Aioi High School,Passport to the World ~相生高校から世界へ~ |
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相生湾を臨むこの閑静な高台にも桜が咲き誇り、力強い春の息吹を感じる今日の佳き日に、多くのご来賓の皆様のご臨席を賜り、兵庫県立相生高等学校第四十八回入学式を、挙行できますことを、心より感謝し、お礼申し上げます。ありがとうございます。
ただいま入学許可しました、二百名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。
そして、保護者の皆様、お子様のご入学、誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。
長く続いたコロナ禍の生活も、昨年の5月からは、様々な制約がなくなり、学校も本来の姿に戻ってきました。今、新入生皆さんは、これからの高校生活に、大きな夢や希望に胸を膨らませていることと思います。
どうか、今の決意や気持ちとともに、ご家族をはじめ、これまでお世話になった方々への感謝の心を忘れず、この相生高校で充実した高校生活を送ってください。私たち教職員は、皆さんの高校生活を全力でサポートしていきます。
さて、本校は高度経済成長という社会背景の中、地元地域の熱い思いが実り、昭和52年に開校し、今年、創立四十八年目を迎えました。校訓の「自律 創造 敬愛」の精神を基調として、こころ豊かな人間性を養い、主体的に学ぼうとする意欲、激動する社会変化に柔軟に対応する力を培い、地域社会や国際社会に貢献できる人材の育成を目指し、国内外に多数の優れた人材を輩出してきました。
皆さんは、この歴史と伝統ある相生高校の第四十八回生としての誇りを胸に、本校が掲げる「相生高校から世界へ」というスローガンのように、大きな夢と目標を持ってください。そして、夢の実現に向かって成長し続けて欲しいと思います。
皆さんにこれから始まる高校生活で実践してほしいことが三つあります。
一つは、色々なことに積極的にチャレンジすることです。
変化の激しいこれからの社会に柔軟に対応し、たくましく生き抜く力を身につけるために、本校では、その基盤となる学力の向上はもとより、これから必要とされる、自ら考え、主体的に学び、行動したり、自らの考えを表現したりする力を育てるための探究活動や、他者と協力して物事を成し遂げる充実した学校行事、地域社会と協働したボランティア活動など、数多くの学びのしかけを用意しています。
教科の勉強だけではなく、部活動やこうした様々な活動にも、ぜひ積極的に参加して自分の可能性を広げて欲しいと思います。
二つめは、粘り強く考え抜くという習慣を身につけることです。授業で疑問を感じたり、ニュースなどを見て気になったりしたときに、そのままにせずに、理解し納得できるまで考えたり、調べたり、質問したりするなど追求してください。
また、物事がうまくいかなかったときには、その原因がどこにあるのか、課題を解決するために、どうすればいいのか。原因や方法、手段を考えたり、さらに良い方法がないか調べたり、工夫したりすることです。自分の人生をどう生きるか決めるのは最終的に自分なのです。自分の夢を実現するために、地道に粘り強く調べたり、考えたりしながら物事に取り組む力を養ってください。
三つめは、他者のため、あるいは社会のためという視点をもって行動できる人になって欲しいということです。そのために、高校生活をとおして、できる限り多くの人と積極的に関わり、協力して物事に取り組む経験を積み重ねてください。その中で、相手に自分の気持ちや考えていることをきちんと伝えたり、逆に相手が自分に伝えようとしている気持ちや事柄をきちんと理解したりできる力を伸ばし、周囲への気配りや配慮ができる人に成長してください。
自分の夢の実現のため、そして社会のために、どんな困難に直面しても諦めることなく、仲間と協力して課題を克服し、自己実現するとともに社会に貢献できる人になって欲しいと願っています。
