学校経営方針

令和7年度 兵庫県立佐用高等学校「学校経営の重点」

 

1 学校経営の重点

(1) 基本方針

<スクールミッション>

 校訓「自主独立 敬愛協力 創造工夫」の理念のもと、「進取の人となろう 善意の人となろう 知性の人となろう」の精神で自立して未来に挑戦する態度をもち志を抱いて地域社会や国際社会に貢献できる力を備え、グローバルな視野とローカルな視点をもったグローカルの理念を実現できる人材を育成する。

<スクールポリシー(三つの方針)>

◇普通科

【育成をめざす資質・能力に関する方針(グラデュエーション・ポリシー)】
① ふるさとを愛し、国際的視野をもって地域社会に貢献するグローカルな生徒を育成する。
② 主体的に学び、意欲的に知識及び技能を習得することができる生徒を育成する。
③ 他者に対して思いやりの心をもち、切磋琢磨しながら協同できる生徒を育成する。
④ 自ら課題を発見し主体的かつ協同的に解決することができる生徒を育成する。
⑤ 未来に向かってたくましく挑戦し続けることのできる、自立した生徒を育成する。
 

【教育課程の編成及び実施に関する方針(カリキュラム・ポリシー)】
① 個々の理解を深めるため、少人数授業による学びを展開する。
② 生徒の幅広い進路目標を実現するため、きめ細やかな指導を行うとともに多様な選択科目による学びを展開する。
③ 総合的な探究の時間において、地域の理解と課題解決に取り組み、地域と協働した学びを展開する。
④ タブレット端末を授業で活用することにより、個人の能力に応じた主体的な学びを展開する。
⑤ 視野を広げ、進路意識を高めるため、大学教授による特別授業や、多岐にわたる進路ガイダンスによる学びを展開する。
 

【入学者の受入れに関する方針(アドミッション・ポリシー)】
① 自ら進んで勉学に励み、学力の向上を目指す生徒を募集する。
② 学校での様々な活動に積極的に取り組む意欲をもち、学校や社会の規範を守って日常生活を送ることができる生徒を募集する。
③ 地域課題に関心をもち、未来に向かって挑戦し続けることができる生徒を募集する。
 

◇農業科学科

【育成をめざす資質・能力に関する方針(グラデュエーション・ポリシー)】
① 専門的知識や技術をもち、地域農業のリーダーとなる生徒を育成する。
② グローカルな視野、視点をもって積極的に社会に参画できる生徒を育成する。
③ 仲間と協力しながら、社会、地域の問題解決に取り組むことができる生徒を育成する。
④ 自己を高めるため、様々なことに挑戦できる生徒を育成する。
⑤ 他者に思いやりの心をもち、社会に貢献できる生徒を育成する。

 

【教育課程の編成及び実施に関する方針(カリキュラム・ポリシー)】
① 実験・実習を充実させ、ICT 機器を活用した実践的な技能が修得できる学びを展開する。
② 学校、地域との連携活動による協働力とコミュニケーション能力を高める学びを展開する。
③ 地域の伝統文化や地域資源等を活用し、地域に根差した専門的な学びを展開する。
④ 進路実現に向けて各種資格を取得するとともに、課題を発見し解決する能力を高める学びを展開する。
⑤ 就業体験や外部講師による授業をもとに視野を広げ、専門的な知識を高める学びを展開する。

【入学者の受入れに関する方針(アドミッション・ポリシー)】
① 作物の栽培や家畜の飼育に興味関心があり、農業を学ぶ意欲をもった生徒を募集する。
② 互いの立場を理解し、思いやりの心をもって協力することのできる生徒を募集する。
③ 夢や志の実現に向けて、前向きに取り組むことのできる生徒を募集する。
 

