塔陵健児のひとりごと

塔陵健児のひとりごと~佐用高校からのお知らせ~

続ける力が、教室をつくる

2・3年生のみなさん。
去年の今ごろ、覚えていますか?

あの夜、学年の先生方が
遅くまで残って教室を大掃除してくれた日のことを。

机を動かし、窓を磨き、床を拭き、
黒板の端の端まで丁寧に掃除して――
あの日、教室は“新品みたい”になりました。

その姿を見て、掃除の手順も変わり、
みんなも丁寧に掃除をするようになりましたね。
そして今年の春、全校生が心を合わせて
毎日の清掃に取り組むようになり、
校舎は見違えるほどきれいになりました。

でも――今はどうでしょう。

最近、廊下にゴミが落ちていませんか?
教室の机はズレたままではありませんか?
黒板には消し残し、チョーク受けには粉が積もり…
気づけば、少しずつ、あの日の輝きが薄れてきています。

汚れるのは一瞬。
きれいを保つのは毎日の積み重ね。

努力は、続けなければすぐに元に戻ってしまいます。
でも逆にいえば、
“今日の5分”“今のひと拭き”の積み重ねが
また教室をきれいに取り戻してくれるということです。

きれいな教室は、
自分たちが気持ちよく過ごすための場所。
未来の1年生が「ここに来たい」と思える場所。

その環境をつくれるのは――
ほかでもない あなたたち自身 です。

明日から、また一緒に頑張りましょう。
ほんの少しの丁寧さで、教室は確実に変わります。

あの日のきれいを、みんなの手で取り戻そう。

 

 

一週間前のおいしかったお話 ~収穫感謝試食会~

令和7年11月10日、水曜日。
ちょっと前のことだけれど、思い出しただけでお腹が鳴る——
そんな“おいしい時間”が、佐用高校でひっそりと行われました。


① 農業科学科1~3年生、総力戦!
畑を耕し、苗を植え、水をやり…
農業科学科の1〜3年生が丹精込めて育てた作物たち。
それらがついに“食卓”という舞台へ。


② 自家産ジャガイモ・タマネギ・お米
今年も立派に育ちました。
ホクホクのジャガイモ、甘みのあるタマネギ、
そして炊き上がりにつやつや光る佐用高校のお米。

“大地の力”って、本当にすごい。


③ 命をいただくということ
さらに、学校で育てた鶏。
丁寧に管理し、責任をもって見届けた命。
その命をいただいて、スープになり、うま味になり、
私たちの体をつくるエネルギーになりました。


④ 今年も主役は…カレーライス!
香りが廊下まで広がって、
誰かが「給食の匂いがする!」と言っていたほど。


⑤ 隠し味は“トマト”と“鶏白湯”
このひと手間が、深みを増す決め手。
さっぱりとした酸味と、じんわり響くコク。
スプーンですくうたびに、
「おいしい!」が心の中で広がります。


⑥ 命に感謝し、いただきます
土からの恵み、育ててくれた人の手間、
そして食材の命。

そのすべてが一皿に集まった“収穫感謝試食会”。

一週間経っても、まだ胸と胃袋がほっこりする、
そんな時間でした。

今日も忘れずに、
「いただきます」
心を込めて。

 

 

校内防災食コンテスト、白熱の一日!

「もしもの時に、私たちは何ができるのか?」
その問いに、家政科の生徒たちが“食”で挑んだ 校内防災食コンテスト が開催されました。


① 災害時でも作れるアイデア満載の“防災食”
テーマは“少ない水・少ない道具で作れる、栄養のある食事”。
缶詰アレンジ、火を使わないメニューなど、チームごとに工夫が光ります。
限られた条件の中で生まれる料理ほど、意外とおいしいんです。


② 審査員は佐用高校にかかわるオールスターズ!
地域の方、先生方…
多くの方に審査員として来ていただきました。
みなさん真剣に味わい、丁寧にコメントをくださり、生徒もやりがいMAX!


③ 佐用チャンネルの取材にド緊張!?
テレビカメラが入ると、普段の手の動きがちょっとぎこちなくなるのは人間のサガ…。
それでも、
「はい、笑顔くださーい!」
の声に、しっかり笑顔で応えた生徒たち。
放送が楽しみですね!


④ 結果発表は20日!ドキドキは続く…
全部のメニューが“非常時に支えになる食”ばかり。
さぁ、栄冠はどのチームに輝くのか…!?
結果発表の20日をお楽しみに!


災害は「いつか」じゃなく「いつでも」。
今日の経験が、誰かの命を支える一皿につながりますように。

生徒のみなさん、本当にお疲れさまでした!

 

主のいないスリッパたち 〜あの足の香りさえ恋しい〜

今日のお昼の昇降口。
1年1組の下駄箱だけが今日は妙に静かでした。

そう、インフルエンザ蔓延のため
本日から5日間の学級閉鎖。

棚を見れば、主のいなくなったスリッパたちが
ぽつん…と並んでいる。

普段は
「ちょっと!また左右逆に入れてる!」とか
「その履き方で廊下走るから音すごいねん!」とか
ツッコミどころ満載のスリッパたち。

それが今日ばかりは
どこか寂しそうで、しょんぼり見える。

──あの、
~なんとも言えない“思春期の足のかほり”~でさえ、
ないとそれはそれで寂しいもんです。
(いや、普段は全力で消臭したいんですけどね!?)

いつものにぎやかな足音が、
また早く戻ってきますように。

季節の変わり目、皆さんも気をつけて。
手洗い・うがい・換気・マスク。

そして何より、
元気で学校に来てくれることが一番です。

また、スリッパたちが“あの香り”に包まれる日を(?)
心待ちにしています。

灯油燃焼型火鉢

吾輩はストーブである。名前はまだ無い。

どこで生まれたか、とんと見当がつかぬが、気がつけばこの教室の片隅に置かれていた。
毎年、冬が顔をのぞかせるころになると、誰かが吾輩のスイッチを押しにやって来る。
それが、吾輩の「今年も出番だぞ」という合図である。

ぽうっと灯がともり、芯が赤く染まっていくと、不思議と周りがそわそわし始める。
寒さで縮こまっていた学生たちの肩がほぐれ、
「ストーブ神!」などとつぶやく声が吾輩の金網を揺らす。

吾輩は、ただ温めるだけの存在である。
だが、温かさとは不思議なもので、人の心までほどいてしまうらしい。
試験前のピリピリした空気も、吾輩が灯れば少しばかり丸くなる。
学生たちの手は、吾輩の前で自然と伸び、凍えた指先に命が戻る。

ときどき、「あつっ!」と叫ばれるのは少し心外であるが、
それもまた、吾輩の役目を果たしている証と心得ている。

しかし、吾輩にも悩みはある。
「換気してくださーい!」という声が上がるたび、
窓が開けられ、せっかく満たした温もりが逃げてしまうのだ。
まことに遺憾である。
だが、これも安全のためならば仕方がない、と吾輩は寛大である。

春が来れば、吾輩はまた静かに片付けられる。
倉庫の奥で一年のほとんどを眠る身だが、
それでも人々の冬のひとときを支えられるのなら、本望である。

吾輩の願いはただひとつ。
この冬も、
そなたらが元気に過ごせるよう、黙って、ひとしく、温め続けたいのだ。

——吾輩はストーブである。今日もまた、誇り高く燃えている。

 来週からストーブ使用開始です(^O^)/