学年・専門部

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人と自然科 ひとはく連携セミナー2回目 生物の「種」について学ぶ

 5月31日(金)人と自然科1年生学校設定科目「人と自然」の授業で、今年度第2回目となる「ひとはく連携セミナー」を行いました。

 R6入学生人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 有馬高校人と自然科と県立人と自然の博物館の間では生徒のセミナー受講について協定を結んでおり、年間8回、県立人と自然の博物館を訪れ、博物館の専門員から、各分野のユニークかつ専門的な講義を直接受講することができます。第2回目の講義は太田 英利研究員から「生物の「種」について」をテーマに講義をいただきました。

  まずは「種類」と「種」の違いについて皆さんはわかりますか?英語で言うと「種類」は「kind」、「種」は「species」となり、地球上に生きている個体の集合体を「種」といっています。種の定義としてよく使われるのが「生物学的概念」と「類型学的概念」で、簡単に言うと「生物学的概念」は生殖の可否で分類し、集合体を作る考え方で、「類型学的概念」は姿・形で分類し集合体を作る考え方です。 

  しかし姿・形は生き物が住んでいる環境によって異なってくる可能性も高く、確実性に疑問がもたれることもあります。そこで新しい考え方として出てきたのが「遺伝子に基づく類縁関係」で分類する方法です。実際にDNAの配列を参考に分類していきます。「遺伝子に基づく類縁関係」が発揮された一つの例として、アオカナヘビの例を教えていただきました。

  沖縄県の宮古諸島と沖縄諸島に生息しているアオカナヘビ。見た目がほぼ同じことから1990年代まで同じ種と考えられていました。しかし詳しくDNAの解析をしてみると姿かたちがよく似た全く別の「種」ということが分かり、1996年に宮古諸島に生息していたアオカナヘビがミヤコカナヘビに改名されたのだそうです。面白い事例ですね。

 同じようにワニ・カメ・ムカシトカゲ・トカゲ・ヘビは爬虫類の仲間ですが、DNA解析を行ったところ、ワニとカメは鳥に近い、特にワニは極めて鳥に近いということが分かったとのことです。生き物の世界もまだまだ新しい発見がたくさんありますね。生徒は一所懸命にメモをとりながら聞いていました。太田先生、興味深いお話をありがとうございました。

 次回の「ひとはく連携セミナー」は高橋 鉄美研究員より『タガニイカ湖での調査』というテーマで、世界に生息する固有種について学びます。楽しみですね。

人と自然科 農業クラブ活動として三田市消防本部の花壇装飾活動実施

 人と自然科のように高校で農業を学ぶ生徒は全員、生徒会に加え農業クラブという組織に所属します。そして日ごろ授業や実習で学んだ知識や技術を自分のものにするため、様々なボランティア活動に取り組んだり、全国の農業高校生と知識や技術を競い合う競技会に挑戦したりしています。

 最近のボランティア活動 でんスポアドベンチャーフェスタにて苗販売&アレンジ体験実施しましたに関する記事はこちら

 最近行われた知識を競い合う競技会 農業クラブ農業鑑定競技会校内予選会に関する記事はこちら

 そして5月30日(木)農業クラブ本部役員ならびに有志の生徒9名が三田市消防本部を訪れ、花壇装飾活動を行いました。この日に向けて代表の生徒が事前に、冬に植栽したパンジーやビオラの片付けを行い、基肥(お花を定植する前に施す肥料)を混ぜ込み、耕うんを行うなど準備を行っていました。

 植え付け当日、マリーゴールド、ペチュニア、ベゴニア、サルビアなどの花苗約400鉢を持参し、自分たちでデザインを考え植栽します。ちなみに有馬高校農業クラブが植栽を担当しているスペースは、道路に面した花壇と、庁舎の入り口右側にある2か所の花壇です。

 

 今回は男子チームと女子チームに分かれてデザインしました。相談しながら花壇の配植を検討し、苗をおいていきます。

 まずは男子チーム。中央にマリーゴールドとペチュニアでラインを作り、淡い色のベゴニアで挟むデザインのようです。

 

 一方の女子チーム。中央に背の高いサルビアを配置し、周囲を背の低い花苗で囲むという高低差を活かしたデザインのようです。

 

 そしてデザインが完成したらみんなで一斉に植えています。途中署員の方がたくさん覗いてくださり、「いつもありがとうございます」「とてもきれいですね」とうれしい声をたくさん掛けていただきました。

 最後にたっぷり潅水(かんすい)して約1時間で終了です。

 完成した花壇はこちら。

 最後にみんなで記念写真。

 完成を知った署員の皆さんが見に来てくださり、一緒に写真を撮りました。かっこいい消防士の皆さんに囲まれて緊張しましたね。

 

 三田市消防本部前を通る際は、是非ご覧下さい。

人と自然科 令和6年度第1回先輩農業者特別授業を行いました

 5月29日(水)人と自然科3年生の生徒を対象に、先輩農業者特別授業が開催されました。先輩農業者特別授業は阪神農業改良普及センター様にサポートいただき、実際に地域で活躍されておられる農業者の方を招いて生の声を聴くことで、就農、進学への意識を高めることを目標に行われています。

