総長・校長室

2021年10月の記事一覧

兵庫教育大学との連携で大学院生の実習で協同研究(R3.10.29)

 本校は、兵庫県立大学と連携し様々な連携授業を実施しているが、今年度から教員養成の教育学部のある兵庫教育大学とも連携協定を結んで協同研究が実施できる体制にした。

 10月初旬から兵庫教育大学大学院の理数系教科マネージメントコースの大学院生を、附属中学校で6日間、附属高校で5日間の実習を受け入れた。

 研究テーマは、「体細胞分裂・減数分裂」で、細胞が分裂することをテーマに、いかに分裂の様子を観察実験で生徒に見やすくすることであった。

 10月29日(金)の実習最終日に、高校2年3,4組の生物選択の24人の生徒を対象に研究授業を行った。

 体細胞分裂については、1年生の理数生物の時間に習っているが、今回はネギの根端を用いて体細胞分裂を顕微鏡で観察し、分裂期の細胞を見つけてイラストを描く授業を行った。生徒は、熱心に顕微鏡を観察し、染色した分裂期の細胞を見つけては感動していた。

 分裂している細胞が圧倒的に少ないことから、分裂していない間期の時期に、DNA合成やタンパク質合成が行われていることを学んだ。

 細胞も分裂するのは短時間で多くの時間が合成に使われているのは、人間自身も最大限の力を発揮して頑張る為には、じっくりとエネルギーを貯める充電期間が必要であるのと同じであると感じた。生徒達には、時間のONーOFFをしっかりとけじめをつけた生活をし、いざ頑張るときには最大限の力を発揮できる学校生活を送って欲しいと願っている。

 本校の卒業生の中でも、教員を目指す生徒も多く、教育実習生として毎年母校に戻ってくる生徒がいる。それぞれ目指す進路は違うが、教育学部の大学に進学する生徒は、大学で専門知識を身につけて素晴らしい教員になって欲しい。また、機会があれば附属中学校や附属高校に戻ってきて後輩を育て母校のために貢献して欲しいと願っている。

                                   校長 小倉 裕史

 

 

 

 

 

 

 

高校3年生の大学推薦入試(国公立大学推薦・指定校推薦等)スタート ーやればできるー(R.3.10.25)

 高校3年生が、いよいよ大学の推薦入試にチャレンジする時期が来た。10月からすでに出願が始まっている大学もあるが、多くは11月1日から出願が始まる。

 国立大学では、大阪大学、神戸大学、岡山大学、大阪教育大学をはじめ、大学の様々な学部に10名余りの生徒が、特技や勉学を頑張ってきたことを武器にチャレンジすることとなる。

 公立大学は、兵庫県立大学の6学部への特別推薦制度での45名をはじめ、約50名の生徒が第1志望の大学にチャレンジする。

 私立大学の指定校推薦においても、早稲田大学、同志社大学、関西学院大学、関西大学など、理系、文系ともに目指すこととなる。また、私立大学に専願や併願で受験を目指す生徒もいる。

 私は、最近これらの推薦を受ける生徒について、校内の推薦委員会での説明を聞くだけでなく、担任教員が作成した調査書や推薦書を見る機会が多くなっている。担任教員が普段から生徒を温かく見守って熱心に関わっているかを知って感謝するとともに、私自身も生徒の頑張りを精一杯応援したいという気持ちで一杯になる。

 高校3学年団の教員だけでなく、多くの教員が生徒の面接練習に関わっているが、私も関わって昨年度も多くの生徒を送り出した。今年も、すでに面接練習に付き合った生徒もいるが、普段は直接関わる機会が少ないだけに、これまで頑張ってきた成果を、悔いなく発揮して欲しいと強く願う。

 先日、高校3年5組の生徒が、総長・校長室に訪れて一緒に写真を撮る機会があった。体育大会で総合優勝して頑張ったことを素晴らしかったと労いつつ、自分の進路に向けて精一杯頑張って欲しいと激励した。一緒に写真を撮っただけなのに、生徒の代表から気持ちのこもった感謝の思いを述べられて胸が熱くなった。高校3年生は、これからの時期は「自分との戦い」となる。他の高校3年生も含めて、自分の目標をしっかり持って、本校の校訓「創進」の精神を忘れず、最後まで諦めずに乗り越えて欲しいと願っている。高校3年生全員「やればできる」と、4月の鹿児島での研修旅行の時から言い続けてきた。最後まで粘りを見せて欲しい。

                               校長 小倉 裕史

 

 

附属中学校入学者説明会を実施(R3.10.23)

