨年の修学旅行で、島守の塔への献花の折、雨雲の合間から温かな日差しが差し込んだことがこの間のことのように記憶に残っています。島田氏は苦境にあっても、その時を大切にして、未来を信じて尽力されたことと思います。
 今年は、禍を「福に転じる」年です。理想の未来を描き、その未来に向かって、自ら新しいスタートを切りましょう。
 年頭にあたり次の3つを意識して欲しいと思います。
 1つめは、「油断大敵」です。特に感染予防と交通安全についてです。
 感染予防に関しては、2学期以降、幸い行事なども順調に実施してきました。今後、同じように実施できるとは限りません。昨年1月27日に校内に消毒液を用意して以来、健康チェック、清掃後の消毒など、学校全体で丁寧に取組んできました。これからも決して気を緩めてはなりません。交通安全に関しては、自転車による事故が多発しています。誰もが交通マナーに注意して、自分自身を守りましょう。
 2つめは、「良い行動の習慣化」です。必要なことはとにかく実践して習慣にしてしましましょう。生活実態調査から見ると、学習時間を確保が課題です。特に、1.2年はもう1時間ひねり出せないか生活を見直して欲しい。また、読書、新聞に日常的に親しんで、感性を磨いて欲しい。
 3つめは、「ありのままの姿を大切に、脇目を振らず目標に邁進」すること。特に部活動に取組む生徒の皆さんは、どんなことがあろうとも、淀みなくやりきること。
 3年生は大学入試共通テスト目前です。手遅れなどと嘆く必要はまったくありません。朝起床から、夜の就寝時間まで、決めたことを丁寧に進めなさい。ラグビー日本代表の田村選手は、2019年のワールドカップのあと、「勝つと信じて準備したから、想像を絶するトレーニングをこなすことができ、結果、史上初の決勝トーナメント進出を果たすことができた。」と語っていました、まず初めに「心」なのです。何事もやってみないとわからない。心が変わればすべてが変わります。もしも、気持ちが揺らいだり、くじけそうになったら、「自分がこの学校に入らないと、良い世の中にならない」と、口に出して言ってみましょう。君たちは絶対できます。目標を達成されることを切に願います。
 生徒全員が、それぞれ目標に向かって一緒に頑張っている。そして、一人ひとりが集団に埋没せず、声を出して挨拶できる。兵庫高校は、まさに自立を目指して努力を続ける人たちの共同体です。

 その名ぞ兵庫 わが母校 

 以上、第3学期始業式辞とします。

 令和3年1月8日

兵庫県立兵庫高等学校長
    升川 清則