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2023年1月の記事一覧
1月全校集会校長講話(全校集会は、寒波による休校で実施できず)
3年生が自由登校に入り、校内は1・2年生だけになりました。2年生は最高学年になるという自覚、1年生は学校の中核になるという自覚を持ち、高校生として、また明高生として恥ずかしくない言動がとれているかどうか、今一度自己点検してほしいと思います。
さて、今日は、現在の京セラとKDDIを創業した方で、経営破綻した日本航空の立て直しにも奔走され、昨年8月に亡くなられた稲盛和夫氏について話をしたいと思います。
稲盛氏の少年・青年時代は決して順風満帆なものではありませんでした。むしろ挫折の連続であったようです。 中学受験・大学受験に失敗、結核を煩い、戦争の空襲で家も焼失してしまいます。入社した会社は赤字続きで、逃げ場もない不遇な状況に追い込まれた稲盛氏は腹をくくり、「周囲のせいにしているうちは何も始まらない」と一念発起、それからは一切の不平不満を捨て、目の前の仕事に「ど・真剣」に取り組んだそうです。そこから人生は好転します。稲盛氏は「与えられたことに必死に打ち込むことで、弱い心を鍛え、人間性を養い、幸福をつかむことができた」と言っています。そして、「人生には方程式がある」として「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」であるとも言っています。かけ算ですからどれか一つが「0」ならば結果も出せません。「能力」がまだ十分でなくても「考え方」が人として正しく、「熱意」をもって目の前のことに取り組んでいけば、大きな結果が得られる、そうして人生は拓けていく、と断言しています。
稲森氏には多くの著作がありますが、その一つ『生き方』の一部を紹介します。
「世の中のことは思うようにならない、私たちは人生で起こってくるさまざまな出来事に対して、ついそんなふうに見限ってしまうことがあります。けれどもそれは、『思うとおりにならないのが人生だ』と考えているから、そのとおりの結果を呼び寄せているだけのことで、その限りでは、思うようにならない人生も、実はその人が思ったとおりになっていると言えます。人生はその人の考えた所産であるというのは、多くの成功哲学の柱となっている考え方ですが、私もまた、自らの人生経験から、『心が呼ばないものが自分に近づいてくるはずがない』ということを信念として強く抱いています。つまり実現の射程内に呼び寄せられるのは自分の心が求めたものだけであり、まず思わなければ、叶うはずのことも叶わない。換言すれば、その人の心の持ち方や求めるものが、そのままその人の人生を現実に形づくっていくのであり、したがって何かことをなそうと思ったら、まずこうありたい、こうあるべきだと思うこと、それもだれよりも強く、身が焦げるほどの熱意を持って、そうありたいと強く願望することが何より大切になってきます」。
皆さんは今、勉強に、部活動に、自分のやりたいこと、やらなければならないことに「ど・真剣」ですか。「だれよりも強く、身が焦げるほどの熱意を持って、そうありたいと強く願望」していますか。高校時代は勉学を通して自分自身を鍛え、世界を広げる時期であり、他者との関わりの中で生き方や在り方を考える時期であり、そして人生を選び取る時期です。こうした時期にあって日々どう過ごすかは、皆さん一人一人の「考え方」と「熱意」にかかっています。今一度、このことを強く自覚して日々高校生活を送ってほしいと思います。
最後に、皆さんには繰り返し新型コロナウイルス感染防止対策を訴えかけていますが、集団で一緒に話をしながら食事をとったために感染した、濃厚接触者になったという事案が相変わらず多発しています。本校生の中にも、皆さんの家族の中にも重症化リスクを抱えた人がいます。取り返しのつかない事態にならないよう、皆さん一人一人が自覚して行動してほしい、責任ある行動をとってほしいと切に願います。
3学期始業式式辞
皆さん、おはようございます。2023年がスタートしました。皆さん一人一人が大きな夢や希望を持って今そこにいると思います。コロナ禍で不安が尽きない中ですが、その大きな夢や目標に向かって決して挫けず、諦めず、邁進する、そんな充実した1年にしてほしいと思います。
さて、今や年末年始の風物詩となっているのが数々のスポーツです。中でも、私がいつも見入ってしまうのが箱根駅伝です。教え子が箱根路を走り、テレビの画面越しに応援したことが契機となりました。
駅伝のルーツは、古くからあった飛脚制度や、江戸時代に五街道の一つであった東海道で、馬で荷物を運んだ伝馬制にあると言われています。最初の駅伝は1917年に京都から東京まで約508㎞、23区間、昼夜問わず3日間走り続けるというものでした。距離を分担して走るというルールは、個人よりもチームを大切にする、いかにも日本発祥のスポーツだと思います。
箱根駅伝のルールは実に過酷です。中継点で20分遅れのチームは繰り上げスタートを強いられ、タスキを繋ぐことができません。翌年のシード権は10位までで、それ以下は予選からの熾烈な闘いが待っています。このように、タスキはチームと歴史を繋ぐものであり、学校の名誉と誇り、そして選手一人一人の血と汗と涙が染み込んだものです。
駅伝はよく人生の縮図であるとも言われます。平坦な道ばかりでなく、時に風雨、風雪にも苛まれます。そうした苦難を克服するために、日頃から弛まぬ努力の積み重ねが必要です。今回の箱根駅伝でも、私達が知り得ない努力の積み重ねが、数々の感動的なドラマとして私達の心に響いたのではないかと思います。
皆さんに認識してほしいのは、こうした感動的なドラマは何もスポーツに限ったことではなく、皆さんが日頃から取り組んでいる全てのものに共通するものだと思っています。どんな思いで、どんな決意でそれに取り組んでいるか、それは真剣か。そして、そこに弛まぬ努力のプロセスがあるからこそ、ドラマとなり、感動を呼び起こし、周囲がそれに共感、共鳴するのだと思います。真剣であればあるほど、それはより大きなものになります。
実は、皆さんもそれぞれにタスキを背負って走っています。2023年がスタートしましたが、この1年を見ても、幾つもの節目があります。ゴールとなる目標を設定し、それを見据えて節目節目にタスキをどう繋げていくかをしっかり考えてください。
1・2年生はそれぞれ2年後、1年後を見据えて。3年生は人によっては1ヶ月後、2ヶ月後、あるいは大学を卒業する4年後、この先10年後を見据えて。皆さんそれぞれにそれぞれの目標に向かって、決して挫けず、諦めず、弛まぬ努力を積み重ねてしっかりと自分のタスキを繋いでいく、そんな3学期、2023年にしてくれることを強く希望します。
ところで、明高も今年、創立100周年を迎えました。9月30日には記念式典・記念講演会を予定しています。また、記念事業・関連事業として、新資料館の建設、資料館周辺の庭園整備、視聴覚教室を探究ルームに改修、体育館にトイレ新設、記念イベント等を計画しています。明高の歴史と伝統、建学の精神「自彊不息」のタスキを皆さんとともに繋いでいきたいと思います。
最後に、繰り返しになりますが、新型コロナウイルス感染防止の徹底をお願いします。