取り組みのハイライト

創造基礎A「米中対立における日韓関係の位置づけ」

本校同窓会館において、創造科学科4期生(1年生)40名を対象に、立命館大学客員教授・外務省顧問の薮中三十二氏をお招きし、「米中対立における日韓関係の位置づけ」というテーマで講義を行いました。前半は、グローバルリーダーの資質やトランプ大統領と米国の世界に与える影響について生徒と議論しながら話を進めていただきました。後半は、今後の日米関係のあり方について「日米同盟の強化」「自衛力の強化」「多角外交の推進」という3つ観点からディベートを行いました。そのうえで、日韓の現状とこれからについて講義をしていただいた。講義時間は3時間半に及び、生徒からは質問が途絶えることなく熱気に満ちた講義となりました。

  


〈生徒感想〉

 この講演を聞いて、活発に議論したことで、クラスのみんなは(僕も含めて)多くが薮中さんの意見に賛同したと思います。しかし、それだけでいいのでしょうか?このままでは他の凄い人の意見を信じてばかりだと薮中さんからの隠されたメッセージが見えるような気がします。韓国との交渉においても、自分の言うべきことはしっかりと言う必要があるのと同じように、私たちも自分の意見を持つべきだということだと思います。今回3パターンの日本の防衛方法について議論をしたときに、思い切って自分の意見を言うことができ、そのような力が身についたと思います。今後は、その意見を正確・簡潔にまとめて話す力をつけていきたいと思います。


 今世界で最も深刻な問題になっているのは「アメリカの力が強すぎること」である。現アメリカ大統領のトランプ氏は、瞬発的に物事を考え行動する人で、先のことをあまり見通せていない人物。アメリカファーストの精神を掲げており、同盟や機構等、今までの制度が崩れ落ちている。大統領の力が大きくなり、また、SNSが広く普及したことにより、直接的に止める者がおらず、世界システムが瓦解し始めている。また、中国が着々と力をつけてきており、将来は、アメリカと対等に並ぶかもしれない。世界(特にアメリカ)が中国をどのように見ているかが、今最も注目すべき点である。そして日本も、ハードパワー、ソフトパワーともに大きく、世界からの評価も高く信頼も厚い。今の日本は「外交力」が試されている。韓国との問題も下手に出ず堂々とし、前向きな交渉を進めることが最も重要である。いかに日本の外交力を世界にみせられるかで、今後の立場が大きく変わる。


 薮中先生は「みんながグローバル人材である必要はなく、世界を相手にする者のみがグローバル人材であればよい」とおっしゃっていましたが、私はそうは思いません。流通革命が起きた今、海外からの輸入品が日本の市場に広まり、国産の商品の売れ行きは減少傾向にあります。これは日本にグローバル人材が少なかったためではないでしょうか。私は「みんながグローバル人材である必要はない」のではなく、「グローバル人材しか生き残りが困難な市場」になっていくのだと思います。また、私は日本の国力を上げるのが最優先だと思いました。なぜならアメリカやアジア諸国と強いつながりを作るのには、日本に協力するメリットが相手にないからです。