学年・専門部

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人と自然科 1年生「農業と環境」 スイートコーン収穫にむけラストスパート 

 人と自然科1年生「農業と環境」の授業では、現在はイネとスイートコーンの栽培を行いながら農業に関する基礎的な知識や技術を実践的に学んでいます。

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 先日も教育実習生指導の下、田植え実習を行い、イネ(モチ米)は順調に生育しています。

 農業と環境の授業で田植え実習を行いました・・に関する記事はこちら

 そして5月に圃場に定植したスイートコーンも順調に生育しており、収穫間近となっています。

 スイートコーンの定植を行いました・・・に関する記事はこちら

 5月の定植後も授業では「土寄せ」(倒伏を防ぐために土を株元に寄せる作業)や「捕植」(生育が悪い株を新しい苗に植え替える作業)

 別名命のオーディションともいわれる「間引き」(1か所に2本育ててきたスイートコーンの芽を1本に絞る作業) 

 「追肥」(植物の生育を見ながら追加で肥料を与える作業)を3回(だんだんスイートコーンが大きく成長しているのが写真で分かると思います)

     【1回目】           【2回目】          【3回目】

 生育が順調かどうか判断するための「葉齢計算」(葉の枚数を計算する)や害虫が発生していないかの「観察」

 「除草」(雑草をとる作業)や「中耕」(土を耕し、土の中に空気を入れる作業)

 

  「受粉」(株ごと揺らして花粉を周囲に飛ばし、受精を促し、実の詰まったスイートコーンにする作業)

 「穂切り」(スイートコーン最大の敵である害虫の「アワノメイガ」の被害を少なくし、農薬の使用を少なくするために、雄穂を切り落とす作業)

 などなど1年1組の生徒は授業内だけでなく、昼休みや放課後も自主的に畑に足を運び、管理・観察を行う姿も多くみられます。本当に素晴らしいですね。

 そして6月最終週現在は以下のような状態。絹糸(スイートコーンのひげ)の部分が少し茶色くなってきました。

 この調子で順調に生育したら7月第2週には収穫を迎える予定です。しかし収穫までに心配なことが2つ。これから梅雨終盤を迎える天候と、最近有馬高校の農場をうろついているアライグマやカラスなどの動物(害獣)です。このような困難を乗り越え、収穫を迎えることができたスイートコーンは、北摂第一幼稚園の年中さんと一緒に収穫を楽しんだり、市道横の販売所にて地域の方にも販売予定です。

 おいしいスイートコーンが収穫できるように、みんなで祈りましょう。

人と自然科 ひとはく連携セミナー3回目 アフリカの古代湖の魚から進化について学ぶ

 6月21日(金)人と自然科1年生学校設定科目「人と自然」の授業で、今年度第3回目となる「ひとはく連携セミナー」を行いました。

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 有馬高校人と自然科と県立人と自然の博物館の間では生徒のセミナー受講について協定を結んでおり、年間8回、県立人と自然の博物館を訪れ、博物館の専門員から、各分野のユニークかつ専門的な講義を直接受講することができます。前回第2回目も太田 英利研究員から「生物の「種」について」をテーマに講義をいただきました。

 前回のひとはく連携セミナー2回目 生物の「種」について学ぶ に関する記事はこちら

  そして第3回目となるこの日は人と自然の博物館内にあるホロンピアホールにて、高橋 鉄美研究員より、『タンガニイカ湖での調査』をテーマに古代湖に住む魚の生態やそれを通した進化について講義を頂きました。

 

 まずはタンガニイカ湖について・・・世界には約20ほどの古代湖が存在していますが、タンガニイカ湖は1000万年前にできた湖だといわれています。アフリカのザンビアにある大きな湖で、全長650km。その距離は三田市から仙台市と同じ距離になり、地球上の18%の水を占めるといわれている巨大な湖です。

 

 そんなタンガニイカ湖は水深も約1400mあり、この湖には多くの魚が生息しているそうで、そのほとんどが固有種なのだそうです。その中でも特にシクリッド科(カワスズメ科)と呼ばれる魚が特徴的で、例えば歯に注目したらコケを食べる種が歯がブラシのように進化したり、うろこを食べる種は毛抜きのように進化したり・・・など多様な進化を遂げている個体が多く存在しているとのことでした。

 

 講義中盤では、実際に高橋先生が現地調査した現地の生活や動物の生態についても教えていただきました。アフリカでよく食されているホロホロチョウやチニョンゲ、チャンゴンゴなどの熱帯魚の食べ方、ウルウルと呼ばれる小さなハチやサバンナモンキー、カメレオンなどの現地では身近な動物についても、特性や危険性などについて紹介していただきました。

