2024年9月の記事一覧
校章
これまであまり取り上げられることのなかった「校章」について調べてみました。
氷上西高校の校章をデザインしたのは、山本 茂斗萌(やまもと もとめ)さんです。1902年東京生まれで、東京美術学校(現東京芸術大学)日本画本科を卒業。1928年から旧制柏原中学校(現柏原高校)に美術教師として勤務し、1962年に定年退職するまで一度も異動がなかったそうです。1936年、34歳の時に「小憩」で日展初入選を果たし、その後も日展に24回入選しました。丹波市内に多くの作品を残し、柏原高校の校章デザインも手がけています。1985年にご逝去されました。
氷上西高校の校章は、1976年の開校記念式典で校歌・校旗とともに披露されました。当時の記録には、山本さんが校章に込めた思いが残されています。以下に原文のまま掲載します。
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どこの学校の校章も、学校の名称とか地域の紋章等を図案化しているものが多いと思いますが、私はこんな高校生であってほしいと云う希望を具象化して図案を描きました。
大空を飛翔する雲を見ていると魂が浄化されて、もろもろの雑念が消え去り、そこはかとなき希望が胸の中に燃え上がってくるといわれています。私は雲が大好きです。雲に関係のある言葉を辞書からひろってみると、青雲の士・青雲の志・瑞雲・祥雲等、よい言葉が沢山あります。そんなわけで雲をテーマにとりました。
見ないでよい地上の現象が余りに多すぎます。そこで、目を天上に向けて、スケールの大きな気持ちになって、こせつかない青年になってほしいと云う希望をこめてかきました。
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さらに、今回調べてみて初めて気づいたことがあります。本館1階から2階にあがる階段途中に掲げられている絵画が、山本茂斗萌さんの作品でした。これまで何気なく観ていたことが恥ずかしく思えました。