最後になりましたが、保護者の皆様にお願いがございます。高校の3年間は、人生の方向を決定する本当に大切な期間になります。また、多感な思春期のお子様にとって、悩みや苦しみが大きい時期でもあります。私たち教職員は、お子様が自らの未来を、自らの力で切り拓いていけるように、全力でサポートし、指導に当たって参りますが、お子様の健やかな成長のためには、学校とご家庭の緊密な連携が欠かせません。どうかご理解の上、ご支援、ご協力賜りますよう、よろしくお願いいたします。
新入生の皆さんの相生高校での生活が、新たな出会いと発見に満ちたものになることを、そして、笑顔と感謝に満ちあふれた充実した毎日であることを、心より祈念して、式辞といたします。
令和六年四月八日
兵庫県立相生高等学校長
小田昌史
皆さんおはようございます。
令和6年度(2024年度)がスタートしました。2年生、3年生への進級おめでとうございます。3年生の皆さんは、いよいよ高校生活の集大成となる1年を迎えました。進路実現に向けて、また、部活動の目標達成のために、限られた時間を有効に使ってください。2年生の皆さんは、学校の中心学年として、学業はもちろんですが、学校行事や部活動等での活躍を期待しています。
今日の午後には、新入生が入学してきます。後輩の良きお手本として、1年生から憧れられるような格好いい先輩になってください。
3学期の終業式で、「新学期になったら頑張ろうとか明日から頑張ろう。ではダメですよ。今から自分の人生をどう生きるか真剣に考えて取り組んで欲しい。」という話をしました。
この春休みはどうでしたか?自分の成長の兆しを少しでも感じることができるような取組ができたでしょうか。たとえその手応えを感じることができていなくても焦ってはいけません。そんなに簡単に結果は現れないのが普通です。自分で考えて決めたことを信じて地道に続けていけば必ず成果が現れます。その成果を見逃さずに感じとれるように、最初の始めるときの自分の状態をしっかりと把握しておくことが大切です。そして、自分の努力による小さな成果を感じ取って自信につなげてください。続けることができているということ自体が自信につながることもあります。例えば1日30分も家庭学習をしてなかった人が、毎日最低1時間は必ず勉強をすると自分で決めて、それが1ヶ月続いたら自信になると思います。そしてそれが習慣になれば、もう少し時間を伸ばしてみようということにもつながってきます。とにかく、自分を成長させるために何をするかを自分で決めて始めることです。夢や目標がまだ見つからないからやる気が起きないということでずるずると何もせずに時間を浪費するのは本当にもったいないことだと思います。今の皆さんは人生の中でも最も多くのことを吸収し成長できる時なのです。年をとってから同じ事をしようとしても、なかなか頭に入ってこなくなります。今の貴重な時間を、自分の将来のために有効に使ってください。
学校では、たくさんの人が一緒に生活しています。みんなが安心して学べる居心地のよいクラス、学校にするということを意識してください。そういうクラスの雰囲気はとても大事です。皆さん一人一人が、周りへの気配りや配慮ができるように心がけてください。みんなで頑張ることでしんどいことも乗り越えることができるようになります。
お互いが切磋琢磨しながら成長していけるようなクラス、学校になるように協力して欲しいと思います。この1年の皆さんの成長を楽しみにしています。
みんなで協力して笑顔と感謝のあふれる学校にしていきましょう。
以上で私の話を終わります。
皆さんおはようございます。令和5年度もいよいよ3学期の終業式となりました。
年度がかわり進級するこの時期は、新年を迎える正月に続いて一年間を振り返るとともに新たな目標に向かって新鮮な気持ちで新たにスタートをきることができる良い機会だと思います。
3学期の始業式で、目標を明確にして計画的にコツコツと積み上げていくこと、そして、今を精一杯生きること、を話しましたが、この令和5年度を振り返ってみて、どうでしょうか?少しずつでも夢や目標に近づいていけているでしょうか?