 10月23日(土)、附属中学校の「入学者選考に関する説明会」を本校「夢造館」で実施し、小学6年生で本校への入学希望をする約200家族が参加した。

 8月の学校説明会に来た人も多く、三密を防ぐために、9時~、11時~、14時~の3部構成での実施をした。

 八重総長から、校訓「創進」についてと附属中学校が数学・理科甲子園ジュニアで準優勝して全国大会出場を果たすなど理数教育に力を入れて県立大学と連携していることなどを伝えるあいさつの後、学校紹介ビデオを上映し、本校の概要と入学者選考について安西教頭から詳しく説明した。生徒募集要項に加えて願書、調査書や志願理由書も配布して書き方についての注意点も説明し、小学生の児童と保護者がうなずきながら熱心に聞いていた。

 入試に関することや、これからの勉強の仕方、将来の進む進路など、活発な質問も多くあった。

 私からの閉会あいさつでは、残りの小学校生活を楽しむとともに、日々の学校での勉強を大切にして頑張ってほしいことを伝えた。今日、10月23日は、「化学の日」「電信電話の日」であり、高校の化学で学ぶアボガドロ数である6.02×10の23乗にちなんで、午前6時2分から午後6時2分が「モルの日」であることを紹介し、今日が理数教育に力を入れている本校にふさわしい日であることを付け加えた。

 来年度から中学生も本格入寮が可能になることから、38家族が寄宿舎「黎明寮」の見学を行った。附属高校の寮生が丁寧に説明し、中学生の居室や新しく完成した学習室を見てもらった。

 今日参加した小学生が、附属中学校の入学試験を受けて、本校に入学して目標を持って頑張って欲しいと強く願っている。

 今日の入学説明会に参加していない人で、附属中学校の受験を希望する人は、12月3日までに出願書類を請求することになっていますので、附属中学校までお問い合わせください。

                                    校長 小倉 裕史

 

 

中高合同の体育大会を開催(R3.10.6)

 10月6日(水)、附属中学校と附属高校合同の体育大会が実施された。感染症対策により、規模を縮小しての午前中のみで無観客での開催となったが、中高が一堂に集まってできる最大の行事で、生徒たちの懸命に頑張る姿に感動した。

 開会式で、高校の吉本葉大生徒会長が、「オリンピックは平和の祭典、パラリンピックは人間の可能性の祭典、この体育大会は万翔の祭典と名付けて、はばたいて進化する大会にしたい。」と語ってくれました。

 合同体操の後の大縄跳びでは、クラスが団結して息を合わせて諦めずに最後まで飛び続ける姿、綱引きでは声を掛け合って必死に引っ張っている姿に、全力で頑張る生徒の姿を素晴らしいと感じた。

 中学校演技では、中学校生徒会執行部が夏休み前から準備を始め、集団行動では2列から5列になったり、ひし形を形づくったり難しい行動を披露した。また、ピンクと緑の手袋をはいて音楽に合わせた可愛いダンスを披露した。

 バラエティーリレーでは、高校執行部が中心に準備して、サッカーボール3個とテニスボール1個をラケットで挟んで運んだり、ほこりまみれでタイヤを押したり、借り物競争をしたり、工夫を凝らした競技が続き、クラスが団結して頑張っていた。準備体操をして出番を待っていましたが、くじが当たらず私の出番がなかったのは残念でしたが。

 女子4×100mリレー、男子4×200mリレー、男女混合リレーでは、それぞれぶっちぎりで走った生徒もいたが、大きな差がついても最後まであきらめずに走っている姿に、「がんばれー」とテント席から熱く応援した。

 閉会式の前の集計の時間に、高校教員3チーム、中学校教員2チームを急遽結成して、400mリレーを行った。テント席から生徒が熱く応援する姿に、生徒と教員の結びつきの強さも感じた。大いに盛り上がって良かったと思う。

 素晴らしい結果のクラスも残念な結果のクラスもあったが、最後まであきらめずに頑張っている姿、それを応援している仲間の姿、自分のクラスの生徒を必死に応援している担任教員の姿、どれも感動する素晴らしい光景でした。

 総長・校長の連名での表彰状を受け取った、クラス代表の輝いたまなざしと充実感に満ちた表情に熱い思いを感じた。私が生徒たちの頑張りを見て感じたことを各競技ごとに最後の講評で伝えたが、大きなケガもなく終わり、本当に言い尽くせないくらいに実施できてよかったと思います。