◇家政科

【育成をめざす資質・能力に関する方針(グラデュエーション・ポリシー)】

① 専門的な知識と技術を習得し、生活産業分野の高い資質をもった生徒を育成する。
② 生活の質の向上と社会の発展を担うプロフェッショナル人材を育成する。
③ 地域や生活に関する多様な課題に対応できる課題解決力をもった生徒を育成する。
④ 将来の進路実現に向けて努力し、自らの生き方をデザインする力を持った生徒を育成する。
⑤ 地域協働活動を通じて、コミュニケーション能力が高いグローカル人材を育成する。
 

【教育課程の編成及び実施に関する方針(カリキュラム・ポリシー)】

① 専門科目における実習などを通じて、体験的で深い学びを展開する。
② 自ら考え主体的に学ぶ姿勢を重視し、生活の質向上を目指す学びを展開する。
③ 生活や地域に関する課題発見・解決に向けた探究的な学びを展開する。
④ 進路実現に向けて、専門性を高めることができる学びを展開する。
⑤ 産官学で共同のもと、地域と協働し、国際的な視野をもった学びを展開する。
 

【入学者の受入れに関する方針(アドミッション・ポリシー)】

① 家庭に関する専門科目に対して意欲的に学ぶ姿勢がある生徒を募集する。
② 勤勉に学習に取り組み、真摯に学校生活を送り、規範意識のある生徒を募集する。
③ 志を高くもち、進路実現に向けて努力ができる生徒を募集する。
 

(2) 教育目標

ア 様々な体験教育を通して豊かな心の醸成を図り、課題を解決していく実践力の開発と向上に取り組む。

 (ア) 県立高校雄ふるさと共創プロジェクト等への取組を重視し、資格取得及び関連の進路実現を図るとともに、将来のスペシャリストの育成を行なう。

 (イ) 防災教育を通して、助け合い支え合う共生の心と道徳性を養うとともに、課題を発見し、主体的に取り組んでいく姿勢を育成する。

 (ウ) 学校行事や部活動の充実を図り、リーダーシップやフォロワーシップなどの道徳性を高め、マナーやルールの遵守を基に社会貢献の精神の涵養を行なう。

 (エ) インターンシップ等を推進し、社会的に自立した人材を育成する。

イ たくましいリーダーとして、国際社会や地域社会に貢献できるための、精神力・学力・体力の育成を図る。

 (ア) 少人数指導や複数教員による指導により、教科指導・生徒指導の両面からきめ細やかな学びを実現し、基礎・基本の確実な定着を行なうとともに、佐用高校生としての学びの姿勢を確立する。

 (イ) 習熟度別編成や進路希望別編成を行ない、大学等の外部機関等と連携して、発展的な学習の充実を図り、進路を実現する力を育成する。

 (ウ) 海外研修や震災ボランティア活動等を通じて視野を広げ、将来を構想し社会を牽引する力の育成を行なう。

 (エ) 生涯にわたってスポーツと親しむ態度を育成し、基礎体力の向上を図るとともに、仲間と協調して取り組む姿勢を涵養する。

ウ 地域に根ざし地域活性化のキーステーションとしての学校づくりを推進する。

 (ア) 地域の中学校や小学校との連携を強化し、本校と地域間の双方向的な取り組みを充実させ、協力して地域の課題解決に取り組む。

 (イ) 地域の外部組織等との連携深化を図り、地域の施設等での授業や実習及び地域行事への参加を推進し、地域で必要とされる人材の育成を行なう。

 (ウ) 学校の取り組みの情報発信や広報活動・交流活動等の充実を図り、地域に信頼され、地域に愛される学校づくりを行なう。

 (エ) 地域の防災復興や地域振興などの行事に積極的に参画し、地域の活性化に貢献する人材育成を行なう。

 

