Aioi High School,Passport to the World ~相生高校から世界へ~ |
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桜花爛漫。相生市そして相生湾を臨むこの閑静な高台に、力強い春の息吹を感じる今日の良き日、兵庫県立相生高等学校 第46回生の入学式を挙行するにあたり、堀内PTA会長様をはじめ、多くの保護者の皆様のご臨席を賜りましたこと、心より感謝しお礼申し上げます。ありがとうございます。
ただ今、入学を許可いたしました199名の新入生の皆さん、入学おめでとう。また、保護者の皆様、お子様のご入学、誠におめでとうございます。心からお祝い申し上げます。
新入生の皆さんは、今、相生高校での新しい学校生活への不安が入り交じりつつも、将来の夢や期待に、心弾んでいることと思います。今日この日に至るまでに、ご家族の温かい愛情や、中学校の先生方の熱心なご指導があったことを決して忘れないでください。その感謝の心とともに、入学後も初心を忘れず、さらに努力を積み重ね、自ら考え、主体的に学ぶ意欲を持ち続け、この3年間で、一層人間的な成長を遂げて欲しいと願っています。
私ども教職員は、皆さんを心より歓迎し、皆さんが充実した学校生活を送ることができるように全力で指導にあたっていきます。
さて、本校は高度経済成長という社会背景の中、地元地域の熱い思いが実り、昭和52年に開校し、今年で創立46年目を迎えました。校訓「自律 創造 敬愛」の精神を基調として、こころ豊かな人間性の涵養、主体的に学ぼうとする意欲、激動する社会変化に柔軟に対応する力、地域社会や国際社会に貢献できる人材の育成を目指してきました。この教えの元、本校は、国内外に優れた人材を多数輩出してきました。皆さんは、この歴史と伝統ある相生高校の第46回生としての誇りを胸に、常に志しを高く持ち、夢の実現、目標の達成に向けて成長し続けて欲しいと思います。本校が掲げる「相生高校から世界へ」というスローガンのように、まずは、大きな夢と目標を持ってください。
この令和4年度以降、高校教育界は大きな変革期を迎えます。民法改正による18歳成人、新学習指導要領の実施と観点別評価の導入、皆さんにタブレットを購入して頂き実施するBYODの導入、コロナ禍に対応した対面授業とICTオンライン授業を組み合わせた教育のハイブリット化の推進、そして、文系や理系の枠にとらわれずに教科を統合的に学習していくSTEAM教育などが推進されていくことになります。これらの変革は、人工知能AIや産業ロボットの高度化など、今後のIT社会に順応した競争力のある人材に皆さんを育てていくためのものです。加えて、長く続くこのコロナ禍により、これまでにはない新たな価値観が世の中に生まれようとしています。皆さんは、こうした激動の新時代を生き抜いていかねばなりません。
そのためにも、本校の教育目標である「自ら考え、主体的に学びへの意欲を高め、探究し続けることで新しい価値を創造できる人材」になって欲しいと思います。高い学力と共に人間性や感性を大切にできる人材に育って欲しいと強く願っています。
最後になりましたが、保護者の皆様にお願いがございます。高校3年間というのは、人生の方向を決定する大事な時期であり、その一方で悩み苦しみが大きい時期でもあります。私たち教職員は、お子様が自らの生きる道を、自らの力で切り拓いていけるように、お子様の健全な成長をサポートするために全力で指導に当たっていきます。そのためには、学校と家庭の緊密な連携が欠かせません。お互いに協力し補完し合う関係をつくっていきたいと思っていますので、どうかご協力の程よろしくお願いいたします。
新入生の皆さんの学校生活が、安全で安心なもので、かつ実り多きものになることを祈念しまして、入学式の式辞といたします。
令和4年4月8日
兵庫県立相生高等学校長 栗林 秀忠
新2年生、新3年生のみなさんおはようございます。
3年生は、この4月より成人になっていく人が出てきますが、学校生活においてはほとんど何も変わりませんが、個人的な契約手続きができるようになるので、危険も伴いますから、くれぐれもトラブルに巻き込まれないようにしてください。
はじめに、まずは大きな事故や事件もなく、こうして、在籍生徒の全員の無事が確認できて始業式を迎えることに感謝いたします。また、コロナもまだまだ収まっていませんので、今後も高い警戒心と感染防止対策の徹底を継続して欲しいと願っています。
さて、今日は、新年度の始まりにあたって、皆さんに3つのお願いがあります。