 早くから準備をした中高の生徒会執行部の皆さん、進行のアナウンスを頑張った放送・映像文化部の皆さん、スターターをしてくれた陸上部の皆さん、本当にお疲れさまでした。

 解散後に、各学年での集合写真やクラス写真を記念撮影していたが、生徒たちの心に残る1日になってくれればありがたい。中高一貫校として、さらに飛躍して、校訓「創進」の精神で今後も頑張って欲しいと願う。

 無観客となった中、県立大学からモバイルルーターを借りて急遽Web配信することになったが、120名あまりの保護者に見て頂いた。急な連絡でWeb配信も見られなかった保護者の皆様も多かったと思いますし、生徒たちの頑張った姿を直接見て頂けなかったことを申し訳なく思います。コロナ禍で今後もご心配等をおかけすることもあるかとは思いますが、引き続き本校に対するご支援をよろしくお願いします。

 総合順位 優勝 高校3年5組、準優勝 高校2年4組、3位 高校2年3組

                            校長 小倉 裕史

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

寄宿舎「黎明寮」で県立大学学生を講師とするアフタースクールゼミが開始(R3.10.4)

 後期の始まった10月4日(月)、寄宿舎「黎明遼」に設置された学習室でアフタースクールゼミが始まった。

 同じ「黎明寮」に住んでいる兵庫県立大学理学部の学生を講師に招いて、生徒が問題集を説いて解らないところを質問する寺子屋形式で実施し、学習習慣の確立と学力向上を図ることを目標としている。

 月曜日は理科(物理・化学・生物)、火曜日は数学、水曜日は英語と、各教科週1回20時30分から22時までの90分間実施する。12月末までに各教科10回ずつ実施することとなる。(祝日等で実施できない場合は、木曜日が予備日)

 初日の今日は理科を実施し、講師の学生全員が自己紹介をして生徒の出席を取ってスタートした。最初は、生徒も講師の学生も緊張して質問する生徒が少なかったが、だんだんと慣れてどんどん質問をするようになり、参加した17人の附属高校生が熱心に取り組んだ。

 講師の学生は、設置されたホワイトボードを使って解説したり、隣で熱心にヒントや重要なポイントを教えながら理解させる状況で丁寧に対応していた。あっという間に90分が過ぎて、22時の終了時間がきても、まだ何人も手を上げて質問をしているといった状況であった。

 終了後に生徒に感想を聞くと、「学校の授業でわかならかったところが、よくわかった。」「最初は緊張したけれどだんだん慣れてきて、わかるように丁寧に説明してもらって良かった。」「学習室の雰囲気が良く、これからも頑張れるような気がする。」「アフタースクールゼミで引き続き頑張りたい。」など、受講してよかったという感想ばかりであった。

 講師の学生に聞くと、「高校生がそのように思ってくれるのは大変嬉しい。」「教え甲斐がある。」などと好印象であった。同じ寮でも普段は交流のない兵庫県立大学の学生と高校生が別の形で高大連携が実現していると感じた。

 今回は3教科で延べ66人(実人数37人)の高校生がアフタースクールゼミに登録して、今年度中は試行でのスタートであるが、来年度からは、中学生の本格入寮も始まり、アフタースクールゼミを通して中高大連携が実現し、黎明寮がさらに素晴らしい寮になることを、大変楽しみに思っている。

 今回設置した、別の個別学習室でも、今年度から試行で入寮している附属中学生5人をはじめ、附属高校生が熱心に自主学習に取り組んでいた。

 アフタースクールゼミが定着して、寮生にとって魅力ある取り組みとして活用し、新設した学習室が生徒の頑張りを後押しできることを願っている。

                              校長 小倉 裕史

 

 

 

 

 

 

 

後期始業式ーノーベル賞を目指す高い志を期待、毎日が重要な時間で困難を乗り越えてこそ光ありー(総長式辞・校長挨拶から)(R3.10.4)

 10月4日(月)、4日間の秋季休業を終え、中高合同で後期始業式が行われた。三密を防ぐために、放送によって実施しました。

 総長式辞では、ノーベル賞の話を通じて、附属学校の校訓「創進」【創造と進歩の人たれ】を実践し、「ノーベル賞を目指す」高い志を期待しており、自覚と責任については話して頂きました。また、校長挨拶では、ラジオ番組を生徒に聞いてもらい、命の大切さと、志を高く持ち、毎日毎日が意味ある重要な時間であること、困難を乗り越えて光があることなどを伝えました。(詳細は後に記載)

 始業式のあと、10月から着任された、北川友紀先生の着任式を行いました。

 生徒一人一人が、新たな気持ちでスタートを切って、頑張って欲しいと願っています。

                              校長 小倉 裕史

 