 そして最後に調査から見えた生物の進化について説明いただきました。一つの祖種から多くの種に急速に分化し、分化した種が異なる環境に適応する力を持つことを適応放散といいます。そしてタンガニイカ湖のシグリット科の魚においては、口内保育という独特の育児方法と岩住みという特徴から異所的種分化を行いやすいということが分かってきたとのことでした。さらに性選択と自然選択との連動をもたらす形質「マジックトレイト」の一例として、オスとメスでサイズが異なる例やpHの耐性などについての影響も教えていただきました。

 

 専門的な内容はまるで大学の講義のようで難しい部分もあったようですが、振り返りのレポートを見ると「興味深い内容で面白かった」「生物の進化について理解できた」など前向きな感想も多く充実した時間となったようです。

 さて、次回の人博連携セミナーは、夏休みを挟んだ9月20日(金)『鳥たちの多彩なコミュニケーション』と題して太田菜央研究員より、鳥たちの鳴き声や行動の意味について学ぶ予定です。楽しみですね。

人と自然科 スマート&大型農業機械ふれあい体験会にお邪魔させていただきました

 人と自然科の生徒が学ぶ『農業』において、生産性を高めるために活躍してきたのが農業機械です。2年生の選択科目にも『農業機械』の授業があり、エンジンの仕組みや燃料の種類、性質を学ぶだけでなく、実際に刈払機やトラクタなどの操作方法も、座学と実習をとおして学んでいます。

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 しかし有馬高校の農場は、大規模な農家さんに比べると小さく、農業機械も小型のものを使用しています。さらに近年、農業者の⾼齢化や労働⼒不⾜を補うために、デジタル技術を活⽤し農業の⽣産性向上を図る技術が搭載されたスマート農業機械が開発され、活躍していますが、残念ながら有馬高校にはまだ導入されていません。

 田植えに向けトラクタ耕うん実習を行いました・・に関する記事はこちら

 刈払機の操作方法について学びました・・に関する記事はこちら

 そのような状況の中、6月21日(金)有馬高校のすぐ目の前にある三田小学校で、5年生を対象とした『農業機械に触れる体験学習会』が企画され、最新のロボットトラクタや、日本最大級の耕うん用トラクタが間近に見ることができるとのこと。そこで農業を学んでいる人と自然科の生徒もぜひご参加どうですか?とお誘いいただき、3年生の生徒が喜んで参加させていただきました。

 小学校到着後、まず目の前に現れたのが、横幅5.5mのロータリ&ハロー(畑を耕し、土を砕く作業機)を装着した巨大なトラクタです。

 実際に三田市内の大規模農家さんで活躍しているとのことです。農機具メーカーの方によると日本最大級の大きさなのだそうです。後ろの作業機が折りたたむ姿はまるで巨大ロボットのようでしたね。

  次はラジコン草刈り機です。

 1台は斜面の草を刈るのに適した草刈り機で、エンジンオイルが偏らないように、斜面の角度に応じてエンジンも傾く構造をしていましたね。そしてもう一台はまるでクモのような姿をしており、前後左右縦横無尽に移動する姿に魅了されましたね。

  次は田植機とコンバインです。

 田植機は6条植え(一度に6列イネの苗を植えることができる)で、GPSがついており直行アシスト機能がついています。そしてコンバインは4条刈(一度に4列のイネを刈ることができる)で、機体についているセンサが作業情報をタブレット端末に伝え、日々の作業情報を蓄積し、作業管理・機械情報管理を分析することができるとのことです。(ちなみにこのコンバインが今回登場した農業機械の中で一番高額とのことでした。)

 

 そして最後はロボットトラクタです。

 事前にタブレットPCで耕うんなどを行うコースを設定しておくと、運転席に誰もいない状態で、リモコン操作でトラクタが作業を行います。今回は実際に30m×30mの枠を水田に見立て、無人運転を見せていただきました。

 畑の端に近づくとスピードを落とし旋回。そして直進に入るとスピードを上げる姿は感動でしたね。そしてタブレットにはトラクタの前方に付けられたカメラから送られていた映像も観ることができましたね。

 約1時間、農機具メーカーの方に丁寧に説明していただきました。今回の体験会は小学5年生の子供たちに、最新&大型の農業機械の姿を見せてときめきを与え、農業への興味、関心を高めることが目的と伺っていましたが、私たち農業を学ぶ高校生も十分ときめきましたね。

