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人と自然科 農業と環境 手刈りで稲刈りをしました

 10月に入り、一気に涼しくなってきました。人と自然科1年生農業と環境の授業で6月に田植えをしたもち米『ヤマフクモチ』も稲穂が垂れ、収穫を迎え、鎌を使った手刈りによる収穫実習を行いました。

 6月に行った田植えに関する記事は記事はこちら

 まずは担当の先生から収穫方法に関する説明を受けました。籾の先端についている『ぼう』と呼ばれるとげが体に入るとちくちくするため、服装に気をつけることから学びます。そして今回は刃がギザギザしている『鋸鎌』を使います。間違った使い方をするとケガにつながりとても危険です。手袋の着用はもちろん、親指を上に向けて稲を握るなど絶対に手を切らないための稲穂の持ち方、そして収穫後のイネの束ね方などを教わりました。

 

 さっそく実習開始。6月に自分で田植えした場所を稲刈りします。

 

 時間が経つにつれ、どんどん上達していきますね。このように習得した技術を活かし、地域のイベントにも参加し活躍しています。

 習得した技術を活かし先日運営を行った、農業クラブ 世界稲刈り選手権に関する記事はこちら

 そして刈ったイネを5株束ね、麻紐でくくって稲束にしました。

 束ねた稲束は天日干しするためはざかけ(稲木に稲束をかけること)します。乾燥機で一気にするのとは異なり、ゆっくり時間をかけて乾燥を行うことで、甘みやうま味、粘りが増すと言われています。ちなみに有馬高校では、脱穀(稲穂から籾を外すこと)後の稲わらは野菜や花の栽培で活用します。

 約2時間で予定していた部分を刈ることができました。最後にみんなで落穂(田んぼに散らばる穂)を拾います。(ミレーの絵画『落穂拾い』で有名なシーンですね。)せっかく想いを込めて栽培したモチ米を一粒たりともムダにしたくないですね。

  あっという間に実習は終了。最後に集合写真を撮りました。

 今回収穫したもち米は、11月12日(土)に開催される農業祭にて販売する予定です。 今年も今回紹介したもち米はもちろん、ダイコンやハクサイなどの野菜、パンジー、ビオラ、ハボタンなどの草花苗、その他ギンナンなどの農産物販売のみ、感染防止対策を講じた上で、実施の方向で準備を進めています。(焼きもちやポン菓子などの食品バザーは残念ながら今年も自粛を考えています。)

 昨年度の秋の農業祭に関する記事はこちら

 地域の皆さま、楽しみに待っていてください。

人と自然科 農業クラブ 福祉施設花壇植え付けボランティアに行きました

 人と自然科では、普段の授業や実習で学んだ知識や技術を活かして、地域での作庭や装飾、体験などの活動を積極的に行っています。最近も以下の場所で作庭したりイベントで体験活動を行うなど、生徒は大活躍しています。

 ひょうごまちなみガーデンショーin明石 アグリハイスクールガーデンに出展に関する記事はこちら

 淡路花博2022秋 第11回高校生花と緑のガーデンに出展に関する記事はこちら

 新名神高速道路宝塚北SA 新メニュー表彰式でのアレンジ体験会開催に関する記事はこちら

 阪神梅田本店にて 夏休みふれあい体験広場アレンジメント体験実施に関する記事はこちら

 10月1日(土)人と自然科農業クラブ役員7名が篠山市にある福祉施設「丹南精明園」を訪れ、花壇植え付け活動を行いました。農業クラブでは13年前からこの活動を年3回行っており、6月に続き、今年度2回目の活動です。

 今月末に丹南精明園では園祭が行われる予定となっているそうで、夏休みからこの日に備えて播種、鉢上げを行ってきたマリーゴールド、ペチュニア、ジニア、ケイトウ、観賞用トウガラシなど約800鉢を持参しました。

 まずは土づくり。肥料として油かすを施し、耕運機で攪拌し植えやすいようにならしていきます。

  準備ができたところでデザインを考えていきます。丹南精明園では大小4つの花壇と玄関わきのプランタの装飾を担当させていただいています。今回は10月から3年生のバトンを引き継ぐ2年生の生徒を中心にデザインを考え、花壇苗を並べていきました。

 