 

 

 

 

 

 総長式辞

 短い秋休みでしたが、前期を振り返って、後期への思いを新たにすることができたでしょうか。模擬試験でそれどころではなかったという学年もありそうですが、区切りをつけて新たな気持ちで後期をスタートさせましょう。

 さて、附属学校にとってはあさっての体育大会が重要な行事ですが、学術の世界ではノーベル賞の発表に関心が集まっています。120年の伝統がある国際賞であるノーベル賞の注目度がとても高いことはご存知の通りです。今日10月4日は「医学・生理学賞」、明日は「物理学賞」、あさっては「化学賞」と、来週月曜の「経済学賞」まで続きます。これまでに、経済学賞を除く、5つの分野で日本人あるいは日本で生まれた人、27人が受賞しています。

 わたくしにとっては、化学に進もうと決めた高校生の時に福井謙一先生が日本で初めて化学賞を受賞されたことが印象に残っています。また、一昨年受賞の吉野彰博士は、同じ電気化学分野の方で、直接その人となりを存じ上げていましたので受賞された時には大変うれしく思いました。

 現在の日本には、たくさんのノーベル賞受賞者がいて、身近に感じたり、日本語で講演を聞いたり、文章を読んだりすることができます。母語、すなわちnativeな言語で直接に触れられることは素晴らしいことです。皆さんも、今年の受賞に関心を持ってください。そして、今年28人目があればうれしいですが、30名近くの日本の受賞者の文章を読んだり、機会があれば講演を聞いたりして刺激を受けてください。ノーベル賞の対象は「人類のために、最大の貢献をした人」です。それは、附属学校の校訓「創進」【創造と進歩の人たれ】を実践した人でもあります。皆さんの中に「ノーベル賞を目指す」といった高い志を抱いている人がいることを期待しております。

 最後に、終業式でお話しした「自覚と責任」を覚えてくださっていますか?コロナ対策は、高い意識、すなわち自覚を持って継続することが重要です。そのためには、繰り返し、注意を喚起する必要があります。聞き流すのではなく、もう一度、皆さん方、一人ひとりの「自覚と責任」を確認してください。

                            附属学校総長 八重 真治

 校長挨拶

 今日から後期が始まります。新たな気持ちでスタートを切って欲しいと願っています。さて、今日は皆さんに、高校生の作成したラジオ番組を聞いて欲しいと思います。

 この作品は、私が17年前に県立龍野高等学校で放送部の顧問をしていた時に、生徒と一緒に作ったラジオドキュメントの「いちばん星」という作品です。

 内容は、当時高校1年生であった生徒が、生徒会執行部に所属して、将来は外交官になりたいという夢を持って頑張っている生徒に、放送室でインタビューしたことから始まります。しかし、インタビューした2日後に、マラソン大会の練習中に心臓発作を起こし亡くなりました。彼のインタビューで残した言葉を、葛藤しながらも残したいと思って作成した作品です。

 7分間、静かにお聞きください。(ラジオ番組 「いちばん星」)

 この作品は、NHK杯の全国大会のラジオドキュメント部門で全国優勝した作品となりました。彼とは2年生になったら、放送部に入って全国大会を目指そうと約束していました。直接一緒に行けませんでしたが、彼の思いや残した言葉を作品にして、紅白歌合戦の会場でもあるNHKホールの決勝の舞台に一緒に来れて、たくさんの人に聞いてもらうことができたという思いで、当時涙があふれたのを忘れません。

 生きていれば、もう33歳になっているはずですが、17年たった今でもこの作品を聞くたびに、お母さんの思いや、彼が残した「志を高く持つ」「みんな違ってみんないい」「毎日毎日が意味ある重要な時間だと思います」の言葉を思い返します。彼が果たせなかった分も、自分が頑張らなくてはと改めて思います。当時の生徒たちも同じ思いかもしれません。皆さんが、命の大切さを実感し、今しかできないことを精一杯頑張って、一人一人の「いちばん星」を輝かせて欲しいと思います。

 「難の難 乗り越えてこそ 光あり」難しいことも、やる前から諦めている人はありませんか?精一杯、難しくても、それを乗り越えてこそ光が見えるのです。

 黎明寮では、今日からアフタースクールゼミが始まります。しっかりと頑張ってください。明後日の体育大会に向けて、中高共に生徒会執行部を初め皆さんが頑張って準備をしてくれています。体調管理に気を付けて運動不足の人は、準備をしっかりして明後日を迎えてください。楽しみにしています。

                      附属高等学校長兼附属中学校長 小倉 裕史