総長・校長室より
高度産業科学技術研究所訪問について(R6.8.22)
高校2年生の試行ラボ訪問では、8月22日に、高度産業科学技術研究所のお世話になって、SPring-8/SACLAの見学と、NewSUBARUを訪問しました。
附属高等学校2年生と1年生の生徒9人と引率教員2名が、最初に理化学研究所の大型放射光施設のSPring-8とSACLAを訪ね、理研職員の方による詳しい説明を聞くことができました。
SPring-8の内部で各ビームラインにある研究設備を詳しく解説して貰いました。小惑星リュウグウの微粒子を分析することで、リュウグウの成り立ちや、残念ながら生物の起源となりうる有機物は
見つからなかったこと、などを確定したビームラインも含まれています。
定期点検中であったこともありますが、SACLAでは普段は見ることができない線形加速器を直接見る機会を頂きました。大型施設の心臓部を生で見れるということは、研究者でもそれほどは経験できないことです。
さらに、高度産業科学技術研究所へ移動して、原田所長から直接NewSUBARUでの研究を解説して頂きました。これまでの研究のご経歴や、今進めていらっしゃる研究を直に聞くことは、「どこが面白いことなのか」、「どこがすごいのか」を、本校の生徒が、本物の研究者から教えてもらえる機会となりました。
NewSUBARUは兵庫県立大が運営している放射光施設です。
そして、NewSUBARUが誇る世界に一つしかない磁場勾配を自在に変えながら特殊な放射光を生み出せるアンジュレータの特徴を、その研究開発に直接携わっておられる県立大の田中義人教授から教わりました。
「NewSUBARUにしかない」、という研究施設で、最先端の研究を行っている先生方から指導を受けるということは、高校生にとって特別な経験になっていると思います。
本当に有難うございました。
IMG_1 理研職員の方による放射光の解説
IMG_2 普段は決して見ることのできないSACLAの線形加速器
IMG_3 高度産業科学技術研究所 原田所長によるNewSUBARUでの研究の解説
IMG_4 NewSUBARUが誇る世界に一つしかない磁場勾配可変型アンジュレータ
理学部訪問について(R6.8.9)
高校2年生の試行ラボ訪問の一環として、8月9日に、理学部の見学ツアーを行いました。附属高等学校1,2年生の生徒14人が、播磨理学キャンパスを訪問して、キャンパス内の研究室や図書室、情報処理室を見学しました。そして、入試情報など理学部の紹介説明を受けたあと、理学部長・理学研究科長の吉久先生から生命科学科について、また理学副学部長の篭島先生から物質科学科について、詳しいご紹介を頂きました。
さらに、高温超伝導などの低温実験の実演や、遺伝操作した渦虫の観察など、先端の研究に触れることができる体験をさせて頂きました。
超伝導磁気浮上効果などは、実際に目で見て感じることが科学への興味をもつためにとても大切なことです。宮坂先生の研究室では、4年生や大学院生の方が、高校生たちへの質問を交えながら、様々な実験の実演を行ってくださいました。
プラナリアの名前でも知られている渦虫の研究では国内の第一人者とも言える梅園先生から直接にご指導も頂きました。科学的に考えることを教わり、実験して得た結果をどのように考えて理解していくのか、その点を大切にする心を教わったように思います。
本当に有難うございました。
IMG_1 理学研究科長の吉久先生による、生命科学科の紹介
IMG_2 篭島先生による、物質科学科の紹介
IMG_3高温超伝導などの低温実験の実演(宮坂研究室)
IMG_4遺伝操作した渦虫(プラナリア)の観察(梅園研究室)
第1回オープン・ハイスクールを行いました。(R6.8.24)
8月24日(土)、およそ220名の中学生とそれ以上の保護者を合わせておよそ合計500名の方がご参加くださり、学校の説明や模擬授業、寮の見学等で本校のことを知っていただきました。
本校の一押しポイントは「生徒」!