  並べた後は、定植していきます。新型コロナウィルス感染前は利用者の方、職員の方と一緒に作業を行っていましたが、今はまだ感染の心配があると言うことで生徒だけで定植していきます。早く落ち着いたら良いですね。

 この日は快晴。気温も30度近くまで上昇し、熱中症に注意しながら進めていきました。さすが普段の実習で取り組んでいるだけあって、慣れた手つきですね。どんどん花壇が賑やかになっていきます。

今回新調していただいた『有馬高校協同花壇』の看板を建て、かん水をしたら作業は終了です。初めて2年生がリーダーということで少し時間がかかってしまいましたが立派な花壇が完成しました。

 完成した花壇はこちら。園祭が行われる20日後にはもう少し株が張り、ボリュームが出てくる予定です。

 

 

 最後に恒例の記念写真です。

 

 次回は12月頃に冬、春に花壇に向けた植栽に伺います。お世話になりました。ありがとうございました。

人と自然科 農業クラブ 世界稲刈り選手権 大会運営

 9月25日(日)三田市四ツ辻の水田にて、世界稲刈り選手権が開催され、本校人と自然科農業クラブ本部役員5名が大会の運営をお手伝いしました。

 

 このイベントは、都会の子供達に稲刈りを通して土に親しみ、農業に興味を持ってもらうことが目的で開催されてるイベントです。有馬高校農業クラブは、授業で学んだ稲刈りの技術を生かし、13年前から運営に携わっています。

 昨年の農業と環境稲刈り実習に関する記事はこちら

 この日は5月に開催された、世界田植え選手権で手植えを行ったイネをみんなで楽しく手刈りで収穫しました。

 5月29日に開催された、世界田植え選手権大会運営に関する記事はこちら

 10時前に子供たちが到着。恒例のラジオ体操です。人と自然科生徒の号令で、みんなで体をほぐしました。

 体がほぐれたところでいよいよ稲刈り開始です。鎌を受け取り田んぼへ向かいましょう。今日は気温が30度を超える予報。熱中症にっも十分注意しましょう。

 そしていよいよ稲刈り開始です。子供たちが手をケガしないように、鎌の持ち方やイネの握り方、鎌の動かし方などを丁寧に指導します。

 最初は手こずっていましたが、慣れてきたらどんどんスピードアップです。ちなみにこの田んぼで栽培したお米は『ミルキークイン』という品種です。

 刈った稲穂は、3束~5束をまとめていきます。子供たちから受け取り、人と自然科の生徒が束ねていきます。

  あっという間に12時に。お昼ご飯です。この田んぼでとれたお米を使ったお弁当です。ミルキークインという品種はもちもち感が特徴。おいしすぎて4回おかわりした生徒もいました。さらにお弁当に添えられているキュウリの漬物は有馬高校で栽培したものを使用していただきました。とてもおいしかったです。

  午後からはコンバインを使った稲刈り体験です。高校の水田は小さいのでなかなか運転実習ができません。生徒にとっても良い体験になりました。

 

 稲刈りをしていたら、急に上空にツバメの大群が。稲刈りをしたときに驚いて田んぼから飛び出る昆虫を狙って集まってきたようです。1時間以上、大空を旋回し続けいていました。ブログ作成者も初めて見た光景でした。農業は生き物と関係しあって成り立っているということを改めて感じることができました。(下の写真 青空に映る黒い点がツバメの大群です)

 

 あっという間にイベントは終了です。今日参加したみんなで記念写真を撮りました。

 お招きいただいた、こころ豊かな人づくり500人委員会阪神北OB会の皆様、参加された皆様、楽しい時間をありがとうございました。

人と自然科 ひとはく連携セミナー4回目 持続可能な農業について学ぶ

 9月16日(金)人と自然科1年生学校設定科目『人と自然』の授業において、今年度第4回目となる人博連携セミナーが実施されました。『人と自然』の授業では年間8回、県立人と自然の博物館を訪れ、博物館の研究員から自然や環境、動植物など専門的な講義を直接頂き、深く学ぶことができます。

 第4回目となる今回は、『持続可能な農業への転換~求められる技術と体制について~』と題して、衛藤 彬史先生より講義をいただきました。

 