その実感がないという人も多いかもしれません。あるいは頑張っているのに全然うまくいかない、という人もいるかもしれません。
しかし、失敗したときやうまくいかないときは、実は大きく成長できるチャンスなのです。
今月13日に、和歌山県串本町で国内初の民間単独開発の小型ロケット「カイロス」の打ち上げがありました。残念ながら機体は打ち上げ直後に爆発し炎上しました。ショッキングな光景が何度もニュースに流れ、「打ち上げ失敗」と報道されたので皆さんも覚えていると思います。
宇宙ベンチャー企業スペースワンの豊田正和社長は記者会見で「失敗という言葉は使わない。一つ一つの試みの中に新しいデータがあり、経験がある。すべて新しい挑戦への糧と考えている」と話していました。
「失敗は成功の母」という言葉がありますが、失敗から成功へとたどりつくためには、失敗を失敗と捉えず成功の途中だと考えることです。「この方法ではうまくいかないことが分かった」ということなのです。そうすれば次にどうするかを考えることにつながります。一度でうまくいくことはないのが普通です。何回も繰り返すことで成功へと近づいていくのです。
これまで何回も言ってきたように、皆さんは、「なりたい自分になる」ことができます。夢や目標に向かって自分が少しずつでも成長していけるように計画を立てて実行し、うまくいかなければさらに考えて計画を立ててまた実行する。これを繰り返すことです。
自分に自信をつけていくことが大切です。自分が頑張ったことが自信につながるように手の届くところにゴールを置くことが重要です。
4月から始まる新年度の一年間が、みなさんにとって有意義で充実した一年間になるように、自分自身をプロデュースするつもりで、チャレンジし続けてください。
「2年生になったら、3年生になったら、頑張ろうとか明日から頑張ろう」ではダメです。明日からと考えている人はいつまでたってもスタートがきれません。今から、自分の人生をどう生きるか真剣に考えて、取り組んでください。
これから始まろうとしている令和6年度が、みなさんにとって笑顔と感謝であふれる1年となるように、この春休みから、今から夢に向かって、新たなスタートをきってください。この春休みの皆さんの成長を期待しています。
以上で私の話を終わります。
冬の寒さもようやく和らぎはじめ、相高坂にも花の香りが漂い、春の到来を感じられる今日の佳き日に、多くのご来賓の皆様、保護者の皆様のご臨席を賜り、ここに令和五年度兵庫県立相生高等学校第四十五回卒業証書授与式を挙行できますことを心から感謝申し上げます。
ただ今、卒業証書を授与いたしました193名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。教職員一同、心よりお祝い申し上げます。
皆さんは三年余りに及ぶコロナ禍による様々な制約のもとで高校生活の多くの時間を過ごしてきました。思い描いていた高校生活ではなかったかもしれませんが、そのような中でも皆さんは、いつも明るい笑顔で前向きに、今できることに全力で工夫しながら取り組んできました。
コロナが5類へと移行し、様々な制約がなくなって行われた文化祭や体育大会では、本当に素晴らしい演技や一生懸命に競技したり応援したりする姿に心から感動しました。四十五回生の皆さんのパワーと絆の強さを感じ、本当にうれしく思いました。コロナ禍で社会が大きく変わる中で、皆さんはたくましく、そしてしなやかに成長してきてくれたことを誇りに思います。
皆さんはこれから、先を見通すことができない変化の激しい社会を生きていくことになります。
世界では、ロシアのウクライナへの軍事侵攻や中東地域での激しい紛争が、今も続いており、世界情勢は不安定さを増すばかりです。地震や豪雨などの自然災害も頻繁に起こって人々の暮らしに大きな影響を及ぼしています。元旦に起きた能登半島地震は2ヶ月経った今も復旧はなかなか進んでいない状況です。
また、高度情報化社会の進展はめざましく、chatGPTに代表される生成AIの登場は社会を大きく変えようとしています。先日もchatGPTを開発したオープンAI社のsoraという動画生成AIが大きな話題になりました。Soraが作成したという動画が公開され、完成度の高いリアルな映像に衝撃が広がりました。
私たちが当たり前と思っていた日常や平和な世界は、決して当たり前のことではないということを思い知らされるような出来事が次々と起こっています。
このように変化の激しい社会を生きていくことになる皆さんに二つのことをお願いしたいと思います。
一つ目は、「チャレンジ精神を忘れず、最後まであきらめずに目標や夢に向かって粘り強く努力し続ける人になってほしい」ということです。
皆さんは「なりたい自分になることができる」のです。自分の力を信じて、可能性を広げるための努力を続けてください。