本校生は、生徒会や放送・映像文化部、寮生を中心に、司会や学校紹介、制服紹介、部活動紹介、寮案内、そして模擬授業の間の質問対応など、とても活躍してくれました。今年は、放送・映像文化部が作成した学校紹介と生徒会の作成した部活動紹介の2本の新作動画を公開しました。
次回の第2回オープン・ハイスクールは11月9日、普段の授業を見ていただくということで、授業見学や部活動見学、そしてDXルームのお披露目を行う予定です。
なお、以下の写真は順に総長挨拶、学校説明(制服紹介)、イングリッシュ・スピーチコンテスト代表スピーチ、模擬授業(附属の数学、古典への誘い、刀狩と現在へのつながり、社会科って本当は暗記科目ではないんですよ)です。
頑張っている本校の皆さんへのメッセージ(R6.8.15)
夏休み中の活動、進めているものと思います。
この時期の頑張りが、後で結果として表れてきます。そこで、とても暑い日が続いていますが、皆さんの未来に向けて、是非努力してみましょう。
先週まで、オリンピックでの日本選手の活躍がとても爽やかに連日届いていました。
沢山の言葉が選手たちから聞くことができました。その中で、女子マラソンの鈴木選手の言葉に、皆さんへのヒントになることがあるように思いました。
『初めてケニア選手、エチオピア選手たちのペースの変動を身をもって体感できました。・・・「自分の行けるところまで行こう」と決めて必死についていきました。』
これは、トップクラスの選手に混じったところで戦ってみないと、どのようなことが起こるのか「知ることもできない」ということを意味している、というように考えることができます。
本校は、大学附属学校でもあり、大学という場所で起こるいろいろな機会を疑似体験することができると思います。
そうではありますが、総長の経験からは、次のことが間違いなくあると思います。
それは、「優秀な大学というものは、大学自体やその先生たちが作っているのではなく、そこに集ってくる若い優秀な学生さんたちが作り上げているもの、なのです。」ということです。
優れた学生がいるからこその、優れた大学ということです。
自分と同世代にどのくらいの能力がある人たちがいるのかは、実際にそれを体感しないと分からないことが沢山あります。同じ教室で、同じ問題に取り組んで、同じ講義を一緒になって聞いてみて、初めて、「あぁー、そんな風に考えるものなんだ!」と気付くことがあります。こうしたことは、知ってみないと分からないというものなのです。
あの友人なら見つけ出すことが簡単にできた「気づき」が、では一体、どうやったら自分でも気付くことができるのだろうか、ということを考えてみる機会は、その瞬間に、同じ場所にいないと、体感すらできないものないのです。
そこで、皆さん附属の生徒さんたちには、敢えて強く、
「より高い水準の大学や大学院を目指してみよう!」
ということを伝えたいと考えています。
そのようにしたいと考える理由は、それができる人たちが集まっていることを、この学校に来てみたことで、総長の方も気づいたからなのです。
丁度、甲子園の全国高等学校野球選手権大会が続いているところです。
今年は、伝統校の中でも苦戦しているところが多くみられるように感じています。
順当に勝ち進んで、ということが必ずしも成り立たないその裏には、初出場や初勝利を目指す学校の生徒さんたちに、
「勝つためにはどうやったらいいのだろう」
ということを真剣に考える人たちがいる、ということを示しているのだと思います。
皆さんの目指す「勝利」や「成功」を、それぞれに目指してみましょう。
やってみたことは、後になって必ず意味や価値が分かってくるものなのです。
その経験を無駄にしない方法を考えながら、苦労している仲間たちを思い浮かべて、それを自らを奮い立たせる糧にしましょう。
夏休み後半から、新学期が始まるこの時期を、有意義に過ごしてみてください。
草部
兵庫県立大学 政策科学研究所を訪問しました(R6.7.29)
次年度実施予定のラボ訪問の試行として、兵庫県立大学神戸商科キャンパスの政策科学研究所を本校生徒の15名が訪問しました。
田中所長から政策科学研究所の概要についてお話を伺った後、特別に大澤先生による「経済発展と公害問題」というテーマのミニ講義を受講させていただきました。明治以降の鉱害と地域社会の対応の経緯について、資料と調査結果をもとに詳らかにしていく過程をお伺いすることで、社会問題と経済とを俯瞰して捉える政策科学研究所の視点の一端を垣間見ることができました。