2 教科指導及び生徒指導(特別教育活動を含む。)の重点

(1) 教科指導の重点

 ア 生徒の学習状況を把握し、少人数指導や習熟度による指導の確実な定着を図り、補充的・発展的な学習を導入して学力の向上に取り組む。

 イ 学ぶ姿勢や学習習慣を定着させ、基礎・基本となる知識・技能の確実な習得を図るとともに、主体的に学習に取り組む態度を育成し、学習指導要領を踏まえ、思考力・判断力・表現力等、課題を解決する力の伸長を図る。

 ウ 年間計画やシラバスの内容充実を推進し、教科内容を精選するとともに、評価基準や評価方法を明確にし、指導方法の改善を行なうなどして、指導と評価の一体化を図る。

 エ 教職員については、研究授業等を実施し、創意工夫を通して資質能力の向上に努め、教育の専門家としてのスキルアップを図る。

(2) 生徒理解に基づく生徒指導の充実(特別教育活動を含む)

 ア 生徒一人ひとりの内面に対する共感的な理解を深め、信頼関係を前提とした関わり合いの中で、生徒の可能性や個性を尊重し、社会的な自立の促進を図る。

 イ いじめの問題や問題行動等に対し、未然防止・早期発見・早期対応の取組を充実し、家庭・地域・関係機関等との連携のもと、組織的対応の機動性と生徒指導体制の構築を図る。

 ウ 生徒会活動など生徒の自主的な活動を通じて、豊かな人間関係を育む集団づくりに努め、校風にある「明るくいきいき」とした学校づくりの実現を目指す。

 エ 人権に配慮した指導を徹底し、生徒の実態把握に努め、自他の命や生き方を大切にする人権教育に取り組む。

(3) 個々の生徒のニーズに応じた進路指導の充実

 ア 社会の形成者としての意識を高め、キャリア教育を通じて、自立心や自らを律し、自ら将来を切り拓いていく姿勢を育成する。 

 イ 将来を見据えた組織的で系統的なキャリア教育の充実を図り、インターンシップや進路ガイダンスを通じて、勤労観や職業観を育成する。

 ウ 地域や関係団体等と協力連携し、生徒個々の進路実現に向けた指導体制、支援体制を充実する。

 エ 教職員においては、生徒・保護者間での共通理解を一層促進するとともに、組織的な指導体制の構築に努める。

(4) 道徳性を高め、共生社会の実現に向けた人権教育の推進

 ア 体験教育等の実践を通して、自立心や自律性を醸成し、ルールを遵守し思いやりに満ちた人間関係を育成する。

 イ いじめや差別等、人権に関わる課題について、きめ細やかな調査、面談指導、映画会、講演会等を実施することで、人権意識の啓発を行なう。

 ウ ボランティア活動や地域福祉支援活動を通じて「共生社会」についての理解を深める。

 エ 兵庫県の「人権教育基本方針」に基づき、関係機関との連携を図り、個別的な人権課題について積極的に取り組む。

 

3 健康管理に関する指導の重点

 (1) 生徒の健康管理を推進し、検診後の受診率を上げる。

 (2) 健康教育を推進し、生徒の健康と安全に関する意識の向上を図り、命を大切にする心を育てる。

 (3) 健康相談及び教育相談活動を推進し、心身に問題を抱える生徒の掌握及び敏速で適切な対応に努める。

 (4) 校内各部署、及び家庭との連携を密にし、問題を抱える生徒への組織的な支援を行う。また必要に応じて、外部関係機関との連携を図る。

 

4 研究テーマ

 (1) 「高校生心のサポートシステム」研究開発校の指定を受け、「命の大切さを考える」授業や体験活動の開発を行うとともに、生徒一人ひとりを大切にする指導方法やより効果的な支援の在り方について研究する。

 (2) インターンシップ等、体験活動を取り入れた学習や、外部研究機関と連携したキャリア形成のための授業について研究する。

 (3) 海外語学研修等を実施して、グローバルな視野を持つ人材の育成を図るとともに、地域の伝統文化継承についての貢献活動を推進し、グローバル化に対応した取り組みについて研究する。

