〔本部事務局〕
兵庫県立小野高等学校
〒675-1375 兵庫県小野市西本町518番地
Tel:0794-63-2007 Fax:0794-63-2008
E-mail:kagakubukai@hyogo-c.ed.jp
分類
原生動物門 鞭毛虫綱 植物性鞭毛虫類
形態・特徴
体長30~500μ、植物学ではミドリムシ植物門のユーグレナ属に分類される。 葉緑素をもち光合成を行い、セルロース質の細胞壁をもつなど植物的である面と、口や収縮胞があり、自由に運動したり、腐生栄養で生き続けることなど動物的な両面がある。種の特徴は、葉緑体、パラミン粒、体の大きさおよび形、体の伸縮性、表皮の構造、鞭毛の長さ、ヘマトクローム顆粒の存在などによって示される。葉緑体を含む色素体は、円盤状や紡錘形で、その形と数は種の特徴となる。春から夏小池沼に出現して水色を変え、「水の華」を形成する。
1)採集法
有機質の多い割合に汚れた溝、水田、池沼に生息する。春、水田の泥の表面に、緑色の薄膜をつくり群がるので、これをスポイドで採集検鏡すれば見つかる。
パスツールピペットで、培養液中に数個体のミドリムシを取り、培養液中を数回くぐらせるときれいなミドリムシを得ることができる。
2)培養法
A.土とエンドウ培養法
容器に土2g、エンドウ豆1/4個、蒸留水10mlの割合に入れたもの。ミドリムシを植え継ぐ。
B.土2gと蒸留水に0.05%の割合にハイポネックスを加えたものを使用する。
C.蒸留水に0.01%の割合にハイポネックスを加え、さらに10mlあたり0.5mlの土壌浸出液(土250gに蒸留水1リットル加え1時間煮沸、12時間放置、ろ過した液)を加えた液にミドリムシを植え継ぐ。いずれも滅菌する場合は、オートクレーブで滅菌する。
*培養は、室内で直射日光をさけ窓際に置けばよい。大形容器を用いるより小形の容器で数多く培養したほうがよい。注意して培養していてもうまくいかないことが多いが、数多く分離して簡単な培養液で育つ株をさがし出すのが第一である。
*春先に池の岸の泥の表面に大量に生息しているのを泥と一緒に採集し、シャーレにいれ、少し蒸留水で湿らせておけば、数カ月は実験に使うことができる。
*土・・・農薬などを含まない表土をふるいにかけ乾燥させ保存したもの
3)分離法
ミドリムシは一部分光が入るようにあけて他を黒紙でおおったシャーレに入れ、窓際に置くと正の走光性によって光の方向に集まる。