学年・専門部

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人と自然科 ひとはく連携セミナー6回目 野生動物の現状と絶滅要因について学ぶ

 10月28日(金)人と自然科1年生学校設定科目『人と自然』の授業において、今年度第6回目となる人博連携セミナーが実施されました。『人と自然』の授業では年間8回、県立人と自然の博物館を訪れ、博物館の研究員から自然や環境、動植物など専門的な講義を直接頂き、深く学ぶことができます。

 第6回目となる今回は、『野生動物の現状と絶滅要因』と題して、石田弘明研究員よりご講義をいただきました。

 

 皆さんの身の回りにはたくさんの植物が生息しています。その植物は元々海の中に生息していました。陸上は紫外線が強いため、枯死する可能性があったからです。しかし現在はオゾン層が存在し、紫外線を吸収してくれるので陸上に進出してきました。植物が上陸したのは約4億年前と言われています。

 ちなみに現在世界で名前が付けられている植物はどのくらい存在すると思いますか?答えは約27万種。その大半は被子植物です。そして今後50年間で約6万種もの植物が絶滅すると言われています。そのうち日本では何種類の植物が絶滅に瀕しているのか、日本産植物種約7000種のうち、絶滅種は32種、絶滅危惧種は1779種、準絶滅危惧種は297種と言われています。その原因は開発による生育地の破壊、里地里山における人間活動の減少、園芸目的の採集、外来節物の影響などが上げられます。

 開発による生育地の破壊(オーバーユース)が原因として、照葉樹林が0.06%以下に減少し、わずかに残っているのは人と自然科が修学旅行で訪れる西表島や屋久島などの離島や深山です。またブナ林も、紙の原料であるパルプを得るために第2次世界大戦後に伐採し激減、さらに海岸の埋め立てにより日本の海岸線の41%が人工海岸となり海浜植物の減少につながっています。

  そして人間活動の減少(アンダーユーズ)も絶滅の原因の一つです。以前は人間が里山に入り、薪や木炭、肥料を得るために活動し、持ちだしていましたが、現在は電気やガスの使用、化学肥料の使用で人間が里山に入らなくなり、明るい環境を好む植物とそれに依存する動物の減少につながりました。

 そして注目されるのはニホンジカの影響。草食性の動物でほとんどの植物の葉や樹皮、根、果実を食します。人間が里山で活動しなくなったことや天敵であったオオカミの絶滅でバランスが崩れ、食害が活発になり、植物の絶滅につながっています。

 このように野生植物の絶滅には様々な要因があることを、わかりやすく教えていただきました。石田先生興味深いお話をありがとうございました。次回は「名前で楽しむ古生物学~動物学名の基礎と兵庫県産化石での実例~』と題して、生野 賢司研究員より講義をいただく予定です。楽しみですね。

人と自然科 2年生 農業先進地見学実施

10月27日(木)人と自然科2年生を対象に農業先進地見学(バスセミナー)を実施しました。この事業は阪神農業改良普及センター様にお世話になり、学校施設では学ぶことができない先進的な農業の生産現場、農業の普及、就農支援、人材育成の拠点として設置された公共施設の見学を通じて、実社会と農業のかかわりなどの見識を深める目的として行っています。

 今年度の研修先は(株)ネクストファーム(次世代園芸 大規模トマト栽培施設)、神戸農政公社神戸ワイナリー、JA兵庫六甲直売所「六甲のめぐみ」の3か所です。新型コロナウィルスは少しずつ落ち着きをみせているものの、まだまだ気は抜けません。マスクの着用、手指消毒など万全の対策で実施しました。

 

 最初の訪問先は兵庫ネクストファームです。

 

 

 ひょうご次世代施設園芸モデル団地として整備されているこの施設は、敷地面積8.2haに、中玉トマト、ミニトマト合計9万本を栽培している巨大トマト生産施設です。施設に病気を持ち込まないように手をしっかり洗ってから入ります。

  

 まずは担当の方から、水源や木質チップを使用したボイラー設備施設などの施設概要や、二酸化炭素などの環境制御技術、G-GAPを取得している栽培、作業管理体制、販売状況などの説明を受けました。

  