 (4) 専門学科の特色を活かし、防災教育やボランティア活動の実践を通じて、地域貢献を深める取り組みについて研究する。

 (5) 佐用町から支援を受け「地域と高校の協働による輝く人づくり支援事業」を令和5年度から3年間、佐用町、地域企業や上級学校と連携・協働しながら、授業を通して佐用町が求める地域人材の育成に向けた取組を行う。

  ア 地域との協働事業を円滑に行うために、コンソーシアムを中心とした外部機関との適切な連携を図る。

  イ 授業における協働事業を通じて、学習指導要領施行を視野に入れた学校設定科目の在り方を考察し、カリキュラム・マネジメントを行う。

  ウ 幅広い人々との協働の中で、生徒に探究基礎力やコミュニケーション能力を身に付けさせる。

 

5 「県立学校ふるさと共創プロジェクト」で実施する内容

 (1) 地域行事へ参加し、収穫祭等の取組成果発表

 (2) 地域の文化祭、福祉施設等でファッションショーの実施

 (3) 保・幼・児童、園児の農業体験並びに食育授業支援、自然学校児童の体験交流の受入れ

 (4)「花しょうぶ園」の管理、「棚田」の景観維持、「地域の茶葉」の栽培、公共施設の環境整備等の地域支援活動の実施

 (5) オリジナル「交通安全マスコット」の製作及び地域での配布活動

 (6) 地域特産物のPRと商品開発(各科の特性を活かした活動)

 (7) 地域行事への参加のよる伝統文化の継承

 (8) 就職希望者全員を対象とした地域企業でのインターンシップの実施

 (9) 地域農家並びに農業関連事業所におけるインターンシップの実施

 (10) 「兵庫県立農林水産技術総合センター」等農業関連施設、地域農家、農業法人の見学研修及び先輩農業者による就農講座の実施

 (11) 福祉施設等の訪問、ふれあい育児体験、マナー講習会等の実施

 (12) 企業訪問、看護・介護体験等の実施

 

6 「県立高校魅力アップ推進事業」で実施する内容

 (1) 地域特産品の製造副産物を利用したブランド卵の作出

 (2) ひまわり油粕を利用した但馬牛の飼育

 (3) スマート農業に向けた取組の推進

 (4) 家政科「生活産業を担う職業人」育成に向けた外部講師の活用

 (5) 地元和紙保存会との連携による楮栽培から一貫した和紙づくり及び和紙の活用研究

 (6) 大学研究室等の研究施設の訪問・見学や研究者の講演会によるキャリア意識の向上

 

7 「高校生キャリアノート」の活用に関する内容

 (1) 「総合的な探究の時間」での進路探究

 (2) 2年生の就職希望者対象に行うインターンシップでの指導

 (3) 3年生の進路実現に向けた面接練習指導、自己PR文の作成

 (4) 夏季休業中に実施するオープンキャンパス体験

 

8 「開かれた学校づくり」と地域連携の推進

 (1) 地域に開かれた学校づくり

塔陵祭(文化祭)の公開、収穫感謝即売会の開催、オープン・ハイスクールの実施等

 (2) 地域との連携・交流・協力活動

自然学校への協力、地域文化祭への参加協力、地域行事(国際交流イベント、体育行事等)への参加、農業交流事業等

 (3) 教育活動の発信と意見の受信

ホームページの充実、学校評議員等からの意見集約、学校だよりの発行、保護者向け一斉メールでの情報配信

 

9 教職員の勤務時間適正化新対策プランの推進

 (1) 「ノー会議デー」「ノー部活動デー」「全体定時退勤日」「My定時退勤日」を設定し、実施に努め、勤務時間の適正化を推進することで教職員のワーク・ライフ・バランスの実現を図る。

 (2) グループウェアの使用によるIT化で、業務の改善を図り、教職員が精神的なゆとりを持って生徒と向き合うことのできる職場環境づくりを推進する。