その後は、大澤先生の研究室と研究所の図書館を見学させていただきました。研究室や図書館の本の多さ、特に専門書や資料の豊富さを目の当たりにして、生徒たちは興味深そうに話を聞いており、終了後には、政策科学研究所について知ることができて進路選択に非常に役立ったという感想を述べていました。
研究所の先生方、貴重なお時間を割いて生徒たちに貴重な経験をさせてくださり、ありがとうございました。
夏休み中学生茶会を訪問して(R6.7.28)
裏千家淡交会様と西播磨学校茶道連絡協議会様の御案内を頂き、7月28日に太子町にある あすかホール で催された夏休み中学校茶会を訪問させて頂きました。
この茶会は、姫路市、たつの市の4つの市立中学校と附属中学校から、それぞれの茶道部に参加している生徒さんたちが集まって、日頃のお稽古の成果を披露なさる、というものでした。
附属中学校の茶会時間が始められていたところで加わらせて頂いたにも関わらず、皆さんがとても暖かくお迎え下さり、有難くお茶を頂いて参りました。
この会の開催は、茶道裏千家と協議会に所属されている多くの先生方により支えられていることが分かりました。一般の方も含めて、参加なさった方々に、生徒さんたちがお点前を披露なさることは、晴れがましいことであると思います。
茶道部の皆さんには、おめでとうございます。
とても美味しいお茶をいただき有難うございました。
顧問の先生方、ご担当なさった皆様に、心より感謝申し上げます。
草部
兵庫県立大学 地域ケア開発研究所を訪問しました(R6.7.26)
次年度実施予定のラボ訪問の試行として、兵庫県立大学明石看護キャンパスの地域ケア開発研究所を本校生徒の5名(1年生4名と2年生1名)が訪問し、様々な看護分野の研究について教えていただきました。
参加者は少人数であったのにも拘わらず、4人の先生がミニ講義をしてくださいました。
内容は以下のとおりです。
・災害看護/WHOCCとしての取組み(増野園惠教授)
・将来起こり得る感染症パンデミックに備えて~エボラウイルス病の研究~(ムゼンボ・バシルア・アンドレ教授)
・デジタルヘルス:地域住民の健康増進への工学的アプローチ(本田順子教授)
・地域住民の健康データを用いた研究~転倒リスク計算フォームの開発~(林知里教授)
生徒は、最初、看護分野の研究についてあまりイメージできていないようでしたが、先生方のわかりやすく興味深い、また多彩な分野のご講義によって、知的好奇心が掻き立てられた様子でした。
また、災害時の段ボールベッドの作成をさせていただり、骨密度の測定、貧血のチェックも実際に測定者としての体験もさせていただいたりしました。
この1日は、生徒のみなさんがこれから進路選択をする上でも貴重な経験になりました。先生方ありがとうございました。
キャリフさん(R6.7.22)
ちょっと前のことになりますが、中高大連携にお詳しい中高大(なかたか だい)さんをお迎えして、高校1年生対象に高大連携のオリエンテーションを行っていただきました。
目的と目標の違い(大いなる目的と個別の目標)や、リフレクション(振り返り)を重ねながら前へ進んでいくことの大切さ(特に、他者が重要なことや自分の良い所を伸ばしていくこと)など、これから高大連携の授業や高校での学習を進めていくうえでの重要な視点についての話でした。
その時間には、1年生全員にキャリアとリフレクションのキャラクターである「キャリフさん」をオリジナルで作成してもらいました。とても素敵なものばかりで、(どれが良いとか正しいということはないのですが、)特にいくらか皆さんの考えを触発するようなものを紹介します。
リフレクションから、〇深掘りのリフレクション(振り返り)として虫眼鏡のキャラクター 〇リーフを連想した葉っぱのキャラクター(葉っぱには成長のイメージも重なります。) 〇様々な経験や知識を重ねていくキャラクター(本やコンピューターなど) 〇キャリアとリフレクションの音からキャベツとリーフというのもありました など
いかがでしょうか? まさに一人の考えではなく、皆さんそれぞれの想像力でキャリアとリフレクションのイメージが固定的ではなく、豊かで多様になりました。
さらに、成長のイメージについても図やことばで表してもらいました。これもなかなか素敵なので紹介します!