 そしていよいよ施設見学に移ります。ICTを活用した施設は、気温、湿度、二酸化炭素濃度、日射などを制御し、作物の生育環境を最適化して生産性の向上や合理化を図っています。

  

 少しだけ栽培区域を見せていただきました。圧巻の光景ですね。ちなみに8月に定植したトマトは約2ヶ月後の10月から収穫開始。翌年の7月まで収穫します。

 

 収穫後の調整、袋詰めも機械化が進められています。自動計量機も導入され作業が効率化されていました。

 

 ちなみにこの施設は、適正に農業を生産している国際的な指標である『GGAP』も取得しています。床面の印はもちろん、安心安全な農産物生産、そして働く人の安全のために写真付きの注意事項が至る所に掲示し、工夫されていました。

  

 授業で学んだICT、GAP、植物工場などを間近に見ることができ、有意義な研修となりました。

  

  後半は神戸農政公社神戸ワイナリーとJA兵庫六甲直売所「六甲のめぐみ」の2か所です。

 

 まずはお昼ご飯。密を避けて、屋内と屋外で食べましょう。空いた時間は直売所で研修を行う姿も見られました。

 

 そして研修スタートです。実際にワインの製造をしている職員から直接お話をいただきました。「神戸ワイナリー」は「神戸牛」に合うワインを作りたいというのが始まりで、ワイン製造はブドウ栽培からとこだわりを持っていいます。栽培、加工、販売の「6次産業」を一貫して行っており、今年も収穫が無事に終わったとのこと。

 

 

 

 ブドウ園の見学では、普段見慣れた有馬高校のブドウ園とは違い垣根仕立ての栽培方法です。食用のブドウと加工用のブドウでは種類が異なり、実は加工用のブドウの方が糖度が高いものもあるとのことでした。

 製造場所では、収穫から加工までの流れの説明をしていただきました。

 

 

 JA兵庫六甲直売所「六甲のめぐみ」は、全国最大級の直売所で、日々新鮮な野菜や季節の果物、加工品の売り買いが行われています。

 

 今回実施した先進地見学では、普段学校での座学で学んだ内容を実際に自分の目で確かめることができた、大変有意義な時間となりました。将来就農を目指している生徒はもちろん、そうでない生徒にとっても将来に生きる経験になったと思います。

 

 ご説明いただいた施設担当者の皆さま、そして全面的にバックアップいただいた阪神農業改良普及センター様、本当にありがとうございました。

人と自然科 農業クラブ全国大会北陸大会に出場 農業鑑定競技会優秀賞受賞

 10月25日(火)~27日(木)『農業高校の甲子園』『農業高校のインターハイ』と称される、令和4年度日本学校農業クラブ全国大会北陸大会が開催され、本校人と自然科からも意見発表会で県大会、近畿大会ともに最優秀賞を受賞した生徒が近畿ブロックの代表として、農業鑑定競技会で県大会を1位通過した2名の生徒が兵庫県連盟の代表選手として出場し、農業鑑定競技会に出場した生徒が見事優秀賞を受賞しました。

 県大会最優秀賞に関する記事はこちら

 近畿大会最優秀賞に関する記事はこちら

 まずは意見発表会。会場は福井県生活学習館です。福井県連盟の農業クラブ員がのぼりをもってお出迎え。6月から5ヶ月間、県大会、近畿大会に駒を進め、日々練習で苦楽をともにした、指導担当の先生と記念撮影です。感慨深いですね。

 25日(火)は開会式とリハーサルです。全国9つのブロック大会を勝ち抜いた代表が集い、開会式では生徒実行委員長から福井県の魅力や選手への激励に関するあいさつがありました。

 そして明日に向けたリハーサル。マイクの音量や高さなどを確認しました。

 そして大会二日目本番です。本番を前に選手同士で練習しながら交流しました。(ちなみに下の写真は富山県と宮城県の選手と一緒に練習している様子です。)このように全国の農業高校生と交流できるのが農業クラブ活動の魅力です。一緒に練習した選手の中には、昨年有馬高校が全国大会を運営したときに出場した選手もおり、びっくりしました。