コマーシャルのイチローさんの言葉にあるように、小さなゴールを積み重ねることが遠いところへ行くただ一つの方法なのです。長い人生においては、きっと、失敗することやしんどいこと、辛いこともたくさんあると思いますが、自分を信じて、夢に向かって地道に努力を重ね、あきらめずにチャレンジし続ける人になってください。
二つ目は、「人との絆を大切にし、豊かな人間関係を築いてほしい」ということです。相生高校で育んできた仲間との友情、絆を大切にして下さい。そしてさらに豊かな人間関係を築いてほしいと思います。困っている人へ手を差し伸べることができる思いやりや心の余裕が持てるように自らを成長させる努力を忘れないで下さい。誰からも愛され、頼られるような人間性豊かな人になって下さい。お互いが助け合えるような豊かなネットワークを広げて下さい。
そして、「社会への貢献」ということを頭のすみに常においていてほしいと思います。自分自身の存在や人生が多くの人に支えられていることに感謝するとともに、自分も社会を支える一員であることを自覚してください。これからの未来の社会は、皆さんが創るのです。ほかの誰かではなく自分自身が未来の社会を創っていると考えてください。「なりたい自分」や「ありたい社会」のイメージをしっかりと持ち、その実現のために何をするかを考え、手の届く小さなゴールを決めて、それを積み重ねてください。
笑顔と感謝の気持ちを忘れず、自己実現とともに、より良い社会づくりに貢献できる人となって下さい。
保護者の皆様、本日はお子様のご卒業、誠におめでとうございます。お子様の健やかな成長を願って支えてこられた皆様には、さぞや苦労も多かったことと思います。今日の佳き日を迎え、立派に成長されたお子様の姿に感慨もひとしおのことと存じます。教職員一同、心よりお喜びを申し上げます。また、これまで本校にお寄せいただきましたご支援、ご協力に深く感謝を申し上げます。
結びに、卒業生の前途を祝すとともに、ご来賓の皆様方をはじめこの会場においでの全ての皆様方のご健勝とご多幸をお祈り申し上げ、式辞といたします。
令和六年二月二十九日
兵庫県立相生高等学校長
小田昌史
皆さんあけましておめでとうございます。
2024年がスタートしました。
今年は、元旦に能登半島で大きな地震がありました。2日には被災地へ救援物資を運ぼうとしていた海上保安庁の航空機と着陸した日航機が衝突するという痛ましい事故がありました。
このたびの地震、事故で亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。そして、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。
今回改めて、人生はいつ何が起きるかわからないということを感じています。正月ということで故郷へ里帰りしていて被災された方も多くおられます。逆に、正月休みで旅行や里帰りで被災地を離れていて難を逃れたという人もおられるのではないかと思います。航空機の衝突事故も地震がなければ起こらなかったのではないかと思います。
私たちの人生は、我々自身の意志でコントロールできないところで大きな運命としか言いようがない偶然に左右されることがあります。
今回のような自然災害だけでなく、交通事故や事件、犯罪に巻き込まれることもあります、また、コロナのような感染症、戦争などによる世界情勢など我々個人の努力ではどうしようもないことがたくさんあります。
そのような中で私たちはどう生きていけばいいのかを考えたときに、結局、私たちにできることは、今を精一杯生きることしかないと思います。
これまで何回も言ってきたように、まだ若い皆さんは、「なりたい自分になる」ことができます。2学期の終業式で冬休みは自分の夢や目標、人生の在り方を考える良い機会だということを話しましたが、どうですか?考えてみましたか?目標を明確にして計画的にコツコツと積み上げて欲しいと願っています。自分の可能性を信じて、今すべきことに集中して取り組むことです。そしてそれを続けるためには楽しむことが大事です。そのためにどうすればよいかを考えてください。自分が楽しみながら続けていくことができる計画や方法を考えるのです。そして仲間を巻き込んで一緒に頑張ることです。一人で頑張り続けることはしんどいことですが、切磋琢磨する仲間がいれば頑張ることができます。
どうか皆さん、人生を充実したものにするために、夢の実現に向かって、今を楽しみながら努力し、成長し続けて欲しいと思います。
3年生の皆さんはいよいよ共通テストが迫ってきましたが、体調管理をしっかりとして最後まで諦めずに自分を信じて頑張ってください。
それでは、2024年もみんなで笑顔と感謝であふれる1年にしましょう。まずはこの3学期を各学年、そしてクラスの集大成の期間になるようみんなで協力して頑張りましょう。
以上で私の話を終わります。