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東日本大震災に寄せて~防災ジュニアリーダー研修・宮城派遣~

まもなく東日本大震災から11年です。

本校生徒会の生徒2名が、今年の1月7日~10日の日程で被災地宮城県を訪ねてきました。その時の感想です。

1年 HKさん

 僕は宮城県の東日本大震災があった石巻市、東松島市に行きました。行きのバス内研修では勉強不足な自分には様々なことが分からず「?」ばかりでした。大川小学校では、沢山の子どもが亡くなったのがわかり、辛い悲しい憎い色々な感情が湧いてきました。実際そこに立ってみると見えてくるんです、見たこともない子供たちが。最初はうっすらと、そして最後には子どもたちが必死に最後までもがき苦しみながらも助かろうとする姿がはっきりと。

 僕は震災を分かったつもりでした。多分震災を経験してない人達ほとんどがそうだと思います。僕は4日間の研修を終えてたくさんのことを知りました。まず宮城県の人達がとても優しかったことです。僕たちに懸命に教えてくれました。それから東日本大震災で亡くなった人の全てが震災のせい、というわけではないことも知りました。大川小学校の子供たちは、津波が到達するまでの1時間の猶予の中で全員が助かる選択肢も選べたはずでした。経験や知識、とっさの判断で助かる命でした。4日間の研修で本当に多くのことを学びました。一期一会の出会いがたくさんありました。とてもいい経験になったので、研修で関わった皆さん、また会えたら楽しく話しましょう。

 

2年 YAさん 

 今回の東北訪問で1番印象に残った事は、大川小学校へ行ったことです。子供たちが先生の指示に従って裏山へ逃げず、裏山へ逃げようとした子供は先生に引き戻されてしまい、結局多くの人が津波の被害に遭い亡くなってしまったという話を聞いて、僕は自分が教師の立場だったらどういった行動をとっただろうかと考えました。

 震災当時は土砂災害の恐れがあるため、裏山へ逃げるといった選択はされなかったそうですが、実際は土砂崩れは起きていませんでした。もしあの時、裏山へ逃げるという選択をしていれば、間違いなく多くの命が助かったでしょう。しかし、もし僕が同じ立場だったとしても、当時の先生方と同じ行動をとっていたと思います。なぜなら、彼らは震災のマニュアル通りに動いただけだからです。マニュアル通りに動くことが間違った行動だなんて、津波に飲まれる前は思っても見なかったでしょう。このような悲劇を繰り返さないためにも、これからは防災訓練の見直しや、予想外の出来事に落ち着いて対処する能力の養成などといった準備を次の震災までにする必要があると思いました。 

 

 生徒たちにとって、阪神淡路大震災が昔話になりつつある今。もちろん身近なところにもたくさん遺された資料はあるのですが、宮城県へ行って大学生やもう少し上の世代の方々から生の体験談を聞き、痛々しい震災の爪痕をその目で見てきたことは、生徒たちにとってかけがえのない経験となりました。被災地で見聞きしたことだけでなく、日々の生活や学習から更に幅広い知識や技能を身につけて、災害時には若者の中心となって動けるようなたくましい人に成長して欲しいですね。それが今回お世話になった方々への一番の恩返しだと思います。

(生徒指導部 NM記)

天文気象部・星初め

1月8日(土)好天に恵まれ、絶好の観測日和。本校B棟最上階、天文ドームにて県立北須磨高校サイエンス部顧問の先生を講師にお招きし、2022年星初め(ほしはじめ)を行いました。土星の環や木星の衛星、プレアデス星団(すばる)、オリオン大星雲などの天体を観測することができ、部員一同大喜びでした。在校生の部員だけでなく、43~38回生までの卒業生も駆けつけてくれ、とても楽しい時間を共有することができました。

本校の天文ドームに設置された望遠鏡はシュミットカセグレン式で、反射式と屈折式の複合望遠鏡です。県下有数の大口径なので、オープンハイスクールや文化祭でぜひ皆さんに見て頂けると嬉しいです。今年も、天文気象部をよろしくお願いします。

兵庫県高校生等防災ジュニアリーダー宮城県派遣

本日「兵庫県高校生等防災ジュニアリーダー」として、本校生徒会役員2名が宮城県に向けて出発しました。兵庫県立舞子高校の先生方の引率の元、舞子高校の生徒さん21名に加え、龍野北・洲本実業・宝塚東・尼崎小田高校の生徒さん18名とともに本日より二泊三日の研修旅行です。宮城県では東松島市・石巻市・多賀城市を訪問し、震災遺構や集団移転地区の視察、現地高校生や語り部の方との交流などを行う予定です。

 

今年は阪神淡路大震災から27年、阪神大水害からは84年になります。災害で失われたものは大きく、すべてを元に戻すことはできませんが、災害から得られた知識や知恵を私たちは次世代に引き継いでいかなければなりません。コロナ禍ではありますが体調管理に気を付けて、東日本大震災の被災地で多くのことを学んで帰ってきて貰いたいと思います。

2022年も、頑張る甲北生の応援をよろしくお願いします!

(生徒指導部 N記)