 昨年有馬高校が運営した全国大会兵庫大会意見発表会に関する記事はこちら

 そしていよいよ本番。タイムは6分48秒。想いのこもった素晴らしい発表でした。

 ちなみに今回の全国大会で発表した意見発表は11月5日(土)に郷の音ホール駐車場で開催されます、第48回さんだ農業まつりのステージにて聞くことができます。11時頃の出場予定です。ぜひお越し下さい。

さんだ農業まつりパンフレットはこちら.pdf

  次に農業鑑定競技会です。会場は福井県産業会館です。校内大会、県大会を勝ち抜いた全国のクラブ員が1000人以上集まります。ロボットトラクターやドローンなども会場に展示されていますね。

 競技は8つの分野に分かれ競技を行います。有馬高校からは分野園芸と分野造園に出場しました。選手以外は立入禁止。中の様子が全く見られないので、以下有馬高校で今年開催した県大会の様子を参考にご覧下さい。

 農業クラブ県大会農業鑑定競技会 大会運営に関する記事はこちら

 競技後二人に話を聞くと、相当難しかったとのこと。過去問を解いて準備したが、ここ10年で一番難易度が高かったのではないか・・・とすこし落ち込んでいました。

 そして一晩経って最終日は、全ての競技に出場した選手、引率職員約4000名が大会式典会場である石川県立音楽堂に集結します。兵庫県連盟選手団と一緒に記念撮影後、会場に入ります。

 

  各都道府県連盟記の入場の後、日連会長や文部科学大臣、農林水産大臣の名代の方からあいさつがあり、いよいよ結果発表です。

 アカデミー賞方式で最優秀賞者の名前が呼ばれ、その場にスポットライトが照らされます。結果は目標であった日本一は逃しましたが、農業鑑定競技会に出場した2名が優秀賞を受賞することができました。意見発表会に出場した選手は惜しくも入賞を逃しましたが、『悔いの無い発表ができて満足』とのこと。全国大会の舞台で有馬高校人と自然科の名を上げてくれました。

 そして最後はFFJの歌。全国の農業高校生が歌える歌を全員で清聴し、大きな拍手の中大会は幕をとじました。

 ちなみに来年度の全国大会は、鹿児島で全国大会が開催されます。1.2年生の皆さん、先輩の活躍に負けないように頑張りましょう。

 そして中学生の皆さん。是非人と自然科に入学して、農業高校の甲子園で全国優勝を目指してみませんか?人と自然科に入学してくれるのを、生徒も農場の先生も、みんなで心から待っています。

10/29(土) 秋季オープンハイスクール (総合学科)

10/29(土)秋季オープンハイスクールが実施されました。

体育館では総合学科説明会・全体説明会が行われました。

総合学科説明会ではWILLスタッフによる「産業社会と人間」・「ARIMA探究」の説明、

「2分間スピーチ」が披露されました。

  

特色ある授業の中で、授業選択者によるダンスの披露もありました。

 

最後には卒業生インタビューも行われ、有馬高校時代の思い出や、どのように高校生活を過ごしたのか、

WILLスタッフの質問に卒業生が答えてくれました。

中学生のみなさんに有馬高校の良さが少しでも伝わっていたら幸いです。

 

全体説明会では学校長のあいさつにはじまり、有馬高校の概要・国際理解教育について説明されました。

 

 

説明会のあとは、授業見学・部活動見学が行われました。

中学生のみなさん、有馬高校に少しでも興味を持っていただけましたでしょうか。

今後は12月23日(金)に冬季学校説明会、1月28日(土)に学習活動発表会がございます。

詳細は随時更新されますHPにてご確認ください。

 

「産業社会と人間」

10月28日(金)の「産業社会と人間」は、11月11日(金)の「プロフェッショナルin有馬」の準備②を行いました。

上手なメモの取り方のレクチャーを受けた後、実際に音声を聞きながらメモを取る練習をしました。その後、インタビューにおいて話を引き出す心得の確認をし、グループに分かれて本番同様にインタビューの練習をしました。授業担当者や、学年に授業に来ている教員を職業人に見立てての練習でした。相手の答えを受けて質問を考えていくことの難しさに悪戦している生徒もいました。

11月11日は、7つの職種の職業人の先生方が来校されます。

講師の皆様、よろしくお願いします。