 

 人と自然科を卒業していく生徒は、保育や芸術、経済など様々な分野に進学、そして製造業やサービス業など幅広い職種に就職していきますが、もちろん農業を学ぶ学科ということで、就農や関連産業への就職を目標としている生徒が一定数います。そのような生徒は農学系の国公立大学、私立大学、県立農業大学校、専門学校へ進学した後、就農や関連産業への就職を果たす生徒が多いようです。

R5人と自然科卒業生進路実績はこちら.pdf

それ以前の人と自然科卒業生の進路実績をご覧になりたい方はこちらページ(学科概要)内のリンクをご覧ください

 この先輩農業者特別授業は、就農や関連産業への就職を目指す生徒を後押しすることはもちろん、経営者でもある先輩農業者の話は他の分野へ進む生徒にとっても有益な情報をたくさん得ることができる絶好の機会となっています。

 

 今回お話をいただいた小仲さんは、県内の農業高校を卒業後、東京にあった農業者大学校へ進学。卒業後平成8年に、ウメとクリを栽培する『湖梅園』の4代目として就農されました。現在はクリ7.5ha、ウメ1.6haを栽培されており、特に小仲さんが栽培されるクリは日本中の料理人から高い評価を得ており、『令和天皇即位の礼』の晩餐会デザートでも使用され、世界中の国賓が小仲さんのクリを口にされたそうです。世界中の有名人に自分が栽培したクリを食べてもらいたいという夢の一つが叶った瞬間だったと誇らしげに話しておられました。

 

 小仲さんのこだわりは土づくり。『畑で出たものは畑に帰す』という思いから自作の堆肥舎を建て、三田牛の牛糞を近隣の牧場から分けていただき、クリのイガや剪定枝など通常廃棄の対象となるものも、混ぜ合わせ自家製完熟堆肥を作り、畑に戻しているとのことでした。 さらに持続可能な農業経営を目指し、樹高を低くする低樹高栽培や果樹栽培ではなかなか取り組みにくい機械化を積極的に進めており、乗用草刈機や乗用防除機(スピードスプレーヤー)、ウッドチッパーなど積極的に導入されているとのことでした。

 

 後半は自身の高校時代、大学校時代、就農直後、そして後継者が戻ってきて一緒に経営している現在を振り返り

『大学校時代で得たものは人とのつながり。今でもそのつながりを経営に生かしている』

『農業経営で大切なことの一つが情報を得ること。天候や社会情勢が原因で経営が予定通りいかないことがあるがそれが農業。情報を得て早く対応することが大切』

 

など日々感じることを直球で伝えていただき、最後に高校生へのメッセージとして

『私も含め今の農業者が皆さんにかなわないもの。それは若さ、価値観、感性の3つ。新しい価値観、感性とパワーで、今の農業を変えていってください。応援しています。』と激励いただきました。

 小仲さんの言葉の一つ一つに、仕事に対するプライドやこだわりが感じられましたね。質問も積極的にでてきたところからも、たくさんのヒントを得ることができたのではないでしょうか。この特別授業を糧に、いよいよ進路実現に向け頑張っていきましょう。

 

 小仲さん、熱い話を本当にありがとうございました。そしてご支援いただきました阪神農業改良普及センター様、このような機会をいただきありがとうございました。

人と自然科「クラインガルテン」③スイートコーンの追肥、トマトの誘引

前日までの大雨から一転、気持ちのいい晴れの天気です。

2週間前に植え付けしたスイートコーンも大きくなってきました。

今日は「追肥」・「中耕」・「土寄せ」をしました。

「追肥」は生育に合わせて途中で施す肥料のことです。

「中耕」は土の表面を軽く耕すことで、通気性や水の通りが良くなり除草もできます。

「土寄せ」は株元に土を寄せることで風などで倒れるのを防ぐ効果があります。

まずは肥料についての説明です。窒素・リン・カリウムが三大要素で植物の

生育には欠かすことができない要素です。

受講生の方と生徒が協力して実習を進めていきます。

次は担当区域の誘引です。前回の追肥の効果が現れて成長スピードも早く

なってきました。誘引する道具(テープナー)を使い誘引をしていきます。

生徒たちは慣れた手つきで受講生の方と誘引実習を進めていきました。

足元の悪い中での実習でしたが、皆さんお疲れ様でした。

 

人と自然科 野菜班 収穫の春です

3年野菜班の実習も軌道にのってきました。

トマトのえき芽取り、ナス・キュウリの誘引、キュウリの収穫とすることは

たくさんあります。野菜の成長に合わせて生徒の技術力も成長しています。

次にジャガイモの収穫です。有馬高校では、「キタアカリ」・

「メークイン」・「ポロシリ」を栽培しています。

本当はジャガイモ自体を大きくするためには花を摘み取ります。学校では

授業で「科」の分類で使用するために少し残しています。

ジャガイモと同じ「科」はトマトやナスです。色は違いますが

花の形は同じです。

皆さん、いい笑顔です。たくさん収穫することができました。