 今回お誘いいただいた三田小学校の先生方、そして農機具メーカー『株式会社ヰセキ』の皆様、このような貴重な経験をさせていただきありがとうございました。

人と自然科 ブドウの栽培 現在摘粒作業中です

 6月も後半となり、近畿地方もいよいよ梅雨に突入しました。そんな中でも人と自然科の生徒は『総合実習』の授業を中心に実習を頑張っており、例えば野菜苗の土づくりや・・・

 

 学校樹を使った樹木の剪定・・・

  大温室の熱帯果樹の管理(今年もバナナに花が咲き、たわわに実がついています。)など、楽しく技術を身に付けています。

 そして人と自然科の人気の一品、ブドウ栽培も順調に進んでいます。ちなみに有馬高校ではベリーA、ピオーネ、マスカット3種類のブドウを栽培しており、ベリーAは2年生の生徒が必修(全員)で『果樹と緑』の授業で、ピオーネとマスカットは3年生の『果樹と緑』の授業で選択した技術を学んでいます。

  人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 4月から栽培をスタートさせ、栽培は順調に進んでおり、5月下旬~6月上旬にかけて種なしや果実の肥大を目的としたジベレリン処理も実施しました。

 ジベレリン処理の様子はこちら

 その後も生徒はブドウの栽培技術を毎週のように学んでおり、茎と葉の間からでた「副梢」を摘んだり、まきひげを除去したり、伸ばしたつるが地面に付かないように、そして果実に栄養が行きわたるように先端を止める「摘芯」という技術を学びました。

 

 そして6月下旬に入り生徒が頑張っているのが、「摘粒」という技術です。ベリーAの場合は1房75粒。ピオーネの場合は45粒を目標に一粒一粒抜いていきます。まずはピオーネ栽培中の3年生の様子です。

 

  梅雨に入ったということでこれから雨の日が増えてきます。今はまだ小粒ですが、ブドウの粒は雨が降るたびに肥大するので、ブドウ畑に行くたびに房が詰まっています。そこで房の内側にある上向き、下向きの粒や変形の粒、割れた粒を抜いていきます。ピオーネは房をゆすってみて、支梗(粒の塊)が独立して動いたら完成です。

 続いてベリーA栽培中の2年生の様子です。抜きすぎると房がすかすかになり、残しすぎたら粒が割れてしまいます。完成形を予想しながら行うので、もっとも技術と経験が必要な作業といえます。時には玉直しといい、粒の位置を変えながら円筒型に整えていきます。

 

 ベリーAは最終的に房を釣り針上に曲げられるようになったらOKです。この作業が7月上旬まで続き、いよいよ袋がけに入っていきます。9月の収穫に向けあと一踏ん張りです。

 みんな真剣な表情ですね。

 さて、収穫したブドウは有馬高校の生徒、保護者限定に販売します。現時点では9月第2週を予定していますが、今後の天候によって変わってくるので2学期に始業式に配布予定の『ブドウ販売について』のお知らせを楽しみに待っていてください。

 昨年度のブドウ収穫の様子はこちら

 美味しいブドウを皆さんに購入していただけるように頑張りましょう。(もちろん一週間を切った1学期期末考査も全力で頑張りましょう。)

人と自然科「クラインガルテン」⑤害虫防除と鳥除け

今年は少し梅雨入りが遅いようです。クラインガルテンの実習は晴れに恵まれて順調です。

12日はトウモロコシ栽培の難敵であるアワノメイガの防除を行いました。

アワノメイガは成虫が雄穂に卵を産み付け、実を食害する害虫です。これを防除するためには

薬剤散布が効果的です。

生徒が教室と圃場で説明を行い、1株ずつ粉状の薬を散布していきます。

約1時間かけて共有のトウモロコシ圃場の散布を終了しました。担当区域では、

つるなしインゲンの収穫もスタートです。

収穫を終えていい笑顔です!

 

19日は鳥除けのための紐張りです。

鳥は羽根に障害物が当たると嫌がります。この性質を利用して紐を張る

鳥除けを行いました。

今回は前回のアワノメイガについての生態や薬剤に頼らない防除方法について

説明を行い実習のスタートです。

紐を張るコツは「張る高さ」「緩まずピンと張る」ことです。

協力してしっかり張ることはできましたか?

いよいよ来週からナスやピーマン、トマトなどの収穫できそうです。

これで安心ですね。