1つ目は、ありきたりですが、年度当初にあたり、ちゃんと目標を設定して欲しいと言うことです。1年間を見据えた大きな目標とその目標を達成するための小さな目標(手段)も必要です。去年も紹介しましたが大リーグの大谷翔平選手の「目標達成シート」には、中心に大きな夢が書いてあり、その周りにそれを達成するために意識して行動すべき行動目標(手段)が書かれています。かれの「目標達成シート」の良いところは、目標を「見える化」することで毎日の自分の行動にモティベーションを持たせたことです。また県立高校からハーバード大学に現役合格した廣津留すみれさんは、ハーバード大学合格という大きな夢を達成するために毎日毎日、小さな目標を作って、その達成感を味わうことでモティベーションを維持できたようです。目標を達成するためには、このモティベーションの維持が重要なのです。目標設定の話でした。
2つ目は、もっともっと主体性や自主性、積極性という言葉を意識して生活して欲しい。非常に抽象的な言葉ではあるが、君たちに少し不足している資質であると感じている。何に対しても、自ら問いを立てて、情報収集して課題解決に向かって突き進める人物になってほしい。イメージとしては、何もないところへ自分の意思で思い切って突入できる人になって欲しい。一人でなくても仲間とでもいい。そして、同時に他者に対して「ものを伝える力」=表現力、アピール力、プレゼン力も高めていって欲しい。
3つ目は、当たり前のことですが、人の嫌がることをしない。昨年度いじめを含めて、あまりにもSNSなどを使用した指導事案が多かった。ほんの少し考えたら、善悪の判断がつきそうな事案ばかりだった。自分の言動が相手にどう捉えられるか、人の気持ちに立って考えることができれば、すべて防げるはず。要は、自分がされて嫌なことを他人にしないことです。
最後に、3学期の終業式でも言ったように、君たちは大きな可能性と伸びしろを持って入学してきている。その余力を出し切ってほしい。自分を信じて、先生方を信じて、自信を持って、負けへんぞ!!という気持ちでスタートを切って欲しい。
目標を持て!もっともっと主体的に!仲間と協働するためにも人の嫌がることはしない!を意識して気持ちの良いスタートを切って欲しい。
今年が意義ある一年になることを祈り式辞とします。
皆さん、おはようございます。ようやく、まん延防止措置が解除されました。こうして、皆さんの前で式辞を述べるのも、実に4月8日以来です。
この令和3年度も本当にコロナに振り回された一年でした。特にこの3学期は第6波の影響で、短縮授業など学校生活を大きく制限する事態となってしまいました。先生方やみなさんの協力のおかげで、なんとか3学期を乗り切ることができました。ありがとうございました。春休みに入りますが、引き続き感染予防に高い意識を持っての生活をお願いします。
大変な3学期でしたが、嬉しいことが4つありました。
1つは、2年生の修学旅行での事です。ホテルの支配人やスキー学校の校長先生から、「素晴らしい生徒さんたちですね。特にこの悪天候にも関わらず、5分前集合どころか、10分前、15分前には集合している。悪天候なので、そんなに早く集合されなくてもギリギリで良いですよ!」と言われました。最高の褒め言葉でした。そして、自分の時間を割いてでも、友達を気遣う人を多く目にしたのも嬉しかったです。2つ目は、ソフトテニス部の男子生徒4人が、車の接触を避けようとされたおばあさんが倒れて怪我をされたのを助けたということです。感謝をされたご主人が学校を訪ねるだけでなく警察や市役所などさまざまな所で、相生高校の生徒は素晴らしいといっていただいているようです。心が育っているなあと嬉しくなりました。3つ目は、42回生の先輩達が合格の報告にやってきてくれていますが、そのこと自体も嬉しいことなのですが、その先輩がこんな文章を寄こしてくれました。「卒業生として懐かしい母校を訪れて、在校生からすると素性も分からない人なのに、『おはようございます』と自分から挨拶してくれる生徒が多くて、また挨拶がとても素敵で、大変嬉しく感じました。社会にでたら、人間関係をつくるのに、まず挨拶から始まるので、このまま続けてください」とのメッセージを寄せてくれました。私がいつも言う「自分からの挨拶」ができているんだなあと嬉しくなりました。4つ目は、先日卒業した3年生2名がそれぞれ校長室に合格の挨拶にきてくれました。一人は、お医者さんを目指し見事に医学部に合格してくれました女子生徒で、もう一人は部活動でキャプテンをしながら国公立の経済系に合格してくれた男子生徒です。嬉しかったのは、二人とも、相生高校を選んで良かった。相生高校に来て良かったと胸を張って言ってくれたことです。一年の時はしんどくて大変だったけど、自分を信じて、そして先生方を信じて頑張ってきて本当に良かったです。と嬉し涙をこらえながらいってくれました。1年、2年の諸君、この1・2年で培ってきた基礎・基盤を基に、3年生できっと伸びる!そう自分を信じて、頑張って突き進んで欲しいと思います。