 昨今『サステナビリティー』『持続可能』『SDGs』という言葉を良く聞くようになりました。人間活動による環境への影響と資源の持続可能性への危機感がこれまで以上に高まる中、あらゆる分野で環境配慮への転換がより実効性を浴びてきています。それは農業の世界も例外ではありません。むしろ人と自然の接点となる生産現場としてこれからの農業のあるべき姿について講義を聴きながら考えました。

  まず農業は環境に良いのか考えました。学校の授業でも学びましたが、農業は食料生産だけでなく、大気の浄化や洪水の防止、景観の維持など様々な機能があります。これを多面的機能と言います。一方で畜産分野では、メタンガスを発生したり、家畜のエサを確保するために大量の穀物や水を必要とします。データでは、世界の温室効果ガスの16%を家畜が出すメタンガスが占める、1kgの牛肉を生産するために約11kgの穀物(エサ)と20000Lの水が必要といわれています。

 さらに日本の主食であるお米の栽培中にもメタンガスが発生しています。田んぼに水を張ることで土中の酸素量が減り、メタン生成菌が活発になり、夏に行われる中干し(田んぼの水を一定期間抜く作業)の時、一気に空気中に放出されます。

 また、肥料においても長く効果を持続するためのコーティングの素材としてプラスチックが使われているものもあり、海洋マイクロプラスチックの輩出につながっています。このように農業は環境に負担をかけているという一面もあります。

 

 これらのことを考え、これからの農業に求められる技術として、代替肉のダイズミートへ転換する、家畜から出るメタンガスを減らすために『カギケノリ』という海藻を活用する、稲作の中干しのタイミングを早めたり、期間を長くするなど、環境に配慮した新技術がどんどん確立しています。さらに、農業と森林(林業)を同時に行う『アグロフォレストリー』、異なる作物を計画的に作付けしていく『輪作』の活用、省力化の効果も期待できる『乾田直まき栽培』など世界では環境に負荷をかけにくい栽培方法も実践されています。

 現在の日本の農業は高齢化や後継者不足など様々名問題を抱えていますが、工夫によって乗り越えられる。生産者も消費者も意識を変えてこれからの食と農を作っていかなければならないという必要性を感じた2時間でした。生徒の『農業はメリットばかりでなくデメリットもあるが、デメリットは解決策を生み出せばメリットにつながる』という感想も印象的でした。

 衛藤先生、大学受験を控える3年生にも聞かせたくなるほど、様々な視点から現在の農業に切り込んだ興味深い講義を本当にありがとうございました。次回は『六甲山地と三田盆地の地形・地質と人との関わり』と題して、加藤茂弘先生から講義をいただく予定です。

人と自然科 ひょうごまちなみガーデンショーin明石 アグリハイスクールガーデンに出展

 9月18日(日) ~ 9月25日(日)の8日ひょうごまちなみガーデンショーin明石』が兵庫県立明石公園にて開催されています。

『ひょうごまちなみガーデンショーin明石』公式HPはこちら(←開催期間終了後HPが閉鎖される可能性があります。)

 イベントの一つとして、県下の農業高校の生徒が自分たちでデザイン・施工した自慢の庭を展示する、アグリハイスクールガーデンが開催されており、有馬高校人と自然科 環境班の生徒2名が作庭に行きました。担当した生徒は、課題研究の一環として夏休み前から設計、準備し、学校で何度も試作を行うなど、この日に向けて準備を進めててきました。

  作庭は1.5m×2.3mの木枠の中に作成していきます。リュウノヒゲを中心にアイビー、ペチュニア、ケイトウ、観賞用トウガラシなど自分たちで栽培した8種類の草花苗、観葉植物を持参し、当日は約4時間かけて作品を完成させました。

 

 完成した作品はこちら。今回のテーマは『Potdoll city』です。

 

 森、草原、村、水辺の4つの世界観をイメージし、素焼鉢を12個組み合わせて手作りしたテラドールの日常を表現しています。流木にちょこんと座った姿がかわいいですね。

 さらに、花や花火、さざ波を描いた手作りの竹灯籠を配置することによって季節感を演出。ウッドチップを敷き詰めた中央の河原が緑に映えて印象的ですね。

 そして注目は後方には自分たちで木材を加工し手作りし、花いっぱいに装飾した一輪車。テラドールの乗り物として配置しました。

 

 今回作庭した作品は、9月27日(日)まで、明石公園に展示しています。明石公園を訪れた際は是非ご覧ください。そして5体のテラドールを探してみてください。