「成長とはどうなることが成長ですか?」
・できなかったことができるようになる ・間違いを知って直す ・自らチャレンジしようという精神が芽生えること ・自分の得意分野を活かしていくこと ・自分の役割を果たせたとき
・新しいことに挑戦して達成感を味わえた時
・自分だけではできない誰かと関わること
・友だちの幅が広がったとき(先輩、後輩とも)
高校生活は、山あり谷ありですが、その過程、成長もゴールも決して一つではありません。それぞれのありたい未来を豊かに創造して充実した高校生活を送ってほしいと私も(中高大さんも)願っています。
※ キャリア関連の行事等は、以下にリンクしています。⇒ 卒業生を囲む会、OB講演会
工学部訪問について(R6.7.19)
7月19日には、高校2年生の試行ラボ訪問の一環として、工学部の見学ツアーを
行いました。附属高等学校2年生の生徒31人が、姫路工学キャンパスを訪問して、
入試情報などの工学部によるご説明を受けたあと、学術情報館や各研究棟を
見学させて頂きました。
工学部広報委員の伊藤和宏先生による全体のご説明から始まり、工学部で活躍する
先輩方の姿を動画で拝見する機会を頂きました。工学部・工学研究科の先生方と
姫路工学キャンパス経営部学務課の鉢木様が、詳しくスケジューリングをして
下さったお蔭で、工学研究科3専攻の全てで、実際の研究室に入らせていただき、
研究の様子を見学させて頂きました。
この日の企画の最後には、先輩方との座談会が開催されました。
そこは、本校卒業生と高校生が車座で対話できる座談会であり、本当に盛り上がりました。
先輩と後輩の繋がりは、出身校と教鞭をとられる先生を同じくするもの同士のもので、
心の繋がりがすぐにできるようです。教育実習に来られていた先輩もいらっしゃいました。
この座談会では、先生の大学生としてのお顔を生徒たちが知る機会にもなったと思います。
武尾前総長もツアーにお見えになり、参加した生徒には工学部への愛着を
より感じた機会になったと思います。開催して頂いた、工学部・工学研究科の
先生方、大学院生・大学生の皆様、特に卒業生のお二方には、本当に有難うございました。
伊藤先生による工学部のご紹介
豊田先生による電子情報工学専攻研究室のご紹介
比嘉先生による機械工学専攻研究室のご紹介
充実した、忘れえぬ夏に向けて(R6.7.19)
7月19日の全校集会では、夏のイニシャルNにちなんで(こじつけて)、3つのNについて話をしました。
1つは『熱中症』の危険への備え、もう1つは『夏の学習』の学習リズムの大切さ、そして最後は『何』が上記2つの課題の助けになるのかという話で、図書館の良さを紹介しました。
暑さが厳しいことから、できるだけ短時間で簡潔に話すことをめざし(所要時間7分でした)、もう少し言いたかったことを端折りましたので、今後このホームページでときどき補っていきたいと思います。
ただ、私のメッセージでは基本的に自己管理の大切さを述べています。特に3年生は、この夏が充実した、忘れえぬ(N)日々になるために、睡眠、食事を十分にとり、ペースをしっかり保って学習に励んでください。