最後になりましたが、この春休みは、新学年、新学期への準備期間です。コロナ対策を怠らずに、充実した時間をお過ごし下さい。以上で式辞を終わります。
厳しい寒さもようやく和らぎはじめ、相高坂にも少しずつ春の到来を感じられる今日の佳き日、相生高等学校第43回卒業証書授与式を、堀内PTA会長様をはじめ多くの保護者の皆様のご臨席を賜り挙行できますことは、私ども教職員にとりましてこの上ない大きな喜びでございます。ありがとうございます。
第43回生184名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。また、保護者の皆様におかれましては、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。心よりお喜び申し上げます。これまで、本校の教育活動に格別のご理解とご協力を賜りまして誠にありがとうございました。特に、この2年間は新型コロナウィルスの影響による臨時休校期間や、さまざまな教育活動の制限や制約がある中で、子ども達の不安な心をしっかりと受け止め支えて頂きましたこと、重ねて感謝申し上げます。
卒業生の皆さんは、この3年間、校訓「自律 創造 敬愛」を基軸に、基礎学力の定着をはかるとともに、自ら課題を見つけ主体的に学び、自分の考えを表現力豊かに主張する力を付けてきました。実に、2年以上にわたるコロナ禍での学校生活においては、2ケ月以上に及ぶ臨時休校を含め、相高祭や体育大会の中止や縮小を余儀なくされました。君たちは限られた時間や多くの制約の中で、アイデアを出し合い、創意工夫しながら、学年、クラス一致団結して新たな学校文化を生み出してくれたように思います。相高生としての自信と誇りを感じさせる素晴らしい学年でした。ただ、最も楽しみにしていた修学旅行を実施できなかったことは痛恨の極みであり、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
さて、君たちが旅立とうとしているこれからの社会は、withコロナを前提としたポストコロナ新時代であり、これまでとは異なった新たな価値観が創造されていく社会になっていくことでしょう。また同時に、人工知能AIやIoT、ロボット産業の更なる発達による産業構造の高度化がますます進展する時代(Society5.0)が間近に迫ってきています。今後、正解は、全てAIが用意してくれることになってくることでしょう。十数年後には、日本の労働人口の49%がAIやロボットに代替可能になると言われています。大きく時代が変わろうとしています。
この劇的に変化する社会において、今後、皆さんが生き抜いていくために求められる力は、AIでは解析不可能な「何が正解かわからない課題を、自らあるいは他者と協働して解決していこうとする力」が求められることになるはずです。
そのためにも、皆さんは、自分の良さや可能性を認識するとともに、あらゆる他者(他職種)を価値のある存在として尊重し、様々な立場の人の意見を傾聴し、そして協働しながら解決策(新たな価値観)を生み出して行かねばなりません。それこそが、新時代の社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓いていく方法であると私は思っています。
今年、年始めの経団連の会合に出席した大企業のトップの方々の発言で、見事に共通していた事は、全員がこのコロナ禍の状況を、発想を転換するチャンスと捉えプラス成長と前向きに捉えられていたことでした。その中でも、ある東証一部上場企業のCEOの言葉が、とても印象的でしたので紹介します。
「コロナにより、何が正解で何が正しいかわからない世の中。でも、こんなときだからこそ、独創的で自由な発想が必要であることがわかった。そして何よりもスピード感を持って実行することだ。~中略~そのために絶対的に必要なことは、組織力であり、チーム力である。ベクトルを合わせ、協働していくことが重要だ。そして、その基礎となるのが、表現力であり、コミュニケーション力である。」といわれていました。ぜひ、次のステージでは、社会人となることを念頭に置き、自分自身を更に「カイゼン」しながら成長を遂げていって欲しいと思います。
最後になりましたが、卒業生の皆さん、相生高校での学びに関わって頂いた全ての方々への感謝の念を忘れることなく、本校での学びで成長した自分自身に自信を持ち、そして誇り高らかに勇ましく次のステージに進んでください。そして、共に学校生活を送り、共に苦しみ、共に泣き、共に笑い、そして共に支え合ってきた仲間との友情やその繋がりを忘れることなく、人生の宝としてください。
どうぞ皆さんの前に広がる未来が幸多いものでありますように、心より祈念し式辞と致します。
令和4年3月1日
兵庫県立相生高等学校
校 長 栗 林 秀 忠